特命鬼

「わーい、遊ぼうよお兄ちゃん達!」

【名前】 特命鬼
【読み方】 とくめいき
【声】 塚尾桜雅
【登場作品】 暴太郎戦隊ドンブラザーズ
【登場話】 ドン9話「ぼろたろうとロボタロウ」
【分類】 ヒトツ鬼
【憑依された人間】 井沢太一
【欲望】 みんなと遊びたい
【素体】 ベニツ鬼
【モデル】 特命モデル
【スキン】 バッディなチーター
【蟾ィ螟ァ蛹】 巨大化せず
【ドロップ】 ゴーバスターギア
【文字化け】 迚ケ蜻ス謌ヲ髫
【むかしむかし…】 鼻たれ太一は友達に遊んでもらえずとても寂しかったそうな…
【モチーフ】 チダ・ニック、レッドバスター、CB-01チーター、ダークバスター、チーター、バイク、鬼
【名前の由来】 特命戦隊ゴーバスターズ+鬼

【詳細】

「みんなと遊びたい」という欲望を抱く入院中の老人、井沢太一から生まれた特命モデルヒトツ鬼

サングラスを掛けたチーターを模した胴体、ネコ科生物を思わせる頭を持ったベニツ鬼の姿を持つ。
大きな耳を持っているようだが、遠くから見るとそれは縦長の瞳孔を持つ目のような形状で太めの眉のように見える部分は鼻と、チーターの顔面を取り入れたものとなっている。
ゴーバスターズに登場するレッドバスターはチーターモチーフで、専用ビークルもチーター型のメカ。
変身アイテムはバイザーを装着することからそれらの要素をまとめたものと思われる。チーターにチーターを重ねたというか、チーターに見えるチーターというか。

このヒトツ鬼を生み出した井沢太一は寝たきりで入院中の老人。
ちらっと写ったプレートによれば1947年10月3日生まれであるようで、ドンブラザーズ劇中が現実世界と同年代と考えると74歳。
幼少時友達がおらず誰とも遊べなかったことを今でも後悔し、寝たきりとなったことでそれが欲望となってヒトツ鬼に憑依された模様。

だが、太一は寝たきりの老人であるため本人は動くことが出来ず、このヒトツ鬼は彼の欲望のみが分離しモンスター化した特異な個体となっている。
幽霊のような性質を持ち、触ることは不可能で神出鬼没。物理的な攻撃が通じない上背中のブースターを吹かしてシャットダウンされないように超スピードで移動する。
まるでバケネコである。いやバケチーター?
自分が持ちかけた遊びに従わなかったり、ルール違反した相手を消滅させる能力を持つ。

小さい頃の後悔から人を超えた遊びの鬼となり、幼少時の姿で「達磨さんが転んだ」をしていたが通行人は気が付かず複数人をまとめて消してしまう。
そこに現れたアバターチェンジ済みのドンブラザーズを新たな遊び相手と見定めるが、いつものBGMと共にドンモモタロウが現れるが、明らかに様子がおかしい。
神輿を担ぐ男性陣も、彼の登場を盛り上げる天女も大幅にグレードダウンし、そもそもが布団にくるまって寝込んだ状態でやってきたのだった。

キジ「すでに…ボロボロ?」

オニ「っていうか今日が峠?」


咳き込むタロウは神輿から転げ落ちつつ(神輿担ぎから罵倒され、巫女には撮影される始末)もザングラソードを握って特命鬼に挑みかかる。
しかしヘロヘロのタロウの攻撃を特命鬼は片手で防いで彼を投げ飛ばしてしまう。
桃代無敵・アバター乱舞で強引に勝負を決めようとしたようだが、決め手となるドンモモタロウが絶不調のため攻撃が決まらずに失敗。
遊び相手にならないと判断したためその場から走り去った特命鬼を翼とつよしが追いかけるも、取り逃がした模様。

桃井陣からタロウの体調不良の理由を聞いたはるかと真一は、陣から受け取ったきびだんごのレシピを前に頭を悩ませていたが、なんとそこに五色田介人があとは丸めて小麦粉をつけるだけの状態のきび団子の生地を持参。
実は喫茶どんぶらの裏メニューに「時価」で存在していた模様。
その生地をはるか、真一で丸めて団子にし、タロウに食べさせ完食したことで絶不調から開放された…とおもいきや、臼と杵でついたものではなかったため結局タロウは不調のまま。

街に再び現れた特命鬼は今度は「達磨さんが転んだ」を開始。
小さな子供が突然怪物に変貌した恐怖で逃げ惑う人々を次々に消し去り、再度集結したドンブラザーズと対峙するも、遊びに付き合わず突撃してきた翼とつよしを消し去り、
残った3人が戦おうとするもタロウの不調が回復しきっていなかったことが判明したため、「達磨さんが転んだ」を数えている間に何とか撤退する。

そして再び桃井陣と対面したはるかと真一は「臼と杵」を使ったものでないと駄目(栄養価は変わらないのではと真一が指摘したが「ダメなものはダメだ」と一蹴された)ということから、どんぶらに臼と杵を持ち込んで再度一からきび団子作りを開始。
配達が残っているとタロウは仕事に戻っていったため、両名は彼の回復を優先するために作業を続行する。

