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「さあ反撃の狼煙を上げろ・1――いまはおやすみ――」 - (2006/12/20 (水) 22:58:54) のソース
*そのじゅうご・ひとつめ「さあ反撃の狼煙を上げろ・1――いまはおやすみ――」 「――くうぅぅぅぅぅっっっっっっっっ……出来たあぁぁぁぁーー!!」 「出来たですよぉぉぉぉーー♪」 日曜日の早朝、雄叫びを上げる一人と一体。はっきり言って近所迷惑。 何しろまだビックリマン(一体幾度目のリメイクか!)すらやっていない時間だから、迷惑千万甚だしい。 僕らの声に反応し、夜も明けぬ空の下近所の犬の遠吠えが木霊する。 ……さすがに控えよう。 「早速取り付けてみようか」 「ハイですぅぅぅぅぅ♪」 ティキも僕と同じく少しハイになってるみたいだ。 「と言いたいところだけど、まだこんな時間だし、少し仮眠とらせて。今日中に絶対試運転とバトルもやるから……」 「えうぅぅ、仕方ないですぅ。ここはティキが我慢してあげるのですよぉ~」 「ホッホッホ、そうしてくれるとありがたい」 なんだか僕もティキもおかしなテンションのまま、兎に角仮眠を取る事に決定。 「悪いけど、ティキはそのままクレイドルで寝てね。さすがに充電しとかないと拙いから」 「仕方ないですねぇ~。今日は我慢するですよぉ♪」 僕のうちにあるクレイドルはベッド兼用の高価なものではなく、純粋に機能のみしか目的とされたものだから、ティキには酷く使い勝手が悪いらしい。 その代わりに別にベッドを用意してあるのだけど、ソレはそれで不便だったりする。 金銭面だけで言ってしまえば、ウチみたいなスタイルの方がお得なんだけど、神姫にとってもオーナーにとっても不評だと言うのはうなずける話だ。 だからこそ、神姫がリラックスできるような商品が売れているわけだけれども。 「それじゃあ、おやすみ。また後でね」 「おやすみですよぉ☆」 そういって僕はティキをクレイドルにセットした。 ティキの意識がなくなる。 それを確認し、僕はとりあえず今感じている空腹をどうにかしようと、台所に向かった。 ……これがトラブルのキッカケになるなんて、その時はまるで思っていなかったんだけど。 台所に行き、僕は食パンを一枚取り出す。 本来僕はご飯党なのだけど、さすがに寝る寸前に満腹になるまで食べるわけには行かないので、薄いパン一枚と牛乳で空腹を紛らわした。 トイレに行き、歯を磨き終える頃になると、さすがにもう眠くて眠くて。 僕はすでに思考能力を半減させていて、本当にそのままベッドに潜り込んだ。 なんか忘れてる気もするけど…… だけど、ま、いいか。 おやすみなさーい♪ 今回の新装備を完成させるにあたって、僕は色々と人に頼ってばかりいた。 僕の力なんて小さなもので、そんな僕一人でこの装備を完成させる事なんて、夢のまた夢。 自分に対して過大評価をしないようにした僕は、それでも必要以上に自分を貶めたりもしない。つまり、自分にそれだけの力が無い事は事実でしかなく。 僕は天才でも無いし、それ以上に専門的な知識も無いから、頼れるものには頼らざるを得ない。 だからジイ様とエルゴの店長さんにジェニーさん、そしておまけで日記を残してくれていた親父には感謝している。 事の起こりはやはり親父の日記だったりする。 なんだかんだ言っても僕は親父の日記を頼りにしていたし、それに答えるだけの知識を親父は持ち合わせていたから、たとえ大人として問題があったとしてもありがたいと思える。 親父が生きていた頃は、こんな風に親父に頼ったりしなかった。考えてみると、それはとても親不孝だったと思う。 ……今更、なんだけど。 兎に角、親父の残した日記と同じフォルダの中にあった『ティキ武装強化案』なるファイルを発見できた事が第一の取っ掛かりで、これを発見できていなければティキの新装備は違ったものになっていたはずだ。 少なくとも、新規飛行ユニットに移行するという選択肢は僕の中にはなかったんだから…… [[終える>僕とティキ]] / [[つづく!>「さあ反撃の狼煙を上げろ・2――回顧録・三――」]]