武装神姫SSまとめ@wiki内検索 / 「作戦00「小さな友達」」で検索した結果
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作戦00「小さな友達」
神姫。 身長14cmの精密機械。 それは人類…いや、日本人が待ち望んでいた「ともだち」であった。 世に出て数年後、彼女たちははホビーへと進出する。 技術力を結集した武装を身に纏い、それぞれの意思を掲げ戦う機械の姫。 武装神姫の誕生である。 「友達、かぁ」 近くの電気店の中をほっつき歩く少女が一人。 長い髪をツインテールに纏め、若干目尻が吊り上っている。 背は175cmぐらいだろう。 「突然すぎるなぁ、転勤だなんて」 ブツブツ呟きながら「神姫コーナー」と書かれたエリアへ。 専門店でなくても神姫は取り扱っている、サービスの質こそ落ちるが。 フルセットが陳列された棚を見る、陳列といっても殆どが売り切れている。 残っているのはムルメルティア・飛鳥・イーダ・マオチャオ、イーアネイラにティグリース。 実は奥にアーンヴァルがあったのだが... -
燐の番外編3 「小さな幸せ」
武装神姫のリン 番外編その3「小さな幸せ」 リン…それは私の名前。 武装神姫第1弾、MMS TYPE-DEVIL「STRARF」のシリアルナンバー3600054468である私の名前。 マスターは私にこの名前を貰いました。 でも私、マスター、茉莉との問題を乗り越えてから2ヶ月ほど経ったある日、私はどうして「リン」という名前に決めたのか、ふとその理由が気になってしまいました。 そうして一週間が過ぎようとした頃、私は我慢できずにマスターにその理由を聞きました。 今回はそのときのお話しです。 それは用事で茉莉が実家に帰っていて、ティアもそれについていてしまい久々に2人きりになれた日のことでした。 「マスター…あの。」 マスターはいつものように顔を横に向けてくれました。 「どうした? なんか欲しいモノでも見つけたのか?」 「いえ…そうじゃなくて、聞きた... -
燐の10.5「小さな挑戦者」
武装神姫のリン 第10.5話「小さな挑戦者」 「藤堂亮輔さんですよね?」 「うん?」 俺はお使いのためにリンと2人でエルゴに向かっていた(茉莉とティアは家でくつろいでいる)のだけど、後ろから急に声をかけられた。 俺が振り返るとそこには中学生ぐらいの少女と見た目は小学生。 それも結構低学年らしい男の子が少女の服のすそを掴んでいる。 そういった2人が立っていた。 「えっと…どこかで会った事あったかな?」 今の所心当たりがないので聞いてみた。 「いえ、これが初めてだと思います。」 少女が応えた。 「じゃ~、なんで俺の名前知ってるのかな?」 「神姫ネットで調べたんです」 「なんでそんなことを?」 「…ほら新。この人でしょ??」 「………うん……」 少年は小さくうなずいた。 「えっと、俺に用があるのはこっちの子なのかな?」 だいたいの予想はついてい... -
小さな小さな総帥様
プロローグ 小さな小さな総帥様 その街では、一番の交通量を誇る交差点に『ミッシェル・サイエンス』のビルはある 十階立てという、中心街にあるビルとしては規模が小さめなビルの、居住用に改装されている最上階に凛とした声が響きわたった 「総員! 起床!」 ピンクの髪、ネコミミのような帽子、眼帯 ボディは武装ではなく軍服に身を包んでいる 武装神姫、戦車型ムルメルティアと呼ばれる彼女の一言で他のクレイドルで体を休めていた他二人の神姫がスリープモードを解除する 「…おはようございます、少佐」 同じように軍にを身を包み、バイザー付きのヘルメットを目深にかぶったフォートブラッグ型の神姫が自らが少佐と呼んだムルメルティア型に向き直って姿勢を正して敬礼をする 「…うむ…おはよう、大尉」 少佐もまた大尉と呼んだフォートブラッグ... -