配達に戻っていたタロウの前に三度特命鬼が出現。
「鬼ごっこ」を始め逃げ惑う人々を次々タッチして消し去っていった。
わずかに残った通行人を脳人レイヤーのギミックを駆使して何とか逃がすタロウだったが、光の触手を伸ばしてきた特命鬼の攻撃から真一が盾になったため彼を消し去ってしまう。
ドンブラザーズも残り2名。
作業が終わる前に呼ばれてしまったためきび団子が完成せず、万事休すかと思われたが、そこにきび団子300個を完成させた介人が登場。

彼が作ったきび団子を食べていくタロウを特命鬼が発見するも、彼は食事中のため戦えない。
ピンチ継続…だったが、そこで介人はゼンカイザーブラックへと変身。特命鬼と戦い始める。

ギアトリンガーソード(名称不明)で攻撃するも実体のない特命鬼には通用せず。
しかもきび団子が299個しかなかったため、不足の1個を作るために介人はその場から離脱してしまう。数えてもってこい…といいたいが300個ともなれば厳しいか。
「達磨さんが転んだ」のルール下で何とか立ち回るしかないのだが、体調が回復しきれていないタロウをはるかがカバーしようにも、追加で呼ばれた大量のアノーニが襲いかかってくるためそれも難しい(なおアノーニも特命鬼のルールに従わざるを得ず、反した場合消されてしまう)。

が、そのはるかの献身的な態度が足りなかったきび団子1個分を埋めることとなり、タロウは完全復活。

達磨さんが転んだを終わらせるため、「鬼切った!」と言いながら切る必要があることをはるかから聞き、タロウはドンロボタロウへアバターチェンジ。
瞬く間にアノーニを蹴散らし、ザングラソードで巻き起こした竜巻でアノーニ達の大勢を崩すと、お手つき扱いとなって彼らは消滅。

一度にアノーニを消し去ったドンロボタロウに興奮した特命鬼は、高速移動を活かし縦横無尽に動き回りながら「達磨さんが転んだ」を続けていく。
そこでドンロボタロウは心桃滅却・アバター光刃を発動。鬼切った!と言いながら高速移動中の特命鬼に追いついて一刀両断。

遊びのルール下での攻撃なので撃破に成功し、自分に付き合ってくれたタロウとはるかに感謝しつつ、太一の精神は元の身体に戻っていった。

看護師「あら?どうしたのかしら井沢さん。急に幸せそうな顔になって。よっぽど楽しい夢見てるんですね」


過去の想いのこしを解消できたためか眠る太一老人の顔は晴れやかなものとなっていた。


【余談】

モチーフとなったのは「特命戦隊ゴーバスターズ」。
かなりシンプルな見た目だが、実に多くの要素をデザインに取り入れていることがわかる。
  • 「バッディなチーター」というスキン名 → チーター型バディロイド「チダ・ニック」と、バッドや相棒を意味するバディを掛けたもの。敵幹部であるラスボスとなったエンターが変身するダークバスターもチーターモチーフ。
  • 目のような形状の耳 → 顔にある両目も含めれば4つ目。ゴーバスターズの怪人は4つ目のメタロイド
  • 光の触手 → エンターが同様の能力を持つ。
  • チーターの顔面を模した鎧 → チダ・ニックと合体したパワードカスタム。あるいはチーターヘッド型ユニットを接続したバスタービークル。
  • 頭部は白骨化したチーター → 人間の頭蓋骨を組み込んだメサイアセル。チーターのパーツが逆三角形となっているため、これもまたメサイアセルのデザインと同じ。

デザイナーコメントによれば「チーターとバイクの要素を拾って構成した」とのこと。

レッドバスターこと桜田ヒロムは幼少期から訓練に明け暮れ遊ぶ暇がなかったが、その幼少期遊べなかったことを心残りにしていた太一老人の境遇はそこからか。
達磨さんが転んだや鬼ごっこと、たくさんの参加者を必要とする遊びに終止していたが、お手つきした者を問答無用で消し去ってしまい、しかもそれを本人はよく理解していないような描写もあるため、どうなっても結局孤独なのは変わらない。

だがドンロボタロウに斬られたことでヒトツ鬼から解放され、ドンブラザーズが自分の遊びに付き合ってくれたことを感謝したことから、欲望が満たされドン8話中ほぼ活動していたものの、ヒトツ鬼ングになることはなかった。
ヒトツ鬼の性質がプラスに働いた珍しい例といえる。

実体を持たず通常攻撃が通用しないヒトツ鬼は後に炎神鬼が登場しているが、あちらは宿主となった女性が既に死亡して幽霊化しており、それを受け継いだ形になっている。
ある意味この特命鬼も宿主は生きているが後悔の念がモンスター化しているため、太一老人の生霊と言えるかもしれない。
ちなみに炎神鬼炎神鬼ングとなっているがやはり等身大の能力を引き継ぎ物理攻撃が無効化されるという強敵となっていた。

最終更新:2023年08月05日 18:49