プロローグ
今とは違う時代。彼の地にあるという『スダドアカ・ワールド』。
水と緑に囲まれ、人間とMS族が平和に共存する理想郷である。
水と緑に囲まれ、人間とMS族が平和に共存する理想郷である。
ここはラクロア王国。辺境に位置し、かつて勇者が現れたという古い言い伝えが残る、平和を愛する国。
そしてその王の間では近頃不審な動きを見せる遥か遠方のザフト王国に対し、情報を集めるために送っていた諜報員がやられたとの知らせをうけたラクロア王シーゲルは騎士団の重闘士バスターを呼び出し、諜報員の任務を引き継いでザフトの不穏な動きに関する情報を集めてくるよう命じた。
「必ず生きて帰ってくるのだぞ…」
「陛下、お任せを。必ずザフトの真意を確かめて参ります」
翌日バスターは自らの代わりを仕立て上げ、身分を隠しザフト王国へと旅立った。
だがしばらく経つとバスターからの連絡も途絶え気味となり、それから更に数日が経った…。
そしてその王の間では近頃不審な動きを見せる遥か遠方のザフト王国に対し、情報を集めるために送っていた諜報員がやられたとの知らせをうけたラクロア王シーゲルは騎士団の重闘士バスターを呼び出し、諜報員の任務を引き継いでザフトの不穏な動きに関する情報を集めてくるよう命じた。
「必ず生きて帰ってくるのだぞ…」
「陛下、お任せを。必ずザフトの真意を確かめて参ります」
翌日バスターは自らの代わりを仕立て上げ、身分を隠しザフト王国へと旅立った。
だがしばらく経つとバスターからの連絡も途絶え気味となり、それから更に数日が経った…。
式典の日
――――ラクロア王国、式典の日。
この日は年に一度、優秀な働きをした者に名誉ある称号を与える勲章式が行われる日でもあった。
王の側近の近衛騎士であるデュエルとイージスは、有時に備え王を守るための準備に勤しんでいた。
「今日はようやくストライクが騎士の称号を授かる日ですね」
布を手に、自慢の盾の手入れを終えたイージスが微笑む。
「あぁ、ようやくあいつも一人前の男だ。兄として、これ程嬉しい事はない」
デュエルも微笑み、自身の武器である二対の剣の片方を手に呟く。
「…これであいつも剣の道を選んでくれるだろうか」
「騎士になるまでよりも、なってからの方が長いんです。そのうち彼の気も変わりますよ」
「そうだと信じたいものだ……ん?」
突如、談笑している二人の正面にある大きな鏡が歪み黒く濁った何かが映し出される。
徐々に形を安定させるその何かへと目を合わせたデュエルとイージス。
身構えた二人だが『それ』を認識した瞬間、そのままの姿勢で動きを止める。
やがて式典が始まる時間となり、二人は一切の言葉を交わす事なく部屋を出た。
この日は年に一度、優秀な働きをした者に名誉ある称号を与える勲章式が行われる日でもあった。
王の側近の近衛騎士であるデュエルとイージスは、有時に備え王を守るための準備に勤しんでいた。
「今日はようやくストライクが騎士の称号を授かる日ですね」
布を手に、自慢の盾の手入れを終えたイージスが微笑む。
「あぁ、ようやくあいつも一人前の男だ。兄として、これ程嬉しい事はない」
デュエルも微笑み、自身の武器である二対の剣の片方を手に呟く。
「…これであいつも剣の道を選んでくれるだろうか」
「騎士になるまでよりも、なってからの方が長いんです。そのうち彼の気も変わりますよ」
「そうだと信じたいものだ……ん?」
突如、談笑している二人の正面にある大きな鏡が歪み黒く濁った何かが映し出される。
徐々に形を安定させるその何かへと目を合わせたデュエルとイージス。
身構えた二人だが『それ』を認識した瞬間、そのままの姿勢で動きを止める。
やがて式典が始まる時間となり、二人は一切の言葉を交わす事なく部屋を出た。
近衛騎士の反乱
あぁ、まずい事になったな。ラクロア城へと急ぎながらこの日の主役とも言える若者、闘士ストライクは昨日の事を思い出す。
仲の良い友人達が前祝いだといって酒場で祝賀会をしてくれた。
それは良しとして、その後ハメを外しすぎたのがいけなかった。
兄さんにあれほど明日は早いのだから早めに帰るように言われていたのに結局その日は夜中まで騒ぎ、家に帰ってそのままの格好で寝てしまった。
起きたのは日が出てかなり経った頃。式典はもう始まっているだろう。