作戦03「店の守護者」
「ねえおじいちゃん、この店って地下室あるよね?」 「ん? 倉庫に自家発電室に物置部屋が二つな」 ふと聞いてみたの。 「物置っても、片方鍵かかってるの変だよ」 「フム、その内な」 「けちー、今でもいいのー」 どうして教えてくれないの? わたしなにかまずい事言った? ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 夜、閉店後。 「……スィーマァ」 「みゅ…どうしたんですか? ますたー」 「名目上第二物置になってる地下室を偵察してきてなの」 「ふぇっ!?」 夜の地下室は不気味だというのに、すすみはあろう事かスィーマァに頼んだ。 「い…いってきますぅ…」 明らかに足がガクガクしてるが、すすみは黙って見送った。 …… 自分サイズの懐中電灯(フラッシュライト)を手に、スィーマァは神姫にとっては少し大きい段差を降りて行った。... -
武装神姫のリン
あらすじ 普通の会社員、藤堂 亮輔が初めて買った武装神姫のリン。 彼女と亮輔の日常だったり非日常だったり、そんな毎日。 コラボレーション大歓迎です。 死んだりしない限り思うがままに使っていただいて結構です。ガチエロでも可です。 著/リンのマスター あらすじ武装神姫のリン オリジナル武装・技解説 第1章~割と平和な日々~ 第2章~なんだか波乱な日々~ 第3章~ひたすらほのぼのする日々…になってねぇ!!てかエロえろ?~ 武装神姫のリン 外伝 "J dreamer" 鳳凰杯篇(バトル分補給もかねて) インタールードシリーズ 武装神姫のリン オリジナル武装・技解説 第1章~割と平和な日々~ 武装神姫のリン 登場人物設定~第1章~ 燐の1 「リン」 燐の2 「初めてのプレゼント」 燐の3 「イベントへ」 燐の4 「予想外の初陣... -
作戦04「39回目の正直」
晴れた昼下がり。 特にやることもないのでボーッとしてるわたし。 「何ポケッとしてるの?」 横からわたしの顔を覗き込む人がひとり。 上へはね気味の髪型にはつらつとした表情。 「悩んでることがあったらすぐに私に相談しなさいっ…ごほっ」 胸を叩いて…勢いよく叩きすぎてむせてるこの人は天乃宮未来(あまのみやみらい)、わたしの一年先輩なの。 「でも…先輩は微妙に専門外なの、神姫ファイトの話だから」 「バトロンの事? …スィーマァちゃんの事ね?」 「はい…」 あれから敗北を重ね、後一敗で40連敗。 いまのスィーマァなら勝てる相手でも決着がつかない。 「うーん。…やっぱり精神的な問題じゃないかな?」 「やっぱりその結論に達しますの…」 一度も勝ってない(引き分けはある)となれば、自分のアイデンディティに疑問を持つのは当然。 しかも自分を負かす相手は必ずゲイトだ、... -
作戦01「30連敗のオーナー」
どうも皆さんこんにちは。 私はFront Line製戦車型神姫「ムルメルティア」のスィーマァです。 ドイツ戦車がモデルですが、ネズミ目リス科に属するマーモットもイメージに入ってるそうです。 起動は2036年12月25日、ちょうどクリスマスの時です。 人からはよく「小動物的」と言われますが、マーモットでもあるので仕方がありません。 バトルに興味を持ったのは大晦日の事でした。 昼間に近くの町で行われた神姫バトル大会の中継があったのですが、それに参加して注目の的になったマオチャオを見たからだったりします。(名前は…ねここ、だったかなぁ) あれを見て、なんというか「自分もあの人みたいになりたい!」と言った感じでしょうか。 でも、年が明けてからずっと挑戦しているのですが戦果はよろしくないです。 マスターである「古代すすみ」のご友人である「林吹雪」さんとの対戦ではいつも負... -
