【詳細】
前大戦最初期に結成されたハーフコーディネイターらによるテロ組織「アンティ・ファクティス」が保有する
GAT-X370 レイダーの改造機。
アンティ・ファクティスの創始者であるジョエル・ジャンメール・ジローの専用機となっているが、第二期GATシリーズであるレイダーは元々ブーステッドマンの操縦を前提とした機体であり、それを重武装化する改修が行われたためナチュラルでは扱いきれない難しい機体となった。
そのため開発元であるブルーコスモスに属する軍需企業はその製造を中断しアンティ・ファクティスがそれを引き継ぐ形で完成させた。
アンティ・ファクティスは地球連合軍において劣悪な環境下に置かれたハーフコーディネイター達が作り上げた反地球連合を掲げるテロ組織であるが、実際にはブルーコスモスが背後から操る組織であり構成員達は本気でプラントへの亡命(コーディネイターの国であるザフトが自分達を受け入れてくれるであろうという願望)を目指して戦っていた。
が、そのリーダーであるジョエルはブルーコスモスの信奉者で裏の事情も知りながら構成員たちを集めており、
GAT-X130 エールカラミティを始めとしたテロ組織とは思えない高性能MSを揃えられたのも彼がブルーコスモスを通して確保したことによる。
第1次連合・プラント大戦に投入されたレイダーがベースとなっているが、数多くの武装を搭載し圧倒的な火力と機動力を両立しているものの核動力ではなくバッテリー駆動であり、その性能をフルに発揮するのは難しい。
各武装のエネルギー消費が大きすぎることから攻撃と防御を両立できない欠点を抱えている。
具体的にはビーム兵器を曲げて無力化する
エネルギー偏向機構 ゲシュマイディッヒ・リージョン起動時には防御に専念することから攻撃ができず、攻撃中はゲシュマイディッヒ・リージョンを起動できない。
こういった機能不全とも言える歪な構成はベースであるレイダーの強みを潰しているようなものだが、その圧倒的な機体性能はバッテリー機でありながら核動力のMSを圧倒するほどに凄まじい。
またレイダー同様頭部の口部に組み込まれた
100mmエネルギー砲 ツォーンとに増設された
頭部増設光学兵器ユニット ミーミルは高威力のビーム兵器でありミーミルはツォーンよりも大口径だが高い収束率によって細いビームを発射する。
それでいてビームサーベルが如く
フェイズシフト装甲を溶断する威力を持ち、砲身を展開して露出させた内部ジェネレーターをツォーンと接続することでその威力を大幅に強化するという運用も可能。
ただこれはミーミルが後付装備であるため出来るようなもので、ジェネレーターの接続は最後の手段ともいえ一部のケーブルを引きちぎっている上にその出力にブーストレイダー側が耐えられない自爆同然の攻撃となる。
上記の通りかなりの問題点を抱えた欠陥機でありながら曲がりなりにも実践における運用データを取ることには成功した。
実はこの機体のデータは
GFAS-X1 デストロイ開発の参考にされており、ブーストレイダーの問題点であった攻撃と防御の両立不可と通常サイズのMSにおける武装の過積による操縦困難度合いから、機体サイズの大型化と専用パイロットの用意でそれら問題点を解決したのがデストロイとなる。
なおデストロイも、
- バックパックを被る形で変形し、陽電子リフレクターによる実弾、ビーム兵器に対する高い防御性能=同じ形で可変しTP装甲とゲシュマイディッヒ・パンツァーによる高い防御性能を持つフォビドゥン
- 変形は簡易的で脚部の設置部分が鳥の足のよう=猛禽類のようなMA形態に変形するレイダー
- 背中に2門のビーム砲を搭載し高い火力を有する=ビーム兵器を中心とした高い火力を持つカラミティ
と、ブーストカラミティを除いても後期G兵器の3機体の要素を盛り込んだ構成となっている。
ブーストレイダーの存在はレイダーを始めとする機体群とデストロイを結ぶミッシングリンクといえる。
最終更新:2025年03月04日 05:29