兄は自分と違って特別な立場についているので早朝には出たに違いない。その時起こしてくれればよかったのに。とは言っても、毎度起こされても二度寝してしまう身なので文句の言い様がない。
さて、一体全体どう言い訳しようかと無い知恵を絞り出す。
しかし、まわりを見渡すとどうもおかしい。煙が上がり叫び声がこだまするこの状況はどう見ても式典の雰囲気ではない。
「ケガ人を最優先で助け出せ!消火作業は西側から行え!」
息を切らしながらどうにか城に辿り着くと、兵士ダガー達が大騒ぎしながら駆け回っていた。
何事かとその様子を呆気にとられて眺めていると崩れた城門の下から声がする。
慌てて助け出すと、声の主は城の門番の兵士だった。
「何があった!」
ストライクは門番を、城門の原形をとどめている部分に寄りかからせてやり事情を聞きだす。
「デュエル殿と…イージス殿が…式典の途中、突然陛下を…手に、かけたのです…」
「はぁっ…?兄さんとイージスが!?そんなバカな!」
間の抜けた返事をしたのもつかの間、信じられないと言わんばかりにストライクは声を荒げる。
「本当です…お二人は同時に襲ってきたザフト軍と共に、国をこのような状態にしてそのまま一緒に…ぐっ」
僅かな逡巡の後、混迷を極める城下町を見つめこれが冗談や余興ではない事を悟ったストライクは、
「ザフトだと…一体どういう事なんだ!」
門番を他の兵士の元まで連れて行くとザフトが向かった大体の方向を聞いて、国を飛び出した。
仲の良い友人達が前祝いだといって酒場で祝賀会をしてくれた。
それは良しとして、その後ハメを外しすぎたのがいけなかった。
兄さんにあれほど明日は早いのだから早めに帰るように言われていたのに結局その日は夜中まで騒ぎ、家に帰ってそのままの格好で寝てしまった。
起きたのは日が出てかなり経った頃。式典はもう始まっているだろう。
兄は自分と違って特別な立場についているので早朝には出たに違いない。その時起こしてくれればよかったのに。とは言っても、毎度起こされても二度寝してしまう身なので文句の言い様がない。
さて、一体全体どう言い訳しようかと無い知恵を絞り出す。
しかし、まわりを見渡すとどうもおかしい。煙が上がり叫び声がこだまするこの状況はどう見ても式典の雰囲気ではない。
「ケガ人を最優先で助け出せ!消火作業は西側から行え!」
息を切らしながらどうにか城に辿り着くと、兵士ダガー達が大騒ぎしながら駆け回っていた。
何事かとその様子を呆気にとられて眺めていると崩れた城門の下から声がする。
慌てて助け出すと、声の主は城の門番の兵士だった。
「何があった!」
ストライクは門番を、城門の原形をとどめている部分に寄りかからせてやり事情を聞きだす。
「デュエル殿と…イージス殿が…式典の途中、突然陛下を…手に、かけたのです…」
「はぁっ…?兄さんとイージスが!?そんなバカな!」
間の抜けた返事をしたのもつかの間、信じられないと言わんばかりにストライクは声を荒げる。
「本当です…お二人は同時に襲ってきたザフト軍と共に、国をこのような状態にしてそのまま一緒に…ぐっ」
僅かな逡巡の後、混迷を極める城下町を見つめこれが冗談や余興ではない事を悟ったストライクは、
「ザフトだと…一体どういう事なんだ!」
門番を他の兵士の元まで連れて行くとザフトが向かった大体の方向を聞いて、国を飛び出した。
渓谷の死闘
ラクロアを襲撃し、反乱を起こした近衛騎士を加えてラクロアを出たザフト騎士団。
だが、本国へと帰るため渓谷を抜けようと行軍する彼らを呼び止める者がいた。
自慢の身軽さを生かして必死に追いついた、闘士ストライクであった。
「兄さん!イージス!何故こんなことを!」
二人を強く問い詰めるが、当の本人達が何も答えず剣を抜くのを見てストライクは冷や汗を流す。
「オレも参加させてもらおうか。少しは報酬の足しになる」
「おい、こんなのに構ってる暇はないだろう。適当にあしらうぞ」
さらにバイザーで顔を、マントで身体を覆った黒いMS族と、巨大な武器を持ち元の体型が判らないほど過剰な装備に身を包んだMS族が現れる。
後者の声はどこかで聞いた気もするが、目の前の事態に比べるとあまりに些細な事だ。
正直言って、勝ち目は薄い。かといってストライクは何もせずに死ぬつもりはなかった。
(一発でも殴って、目を覚まさせてやるんだ!)
