13-628「誓い」

「なあキョン、僕はねずっと君に言いたかったことがあるんだ。」
言いたいこと?なんだ。
「以前僕が自分の恋愛観について話したことを覚えているかな。」
恋愛感情なんて精神病の一種、だったか
「ああ、その通りだよ。」
言いたい事ってのはそれか。好きな奴でも出来て変わったのか?
「いいや、僕は今でも恋愛感情は精神病の一種だと思っているよ。むしろ最近になってこの持論に確信を持ったね。」
確信ねぇ
「くっくっ、なにせ僕自身その精神病を身をもって味わっているんだよ。」
恋煩いってやつだな
「そうとも言うね。この感情を悟らせない自信はあるんだ、相手は超が付くほどの鈍感だしね。
それに『いずれ離ればなれになるんだ、時間が経てばこの病も治るだろう』とも考えていたんだが、
どうやら僕はこの病を甘く見ていたらしい。」
なんだかんだ言ってお前も女の子してるんだな
「くっくっ、そうかな?実際離ればなれになってみると病は治るどころか加速度的に重くなっていったよ。
始めは写真をみて時折思い出に浸るぐらいですんでいたんだ。
それが次第に朝、君はやっぱり自転車で登校しているのだろうか、とか
学校では中学校の時と同じように授業をちゃんと聞いていないんだろうな、
放課後は涼宮さん達と楽しくやっているんだろう等と思いを馳せるようになり、
夜に至ってはキョンの夢が見られるようにと願うまでになってしまった。この僕がだよ?くっくっ。」
お、おい、佐々木?何言って・・
「そしてキョン、君の自転車の後ろに僕じゃない人物-特に涼宮さんが乗っているところを想像するだけで気がおかしくなりそうなんだ。
恋を形容する言葉に『狂おしい』というものがあるが、全くよく言ったものだね。
なあキョン、想うだけで気がおかしくなるなんて精神病以外の何物でもないだろう?」
待て、俺はお前が何を言いたいのかさっぱりわからん。
「やっぱり鈍感だね、君は。まぁいいさ、本当の本当に言いたいことはこの後だしっかりと聞いていてくれよ?」
・・・わかった
「キョン、僕は君が好きだ、いや愛している。おしゃべりな僕が言葉に出来ないほどに。
だからどうか『わかった』と頷いて欲しい。僕は涼宮さんのような元気さ、リーダーシップなんか持っていないし、
朝比奈さんのように可愛らしくもない、かといって長門さんのようにおとなしいわけでもないただの変人だ。
しかし君を想う気持ちなら誰にも負けてはいない。
もし君が女の子らしい娘が好きだというのなら僕は今からでも女言葉を使うし誰よりも女らしく振る舞おう。
僕が持つ力が嫌だというのならもう絶対に使わない。おそらく僕みたいな変わり者がこんな気持ちになるのは後にも先にも君にだけだろう。
だからキョンもう一度言おう、どうか今から問うことに『わかった』と頷いて欲しい、一生のお願いだ。





君を愛している、だから・・・私を生涯の伴侶として隣に隣においてください。」





『誓い』

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最終更新:2007年07月19日 21:21
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