塾に二人で行く途中お囃子の音が聞こえてきて…
佐々木「そういえば今日は夏祭りだったね。
どうだい?まだ時間も結構あるしちょっと寄っていかないか?」
キョン「意外だな。佐々木がこういう行事に興味があるなんて。」
佐々木「くっくっ、これでも昔は家族でよく行ってたんだよ。
なんていうかあの雰囲気が好きなんだ。久しぶりに行ってみたくなってね。」
(祭なんか興味もないし的屋なんかに高い金払うのは気が進まないが仕方ないだろう
実質デートじゃないか。「夏」「二人きり」「夕暮れ」さらに祭の雰囲気もあいまって…
くっくっ、流石のキョンとはいえこのシチュでフラグを折れるわけがない。)
キョン「そうか。じゃあ時間もあるしちょっと寄ってくか。
出店もいっぱい出てるみたいだが。佐々木、何かやりたいのあるか?」
佐々木「そうだね…でもまずは一通りまわってみようじゃないか。
時間もあるしそれからでも遅くはないだろう?」
キョン「そうだな、そうするか。」
そうして時間は経ち…
キョン「おっ、もうこんな時間か。佐々木、そろそろ行かないとやばいんじゃないか?」
(まずい、このままではまた何もないまま終わってしまう…何とかしないと…)
佐々木「まぁそうだけどこれからがいいとこじゃないか。お祭は夜からが本番だよ。
どうせ今日は英語だけだ。それにあの教師はあまり教えるのが上手くないし…
僕が教えた方がよっぽど上手いと思うんだが」
キョン「佐々木が教えてくれるとやたら分かりやすくていいんだが…いいのか?佐々木?」
佐々木「もちろんだよ。そもそも祭りに行こうと言い出したのは僕だしね。
それじゃあ荷物になるからできなっかた金魚すくいとか色々やろうじゃないか」
(ここで金魚を取っておいてお互いに飼ったりすれば…)
キョン「そうだな。でも金魚すくいなんかやるの久しぶりだな。小学生以来か。」
佐々木「くっくっ、これにもコツがあるんだよ。いいかいキョン。
まず紙を水につけるときはポイの裏表に気をつけて斜めから一気にそうっとに水に浸けるんだ。
そして狙い目は表面近くに浮いている小さめのがオススメかな。
彼らは酸欠状態ですばやい動きが出来なくなっているからね。すごく掬いやすいんだ。」
キョン「よし!一匹掬えたぞ佐々木。あっ!もう一匹掬えた。」
佐々木「僕も負けてはいられないな…よし………あっ………」
キョン「おい佐々木。なんかすごいでかいのが掬えたぞ」
佐々木「おじさん。もう一回。」
キョン「こんなの掬えたのは初めてだな」
佐々木「うぁ……ああっ………くそっ……」
キョン「佐々木?」
佐々木「ぁぁ…キョンすごいじゃないかそれは「紙破り」とか言われるクラスのじゃないか
1匹250~500円くらいするからそれが掬えればもとがとれるんだよ……あっ……おじさん…もう一回……」
キョン「そうなのか。なんか得したな。あれ?佐々木まだ掬えてないのか。どうしたんだ?」
佐々木「ちょっと待っててくれないか。もう少しで掬えそうなんだ。……あっ……よし!掬えたぞ!」
キョン「………なぁ佐々木、俺いっぱい取れたし、金魚やろうか?」
佐々木「くっくっくっ、いや…遠慮しておくよ。僕も取れなかったわけじゃないし
自分で掬ったからこそ愛着がわくというものだよ。
それはそうと持って帰ってこの金魚を飼おうか。金魚はちゃんと飼えば結構長生きするんだよ。」
キョン「そうなのか。ホントに佐々木はいろんな事に詳しいな。
てかそろそろ祭りもお終いみたいだ。帰ろうぜ。後ろ乗れよ。」
佐々木「うん、ありがとう。」
キョン「なんか久しぶりに遊んじまったな。最近はあんまり遊んでなかったし。」
佐々木「僕も祭りをこんなに楽しめたのは初めてだよ。
小さい頃から変に賢しかったからなんか純粋に楽しめなかったんだ…
でもなんでだろう…今日は自然に楽しめたんだ……なんでだろうね?」
キョン「さぁ?何でだろうな?好きなやつとでも来ればもっと楽しかったんじゃないか?
まぁよかったな。楽しめて。」
佐々木「……そうだね……」
後日、休んでたぶんの英語を教えながら…
佐々木「そういえばキョン。あのときの金魚は元気かい?」
キョン「あぁ、あの時の金魚か。妹にあげちゃったから良く分かんないんだよな
スマン、佐々木。」
佐々木「ですよねー。」
みたいな。
最終更新:2007年07月30日 22:05