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  • キズナのキセキ・ACT1-24:武士道

武装神姫SSまとめ@wiki

キズナのキセキ・ACT1-24:武士道

最終更新:2023年02月05日 12:17

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だれでも歓迎! 編集
キズナのキセキ

ACT1-24「武士道」



□

 春になって、日が昇るのが早くなったことは、今朝の俺にはありがたかった。
 早朝の花咲川公園で、俺と大城は準備をしていた。
 桜並木に囲まれた広場。ここが決闘の舞台になる。
 俺は二人の対決を見届けなければならない。この決闘の立会人に近い立場だった。
 なにしろリアルバトルの立ち会いだから、それなりの準備も必要だ。C港での大ケガみたいなことは、二度とごめんだった。

「……こんなものかな」
「……遠野よぉ……やっぱ考えなおさねぇか? 俺はどうしても納得いかねぇ」

 大城はこの期に及んで、ぶつぶつとぼやいていた。俺はあえて堅い口調で答える。

「今さら何言ってるんだ。今回の策は、どうしても必要だし、お前に嫌な思いはさせないって何度も言ってるだろ」
「けどよぉ……」
「俺が信じられないか、大城」

 俺は大城を見た。
 大城が気に病んでいることは、痛いほどに分かる。だが、それもしばらく後に分かることである。
 決戦はもう目前なのだから。
 視線をはずしたのは大城の方だった。

「……わかった。俺も覚悟を決めらぁ」
「よし」

 俺は頷く。
 俺の策にずっと協力してくれていた大城だからこそ、菜々子さんにも内緒にしているこの策を任せられるのだ。
 もうそろそろ、二人が来る。
 その時だ。
 俺たちの後ろで、何かが動く気配があった。

「誰だ」

 俺は緊張する。
 このバトルを知るのは身内のごく一部だが、『狂乱の聖女』が絡んでいるだけに、用心にしすぎるということはない。
 大城もまた身構え、気配の方に鋭い視線を投げている。リアルに修羅場をくぐり抜けているだけあって、その姿はやけに様になっていた。
 茂みががさがさと動く。
 出てきた顔は、よく見知ったものだった。

「安藤……それに君らもか」

 安藤の後ろに、ライトアーマー・シスターズの四人が揃っていた。
 安藤が少し不機嫌そうに口を開く。

「俺たちに声をかけないのは、ちょっとひどくないですか?」
「いや、今回はゲーセンでの対戦とは訳が違う。危険が伴うんだ。君らを危険にさらすわけにはいかない」
「そんなこと分かってます。でも、わたしたちには、菜々子さんのバトルを見届ける権利があるはずです」

 八重樫さんもいつになく強い口調だった。
 他の三人も頷いた。
 蓼科さんが、俺を真っ直ぐに見て、言った。

「だって、わたしたち、チームメイトじゃないですか」

 困ったものだ。
 あれほどに不信を抱いていた菜々子さんのバトルを、危険を承知で見に来るとは、変われば変わったものである。
 いや、彼女たち自身も決着をつけたいのかも知れない。揺れ動いていた心の決着を。
 俺は小さくため息をついた。

「仕方がないな。俺の後ろの茂みに隠れて、静かに見ているんだ。ケガをしても知らないぞ」
「はい!」

 嬉しそうな五人の声が重なった。
 喜ぶなというのに。
 これから始まる戦いは、バーチャルじゃない。
 神姫をぶつけ合い、壊し合う、リアルバトルなのだ。
 そして、この戦いに栄光はない。どんなバトルをしたとしても、勝利を得たとしても、人々の話題に上ることもない。
 ただ、これから戦う二人の、二人のためだけのバトルなのだ。