震える足で大地を踏みしめ、震える手でナイフを握りしめる。溢れそうな雫をこぼさぬよう、目は大きく見開かれている。瞳の奥には怒りや悲しみ、戸惑いなど様々な感情が渦巻いていた。
そして兄と友を含めた四人との戦いが始まる。やはりその力の差は歴然で、とてもストライク一人では太刀打ちできない。
囲まれないように注意を払うが、そもそもの動きが違いすぎた。
一人に気を払えば、他の者が次々と襲い掛かってくる。
さらに不可解な事に、巨大な武器の愚鈍な一撃を回避したストライクの目前で、黒いMS族の姿が突然何もない空間に溶け込むように消えた。
驚く暇もなく、見えない刃がストライクを切り刻んでいく。
防戦一方のストライクがイージスの盾による体当たりで吹き飛ばされたのに合わせて、デュエルの二刀流による追撃が決められる。
突破口の無い孤独な戦いに、やがて追い詰められていくストライク。背後には崖が大きな口をあけたように待ち構えている。
式典のために純白に磨き上げられた鎧は、血と砂埃ですっかり汚れていた。
ストライクは弱々しく立ち上がりながら、この苦境においても期待と懇願が混じった瞳で2人を見つめている。
その眼差しを気に入らない様子でデュエルが睨み返した。思わず剣を握る手に力がこもる。
ストライクの心は折れずとも、決着は目前だった。
「愚かなる弟よ…貴様とはここでお別れだ!」
たった一言、どこか嬉しそうに呟くと容赦なく剣を振り下ろすデュエル。
だが、その前に割り込んできた巨大な武器を持つMS族の一撃によって崖に放り出されてしまう。
ストライクは悲鳴を上げながら、最後まで自分が相対した者達から目を逸らすことなく崖底に飲まれていった。
「すまん、手が滑った」
悪びれずに言うと巨大な武器を持つMS族は踵を返し歩いていく。
二人の近衛騎士はそれを不満そうに眺めた後、追撃してきたラクロア騎士団と交戦しているザフト騎士団に加勢、
形勢不利とみたラクロア騎士団は撤退を余儀なくされたのであった…。
だが、本国へと帰るため渓谷を抜けようと行軍する彼らを呼び止める者がいた。
自慢の身軽さを生かして必死に追いついた、闘士ストライクであった。
「兄さん!イージス!何故こんなことを!」
二人を強く問い詰めるが、当の本人達が何も答えず剣を抜くのを見てストライクは冷や汗を流す。
「オレも参加させてもらおうか。少しは報酬の足しになる」
「おい、こんなのに構ってる暇はないだろう。適当にあしらうぞ」
さらにバイザーで顔を、マントで身体を覆った黒いMS族と、巨大な武器を持ち元の体型が判らないほど過剰な装備に身を包んだMS族が現れる。
後者の声はどこかで聞いた気もするが、目の前の事態に比べるとあまりに些細な事だ。
正直言って、勝ち目は薄い。かといってストライクは何もせずに死ぬつもりはなかった。
(一発でも殴って、目を覚まさせてやるんだ!)
震える足で大地を踏みしめ、震える手でナイフを握りしめる。溢れそうな雫をこぼさぬよう、目は大きく見開かれている。瞳の奥には怒りや悲しみ、戸惑いなど様々な感情が渦巻いていた。
そして兄と友を含めた四人との戦いが始まる。やはりその力の差は歴然で、とてもストライク一人では太刀打ちできない。
囲まれないように注意を払うが、そもそもの動きが違いすぎた。
一人に気を払えば、他の者が次々と襲い掛かってくる。
さらに不可解な事に、巨大な武器の愚鈍な一撃を回避したストライクの目前で、黒いMS族の姿が突然何もない空間に溶け込むように消えた。
驚く暇もなく、見えない刃がストライクを切り刻んでいく。
防戦一方のストライクがイージスの盾による体当たりで吹き飛ばされたのに合わせて、デュエルの二刀流による追撃が決められる。
突破口の無い孤独な戦いに、やがて追い詰められていくストライク。背後には崖が大きな口をあけたように待ち構えている。
式典のために純白に磨き上げられた鎧は、血と砂埃ですっかり汚れていた。
ストライクは弱々しく立ち上がりながら、この苦境においても期待と懇願が混じった瞳で2人を見つめている。
その眼差しを気に入らない様子でデュエルが睨み返した。思わず剣を握る手に力がこもる。
ストライクの心は折れずとも、決着は目前だった。
「愚かなる弟よ…貴様とはここでお別れだ!」
たった一言、どこか嬉しそうに呟くと容赦なく剣を振り下ろすデュエル。
