何も予定の無い日曜日の朝は、誰にも邪魔されずに寝坊することが何よりも
貴重な時間になるのだが、どうやらそうではなかったようだ。
「ねえ、早く起きてってば?!」
そう言いながら俺を揺さぶる声は、聞き覚えのあるような若い女性の声だ。
誰だよ、朝から。
今日は予定は何も無いはずだ、ゆっくり寝かせてくれ。
「遊園地!約束でしょ!!」
そうだったか?俺の記憶じゃ、今日は不思議探索も、未来からの指令も無い
はずなんだが。
「何、寝ぼけてるのよ!もう、早く起きて!!!」
俺はやれやれと、聞き覚えがあるような無いような声に促されて、起きる。
「ほら、しゃんとして、早く」
布団から上半身だけ起きあがった俺の肩が揺さぶられながら、俺は傍らのデジタル
表示の時計を見ると、時刻は午前6時30分だ。
なんだよ、どこか出掛けるにしても、早すぎじゃねえか?
俺を起こした人物に抗議しようと、頭をふって眠気をふりほどき、目を開いた。
「・・・さ、佐々木?なんでお前がここに居るんだ?!」
一瞬にして、俺の眠気は吹っ飛んだ。
そこには、俺が中学3年の時に学校と塾でずっと顔をつきあわせていた美少女が
立っていた。
「寝ぼけないの。さっさと起きて!」
俺のほっぺたを笑顔のまま両手でつねると、佐々木のやつはさっさと部屋を出て行く。
「お母さん!お父さん起きたけど、まだ寝ぼけてるから、ちょっと時間かかりそうよ」
・・・ああ、そうだったな。
最終更新:2008年01月26日 23:31