「来た……」

 大城の囁きに、みんなが息を飲む。
 大城を含めた六人は、俺の後ろで身を縮めながら、植え込みの隙間から広場を見ている。
 俺は桜の木の近く、植え込みの一つから立ち上がり、二人にその姿をさらしていた。
 菜々子さんが立ち止まると、桐島あおいを振り返る。
 桐島あおいが、一瞬俺を見て、そして一歩進み出た。彼女はそれで悟ったのだ。ここが決闘の舞台であることを。
 彼女もゆっくりと歩を進め、距離を取ったところで振り向いた。
 俺の位置からは、向かい合う二人が見え、それぞれ同じ距離にいる。まるで試合の審判のようだ。
 一拍の沈黙の後、菜々子さんが宣言した。

「あなたを倒します、お姉さま。今ならはっきり言える。今のあなたは間違っている、と」

 菜々子さんは、静かに宣言する。
 すでに瞳は神姫マスターのそれだ。彼女からは微塵の油断も感じられない。

「……そうだとして、あなたにわたしが倒せるの?」
「倒します」
「……すでに二度負けていても、まだ倒せると思うの」
「……ある人が教えてくれました。わたしはもう『アイスドール』 と呼ばれていた頃のわたしではありません。
 今のわたしは『エトランゼ』。
 その名にかけて……あなたを倒す」

 菜々子さんの揺るぎない口調に、桐島あおいもまた、瞳の色を強くする。

「わたしは、今のわたしが間違っているとは思わない。かつて、 あなたに教えたことこそが間違っていたと確信している」
「あおいお姉さま……」
「わたしはあなたを倒すわ、菜々子。そして、今のわたしが正しいことを証明しましょう」
「……ならば……勝負です、お姉さま!」

 公園の緊張が爆発的に高まった。
 空気の流れさえ止まりそうな緊張の中、二人は同時に動き出す。
 桐島あおいは、叫ぶ。

「マグダレーナ!」

 アタッシュケースが開き、呼びかけに応えた神姫が勢いよく飛び出してくる。
 『狂乱の聖女』マグダレーナ。
 漆黒のシスター型は、黒い閃光と化して一直線に突き進む。
 菜々子さんも、アタッシュケースの持ち手に付いた開閉スイッチに指をかける。


「ミスティ、リアルモード起動。入力コード「ETRANGER」、タイプ……ブシドーーーーッ!!」


 スイッチが押し込まれ、銀色のケースが直角に開く。
 そこにいたのはグリーンの装備をまとう神姫……『異邦人(エトランゼ)』のミスティ。

「了解!!」

 刹那、ミスティが緑の閃光となって飛び出す。
 真向かいで飛び出してきた黒き閃光と、同一線上。
 二体の神姫は、広場の中央へと突進、邂逅する。

 そして。

 次の瞬間、その場にいたすべての人間、すべての神姫が驚愕した。
 ただ一人……俺を除いて。


◆

 当事者であるミスティ自身が驚きを隠せない。
 すべてを賭けた決戦、その初撃。
 それがこんなにもあっさりと受け止められてしまうとは。
 いや、手にした剣、エアロ・ヴァジュラの袈裟斬りが、この最凶神姫相手にそう簡単に決まるとは思っていない。
 あらゆる攻撃が当たらない。それがマグダレーナの強さではなかったか。
 初代も、以前の自分も、この神姫に一撃すら与えられずに敗れ去っている。
 にもかかわらず、今、奴はこの一撃を燭台状の槍の柄で受け止め、鍔迫り合いをしていた。
 交差した剣と槍の間、目の前に仇敵の顔がある。
 マグダレーナこそは、この場にいる誰よりも驚愕していた。
 それを知って、ミスティはむしろ落ち着いた。不敵な笑みを口元に浮かべ、口走る。

