「ゆいー! 起きなさい!」
下からはお母さんの声が聞こえてくる。
「んにゃー……わかったー……」
たぶん、というか絶対に聞こえていないぐらいの弱い声であたしは返事をした。するとお母さんが階段を上ってくる音が聞こえてくる。そのまま一直線にあたしの部屋のドアをあける。
「ほら、起きなさい! 今日も一限から授業なんでしょ?」
バタンという音と同時にお母さんがあたしに声をかける。
「わかったよー……起きる、起きるからー……」
あたしは眠け眼をこすりながら上半身をベットから起こして、床に立つ。やっぱり眠いや。
「もう、やっと起きた。ほら早くしたいって顔洗ってきなさいな」
そう言うとお母さんは私の部屋の入り口から遠ざかりベランダのほうへと向かっていった。たぶん洗濯物を干すのだろう。あたしはヒンヤリとした床の冷たさを足の裏に感じながら階段を降りていく。途中あくびが出た。一階にたどり着くとまずは洗面所に向かう。照明をつけて、蛇口をひねると冷たい水がそれなりの勢いで出てきた。本当は温かくなるまで待っていたいんだけどそんなことをしていると電車に間に合わなくなっちゃうかもしれないから我慢する。ピシャピシャと水が顔をはねる音。冷たい。
顔を洗い終えたらリビングに。そこにはお父さんがいる。いつもの朝の風景。
「お父さん、おはよ」
「おぉ、結、おはよう」
お父さんは食パンの上にスクランブルエッグをのせてケチャップをかけたものをくわえて新聞を読んでいた。お母さんは行儀が悪いからやめろって言うんだけどお父さんはこう食うのが一番美味いんだよ、と笑っていつまでもそれをやめようとはしない。お母さんもそれを見て全くしょうがない人、って言ってなんだかんだで笑っている。そういうのを見てると二人とも仲がいいなー、って思う。
「お父さんケチャップ貸して!」
あたしはなんとなくだけどお父さんの真似をしたくなって、ケチャップを受け取ると、パンの上にスクランブルエッグを乗せてその上にそれをかけた。
「ん-……」
なんか見た目が……微妙?
「あっ、結! なにしてるの! 行儀悪いでしょ!」
横から声が飛んできたと思ったらいつのまにか下に降りてきたお母さんがいた。
「にゅー……お父さんのまねしただけだもん!」
「真似しちゃダメ! 全く、あなたもとめてくださいよ!」
「いや、だって俺もやってるんだから行儀悪いだなんて言えるわけないじゃないか」
そう言ってアハハハハなんてお父さんは笑ってごまかす。お母さんはそんなお父さんに怒っているように見えるけど、本気でなんて怒ってない。子供のじゃれあいみたいなもの。なんて考えつつ食パンをパクリ。あっ、美味しっ。
下からはお母さんの声が聞こえてくる。
「んにゃー……わかったー……」
たぶん、というか絶対に聞こえていないぐらいの弱い声であたしは返事をした。するとお母さんが階段を上ってくる音が聞こえてくる。そのまま一直線にあたしの部屋のドアをあける。
「ほら、起きなさい! 今日も一限から授業なんでしょ?」
バタンという音と同時にお母さんがあたしに声をかける。
「わかったよー……起きる、起きるからー……」
あたしは眠け眼をこすりながら上半身をベットから起こして、床に立つ。やっぱり眠いや。
「もう、やっと起きた。ほら早くしたいって顔洗ってきなさいな」
そう言うとお母さんは私の部屋の入り口から遠ざかりベランダのほうへと向かっていった。たぶん洗濯物を干すのだろう。あたしはヒンヤリとした床の冷たさを足の裏に感じながら階段を降りていく。途中あくびが出た。一階にたどり着くとまずは洗面所に向かう。照明をつけて、蛇口をひねると冷たい水がそれなりの勢いで出てきた。本当は温かくなるまで待っていたいんだけどそんなことをしていると電車に間に合わなくなっちゃうかもしれないから我慢する。ピシャピシャと水が顔をはねる音。冷たい。
顔を洗い終えたらリビングに。そこにはお父さんがいる。いつもの朝の風景。
「お父さん、おはよ」
「おぉ、結、おはよう」
お父さんは食パンの上にスクランブルエッグをのせてケチャップをかけたものをくわえて新聞を読んでいた。お母さんは行儀が悪いからやめろって言うんだけどお父さんはこう食うのが一番美味いんだよ、と笑っていつまでもそれをやめようとはしない。お母さんもそれを見て全くしょうがない人、って言ってなんだかんだで笑っている。そういうのを見てると二人とも仲がいいなー、って思う。
「お父さんケチャップ貸して!」
あたしはなんとなくだけどお父さんの真似をしたくなって、ケチャップを受け取ると、パンの上にスクランブルエッグを乗せてその上にそれをかけた。
「ん-……」
なんか見た目が……微妙?
