子ども達も寝静まり、久し振りに夫婦の時間となるわけだが。
「…………考えてみたら、夫婦の営みなんて久し振りだったな。」
「日々に追われているからね、お互い。」
妻は研究職、俺はしがない総合職。子ども達に振り回され、こうした休日もまた久し振りになる。
「しかし、まぁ、なんだ。お前は体型変わらんよなぁ。」
「そう言ってくれるのは嬉しいが、あの時みたいな綺麗な身体ではないさ。
……胸は子ども達に吸われて萎み、お腹だって妊娠線が走ってマスクメロンだ。」
妻は布団を捲る。
「……改めて見ると、そうだよなぁ。」
「『女』から『母』になったんだよ。」
ふむ。しかしな、我が妻よ。
「お前をそうさせたのが俺だという事実が、堪らなく嬉しい。」
髪を撫でながら、妻の身体を愛でる。俺には堪らなく美しく見える妻の身体。
妻はそっぽを向くと、布団を被った。……どうやら恥ずかしかったみたいだな。
「……ったく。キミはいつも私の思考をノイズだらけにする。」
「そうかい。」
ぽむ、と頭に手を乗せる。
「……一緒にジジィとババァになろうな。」
「プロポーズの言葉がそれだったよね。有史以来最悪のプロポーズだったよ、全く。」
――――
隣の部屋――
「……ったく、お盛んだよなぁ、あの中年ども。声がでけぇんだよ。」
「まぁ、仲悪いよりいいわよ。……当てられるのがなんだけど。」
「ハァ……長門……」
「キミ、長門さんとまだしてないしね。」
「……待て。その言葉、聞き逃せんぞ。お前まさか……」
「さーね。想像に任せるよ。長門さんは僕の親友だし、親友に隠し事はしないだろう?」ニヤリ
「テメー!」////
――
「……まだ起きてやがったのか……。近所迷惑な……。」
「仲悪いより結構な事だよ、キョン。」
明日は月曜日。ま、ぼちぼちやるとするかね。
END
最終更新:2013年08月04日 17:12