「どうしたの? 『狂乱の聖女』ともあろう神姫が、余裕ないじゃない」

 その言葉に、マグダレーナははっとして、ようやく自分を取り戻した。

「……図に乗るな!」

 しわがれた声の一喝を合図に、お互い一挙動で得物を引く。
 二人の神姫は大きく後退し、身構える。
 そこでようやく、マグダレーナはミスティの全身像を確認した。

「……なんだ、その装備は」
「いいでしょう? タカキのコーディネートよ」

 武装のコンセプト自体は、イーダのミスティの武装から大きくはずれてはいない。
 しかし、よく見れば、同じ部分の方が少ないことがわかる。
 マウントされた二門の「アサルト・カービン」、手にした「エアロ・ヴァジュラ」、ホイールはオミットされているが、副腕の肩部と変形の要になる背面装備は、イーダ型を引き継いでいる。
 しかし、副腕はストラーフMK.2のものだし、それに装着された自動車のカウル状のアーマーは見たことがないものだ。
 脚部装備はストラーフのごとく大型だが、オリジナルのものと知れた。そして、足首の横に左右一つずつ、ホイールが装備されていた。

 ミスティの新装備が、マグダレーナの予測を狂わせていたのか。
 否、その程度の誤差を埋められないマグダレーナではない。
 では何だ。何が予測を狂わせている?
 マグダレーナは、疑念を浮かべながらも、次の戦闘機動へと移行する。
 ミスティもまた動く。
 距離を取った二人は、銃器を構えた。ミスティは背中から突き出るように装備された「アサルト・カービン」。マグダレーナは側面に備えた十字型の「クロス・シンフォニー」。
 マシンガンの咆吼がこだまし、射線が交錯する。
 マグダレーナの射撃は、威力も段違いだ。破壊するための違法改造も、裏バトルでは問題にならない。
 しかし、ミスティは臆することなく、威嚇射撃をしながら、滑るようにマグダレーナとの距離を詰めた。

 ミスティが仕掛ける。
 ストラーフMK.2の副腕から繰り出されるのは、抜き手。指を揃えた鋭い突きがマグダレーナに迫る。
 それを喰らうマグダレーナではない。迫り来る高速の抜き手を余裕の動きでかわす。
 その時だ。

「……なにっ!?」

 マグダレーナは咄嗟に手にしたビームトライデントの柄を引き上げ、ミスティの副腕の大きな爪を受け止め、捌く。
 予想しない軌道を描いて、ミスティの爪が襲ってきた。連続の抜き手から、いきなり斜め下からの斬り上げ。
 どうということはないコンビネーションに見えるが、マグダレーナにとっては全くの想定外だった。
 ミスティのラッシュが続く。
 マグダレーナは一度ならず、何度も予想を裏切られながら、徐々に追いつめられていく。


□

「出た、ミスティの武士道モード!」

 園田さんが控えめに声を上げる。
 そう、特訓場でミスティと対戦したなら、みんな知っている。
 今のミスティが起動している「リアルモード」は、デビル・タイプ、ビースト・タイプに続く第三の形態だ。
 その名も武士道・タイプ。

 マグダレーナ対策として、俺が新装備の習熟と同時に着手したのが、新たなリアルモードの修得だ。
 初代ミスティが身に付け、受け継がれたデビル・タイプ、今のミスティが苦行の中から見いだしたタイプ・ビースト、その両方ともマグダレーナに破れている。
 新たな戦闘パターンを身に付けることは、このバトルの必須事項だ。

 菜々子さんによれば、リアルモードとは「心構え」であるという。
 今までの二タイプは、勝つことだけしか考えない。デビルは冷酷無比に相手を倒すタイプであり、ビーストは獣のごとく理性を捨てて襲いかかる。
 どちらのタイプも、自分を捨てた戦い方だ。
 その「心構え」を変える。
 悪魔も獣も従えて、両方のスタイルをミックスする。そのための心構えは「戦いに勝つ」、ではなく、「戦いを制する」ということだ。
 常に冷静さを失わず、自分を見失わず、はやる気持ちを抑え、焦る気持ちを消す。相手を破壊するのではなく、相手を制する。
 それこそ、真にエトランゼが必要とする心構えだ。
 自らを制し、相手を制し、戦いを制する。
 俺はその心構えを「武士道」と呼ぶことにした。

