今日は私の誕生日・・・佐々木団全員で騒いでいる。
でも私は心から喜べない・・・キョンが来ていないから・・・
「すまん、佐々木。妹の友達がちょっと熱をだしてな、ちょっと
見舞いに行こうと思うんだ。今日は来れそうにないかもしれない。ごめんな。」
これが朝、キョンから来た電話・・・妹さんの友達はきっとミヨキチという子だろう。
君はなんだかんだいっても何かあったらいつも気にかけてくれる。
そこが好きになったのだから文句は言えないけど・・・ねぇ、僕ももういっぱいいっぱいだよ。
橘さんとコップがいつのまにか入れ替わっていたり・・・
九曜さんがトンガリコーンを指にはめていたり・・・
ポンジーが消されたり・・・
いつもの佐々木団の光景だ。でも今の私は愛想笑い・・・
ゴメンね、みんな。なぜか心から笑えないんだ
ちなみに橘さんにスペインで一緒に住んでみませんかと聞かれたが断っておいた。
スペイン・・・偶然だよね?まさかね・・・
その日の誕生会、キョンはついに来なかった・・・
その夜僕は枕を抱きしめて泣いていた・・・君がもし来たらプレゼントは何くれたのかな?
コンコン
窓を叩く音が聞こえる・・・!
「キョン!こんな時間にどうしたんだい!?」
「まだ日付は変わってないだろ。遅くなったが誕生日おめでとう、佐々木。」
そういってキョンは一枚の紙を渡した・・・これがプレゼント?開いてみてビックリした。
「キ、キョンこれは・・・婚姻届じゃないか!」
「ちょっと数年早いけどな。お前の驚く顔が見たくて一生懸命考えたんだ、どうだ?」
「キョン、僕の勘違いかな?これって・・・
「ああ、先約だ。割り込み禁止だぞ?」
「当然じゃないか。さぁキョン玄関ににまわってあがってくれ。」
「親にばれるぞ?佐々木。」
「この週末はいないんだ。先約するならそれなりの手続きをしてくれなきゃね。」くっくっ
プルルルルル プルルルルル
ん?あれ?キョンがいないよ。ああ、あのまま眠ってしまったのか。
しかしいい所だったのに邪魔をしないで欲しいな・・・誰だい?邪魔したのは・・・
プルルルルル プルルルルル
あ、電話か、こんな朝っぱらから不謹慎な・・・ちょっと説教してやろうか・・・
「もしもし、佐々木ですが?ど・ち・ら・さ・ま・で・す・か?」
「あ、佐々木。俺だが・・・すまん、起こしたか?」
あれ?きょん?あ、どうしよう。怖いやつと思われたかな?
「ど、どうしたんだい?こんな朝早くから・・・」
「今日暇か?昨日いけなかったからさ、一緒に出かけないか?実はもうお前の家の玄関の前なんだが・・・」
うそ?玄関?どうしよう、まだ髪梳かしてないし・・・あ、あのまま寝たからお風呂も入ってない。
でもこのまま待たせるのも悪いし・・・
「ど、どうぞ。ね、寝起きだからこんな髪なんだよ。勘違いだけはしないでくれたまえ。
僕の部屋で待ってもらってかまわないが家捜しはしないでくれ。僕は風呂に入ってくる。
覗いてもダメだよ。君の理性に僕は期待するよ、くっくっ。」
「覗くわけないだろ、あたりまえじゃないか・・・」
「キョン、僕の体はそこまで見る価値がないといいたいのか?さすがの僕も怒るよ?
そりゃ朝比奈さんに比べたら僕は小さいそれは認めよう。だからといって見ないという選択肢が
どうしてでてくるのか分からない。だいたい人を見るときは心といつも僕は君に・・・
「・・・俺は覗けばいいのか、ダメなのかどっちだ佐々木。」
「の・ぞ・く・な!!」
まったく君というヤツは本当に・・・・・・・・・あ、既成事実を作ればよかった・・・
僕としたことが・・・キョンの脳内の90%は支配できたのに・・・
そして僕はシャワーを浴びている途中でとある事にきづいた・・・
机の上のキョンの写真アルバムNo.28は直したっけ?いや直していない。ばれたら変な女と思われる!
ダダダダダダ ガチャ
「キョーン、机の上とかは見てないよね?ね?」
「ちょ、服を着て来い!!!佐々木っ」
うぅ、どっちにしても恥ずかしい姿を見られてしまった・・・
「キョン、すまない。」
「ああ、いい。俺は気にしないから。」
気にしないか・・・だよね、君はそういうやつだ。好奇心はあるけど下心はない。
「ところでキョン、机の上は・・・」
「うーん、机の上は見てないんだが・・・ベッドの上にあったやつをちょっと・・・」
ベットの上?何?言うのを躊躇うような物なの?『日記』!・・・まさか・・・
「キョン、一つ聞きたい・・・ほんとにちょっと?」
「えっと、その昨日の分だけ・・・かな・・・」
一番見て欲しくない日じゃないか。昨日は君のせいで荒れてて日記にも妄想があふれていたんだ。
「キョン、僕は中学の頃君に言ったよね?過度な好奇心は身を滅ぼすって・・・
どうやら今日がその日らしい。そうこれに書いてある通りだ。僕が君の事をどう思っているか・・・
でも見られたからには僕はもう嫁にはいけない・・・たった一人を除いてね。
どうか僕を貰ってくれるかい?キョン・・・」
いきなりキョンの顔が近づいて・・・離れた。ほんの一瞬の出来事。ど、どんな味か思い出せない。
「今は貰えないがこれでいいか?」
くっくっ、キョン、君ってヤツは・・・
「キョン、さっきは不意打ちだろう?味が思い出せない・・・もう一度してくれないか?
今度はさっきよりもロマンチックに頼むよ?」
「ああ、いくらでも。」
そうして僕らは再び唇を近づけあった・・・
「キョンこの幸せが僕が思い描いた所まで続かせたいのだが?」
「佐々木、お前の日記に書いてあった妄想はいつまで続いてるんだ?」
「ふむ、朝比奈さんの言葉を借りれば禁則事項だ。さぁ出かけるよ。僕と君との初デートだ。」
キョン・・・それはね、墓場までさ。くっくっ
糸冬
おまけ
「佐々木、俺の財布が苦しいんだが?」
「乙女の大切な日に来なかった罰と思ってくれ。」
「・・・やれやれ。」
最終更新:2007年09月03日 09:48