パーンマイナソー

「ワカレロー!クッツケー!」

【名前】 パーンマイナソー
【読み方】 ぱーんまいなそー
【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー
【登場話】 第15話「深海の王」
【所属】 ドルイドン
【属性】 半人半獣型モンスター
【分類】 マイナソー/磁石目パーン科
【発生元】 DONじろう
【願望】 恋人に振られて悲しい
【武装】 なし
【鳴き声】 「ワカレロー!」
「クッツケー!」
【分布】 別れの港
【経験値】 469
【幻獣モチーフ】 パーン
【その他のモチーフ】 ヤギ、バフォメット
【経験値の由来】 磁力

【詳細】

DONじろうのマイナス感情から誕生し、幻獣「パーン」の伝説を司って実体化したマイナソー。

パーンとは蹄を持つ草食動物のような下半身と人間の上半身を持つギリシャ神話に登場する神のことで、ヤギの角を生やしているとされる。
その伝承を司りながらも、ヤギの要素が全面に押し出された姿をしており、胸部にはヤギの白骨化した頭部を持ち、胸部がヤギの頭とされる悪魔「バフォメット」を思わせる姿をしている。

このマイナソーを生み出したDONじろうは磁石を用いた実験を撮影し、それを動画として配信している男性。
いわゆるYouTuber。
それなりに知名度があるようだが私生活は良いとはいえず、恋人から別れを告げられ落ち込んでいたところを、ドルン兵を伴って現れたクレオンの体液を摂取させられ、このマイナソーを作り出した。

そんなDONじろうから生み出されたこのマイナソーは磁力を操り、頭部のヤギのような角から磁力ビームを照射する。
このビームにあたった人間は、「絆」に反応して反発する性質を持つようになり絆が強ければ強いほど離れ離れになってしまう。
この時マイナソーは「ワカレロー!」と叫ぶが、逆に「クッツケー!」と鳴きながら逆の性質を持つ磁力ビームを照射し、
周囲の物体に中心となる人物とは違う極の性質を与えて吸着させてしまうことで動きを封じると言った芸当も可能。

鳴き声を聞く限り、恋人が一方的に「好きな人ができた」と別れを告げたことにより仲睦まじい恋人同士を妬む気持ちが芽生えたのだろう。
その気持がこのマイナソーの能力に反映されていると思われる。
つまり「お前達(他のカップル)も別れてしまえ!」。
それはそれとして、「クッツケー!」とも叫んでいるところを見ると恋人との別れに納得がいっておらずよりを戻したいという気持ちも少なからずあるのだろう。

DONじろうからクレオンが作り出すと共に町中に出現し、恋人たちに磁力ビームを照射して遠くへ跳ね飛ばしていたが、
そこへカナロが駆けつけ、リュウソウゴールドへとチェンジして応戦する。
リュウソウゴールドの駆使するモサブレードによる接近戦、モサチェンジャーの銃撃に手も足も出ず、ビリビリソウルで強竜装を纏ったゴールドのファイナルサンダーショットが発射されるが、
それを車同士をくっつけ盾にすることで防ぎ、爆炎に紛れて逃げることに成功した。

このマイナソーを生み出したクレオンだったが、ガチレウスから何も考えず街で暴れさせていただけというのを見抜かれ制裁を受けそうになる。
しかしその場を「作戦があるはず」としてマイナソーを連れて逃げ出したクレオンは、たまたま街中でカナロとオトに遭遇。
彼らのやり取りをこっそり見ていたことで、オトに目をつける。

そして街で再び暴れ始め、今度は恋人同士ではなく母娘を離れ離れにしてしまったため、駆けつけたリュウソウジャーはマイナソーの行為に怒りを覚えパーンマイナソーへ突撃。
竜装して戦闘を行うリュウソウジャーの攻撃に跳ね飛ばされてしまうが、陸のリュウソウ族の手は借りないとするカナロと他のメンバーが揉めている間に磁力ビームをコウへ発射。
強い絆で結ばれたメンバー同士だったため磁力の中心となったコウ、そして過去に起きた同族同士の確執から絆など無いとするカナロだけがその場に残り、
他の4人はそれぞれ別々の地点に飛ばされてしまった(飛ばされてしまった地点については余談にて)。

その場に残されたコウとカナロだったが、カナロはパーンマイナソーの能力で反発が起きないことを利用しそのまま倒してしまおうと突撃。
しかし磁力を宿した周囲の鉄柵を引き寄せられ動きを封じられてしまう。

すぐにコウがディーノスラッシュを発動しカナロにくっついた物体を弾き飛ばしたことで難を逃れ、
自分を助けた理由を聞いたカナロに対し、コウは屈託なく「同じリュウソウ族だから」と答え、海も陸も関係ないとする彼の言葉が心を動かしたのか二人の間に一瞬だけ反発が生まれた。

絆が生まれそうだと感じたクレオンは二人が手を組む前に、人質に取ったオトを連れてくることで動きを牽制しそのまま倒してしまおうと考え、ドルン兵に命じてコウを痛めつけさせる。
それを必死に堪え、時間を稼ぐことで反撃のチャンスを見出そうとするコウの姿を見たクレオンは、DONじろうの元に残していたドルン兵に指示を出して彼を痛めつけ無理矢理生体エネルギーを放出させ、
それを吸収したマイナソーは一気に成長を果たして巨大化。