だが、その前に割り込んできた巨大な武器を持つMS族の一撃によって崖に放り出されてしまう。
ストライクは悲鳴を上げながら、最後まで自分が相対した者達から目を逸らすことなく崖底に飲まれていった。
「すまん、手が滑った」
悪びれずに言うと巨大な武器を持つMS族は踵を返し歩いていく。
二人の近衛騎士はそれを不満そうに眺めた後、追撃してきたラクロア騎士団と交戦しているザフト騎士団に加勢、
形勢不利とみたラクロア騎士団は撤退を余儀なくされたのであった…。
三種子の伝説
奈落の底に落とされるも川があったためなんとか生き延びたストライク。
運良く激流から岸に投げ出され、偶然国から避難していた王女ラクスと専属の護衛キラに助けられる。
軽い手当てを施されたストライクを含めた三人は国へ戻り、改めて見る祖国の惨状に言葉を失う。
現在のラクロアは二つの力を必要としていた。国を建て直す為の力と、建て直った国を守りきる為の力。
王女ラクスは強い決意をもって重傷の父の代わりに国を治める事を宣言し、
また二人の近衛騎士を失った自分達がザフトに対抗するためには、伝説の三種子(シード)の力が必要だと口にする。
そして帰還した騎士団一同を集め、この国に伝わる種子(シード)の伝承について語りだした。
運良く激流から岸に投げ出され、偶然国から避難していた王女ラクスと専属の護衛キラに助けられる。
軽い手当てを施されたストライクを含めた三人は国へ戻り、改めて見る祖国の惨状に言葉を失う。
現在のラクロアは二つの力を必要としていた。国を建て直す為の力と、建て直った国を守りきる為の力。
王女ラクスは強い決意をもって重傷の父の代わりに国を治める事を宣言し、
また二人の近衛騎士を失った自分達がザフトに対抗するためには、伝説の三種子(シード)の力が必要だと口にする。
そして帰還した騎士団一同を集め、この国に伝わる種子(シード)の伝承について語りだした。
旅立ち
ザフトに種子を集める事を悟られないようにするため、捜索に行くメンバーは少数で行く事となった。
本人の強い志願により闘士ストライク、そして騎士団長フラガ、剣士マリュー、
老導師メビウスゼロの一行は王女から伝えられたとおりまずは最もラクロアに近い種子を手にするため、ヘリオポリス神殿へと向かう事となった。
翌日、まだ陽も射さぬうちに四人は国を発つ。
「みんな待っててくれ…全ての種子を手に入れて、必ず帰ってくるからな」
誓いの言葉と共に、ストライクは故郷に一時の別れを告げた。
本人の強い志願により闘士ストライク、そして騎士団長フラガ、剣士マリュー、
老導師メビウスゼロの一行は王女から伝えられたとおりまずは最もラクロアに近い種子を手にするため、ヘリオポリス神殿へと向かう事となった。
翌日、まだ陽も射さぬうちに四人は国を発つ。
「みんな待っててくれ…全ての種子を手に入れて、必ず帰ってくるからな」
誓いの言葉と共に、ストライクは故郷に一時の別れを告げた。
種子を求めて
一行は地図を手に、最初の種子があるヘリオポリス神殿へと向かう。
正規のものとは違い、人目につかない道のりは険しく凶暴なモンスターも出現したが
4人は力を合わせなんとか神殿が見える丘までたどり着いた。
湖の上に浮かび、古来より神聖なものが祭られているとして誰も近づかなかったヘリオポリス神殿。
入り口まで近づくと襲撃してきた剣や打撃の効かないゾノタートルやグーンマンタに苦戦を強いられるも、老導師メビウスゼロの法術レルバンガで何とか撃退する。
こうして一行は、獣の遠吠えのような音が響く神殿の中へと足を進めた。
正規のものとは違い、人目につかない道のりは険しく凶暴なモンスターも出現したが
4人は力を合わせなんとか神殿が見える丘までたどり着いた。
湖の上に浮かび、古来より神聖なものが祭られているとして誰も近づかなかったヘリオポリス神殿。
入り口まで近づくと襲撃してきた剣や打撃の効かないゾノタートルやグーンマンタに苦戦を強いられるも、老導師メビウスゼロの法術レルバンガで何とか撃退する。
こうして一行は、獣の遠吠えのような音が響く神殿の中へと足を進めた。
力の試練
神殿の中に巣食う強力なモンスターを倒し神殿の最深部、祭壇のある大広間まで辿り着いたストライク達。
奥の祭壇には、巨大な剣が突き刺さっていた。
種子はどこかと祭壇を隅々まで探し回る一行。それらしいものが見つからず、ため息をついたストライクが何気なく剣に触れた瞬間、大広間に獣の遠吠えと共に声が響き一向は身構える。