 デビル・タイプとビースト・タイプをミックスすることで、ミスティの動きはマグダレーナの予測を上回っている。
 だから、ミスティの攻撃に対応できず、マグダレーナは苦戦しているのだ。
 ここまではミスティが優勢。
 そしてこの後、劣勢に追い込まれたマグダレーナがどう出るか。
 俺には分かっている。
 この状況を打破する手は、マグダレーナには一つしかない。
 マグダレーナがその行動をとる瞬間。
 それを俺は待ち続けている。


◆

 ミスティの動きが読み切れないのは、戦闘パターンだけではない。
 遠野が用意したミスティの新しい装備が、マグダレーナの予測に誤差を生んでいる。
 特に、両足に装備されたホイールは、ストラーフ並の大型装備を身に付けていながらも、滑らかかつ高速な機動を可能にしている。
 初代ミスティとも、先日のミスティとも、まるで違う機動。
 以前の戦闘データは全く役に立たない。
 ならば次の手を打つのみ。
 それを悟ったマグダレーナの行動は早かった。
 背部の大型バックパックに接続された、ランプのような形状をしたユニットが唸りを上げる。
 一つ目の妖怪のような、中央のカメラが不気味に輝いた。
 接続部がはずれ、二体のランプ型サポートメカが宙に浮く。

「……行け!」

 マグダレーナが左手を振り、短く指示したのと同時。
 二体のサポートメカが動き出し、ミスティに向けて殺到した。


◆

 ミスティは焦る。
 あのサポートメカは厄介だ。
 二体の波状攻撃は、『街頭覇王』の異名を持つファーストランカー・三冬ですら苦戦したのだ。
 二体の妖怪じみたマシンが高速で接近してくる。

「やるっきゃないわね!」

 自らを鼓舞するように小さく叫び、サポートメカを迎え撃とうと、ミスティが一歩前に出たその瞬間、

「今だ!」

 小さく鋭い叫びが聞こえた。
 刹那。
 光り輝く光芒が一筋、サポートメカの一体を貫いた。

「……え?」

 驚く暇もない。
 光の筋に貫かれた一体がどうなったのか確認する間もなく、もう一体との距離がゼロになる。
 ミスティは、サポートメカの腕に装着されたクロス・シンフォニーを払いつつ、サポートメカのメインカメラを殴りつけ、そのまま地面に思い切り押し倒した。

 さらに次の瞬間。

「あああああぁぁっ……!」

 狂おしい女性の悲鳴がほとばしる。
 声の方を見れば、頭を抱えてた桐島あおいが、いましも崩折れて膝を着こうとしているところだった。

「お姉さま!」

 心配そうな顔で菜々子が駆け寄る。
 一体どうしたというのか。
 そこでミスティは気が付いた。
 桐島あおいのやや後方、ティアが何かを抱えてバックダッシュしている。
 それは、あおいの耳に装着されていた小型ヘッドセットだった。
 ティアがいつもの華麗なトリックを決めて、桐島あおいの肩に乗り、ヘッドセットを奪った、という過程は想像に難くない。
 この数瞬の間に、何が起きたのか。何をしたのか。
 ミスティにとって確実だと言えるのは、自分が地面に押し倒したサポートメカが、行動不能になっていることだけだった。


◆

 虎実は、いましがた引き金を引いた大型の武装……荷電粒子砲を残したまま、木の幹から飛び降りた。
 一撃放ったら、命中してもしなくても、できるだけ早く遠くに逃げろ、というのが遠野の指示である。茂みの下に隠してあった、いつものエアバイクはアイドリング状態で、虎実が飛び乗るとすぐさま起動、蹴飛ばされるように広場を後にした。
 作戦は成功した。
 木の上から、遠野の合図とともに、マグダレーナのサポートメカを狙撃する。
 エアバイクから銃器を撃ちまくるスタイルの虎実は、火器管制に優れた能力を持っている。だからこそ、この役目に選ばれた。
 しかし、虎実は納得行かない。
 成功しても、嬉しくも何ともない。

