暑い…暦では既に秋にはなっているが、まだまだ残暑も残っている。
夏休みもそろそろ終盤にさしかかっている訳だが…今は宿題がなんとか終わって少ない休みを謳歌しようとしていた。
休みが終わる二日前のある朝の出来事だった。俺は何時もの様にゆっくり寝て勉学で疲れ果てた肉体を休ませていた。
ところが一匹の小悪魔によって平穏な世界が破られようとしていた。
「ねえ、ねえキョン君!起きてよ~!早く起きて~」
妹が俺の部屋にいきなり入って来てフライングボディプレスをやってきたのだ。
「おい、まだ休みなんだからゆっくり休ませてくれ…つーか、お前は俺になーんも用事なんかないだろ?さぁさぁあっちへ行った行った。」
妹は怯まずエルボーやら膝蹴を俺に叩きつける。
「えい!えい、えーい起きなきゃだーめ!」
「分かったから!いいかげん起きるからやめてくれ。いったい俺に何の用だ」
妹は勝ち誇った顔をしながら俺にとってとんでもない提案を言ってきのだ。
「んとねぇ、キョン君海行きたい。今年行ってないから連れてってよ」
おいおい?今更海なんか行きたくない。めんどくさいし、仕方がないので一言言ってやる
「却下だ。おふくろか親父に言え…それじゃお休み」
また例の攻撃が来ると思い妹の来襲に備え体を防御態勢にする。だが
「うぇーん、グスッ…キョン君の意地悪!お母さーんキョン君がねえ」
待て!やばいおふくろに妹を泣かせたと分かられたら小遣い大幅にカットの可能性がある。くっ仕方がない
「分かった、分かったから連れてってやる。やれやれ」
と言うと急に嬉しそうな顔に戻った。その時、奴の右手には目薬を握っていた。完全にやられた…恐るべき小学生
「あとね、ミヨちゃんも一緒でいい?約束してたの」
まぁいいさ一人増えようが関係ないし、まだ子供だから心配する事無いか…
「ああ、別に構わんぞ。待ち合わせはどうする?俺達が迎えに行くか?」
「うん、用意できたら行こう。」
その後俺と妹は急いで海に行く準備をし玄関から出ようとした。すると
「おはようキョン。今偶然近くを通ったので挨拶でもと寄ってみたのさ」
佐々木が玄関先にいたのだ。近くを通ったくらいで挨拶とは律儀な奴だな。
「よう!佐々木、朝からお前に会うとは思わなかったぜ。」
佐々木はくっくっくといつもの笑いをしながら俺達の格好を見ていた。
「今からお出かけなのかい?君は相変わらずやさしいねキョン。」
「あたしとキョン君は、海に行くの!いいでしょう。えへへ」
別に羨ましくなんてないいだろう。俺は保護者として行かねばならんのだ。
「そろそろ迎えに行かないとやばいな。すまんが俺達は出掛けるよ」
「あっ近くまでなら付き合うよ。撲は、少し君と歩いてみたいからね」
妹はにやけながら何かを含んだ顔をしたが、まあ気にする事無いだろうな
「じゃあ行こうぜ。」
お前も変わっているなわざわざ反対方向に行くのに、一緒に歩くなんて…
そんなこんなでミヨちゃんとやらの家に着いたがそこには中学生位の女の子が立っていた。
「おーいミヨちゃんおはよう~!」
すると中学生位の女の子がこちらを向きながら会釈をする。
「おはよう、あっ初めましてお兄さん。」
うむ、マジで愚妹の同級生か?体の作りがまったく違う…身長も高い、それに小学生らしからぬ胸。顔は美少女的な可愛らしさがある将来期待できるな
「…あの……私の顔に何か付いいていますか?」
はっ思わず見とれてしまった。おい俺、相手は妹の友達。それに小学四年生だぜ「あははは違うんだ家の妹と比べたらこんなに違うのかと思ってさ」
「ぶーっひどいよキョン君確かにミヨちゃんは可愛いしおっぱいだって有るけどあたしだってこれからまだまだは大きくなるもん」
「無理だ。それはない」
きっぱり言ってやった。しかし最近の小学生は発育がいい。五年たったらどうなるのやらだ。
背後から冷たい視線を感じる。佐々木さんなんでそんな顔をしているのですか?