「あっ、結! なにしてるの! 行儀悪いでしょ!」
横から声が飛んできたと思ったらいつのまにか下に降りてきたお母さんがいた。
「にゅー……お父さんのまねしただけだもん!」
「真似しちゃダメ! 全く、あなたもとめてくださいよ!」
「いや、だって俺もやってるんだから行儀悪いだなんて言えるわけないじゃないか」
そう言ってアハハハハなんてお父さんは笑ってごまかす。お母さんはそんなお父さんに怒っているように見えるけど、本気でなんて怒ってない。子供のじゃれあいみたいなもの。なんて考えつつ食パンをパクリ。あっ、美味しっ。
「いってきまーす!」
「はーい、気をつけてねー」
結局お父さんとお母さんがじゃれあっているのを横目にのんびりしてたらあっという間に時間になってしまった。それなりの田舎なので、まっすぐ向かえば駅に着く車道の上を歩く。駅までは徒歩十分ぐらいだ。足元からはジャリジャリと土を踏む音がして、冬の気配が入り混じった空気があたしを包んでいる。
「結ちゃーんおはよー!」
「おばあちゃんおはよー!」
田んぼの中から谷原のおばあちゃんに挨拶されたので、負けないくらいの声で挨拶を返す。引っ越してきたころからあのおばあちゃんにはお世話になっている。他にも時宗さんちのおばさまとか、神谷のおにいちゃんに挨拶をしているうちに駅に着く。ここでもやっぱり駅員さんに挨拶。無理に挨拶する必要はないんだろうけどなんとなくしてしまう。子供の頃からの癖。悪いことではないから別にいいんだけどね。
「うにゅー……」
ホームのいつもの場所に立つと風がなんとなく冷たくなった気がして少し身震いしてしまう。そろそろヒートテック着ようかなぁ……そもそも買ってないんだよな……なんてことを考えている内に遠くからガタンゴトンと電車の音がしてホームに滑り込んできた。周りが静かだから電車の音が良く聞こえる。
あたしは電車に乗り込むとこれまたいつもの場所に座る。二人がけの席が向かい合わせになってるところの右から数えて三番目の奥。色々試してみた結果ここが一番日当たりが良くて暖かい。席に着いたところでカバンに入れた携帯が振動した。さっと開いてみてみるとお母さんからのメール。
『今日はハンバーグだから早く帰ってきなさいね』だって。いやいや、あたしもう子供じゃないんだから!……いや、まあ早く帰るんだけどね。でもわざわざメールするほどのことかな? なんて思ってしまう。
お母さんにメールを返した後カバンから本を取り出しゆっくりとページをめくる。夏目漱石。教養としてこれくらいは必要かなって。
「おぅ! 結じゃないか!」
突然声がかかったのは読み始めてから十分位してあたしの乗った駅から三ついったところだった。
「あれ! テラスさん! なんでここに?」
「いやー、このあたりって意外とバイクで来にくくて、電車乗って友達のとこ行って飲んでたら終電逃しちゃってさー!」
なんて、言いながら豪快に笑う。この人はテラスさんっていって大学の警備員の人。なんでお友達になったか覚えてないんだけど、いつだったかなぁ?
「ところで結はどうしてこんなところいるんだ?」
「どうしてってそんなの登校中に決まってるじゃんか!」
「そうかそうか! じゃあ今度こっちのほうに来たときは結のところに行くとするよ!」
「お部屋汚いからだめー!」
そんな他愛もないけど楽しい会話をしていたらあっという間に降りる駅になってしまった。
「テラスさんはこれからお仕事?」
「んー、私はいったん家帰るよ。着替えもしたいしな、なんなら来るか?」
「授業あるっつーの!」
なんて笑いながら頭にチョップ。
「おいおい、痛いじゃないか!」
なんて全然痛そうじゃないのにテラスさんはそう言う。
「まっ、冗談だ冗談。授業頑張れよー」
「うんっ」
改札を出るとあたしは左にテラスさんは右に曲がった。たぶんそっちにバイクがあるのかな。なんて考えながら前を向くと、秋葉ちゃんがいた。
「秋葉ちゃーん! おはよー!」
そう言いながら彼女に駆け寄る。
今日も楽しい一日だといいな。うん!
