「ヨシー・ウラザー、ギャングラーやってます」
【詳細】
カッコウのような姿をしたギャングラー怪人。
もともと腹部に金庫を2つ持った
ステイタス・ダブルに分類される怪人だったが、
ゴーシュ・ル・メドゥの手で左側の金庫をもぎ取られてしまい、
右側の金庫しか残っておらず、もぎ取られ負傷した部分を包帯でぐるぐる巻きにしている。
金庫を奪われた理由は不明だが、ゴーシュが金庫を集めて
なにかとんでもないことをやろうとしているというのは把握していたようだ。
残った金庫も奪われるところだったが既の所で逃走し、追跡してきた
ポーダマンに追いつめられボコボコにされていた。
そしてその場面を国際警察の面々が発見、パトレンジャーがポーダマンを一掃すると彼らに対し何と自ら出頭、つまり自首してしまう。
性格はギャングラーに似つかわしくない江戸っ子口調の気弱なもの。
真摯に向き合ってくるつかさに対して「姉御」と呼び、慕うようになるが…
彼の持つルパンコレクションは右側の金庫に格納された「ひっくり返す~A l’envers~」。
能力は善と悪の心をひっくり返す…つまり正反対にする。悪人であるほど善人に見え、凶悪な人物であるほど気弱な人物に見える。
要するに自首してきたヨシーはこのコレクションの力で善人になった状態のヨシーであり、コレクションを手放すと残虐な本性が現れる。
ステイタス・ダブルはギャングラーの中でも一部に限られる言わば上級怪人の証のようなもの。
これと言って戦闘力の高さは見られなかったが、彼の犯罪技として紹介された「青春の妄想」とやらがつかさに見せたあの妄想なら、
もしかすると情に訴えるような効果があったのかもしれない。
ギャングラーの情報を提供する代わりに自分を見逃すという司法取引を持ちかけ、彼が説明した境遇に同情したつかさは、ヨシーの司法取引の話を本格的に進め始める。
しかし聴取の場にいたノエルは、取調べ中金庫がコレクションの能力を使ったことを示す緑色の光を放ったのを目撃し、
ヨシーの現状には何らかのコレクションの力が働いていることに気がつくと、彼に対して入れ込み始めたつかさの姿勢に釘を刺すと同時に、国際警察の本部に連絡してヨシーの身柄を日本支部から引き取るよう圧力をかけ始める。
そして国際警察の車両で護送中、ポーダマンの大群が現れ襲撃を開始。
咲也と圭一郎が応戦する中、ヨシーはつかさと共にその場から離れ、ノエルが行った圧力を不服に思ったつかさは、ヨシーに逃げるように伝える。
自分に共感を示し、温情をかけてくれたつかさに感動したヨシーは、金庫からコレクションを取り出して彼女にお礼として渡すのだが、
コレクションがヨシーの手から離れた瞬間効果が失われ元の凶悪な人格が復活。
「人間どもを皆殺しにしてやる!」
と叫び出し、つかさに容赦ない攻撃をしかけてくるも、つかさをこっそり追跡していたノエルが合流。
さらにポーダマンを蹴散らした咲也と圭一郎も合流し、つかさは国際警察の本分としてヨシーの撃退を決意し、パトレンジャーの総力を挙げパトレンU号のイチゲキストライクで撃破した。
だがその直後、ゴーシュが作っていた
実験体が姿を表し、金庫に格納していたコレクションの一つである「悪い奴ら~Les voyous~」の力でU号の合体を解除、
続けて現れたゴーシュが破損したヨシーの金庫を実験体の腹部に埋め込むと同時にコレクションの力で修復、そして巨大化させてしまう。
ヨシーが取調べ中語っていた、ゴーシュが金庫を集めているということが真実だと気がついた3号と、実験体が持つコレクションの力を知るノエルとグッティが止めようとするも、
1号はグッドストライカーを巨大化させパトカイザーへ警察ガッタイムを発動、巨大実験体へ攻撃を行うが……
【余談】
モチーフはカッコウ。カッコウモチーフの怪人はヨシーが初めて。
顔面は鳩時計を模したものでルパンコレクションの能力を加味したギミックが仕込まれている。
肩には鳥の巣と、卵をイメージした装飾があるが、一つだけ赤い卵があり、おそらくカッコウの託卵の習性を意識したデザインとなっている(一つだけ卵の種類が違う)。
本性は口汚く凶悪なヨシーであるが、何故彼が善と悪の心をひっくり返すというコレクションを持っていたのかは不明。
ステイタス・ダブルであった以上、
ザルダン・ホウのように2つコレクションを持っていた可能性がとても高い。
本性を現した直後、つかさが持っているコレクションを見た時自分のであると理解していたため、誰かがヨシーの金庫に入れていたという可能性も低くなるだろう。
最もゴーシュが普段の性格上金庫をただでは渡さないであろうヨシーをおとなしくさせるため彼に渡し、まんまと金庫に入れた結果おとなしくなって金庫を無理やり剥ぎ取られる結果になった、ということも考えられる。
ただ、善人になっている間の記憶は無いらしく、善人状態も善人状態でギャングラーの情報を渡す代わりに自分を見逃せと司法取引を持ちかけるという、
自分がやってきたことが悪だと理解した上で警察に対し取引を迫るという、大胆不敵な行動を取っているあたり、かなりふてぶてしい性格であると言える(この辺り人格が入れ替わっても根っこは悪人のままという表現なのかもしれない)。
少し穿った見方になるが、彼の犯罪技として設定された「青春の妄想」が、使った対象に対し何らかの精神的干渉、上述した「情に訴える」能力である場合、
コレクションの力を使って善人のふりをして何かしらの利益を得ようとしていた、もしくは今まで得てきた可能性もある。
犯罪歴が司法取引詐欺ということもあり、これが結果的に本性を表したことで詐欺になってしまったのか、元から詐欺を働くつもりでコレクションを使っていたのかは定かではない。
そうなるとあの善人モードも、上述の通り、全て知っていて国際警察を騙して逃げおおせる(いざとなればコレクションを手放してしまえば悪人に戻り、その場にいた人間を始末する)つもりということになってしまうが。
取調べ中コレクションの能力が発動している描写があるため、オートで能力が発動するようなものでは無いと見ることも出来るが、作品の演出ということで片付く話…かもしれない。
なお金庫がすでに空であり、ルパンレンジャーとは遭遇していないため金庫を開けられることなく退場した稀有なギャングラー怪人となった。
そのため識別番号も不明だったが、少なくともヨシーのものであると確認できる実験体に埋め込まれた胸部の金庫は識別番号が「410」であるのは判明している。
設定画では鳩時計を模した武器が確認できるが、登場シーンでは未使用。
最終更新:2020年10月03日 00:00