それと同時に飛ばされた地点から各々のパートナー騎士竜に乗って他のメンバーが帰還してくる。
彼らが巨大化したパーンマイナソーを攻撃しようとしたところを、人質のオトを守るためコウはキシリュウオーを呼び寄せ彼らの攻撃をかろうじて引き止めるのだった。
そんな中クレオンはキシリュウオーをビリビリソウルの力で攻撃させようと命令し、それを受けたカナロはノビソウルを発動してキシリュウオーの尻尾を伸ばして動きを封じた後、ビリビリ強竜装の攻撃でキシリュウオーへ雷撃を発射。
カナロが命令に従ったことで満足したクレオンは素直にオトを返そうとしたが、そこへ現れたガチレウスが約束を守ろうとしたクレオンを非難してゴールドの自死を命令。

「やむを得ん。オト、お前が消えてくれ」


その言葉を聞いたカナロは、なんとオトに向けてモサチェンジャーを発砲。
発生した爆発でオトは海へと吹き飛ばされてしまうが、それはわざと攻撃に巻き込んでオトをクレオンの手元から離し、事前に呼び寄せていたモサレックスがオトを飲み込むことで保護するというカナロの作戦だった。

これによって人質が解放され、磁力ビームの効果で竜装合体も阻害されていたが、先程のカナロの攻撃はノビソウルでティラミーゴのしっぽを伸ばしてキシリュウオーの体に巻き付け電撃を流すことで体に帯びた磁力とは逆向きの磁界を発生させ、磁力の効果を失わせるものだった。
カナロの言葉を信じたコウはすかさずキシリュウオーファイブナイツへと合体。
その圧倒的な力に追い込まれていき、その場から逃げようとしたが海中から飛び出したモサレックスの尻尾に叩き切られたことで爆散した。
カナロ曰く、モサレックスが参戦したのは「オトを怖がらせた報い」なんだとか。

なおガチレウスは形勢逆転すると共にこのマイナソーへの興味を失ったのか背を向け立ち去ってしまっていた。
クレオンはマイナソーに対して「こら、逃げるなー!」と叫んでいたのだが…

【余談】

モチーフは上記にもあるがギリシャ神話に登場するパーン。
半人半獣型のようだが二足歩行して人形なだけで、人間らしさはない。

マイナソー共通の胸部にモンスターの顔があるというデザインの通り、ヤギの頭部が胸にくっついているのだが、白骨化している上に、パーンマイナソーの体はよく見ると筋繊維がむき出しになっているかのような部分があちこちにある。
白骨化した頭部を含めると、ヤギ繋がりで悪魔のバフォメットをデザインに組み込むことを考えた結果、
悪魔であるバフォメットの恐ろしさに合わせ、皮を剥いだヤギが全体のモチーフになっているのかもしれない。
その姿はヤギの白骨を着用した悪魔のようでもある。

なおよく見ると右耳に赤い「N」、左耳に青い「S」のイヤリングをつけており、磁石のS極とN極を表している。
頭の角の先端も右が赤色で左が青で、「N極が赤、S極が青」というのは一般常識としても知っている人が多いと思われるが、
その由来に関しては管理者が調べたところはっきりしたものは見つからなかった。

パーンモチーフの怪人は少なく、天装戦隊ゴセイジャーにてヒドラと組み合わせたヒドラパーンヘッダーのロー・オ・ザー・リーくらいと珍しい(採用は実に9年ぶり)。
パーン単体であればこのパーンマイナソーが初となる。

なお磁力ビームを受け日本中に飛ばされてしまったリュウソウジャー達であったが、それぞれ飛ばされた地点は、
  • メルト→北海道
  • アスナ→沖縄
  • トワ→鳥取
  • バンバ→京都
となっており、アスナが一番反発した距離が長いことになる。次点でメルト。
つまり、コウとアスナの絆が最も強いのではないかと考えるファンもおり、合流が遅れた上当初はコウ達を下に見ていたトワとバンバの兄弟の反発距離が若干短く、バンバに至ってはさほど離れていなかったというのも考察材料としては美味しいところである(ともに戦うメンバーとして絆はあるということではあるが)。
そして目の前でマスターを失い、3人スタートであったことから、メルトとアスナがコウと強い絆で結ばれているというのは当然であろう。

ちなみにメンバー同士の絆に焦点を当てたエピソードであったが、パーンマイナソーを生み出したDONじろうは、
恋人から一方的に別れを告げられクレオンの体液を摂取する、パーンマイナソーを巨大化させるためドルン兵に痛めつけられる、マイナソーを倒して体調が元に戻るという3場面しか登場していない。
磁石を駆使した科学実験が売りのようだが、龍井ういがチェックしていたあたりそれなりに名の知れた動画配信者であったと見ることができるが、
恋人には振られ(しかも好きな人ができたという一方的な理由)、怪物に襲われ痛めつけられるというまさに踏んだり蹴ったり。
パーンマイナソーを巨大化させる際に彼を痛めつけていたドルン兵はいつの間にか姿を消していたが、どこへ消えたのだろうか。
とりあえず強く生きていただきたい。

最終更新:2022年09月10日 00:25