インターバトルO「アーキタイプ・エンジン」
先頭ページへ 次へ インターバトル0「アーキタイプ・エンジン」 涼しい秋の風が網戸を通って、彼の頬をなでた。 私はたわむれに彼の頬をなでていた空気の粒子を視覚化して追う。 くるりと彼の頭の上で回転した空気は、そのまま部屋に拡散して消えた。 彼はもう一時間ほどデスクに座りっぱなしで、ワンフレーズずつ、確かめるようにキーボードを叩く。彼の指さばきが、ディスプレイに文字を次々と浮かべる。浮いている文字。 その後ろの、ベッドの上に座りながら、彼の大きな背中を見ている。これが私。 私は武装神姫。天使型MMSアーンヴァル。記念すべき最初のマスプロダクションモデル。全世界に数千万の姉妹がいる、そのうちの一人。 パーソナルネームは、マイティ。彼が一晩考え抜いて、付けてくれた名前だ。 私はこの名前に誇りを持っている。 うーむ、と、彼がパソコンチェ... -
第八間幕
第八間幕。 ライトがゆっくりと明るさを強めていく。 中央に置かれた木製のテーブル。その上に置かれたソファに座る、先ほどとは髪型もスーツカラーも違うフェスタとルクス。何らかを楽しげに話していた二人であるが、ふとこちらに気付く。 ルクス、先に立ち上がって恭しくフェスタを手で引き起こす。フェスタ、ドレスの裾を持つようなジェスチャーを交えて立ち上がると、手に持っていた銀色のカチューシャを頭に付け直して仰々しく一礼。 フェスタ「こんにちは。お久しぶりのフェスタです」 ルクス「同じくルクスです。2036の風、第八幕をご覧頂き、ありがとうございます」 二人、ゆっくりとソファに座る。 ライト、照り返しが弱くなり、テーブルだけが浮かび上がる。 ルクス「姉様とお会いした時です」 フェスタ「うん、懐かしいな・・・とてもうれしかった」 ルクス「... -
作戦02「油をさすようなもの」
ども。わたしは古代すすみ、このSSの主人公…なのかな? 特に紹介することのない普通の高校生、これがプロフィールだと思う。 …何で勝てないのだろうと考えて、思いついたのが今回のハナシ。 規定内のレベルでの改造だったし、正直今の状態に焦っていたのかもしれない。 今思うと、柄にもなくアタマにきてたんだと感じる。 ごめんね、スィーマァ。 ……… …… … ふっふっふっ…。 「あの、ますたーは何をしているのですか?」 夜更けも早々、作業台で機械腕を弄るわたし。それを不安そうな表情で見るスィーマァ。 「アームの反応速度と出力をあげてるの、今までの約2.5倍ってところかなぁ」 要は駆動部のモーターの出力を上げればいい。 あとリミッターを取り付けて完成。 でも放熱に関してはあまり考慮に入れてなかった。 「さっ、試してみてなの」 「... -
「小包」