「ほんとに……本当にこれで良かったのかよ、トオノ!!」

 正々堂々の決闘に、伏兵による狙撃など、卑怯極まりないではないか。


◆

「伏兵とはな……」

 しわがれた声が憎々しげに呟く。
 見れば、怒り心頭という顔で、マグダレーナはミスティを激しく睨んでいた。

「正々堂々の勝負だと言っておきながら、この仕打ちは何だ、『異邦人』!」
「し、しらないわ……」
「しらばっくれるな! よくも舐めてくれたものだ、このわたしを……」

 ミスティは本当に知らなかった。
 彼女も、マスターの菜々子も、こんな作戦は知らされていない。
 正々堂々、一対一の勝負だと聞かされていた。

「そうだ、言っただろう。正々堂々一対一の勝負だと」

 はっきりとした声が、横槍を入れてきた。
 マグダレーナの苛烈な視線がミスティからはずれ、声の方を向く。
 ミスティもその視線の先を追った。
 視線の先にいたのは……遠野貴樹。
 彼は、いつも通りの落ち着いた口調で、言った。

「四対一じゃ、ミスティにハンデがあり過ぎるだろ」

 それを聞いたマグダレーナの表情が一変した。
 愕然。
 激しい怒りを一瞬にして吹き飛ばし、いつもの不気味な余裕さえなくし、ただただ驚いているばかりだ。
 ミスティはいぶかしく思う。四対一? 貴樹は一体何を言っているのか? そして、マグダレーナは何をそんなに驚いている?
 その場にいた誰しもそう思っていたことだろう。
 すると、その遠野貴樹が、ゆっくりと言った。

「ミスティ、そのサポートメカの外装を引き剥がしてみろ。ティア、打ち合わせ通り、ヘッドセットのカバーをはずせ」

 ミスティは押し倒したサポートメカに目をやる。
 すでに台座の上の球体は半壊し、外装を剥がすのも難しくなさそうだ。
 ミスティは半信半疑に思いながらも、遠野の指示通り、副腕の爪をその丸い外郭に引っ掛けて、剥がしにかかる。


■

 マスターの合図とともに、わたしは桜の木の陰から飛び出すと、ジャンプして桐島あおいさんの肩の上に着地、すぐさまヘッドセットを奪い取って後退していた。
 わたしの行動がバトルに何で必要なのかなんて、知らない。マスターはいまだに何も言ってくれない。
 ただ、次の指示で、ヘッドセットのカバーをはずしてみんなに見せろ、と言い含められていた。
 わたしはナイフを取り出すと、ヘッドセットのカバーの継ぎ目に二度三度突き立てる。すると、意外にあっさりとカバーははずれた。
 わたしは、見た。
 ヘッドセットの内部。
 わたしは言葉を失う。
 こんな……こんなことって……!


□

 ミスティが剥がしたサポートメカの外装から見えた内部。
 ティアがはずしたヘッドセットのカバーの中身。

「な……なんだ、あれ……」

 そう言ったきり、大城は絶句した。
 いや、その場にいた誰もが、神姫たちでさえ、その事実に声を失っている。
 その二つは同じ形状をしていた。
 円形の小さな板の上に、三角形に配置された三つの小さなくぼみ。そこにそれぞれ宝石のように輝くチップがはめこまれている。
 神姫マスターならば、知らない者はいない。
 なぜなら、必ず目にするものだからだ。
 そう、不安と期待を入り交じらせながら、自らの神姫を立ち上げる最初の儀式……その時に。

「CSC……!?」

 蓼科さんの声はかすれていた。
 そこから導き出される信じ難い答え。

「それじゃ……あれは……あれが、神姫……!?」

 八重樫さんの口をついて出た言葉。
 正解だ。
 俺はひとつ頷いた。






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