16-717「佐々木さん高校について語る」

あれから調べたのだがね、キョン。
大学はそもそも中国語の大学から来ている。
小学校は、元々が「尋常小学校」という名称からきているとおり、
大学に対応するものとして小学の名を関したのだと想像できる。
中学はその上、ということだろう。
従来は中学の進学自体がすくなく、ある種の「高等教育」の場であったこともある。

肝心の高校についてなのだけれど、
高等学校というのは、高等教育(=専門教育、今でいう大学教育)ではなく、
高等普通教育を教える場なのだそうだ。

で、ここで話は変わるのだが、キョン、小学校~大学までをできうる限り略称で
読んでくれたまえ。
そう、順に、
小学校(あまり略さないね)
中学(まあ普通だろう)
高校(これを高等とか高学とは言わない)
大学
となる。

まあ何を言わんとしているかといえば、高等教育の定義の問題というより、
単に語呂の問題なんじゃないかという恐れが、今僕の胸中に、台風直前の
暗雲のごとく広がっているというわけさ。
なにせkou-gakuよりは、kou-kouの方が遥かに呼びやすいもの。
工学、後学、向学と、近い範囲に同音異義も多いからね。

つまり、まあ、
やれやれ
というわけさ。




正確に言うとね、「大学」(中国の「大学」から中世日本の大学寮へと継承)があった。
まあ、今の大学と大学寮はずいぶん意味合いが違うらしいけど高等教育機関として、まず「大学」の名が選ばれた。
それに対応して「大」⇒「小」学校⇒大と小の間で「中」学校。
は間違いないと思うんだ。
高校については、もともとが高等専門学校、いわゆる高専との絡みとか、
「高等教育」というのが、初期は大学だったり、普通教育の意味での「高等普通教育」が
中学校だったりで、ちょっと位置づけが違ってきてるんだと思う。

このあたり、西洋のユニバーシティ(総合大学)、カレッジ(単科大学)の区分とか、
あるいは、ハイスクール、ジュニアハイスクールと比べてみても面白いだろうね。
調べてないけど、多分日本より初等教育普及が、教育史全体の中では遅れていて、
大学⇒その下の専門課程としてのハイスクール、その下だからジュニアハイスクール
という順番ではないかと思う。
まあ日本6・3・3システム自体、普遍的なものではないし、ドイツやフランスのように、
高校、というのが、わりと高専よりのシステムもあるから、この夏の課題としてみるのも面白いと思うよ。

根底にあるのが、
日本の場合、高い識字率に支えられた一般教育の普及(小中高)+高級官僚の育成(大学)
だったり、
西洋の場合、公的機関は中流~下流の人が通うもの、プライベートスクールか家庭教師が
上流階級の教育、というケース(特にイギリス)があったり、
小中学校以降、仕事に直結した専門高等教育(いわゆる高専)を重視する仏独とか、
その国の歴史や伝統が透けて見えて面白い課題ではあるんだ。

まあ、一ついえるのは、高校生の5割以上が大学に通い、義務教育化しつつある、
なんていうのは、近年の日本や他数国くらいの異例な事態だし、
そうなってしまうと「高等教育」の意味が違ってきて、大学院がかつての大学化してきたりとか、
そういう特殊な「常識」のもとで僕らが思考していることは、注意しておいた方がいいだろうね。

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最終更新:2007年08月10日 00:07
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