なんとも無い日常。普通に大学にいき、普通に夕食を買い、何事も無く家に着く。 パソコンを立ち上げ、メールをチェックし、巡回サイトを回る。 何の変哲も無く、何の予兆もなかった。 一通りパソコンの作業を終え、ぼちぼち夕食に取り掛かろうとした時。 何の変哲も無い日常とは、ちょっと変わったことが起こった。 小包が届いたのである。 「小包」 はんこを押し、小包を受け取る。 送り主は…親からである。仕送りはこの前届いたばかりだったはずだが? 不思議に思いながらとりあえず、小包を開けてみる。 中には、小包より一回り小さい箱と封筒。 とりあえず、封筒から空けてみる。 手紙が1通。それとやたらと小さい赤、緑、青色の3つの玉がでてきた。 ビーズほどの小ささだっため、封筒から飛び出してきた時は危うくなくしそうになる。 ―――先日、スーパーの福引で当たった。 だが、うちらではさっぱりわからん。 よって、一人暮... -
作戦05「決戦、スィーマァ対ゲイト」
相も変わらず無機質なバトルステージ。 その中央にて対峙するスィーマァとゲイト。 「苦手な機械腕での戦闘を捨てる…。さすがスィーマァ、単純だけどいいとこに気づいたね」 「全てある人から教えてもらったんですけどね…」 向こうはリボルバー・グレネードランチャーを主兵装とし、後は見た目に変化はない。 「でもハンドガン一丁はちと極端だと思うよ? ボクは」 「…まあ、見ててくださいな」 相手より早く床を蹴りあげる。 左の機械腕がこちらを見据える。 閃光。 スィーマァが飛びあがった直後、細々とした三つの光線がフィールドを焼く。 構造物を蹴り、さらに高みへと飛ぶ。 機械腕が振り回されると光線も共に剣として振るわれる。 「っと、やっぱりレーザーを仕込んでたのね…ってわわっ!?」 左を止め今度は右。 止むことのないレーザー光線をひらりくらりと避けつつ、防護... -
すとれい・しーぷ008
すとれい・しーぷ008 武装神姫ユーザー御用達の週刊誌の片隅に載った記事。 『狂い羊復活!?』 桐皮町の小さなゲーセンにて狂い羊復活の噂有。詳細は不明だが、褐色の小さな神姫を連れ、華麗に敵を撃破!戦法は変わらず、接近戦&上空からの奇襲。以前ホームとしていたゲーセンに出没する可能性もあるので、要チェックだ。 丁寧に誰が撮ったともしれないピントのブレた写真までついている。 その記事を読んで怒りを露にした人物がいた。背の高い青年。 黒い服に身を包む姿はさしずめ悪魔か。 雑誌のページを引き破ると、怒りに任せぐしゃぐしゃに丸め床に叩きつけた。 「マスター、そんなに荒れると、お身体に障ります。どうか冷静に・・・」 しばらく様子を見ていた黒い神姫が控えめに声をかける。 男はニタリ、と唇を持ち上げた。 気持ちのいいくらい晴れ渡った空の下、また平和な一日... -
無頼10「インターミッション」
無頼10「インターミッション」 「たこ焼8個入りに…たいやき2つ」 今日で夏休みも終わる。 何だかんだでいろいろあったここ最近。 思えば、6月上旬にヒカルが来たんだよなぁ…。 はじめは"神姫に対してあまりいい印象が無かった"。 なぜかって? 世のニュースは頭の固いコメンテーターが言いたい放題言ってやがる。 興味のない事は聞き流す事にしているとはいえ、これは物語初期の考えを決めつけるものとなった。 そう、神姫はあまり好きじゃなかった。 …でも、ヒカルと過ごす内に、その考えは変わっていった。 "たとえサイズが違い、機械仕掛けでも、神姫は人間と同じ"と思うようになった。 そしてジーナスも加わり、今に至る。 「形人、どうしたの?」 「いや、なんでもない」 ちょっと心配そうな顔でヒカルがこちら... -
流れ流れて神姫無頼