「我が名は力の種子の守護獣、ソードレオ。お主達の望みは、力の種子か」
ストライクがそうだと答えると声の主であるソードレオは淡々と言い放つ。
「ならばお主の力、見せてもらおう」
剣から青く輝く光が出現し、ストライクはその中に吸い込まれ消える。
この面々ではもっとも未熟とも言える彼が何故選ばれたのか。大きな疑問ではあったが、その理由を知る手立ては自分達にはない。
残された仲間たちは戸惑いながらもストライクの無事を祈った。
その背後に、刻々と脅威が迫っている事も知らず―――――――――。
「ここは…何だ?」
何もない、全てが虹のような極彩色で彩られた景色。床と壁の境目の無い空間が、自分が立っているという事実さえ惑わせる。
それが種子の作り出した精神世界だった。程なくして、ストライクの前に蒼い身体をした獅子・ソードレオが現れる。
「お主の力を試す。どこからでもかかって来い」
「言ったな…その言葉、後悔させてやる!」
余裕に満ちた表情のソードレオを見返してやろうと、ストライクは腰のシュナイダー・ナイフを抜いて立ち向かった。
しばらく格闘を続けるが、軽やかな四肢の動きで翻弄するソードレオにストライクのがむしゃらな攻撃は全く当たらない。
「お主の力はそんなものか…?」
「なんだと!」
馬鹿にされ激昂したストライクの動きはさらに大振りになる。
拳を突き出すも簡単に避けられた挙句肩を踏み台にされ、背後に回ったソードレオの体当たりを喰らい床に倒れこむストライク。
「怒りに身を任せたままではあの時の二の舞だぞ。ここで終わるつもりではあるまい」
ソードレオの言葉で、渓谷での戦いがストライクの脳裏に蘇る。
確かにあの時、感情に任せて我を失っていたのは事実だ。
理由を言わずに突如裏切った兄、親友…何より惨状にも気づかず惰眠を貪る間抜けな自分への怒りで溢れかえっていた。
その結果、無様な戦いをしたと自分でも思う。死の恐怖に怯える羽目にもなった。しかしそれでも、自分の行動を恥じてはいない。
もう二度と…もう二度と、戦わずして何かを失うのは嫌だから。
力が欲しい。あのような悲劇を、二度と起こさないための力が。
だからこそ、自分は種子を探す旅に出ることを決めたのだ。
「当たり前だ…みんなを守るため、この身を投げ打ってでも戦うと決めたんだ!」
よろめきながら立ち上がって決意を口にした瞬間、ストライクの身体に力がみなぎり始める。拳を強く握り、戦うべき相手を強く見据えた。
その様子を見て、ソードレオは厳しい表情を変えずに呟く。
「ここは精神が己を構築する世界…想いの強さが、力になる。されど力を持つには、それなりの覚悟が必要だ」
対するストライクは自らに宿った力を発揮し、見違えるような動きでソードレオに迫った。
「我が刃を制するのは勇気!この恐怖を乗り越える力を見せてみよ!」
ソードレオは尾を振り回し、その先端についた刃で迫り来るストライクを斬りつけようとする。
ストライクは怯える事なく刃の軌道を読み、体勢を低くして変則的な尾の動きを滑り込むようにかいくぐっていく。正中目掛けて飛び掛る刃を軸足を半回転ずらして回避し、そのまま真横に回りこむとナイフのグリップを握り威力の上がった拳でソードレオの横腹を殴りつける。
さらにそのまま、もう片方の手でよろめいたソードレオの首元にナイフを突きつけた。
「はぁっ…はぁっ…どうだ…!」
「見事…合格だ、若き勇者よ」
気恥ずかしくなるような最後の言葉は、決して揶揄するような響きではなかった。
「さぁ…種子を受け取れ。私の口に中にある」
そう言ってソードレオが口を開くと、中には種のような形をした光が収められている。
照らされた牙が鈍い輝きを見せる。ストライクは息を呑んで自身の掌を見つめた。
手が喰われるだとかそういう不安もあるが、それとは別に何となく躊躇ってしまう。
これを手にすれば、自分は辛く厳しい戦いの渦へ飛び込んでいくことになるのだ。もう、後には退けなくなる。
「臆する気持ちはわかる…だが、お主は前へ進まねばならない。そうであろう?」
ソードレオの問いかけに促され、ストライクは静かに頷く。意を決するとソードレオの口の中にゆっくりと手を伸ばす。
そうだ、戦いはもう始まっている。今よりも前から、渓谷で戦った時よりも前から。