「…まぬけ顔…」
ホワーイ?何故なんだよ!俺お前に何か言ったか?女って奴は分からん
「ねえキョン君?そろそろ行こーよ電車に間に合わなくなるよ。」
あっ!そうだよ。俺は妹に言われるまでまったく気が付かなかったなぁ。佐々木は何かを考えているようだった。
そして自分の携帯に電話をかけ用件を言い手早く切った。
「…あ、あのさ僕も一緒に行ってもいいかな?僕も急に海に行きたくなったんだ。」
まぁ別に構わないが…お前が急に行きたくなるとは思わなかったぜ。
その後俺達は佐々木の家に寄って駅へ行き、電車に乗ったが佐々木はミヨキチ(妹に教えられた)に対して態度が…冷たいというか…こんな内容だった。
『君は本当に小学生なのかい?くっくっ』
『へぇークラスの男子に変な目で見られないのかい?僕はそんな目で見られた事無いよ。』
『その胸重くないの?僕は小さいから関係ないから分からないなぁ』
まっそんなこんなで嫌な空気が流れていたわけさ…ミヨキチというと何も言えなくて俯いたり、【はぁ…】【いいえそんな事有りません】
まるで姑と嫁のバトルを見ている様だった。まったく佐々木の奴何を考えているんだ。
さすがに妹も苦笑いをしていた。でも息苦しい電車の旅も終わり海に着いたのだ。
俺は一番先に荷物をおろしパラソルを立て準備して水着に着替えるだけなのだが…後は女性陣が着替えてこちらにくるのみだが
その後最初にきたのが妹が出てきた。まぁ解説する必要なし、それに続いてミヨキチだった。
可愛らしいピンクのワンピース思わず俺のジョンが騒ぎだそうだったぜ。なんせバレたらロリコンと言う不名誉のあだ名に変改される事だろう。
「あ…お兄さん似合いますか?」
「とても似合っているし、その水着可愛いぞ。」
顔を真っ赤にして俯いた。いやー思わず萌えてしまったのはここでは内緒だ。
「キョン君あたしは似合ってる?ねーねー」
こ、こいつは!仕方がない…後が恐いからな一応褒めるか。
「子供らしくていいんじゃないか…お前らしくて」
なにやら気分が損ねたようだ。ミヨキチと砂浜で遊びに行った
やれやれ…しかし佐々木奴遅いな、一体どうしたのだろう…ん?背後から気配がする
噂をすると影と言う事か
「お待たせキョン、どうこの水着似合っているかなぁ?少し冒険したんだがね」
なんとコメントしたら良いか言葉に詰まる。なぜなら真っ赤なビキニを付けていたのだが…
その胸は明らかにパット入れているのバレバレだぜ。まあ、あいつも女だしミヨキチにこれ以上被害が来ないように褒めてやるか
「おお良く似合っているぞ佐々木。お前の細身のスタイル似合っている」
佐々木は俺に一括し海に向かっていった。うーむ…俺不味い事言ったかな?
そう言えば俺はあいつに大事な事を言わなくちゃいけない。今がその時じゃないか
「おーい佐々木!すまんがちょっと来てくれよ。お前に言う事があるぞ!大事な事だから、頼むから聞いてくれるか?」
佐々木は顔を俯きながらこちらを向く、良く見ると顔がほんのり赤い…
「な…んだい…僕に言いたい事とは…君の口から直接聞けるなんて…」
「あぁ今から言うから聞いてくれ…海に入るときは体操してから入れよ。足が吊って溺れるかもしれないからな」
ん?佐々木さん何故般若みたいな顔をしているのですか?
「キョン…君って奴は…僕がこれほど…くっ」
こぶしを握り俺の顔面にストレートをおみまいしたのだった。
「ぐはっ…痛てえ…」
その後お陰で昼飯代は俺の奢りと言う事になった。女と言う生き物の考えはさっぱり分からない。
最終更新:2007年09月17日 00:50