流れ流れて神姫無頼 著者:第七スレの6 更新記録 6/12 すごく今更間もありますが、少し余裕ができたので無頼16を差し替えました。 時間は掛かりますがどうにか秋前には完結したいと思います。 あらすじ: どこにでもいる?高校生「彩聞形人」とのんびり屋の鳥子「ヒカル」が繰り広げる日常ストーリー……のハズ。 主要登場人物 登場神姫 タイトルリスト 無頼0「神姫が手元にやってきた」 無頼1「100円ショップに行ってみた」 無頼2「カレーとヒカル」 無頼3「出会い」 無頼3.5「我は零牙」 無頼4「バトルロンド!」 無頼5「熱唱! 武装神姫」 ※戦うことを忘れた武装神姫よりリゼ出演、けものや氏の監修済。歌詞 無頼5.5話「神姫と社会」 無頼6「第二の神姫、起動」 ... -
神姫無頼質問コーナー・第五回
第五回「街角に、ラララ海の底に?」 時報「どうも、時報です」 日暮「日暮です」 日暮「今回の質問は"神姫が活躍する分野はなんですか?"ですか」 時報「えっ…と、ですねぇ(MMS入門を開く)」 神姫(およびMMS)を扱う分野は幅広い。 ここに代表的なものを挙げる。 ○愛玩用 武装神姫を含むMMSの主な活動分野。 簡単に言えば「友達」である。 彼女たちはオーナーと共に暮らし、オーナーの幸せを第一に願う。 "愛玩用"とは聞こえが悪いが、そのような目的への商業的使用はMMS国際法によって禁止されている(個人でやるのは構わないが、度を超すと告訴されるので注意) ○精密作業 全高15㎝のMMSならではの分野である。 その範囲は自動車の整備から海底ケーブル内の修理、はてには人工衛星のメンテナンス... -
5.ショッキング・ショッピング
5.ショッキング・ショッピング 「へえ、結構賑わってるもんだねえ」 土曜日の夕刻、僕達はその筋では有名だと言われている神姫専門ショップへと足を運んでいた。一通りの説明を受けたあと、「やっぱり実際に扱ってる店に行ってみたいな」という僕の要望に応えて、若山さんが連れてきてくれたのだ。品揃えはもちろんのこと、サポート体制も充実しており、若山さんの一押しショップなんだとか。 『ホビーショップ・エルゴ』、それがこの店の名前だった。 「それにしても、年齢層とか性別とか……随分ばらばらだね」 正直に言って、僕が武装神姫に対して若干マニアックなイメージを抱いていたことは否定出来ない。いくら最先端のロボットとはいえ、元々は女の子の形をしたフィギュアなわけだし。だから、こういう店の客層も、もっと野暮ったい……そう、僕みたいな雰囲気の男性客が多いものと思っていた。 ところ... -
妄想神姫
妄想神姫:メインメニュー 注意 本作品は“突飛な設定”の類を多分に含有しております。 意図的に行っているので、その手の要素を苦手とする方は 閲覧に細心の注意を払って下さいます様、お願いします。 あらすじ 登場人物紹介 本編 外伝 後日談 各種解説 おまけ 協力・引用 あらすじ アキバの隅にMMSショップを構える幼女店長、槇野晶。 彼女の側には“妹”と言うべき、三人の武装神姫がいた。 長女“アルマ”と、次女“ロッテ”に、三女“クララ”。 これは、そんな姉妹のマッドで百合気味な日常とバトル、 更に武装神姫を逸脱気味なメカを、妄想のみで綴るお話。 登場人物紹介 登場人物MMSショップ“ALChemist” ライバルの神姫達 黄昏よりの使者+α(ネタバレ有り) 本編 序章 「苛烈なる少女?と、目覚めし神の姫」 第一章 「晴れた日には、2... -
アスカ・シンカロン04
アスカ・シンカロン04 ~審寡~ 「おかしいぞ」 本屋を出た帰り道に立ち寄ったのだ。 繁華街の一角だった事も確か。 なのに。 「無い」 いつも通る道の何処にも、件の骨董屋は見つからない。 「無い訳無いだろう!?」 昨日の帰り道は、特に意識しては居なかった。 それは逆に言えば、何時もと同じ道を通ったからだ。 「なのに、なんで何処にも無いんだよ!?」 繁華街の入り口まで戻り、神姫センターを通って、昨日立ち寄った本屋へと辿り着く。 そして、その帰り道に古びた建物を見つけた筈だった。 「左の方だったんだ、間違いねぇ」 「北斗ちゃん、そっち右なんだよ」 「……」 「……」 「い…、いいんだよ。『こっち』側なのは確実だ!!」 本屋から繁華街の入り口まで戻る道を辿る。 右側と、念の為に反対... -