2人のかけがえのない存在がこの国を離れた瞬間から、自分の戦いは始まっていたのだ。
勢い良く種子を掴み、腕を戻して胸の前で握りこぶしを作る。種子は拳から飛び出してストライクの胸鎧の中心にある宝石へと吸い込まれていった。
試練を乗り越えたストライクを精神世界から解放するソードレオ。解放される寸前、ストライクは何故あの時の事をと問いかける。
「私は待っていたのだ…お主が来るのを。見守りながら、ずっと待っていたのだ」
ソードレオは憂いを秘めた、翠の瞳で静かに答えた。
奥の祭壇には、巨大な剣が突き刺さっていた。
種子はどこかと祭壇を隅々まで探し回る一行。それらしいものが見つからず、ため息をついたストライクが何気なく剣に触れた瞬間、大広間に獣の遠吠えと共に声が響き一向は身構える。
「我が名は力の種子の守護獣、ソードレオ。お主達の望みは、力の種子か」
ストライクがそうだと答えると声の主であるソードレオは淡々と言い放つ。
「ならばお主の力、見せてもらおう」
剣から青く輝く光が出現し、ストライクはその中に吸い込まれ消える。
この面々ではもっとも未熟とも言える彼が何故選ばれたのか。大きな疑問ではあったが、その理由を知る手立ては自分達にはない。
残された仲間たちは戸惑いながらもストライクの無事を祈った。
その背後に、刻々と脅威が迫っている事も知らず―――――――――。
「ここは…何だ?」
何もない、全てが虹のような極彩色で彩られた景色。床と壁の境目の無い空間が、自分が立っているという事実さえ惑わせる。
それが種子の作り出した精神世界だった。程なくして、ストライクの前に蒼い身体をした獅子・ソードレオが現れる。
「お主の力を試す。どこからでもかかって来い」
「言ったな…その言葉、後悔させてやる!」
余裕に満ちた表情のソードレオを見返してやろうと、ストライクは腰のシュナイダー・ナイフを抜いて立ち向かった。
しばらく格闘を続けるが、軽やかな四肢の動きで翻弄するソードレオにストライクのがむしゃらな攻撃は全く当たらない。
「お主の力はそんなものか…?」
「なんだと!」
馬鹿にされ激昂したストライクの動きはさらに大振りになる。
拳を突き出すも簡単に避けられた挙句肩を踏み台にされ、背後に回ったソードレオの体当たりを喰らい床に倒れこむストライク。
「怒りに身を任せたままではあの時の二の舞だぞ。ここで終わるつもりではあるまい」
ソードレオの言葉で、渓谷での戦いがストライクの脳裏に蘇る。
確かにあの時、感情に任せて我を失っていたのは事実だ。
理由を言わずに突如裏切った兄、親友…何より惨状にも気づかず惰眠を貪る間抜けな自分への怒りで溢れかえっていた。
その結果、無様な戦いをしたと自分でも思う。死の恐怖に怯える羽目にもなった。しかしそれでも、自分の行動を恥じてはいない。
もう二度と…もう二度と、戦わずして何かを失うのは嫌だから。
力が欲しい。あのような悲劇を、二度と起こさないための力が。
だからこそ、自分は種子を探す旅に出ることを決めたのだ。
「当たり前だ…みんなを守るため、この身を投げ打ってでも戦うと決めたんだ!」
よろめきながら立ち上がって決意を口にした瞬間、ストライクの身体に力がみなぎり始める。拳を強く握り、戦うべき相手を強く見据えた。
その様子を見て、ソードレオは厳しい表情を変えずに呟く。
「ここは精神が己を構築する世界…想いの強さが、力になる。されど力を持つには、それなりの覚悟が必要だ」
対するストライクは自らに宿った力を発揮し、見違えるような動きでソードレオに迫った。
「我が刃を制するのは勇気!この恐怖を乗り越える力を見せてみよ!」
ソードレオは尾を振り回し、その先端についた刃で迫り来るストライクを斬りつけようとする。
ストライクは怯える事なく刃の軌道を読み、体勢を低くして変則的な尾の動きを滑り込むようにかいくぐっていく。正中目掛けて飛び掛る刃を軸足を半回転ずらして回避し、そのまま真横に回りこむとナイフのグリップを握り威力の上がった拳でソードレオの横腹を殴りつける。
さらにそのまま、もう片方の手でよろめいたソードレオの首元にナイフを突きつけた。
「はぁっ…はぁっ…どうだ…!」
「見事…合格だ、若き勇者よ」
気恥ずかしくなるような最後の言葉は、決して揶揄するような響きではなかった。
「さぁ…種子を受け取れ。私の口に中にある」
そう言ってソードレオが口を開くと、中には種のような形をした光が収められている。