「はーい、気をつけてねー」
結局お父さんとお母さんがじゃれあっているのを横目にのんびりしてたらあっという間に時間になってしまった。それなりの田舎なので、まっすぐ向かえば駅に着く車道の上を歩く。駅までは徒歩十分ぐらいだ。足元からはジャリジャリと土を踏む音がして、冬の気配が入り混じった空気があたしを包んでいる。
「結ちゃーんおはよー!」
「おばあちゃんおはよー!」
田んぼの中から谷原のおばあちゃんに挨拶されたので、負けないくらいの声で挨拶を返す。引っ越してきたころからあのおばあちゃんにはお世話になっている。他にも時宗さんちのおばさまとか、神谷のおにいちゃんに挨拶をしているうちに駅に着く。ここでもやっぱり駅員さんに挨拶。無理に挨拶する必要はないんだろうけどなんとなくしてしまう。子供の頃からの癖。悪いことではないから別にいいんだけどね。
「うにゅー……」
ホームのいつもの場所に立つと風がなんとなく冷たくなった気がして少し身震いしてしまう。そろそろヒートテック着ようかなぁ……そもそも買ってないんだよな……なんてことを考えている内に遠くからガタンゴトンと電車の音がしてホームに滑り込んできた。周りが静かだから電車の音が良く聞こえる。
あたしは電車に乗り込むとこれまたいつもの場所に座る。二人がけの席が向かい合わせになってるところの右から数えて三番目の奥。色々試してみた結果ここが一番日当たりが良くて暖かい。席に着いたところでカバンに入れた携帯が振動した。さっと開いてみてみるとお母さんからのメール。
『今日はハンバーグだから早く帰ってきなさいね』だって。いやいや、あたしもう子供じゃないんだから!……いや、まあ早く帰るんだけどね。でもわざわざメールするほどのことかな? なんて思ってしまう。
お母さんにメールを返した後カバンから本を取り出しゆっくりとページをめくる。夏目漱石。教養としてこれくらいは必要かなって。
「おぅ! 結じゃないか!」
突然声がかかったのは読み始めてから十分位してあたしの乗った駅から三ついったところだった。
「あれ! テラスさん! なんでここに?」
「いやー、このあたりって意外とバイクで来にくくて、電車乗って友達のとこ行って飲んでたら終電逃しちゃってさー!」
なんて、言いながら豪快に笑う。この人はテラスさんっていって大学の警備員の人。なんでお友達になったか覚えてないんだけど、いつだったかなぁ?
「ところで結はどうしてこんなところいるんだ?」
「どうしてってそんなの登校中に決まってるじゃんか!」
「そうかそうか! じゃあ今度こっちのほうに来たときは結のところに行くとするよ!」
「お部屋汚いからだめー!」
そんな他愛もないけど楽しい会話をしていたらあっという間に降りる駅になってしまった。
「テラスさんはこれからお仕事?」
「んー、私はいったん家帰るよ。着替えもしたいしな、なんなら来るか?」
「授業あるっつーの!」
なんて笑いながら頭にチョップ。
「おいおい、痛いじゃないか!」
なんて全然痛そうじゃないのにテラスさんはそう言う。
「まっ、冗談だ冗談。授業頑張れよー」
「うんっ」
改札を出るとあたしは左にテラスさんは右に曲がった。たぶんそっちにバイクがあるのかな。なんて考えながら前を向くと、秋葉ちゃんがいた。
「秋葉ちゃーん! おはよー!」
そう言いながら彼女に駆け寄る。
今日も楽しい一日だといいな。うん!
<コメント>
無理やりテラスさんを出したらこうなった。
作中の名前はテキトウです。思いつきなのでスルー推奨。
無理やりテラスさんを出したらこうなった。
作中の名前はテキトウです。思いつきなのでスルー推奨。