戦うことを忘れた武装神姫-22
戦うことを忘れた武装神姫 その22 ・・・その21の続き・・・ 「なぁ・・・お前らは、本当におっきくなっちゃっていいのか?」 「?」 久遠の問いかけに、怪訝な表情の久遠の神姫たち。 「ちっちゃいからこそ、出来ることがあると思うんだけど。なぁ、CTa。」 そのとき久遠に振られて、はっと気が付いた。 -なんで、あたしはちっちゃいもの研に入ったんだろう-。 「そう言われてみれば。」 シンメイが腕組みをして考える。 「うにゃー、にゃーは、やっぱりちっちゃいまんまでいいよー。」 と、ぐい飲みの日本酒を飲み干したエルガが言った。 「にゃーは、ちっちゃいからマスターとラヴーなの。 おっきくなったら、 マスターといっしょに出かけられない。 そうすると、マスターのお仕事の お手伝いができなくなっちゃうのダ。」 そういやエルガは最近、久遠の... -
Gene5 地上げ屋
初めての奴は始めましてだ! 久々の人は忘れていないよな? 松代鋏だ・・・って、名前知らない? ホラ、Gene3の美容院に居た刑事だって、忘れな・・・あ、名乗ってない。一応おまけには名前は載っているけどこれじゃあ俺が自意識過剰みたいじゃないか! 責任者出て来い!! ・・まあ、ともかく俺は今とあるビルに来ている。不正な不動産売買業者、つまりは悪徳地上げ屋の捜査だ。まあ捜査とは言ってもドラマみたいにホイホイと捜査令状は出せないから無断での潜入調査。だけどいくら俺がヒラの巡査で刑事に見えない外見で悪友だけは多いからって、こうも面倒臭い仕事ばっかり回されると腹も立つ。この前なんて警視庁の地走警部にまでこき使われるし。ああ、そろそろ給料日前で金も無いし、何か良い事無いかのよ。とりあえず目的の事務所には到着。 捻、開扉。 「すんません、ちょっと・・・」 「こっ来ねえでくれやぁ... -
Gene13 お好み焼き屋
「小さいのに(目が)大きいたま子ちゃ~ん! 豚玉、エビ玉、それに広島焼き頼むよ!」 「はいは~い!! おねーちゃん、モダン焼き1つ焼いて!」 「・・・今、広島焼きと妾は聞こえたのじゃが?」 撥ねる乳白、仄かな海の香、主役違えどタネは違えず。 「たま子、みやげのたこ焼き上がったのじゃ! じゃが汝は小さいのに(無茶が)大きいのであるから、1つづつ慎重に運べ、よいな?」 「おねーちゃん、そんなに何度も転ばないよ~!」 「その割に先程もイカ焼きを落としたのを妾は見たぞ?」 「・・・え、それ俺の食った奴?」 蒸せる熱気、額に汗。頬染まれども心地よい風。 「たま子ちゃん、なな子ちゃんにニラ玉頼んでくれない?」 「は~い。あ、でもおねーちゃん今手離せなさそう・・・。私が作ろっか?」 「止さぬか。小さいのに(思い切りだけ)大きい汝の作る見汚いニラ玉は客人になぞ出せ... -
妄想神姫:第六十八章