照らされた牙が鈍い輝きを見せる。ストライクは息を呑んで自身の掌を見つめた。
手が喰われるだとかそういう不安もあるが、それとは別に何となく躊躇ってしまう。
これを手にすれば、自分は辛く厳しい戦いの渦へ飛び込んでいくことになるのだ。もう、後には退けなくなる。
「臆する気持ちはわかる…だが、お主は前へ進まねばならない。そうであろう?」
ソードレオの問いかけに促され、ストライクは静かに頷く。意を決するとソードレオの口の中にゆっくりと手を伸ばす。
そうだ、戦いはもう始まっている。今よりも前から、渓谷で戦った時よりも前から。
2人のかけがえのない存在がこの国を離れた瞬間から、自分の戦いは始まっていたのだ。
勢い良く種子を掴み、腕を戻して胸の前で握りこぶしを作る。種子は拳から飛び出してストライクの胸鎧の中心にある宝石へと吸い込まれていった。
試練を乗り越えたストライクを精神世界から解放するソードレオ。解放される寸前、ストライクは何故あの時の事をと問いかける。
「私は待っていたのだ…お主が来るのを。見守りながら、ずっと待っていたのだ」
ソードレオは憂いを秘めた、翠の瞳で静かに答えた。
目覚める刃
ザフトもどういうわけかその存在を知り、種子を狙っていた。
ストライクが試練を受けている間に種子の位置を知り、この神殿まで部隊を組んでやってきていたのだ。
雑兵はあらかた片付けたが、彼らを率いてやって来た黄昏の魔騎士と名乗るミゲルジンとかつての仲間デュエルに苦戦するフラガ、マリュー、メビウスゼロ。
「その程度かい、ラクロアの騎士さん達」
「なんて強さなの…!」
「参ったね…剣の速さがあの騎士団長より上って、そんなのアリかよ!」
「デュエル、もうやめるんじゃ!」
決して浅くはない間柄であるメビウスゼロの呼びかけにも、デュエルは答えない。
「何を言っても無駄だな。お前達はこの黄昏の魔騎士の手で死ぬのさ!」
橙の鎧に身を包んだ、自尊心の塊のような騎士が声高に宣言し剣を振り上げた。
いよいよ追い詰められたかと思われたその時、祭壇の上に光が舞い降りる。中からはストライクが落ち着いた様子で姿を現した。試練を乗り越え、種子を手に入れたのだろうか。三人の仲間たちは顔をこわばらせた。
「まさか生きていたとは…今度こそ我が手で!」
弟の姿を確認した途端、目の色を変えて襲いかかろうとするデュエル。
「ヘェ、こいつが?よし、オレの剣についてこれるか試してやる!」
だが、それよりも先にミゲルジンが駆け出して目にも止まらぬ速さで剣技を繰り出す。
現実世界に戻ったばかりでまだ意識のはっきりしないのか構えも取らず立ち尽くすストライク。その様子に仲間達は慌てて呼びかけるが、それらを遮るように頭の中でレオの声が響く。
「お主は我がの試練を乗り越えた。力を貸してやろう。さぁ、力の種子を発現させるのだ!」
次の瞬間。青い光に包まれたストライクの姿は獅子の意匠を散りばめた蒼い鎧を纏い、巨大な剣を携えた剣士へと変わる。
「そんなデカい剣、そう易々と振り回せるモノかよっ!」
嘲りながら勢いよく飛び掛ってきたミゲルジンの斬撃を、ストライクは僅かな動きでかわすとすれ違い様に白刃の一閃を打ち込む。
刹那、剣を振り下ろしたまま重量感の塊を真っ向から受けたミゲルジンは逆袈裟に引き裂かれた。
深々と抉られた身体を単眼で捉え、勝負の結果を悟る。
そして彼は驚愕の表情のまま、血や中身を盛大に撒き散らしながらその動きを止めると地に伏して動かなくなった。
仲間達はストライクの別人のような動きに息を呑む。
さらに、ミゲルジンが倒れこむと同時に激昂したデュエルがストライクへと斬りかかる。
「やはり貴様はっ!この俺の手で!」
ストライクが慌てて一歩下がり回避したのもつかの間、二対の刃による怒涛の剣技が嵐のように襲い掛かった。
だが剣士となったストライクは先ほどと同じように身の丈以上の大剣を軽々と扱い、それらを打ち払う。
「ほう、これを弾くか…そうでなくてはなぁ!」
「ぐっ…まだ、やるのか…!」
しかしその表情は必死で、種子の強大すぎる力に振り回されないよう精一杯といった風情だった。
やがて幾度かのつばぜり合いを繰り返すうちにストライクの集中力は途切れ、
デュエルの受け流しを無視し頭部に向かって躊躇うことなく刃を振り下ろしてしまう。
(兄さんを…殺すわけにはいかないっ!)