姫の閉ざされし檻、呪われし高貴(その二) 第三節:賢者 半ば日が中天に差し掛かる頃、私達はアキバへと帰ってきた。昼食さえも 摂る時間を惜しみ、駅の売店で買った栄養補助食品とスポーツ飲料を皆で 分け合いながら、神姫センターへと赴く。連休も明けて暫く経った平日の センターは、多少賑わっていた物の……混雑という程の人は居なかった。 「ふぅむ……緊急充電用のレンタルクレイドルは、どれも正常だな……」 「ん~……電源ケーブルが何処かへ引っ張り出された跡も、ないですの」 「となると、ロキちゃんは一体何処で充電しているんでしょうね……?」 「……ひょっとして、充電が不要な位のジェネレータを積んでるのかな」 一緒になってクレイドル周辺をまさぐる梓から、そんな推論が飛び出す。 しかし、強ち的外れとも言えない事情がある。それは、彼女の躯に備わる “装備”だ。可変式... -
引きこもりと神姫:4-2
――3時15分。 「待ち人、現れず」 相手は一向に現れなかった。待ち惚けにも程がある。 「確かに遅いですね。何か、あったんでしょうか?」 柏木さんも、とっくに筐体の調整を終わらせて、パソコンをいじっている。 「仁さん、その人、電車で来るの?」 「いえ、徒歩のハズです」 電車であれば、電車が遅れているということも有り得るのだが、徒歩ともなれば話が違う。 「心配」 「だね。一体どうしたんだろう」 シリアも同意見らしい。 「何か予定でもはいったんでしょうかね~」 「いえ、でしたら連絡の一つくらいあるハズです」 柏木さんもパソコンから顔を上げ、店のドアの方を見る。しかし、一向に誰かが来る気配はない。 「連絡したら? 仁さん、向こうの電話番号わかってるんでしょ?」 「そうですね、かけてみましょ... -
ゆりりね! その1
ゆりりね! その1 りり! ※過度な性的描写(女の子x女の子や器具ありなど)が嫌いな人は注意して下さい。 ※18才未満の神姫マスターは18才になってから読んでね! 『you lose』 真っ暗になった少女の視界に映し出されたのは、素っ気ないそんな表示だった。 you lose。 あなたの、負けです。 「…………」 暗転していた視界は、ゆっくりとその色を取り戻し。 内蔵されたセンサー類は、彼女が腰を下ろしているリフトが上昇している事を伝えてくる。 やがて電脳空間から現実空間へと完全に戻ってきた視界に掛かるのは、光。 頭上の蛍光灯の明かり。彼方に見えるゲーム筐体の明かり。周囲に灯る、バーチャル筐体のLED光。そんないくつもの光、光、光。 そして。 その光の中央。 彼女を迎えるように伸びるのは、細く小さな手のひらだ。 ... -
フラグメント 02
注意 本作は18禁描写・反社会的な設定がされております。 退廃的・ダークな設定などが嫌いな方は、見ないようにしていただけると幸いです。 フラグメント 02 ガードレールにひょいと腰掛け、少女はリサイクルマークがでかでかと貼り付けられた紙コップのストローに静かに口を付けた。 再生プラスチック製の透明なストローを、黒茶けた液体が音もなく駆け上っていき……。少女の白く細い喉が、こくこくと嚥下を繰り返す。 「ん? ……キミも、飲む?」 薄いリップの曳かれた唇を離せば、ほろ苦いそれは紙コップの中へと静かに戻り。 「はい」 その問いに答えたのは、少女が肩から提げたトートバッグに身を埋める、身長十五センチの小さな少女だった。 「……んっ」 小さな顔の小さな口で、小さな少女はストローに口を付けるものの。少女の瞳よりも大きな径の... -
マジックドール
そりゃ、私達にだって不満はあります。あの子達と組んだおかげで神姫マスターアイドルとして有名にはなれました。最近じゃ神姫センター関係のイベントだけじゃなくて地方のイベントとかにも呼んでもらえます。実は小さなハコですけどライブの開催も決まったんですよ。でもね…ステージでお客さんの歓声をいくら受けても、それはあの子達へのものばかりなんです。一生懸命歌ってるのは私たちなのに聞こえてくるのがあの子達の名前だけっていうのは結構堪えるんですよ。お客さんにしたらいつまでたっても結局私たちはアイドル神姫のマスターなだけ、おまけでしかないんです。 -武装神姫マガジン6月号「特集:突☆撃!オトメを支える神姫達」より抜粋 連続神姫ラジオ 浸食機械 16:マジックドール 背後から襲い来るビームソードの斬撃を頭のアンクルブレードでいなすとストラーフは後ろに飛び下がる。いつの間にか接近した清四郎が... -