勢いを殺そうと踏ん張るストライクだが、僅かに逸れた大剣の切っ先がデュエルの顔面に斜線を描く。
「ぐぁっ…ぬぅぅおぉぉおおおおオオオオッ!」
さしものデュエルも顔面を走る激痛にはたまらず崩れ落ちる。
ストライクの背筋を、冷たい手で撫で上げられたようにぞっとする感覚が襲った。
剣を手放しデュエルに駆け寄ろうとするが、種子を使った反動か激しい疲労に耐え切れず膝をつく。
デュエルはその隙に逃げ出し、顔面を血で染めながらも去り際に
「まさか貴様からこのような傷を受けようとはな…次は必ずこの手で殺してやるぞ、ストライク!」
と吐き捨てていった。ストライクは大きく息を吐き、満足に動かせない身体で融合を解除する。
鎧が集まって一つの光となり、その中から試練のときと同じ獅子の姿を現したソードレオは、
「まだまだ鍛え方が足りんな、三つの種子を使いこなせるようにならなければお主達に勝利はないぞ」
それだけ言い残すとストライクの胸の宝石の中に飛び込んで消えた。
とにかく、まずは一つ目の種子を手に入れた一行。
次の種子は一体どこにあるのか、そして全ての種子を手にする事ができるのか。
戦いはまだ、始まったばかりである…。
ストライクが試練を受けている間に種子の位置を知り、この神殿まで部隊を組んでやってきていたのだ。
雑兵はあらかた片付けたが、彼らを率いてやって来た黄昏の魔騎士と名乗るミゲルジンとかつての仲間デュエルに苦戦するフラガ、マリュー、メビウスゼロ。
「その程度かい、ラクロアの騎士さん達」
「なんて強さなの…!」
「参ったね…剣の速さがあの騎士団長より上って、そんなのアリかよ!」
「デュエル、もうやめるんじゃ!」
決して浅くはない間柄であるメビウスゼロの呼びかけにも、デュエルは答えない。
「何を言っても無駄だな。お前達はこの黄昏の魔騎士の手で死ぬのさ!」
橙の鎧に身を包んだ、自尊心の塊のような騎士が声高に宣言し剣を振り上げた。
いよいよ追い詰められたかと思われたその時、祭壇の上に光が舞い降りる。中からはストライクが落ち着いた様子で姿を現した。試練を乗り越え、種子を手に入れたのだろうか。三人の仲間たちは顔をこわばらせた。
「まさか生きていたとは…今度こそ我が手で!」
弟の姿を確認した途端、目の色を変えて襲いかかろうとするデュエル。
「ヘェ、こいつが?よし、オレの剣についてこれるか試してやる!」
だが、それよりも先にミゲルジンが駆け出して目にも止まらぬ速さで剣技を繰り出す。
現実世界に戻ったばかりでまだ意識のはっきりしないのか構えも取らず立ち尽くすストライク。その様子に仲間達は慌てて呼びかけるが、それらを遮るように頭の中でレオの声が響く。
「お主は我がの試練を乗り越えた。力を貸してやろう。さぁ、力の種子を発現させるのだ!」
次の瞬間。青い光に包まれたストライクの姿は獅子の意匠を散りばめた蒼い鎧を纏い、巨大な剣を携えた剣士へと変わる。
「そんなデカい剣、そう易々と振り回せるモノかよっ!」
嘲りながら勢いよく飛び掛ってきたミゲルジンの斬撃を、ストライクは僅かな動きでかわすとすれ違い様に白刃の一閃を打ち込む。
刹那、剣を振り下ろしたまま重量感の塊を真っ向から受けたミゲルジンは逆袈裟に引き裂かれた。
深々と抉られた身体を単眼で捉え、勝負の結果を悟る。
そして彼は驚愕の表情のまま、血や中身を盛大に撒き散らしながらその動きを止めると地に伏して動かなくなった。
仲間達はストライクの別人のような動きに息を呑む。
さらに、ミゲルジンが倒れこむと同時に激昂したデュエルがストライクへと斬りかかる。
「やはり貴様はっ!この俺の手で!」
ストライクが慌てて一歩下がり回避したのもつかの間、二対の刃による怒涛の剣技が嵐のように襲い掛かった。
だが剣士となったストライクは先ほどと同じように身の丈以上の大剣を軽々と扱い、それらを打ち払う。
「ほう、これを弾くか…そうでなくてはなぁ!」
「ぐっ…まだ、やるのか…!」
しかしその表情は必死で、種子の強大すぎる力に振り回されないよう精一杯といった風情だった。
やがて幾度かのつばぜり合いを繰り返すうちにストライクの集中力は途切れ、
デュエルの受け流しを無視し頭部に向かって躊躇うことなく刃を振り下ろしてしまう。
(兄さんを…殺すわけにはいかないっ!)
勢いを殺そうと踏ん張るストライクだが、僅かに逸れた大剣の切っ先がデュエルの顔面に斜線を描く。
「ぐぁっ…ぬぅぅおぉぉおおおおオオオオッ!」
さしものデュエルも顔面を走る激痛にはたまらず崩れ落ちる。
ストライクの背筋を、冷たい手で撫で上げられたようにぞっとする感覚が襲った。
剣を手放しデュエルに駆け寄ろうとするが、種子を使った反動か激しい疲労に耐え切れず膝をつく。
デュエルはその隙に逃げ出し、顔面を血で染めながらも去り際に
「まさか貴様からこのような傷を受けようとはな…次は必ずこの手で殺してやるぞ、ストライク!」
と吐き捨てていった。ストライクは大きく息を吐き、満足に動かせない身体で融合を解除する。
鎧が集まって一つの光となり、その中から試練のときと同じ獅子の姿を現したソードレオは、
「まだまだ鍛え方が足りんな、三つの種子を使いこなせるようにならなければお主達に勝利はないぞ」
それだけ言い残すとストライクの胸の宝石の中に飛び込んで消えた。
とにかく、まずは一つ目の種子を手に入れた一行。
次の種子は一体どこにあるのか、そして全ての種子を手にする事ができるのか。
戦いはまだ、始まったばかりである…。