彩・第一話 第五幕
・・・。 マーチ。 自分を呼ぶ声がする。 「んうー・・・っ」 視界に紫電を走らせながら、ポケスタの中でマーチは身じろぎしてたが。やがて、のそのそと身体を起こした。 「・・・?」 ぽけっとしながら体内の時計を確認する。 2037年。7月26日。午前の・・・まだ、かなり早い。日の出前だ。 ふいっと顔を向ければ、ヤヨイが着替えていた。 「あれ。マスター・・・?」 色白の肌。似合う淡い色の下着姿。その声に振り向きながら、大き目のTシャツを上から被る主。 「マーチ、起きた? じゃ、用意しよっか」 「もう、着いたんですか・・・? えっと。センダイってトコに」 「あはっ。違うよ?」 マーチの慣れない仙台という発音はちょっと可笑しい。デニムに細い足を通しながら笑う。 「ちょっと出かけるんだよ」 「んーと。はい」 どこに? ここは船の上なのに... -
彩・序幕
序幕。 ・・・。 マスターに貰ったのは。小さな心のかけら。 無機質な部屋に舞った、色とりどりの折り紙には。やさしい想いがいっぱいに詰められていた。 勉強机の前に座る少女。 その右手には鉛筆ほどの長さの棒が握られている。先端には小さな櫛が誂えられており、彼女はそれを細かく動かしながら、その「櫛」の先にいる『彼女』の髪を梳いていた。 少女の視線の先。机の上に、ちょこんと足を前に投げだすように座る小さな女の子。彼女は「神姫」。全長15cmほどの小さなオートマトン。瞳を閉じてされるがままに。口元にほっとする笑みを浮かべて座っていた。 やがて少女は丁寧に神姫の髪を整え終えると、櫛を置いて呼びかける。 「よし。終わったよ?」 しかし。 「・・・」 神姫は答えない。 「?」 少女は机に顎を付けるようにして神姫の顔を覗き込む。 羨ましいほど... -
1st
「現在、目標直下! マークして!」 泥だらけで、傷にまみれた体で椅子の下に滑り込む。 《こちらでも確認した。目標をマーキング完了。お疲れ様、よくやった!》 「回収地点に向かいます、もう少しだよ! 頑張って……」 担いでいる相棒に声をかけると彼女が力なく、それでも精一杯の力でボクにしがみついているのを感じる。 《待ってください! まだ友軍が……》 2035/10/16 16:32 アフガニスタン南部 合衆国陸軍104前線基地 “1st SFOD-D アメリカ合衆国陸軍第1特殊作戦部隊デルタ作戦分遣隊 ジョシア・ラミレスニ等軍曹” 「玩具か……」 その日、俺はベッドで頭を抱えていた。 「「あなたが私・ボクのマスターですか?」」 もう30年以上も派遣を続けている癖に新設しない仮設兵舎の、お世辞にも上等とは言えないパイプベッドの枕元に、どこぞのトイメー... -
伊藤組のとある一日(前編)
伊藤組の朝は早い。 起床は朝の5時半。 これは、組長である伊東観柳斎の起床時間でもある。 「……む」 観柳斎は年齢を感じさせない逞しい男だった。 盛り上がった筋肉を和服で隠し、蓄えた髭と総髪は堅気の者とは一線を画す雰囲気をかもし出している。 「……組長、おはようございます」 「辰由か」 観柳斎は、重々しい声で襖の向こうに傅く忠臣の声に答える。 「いつも通り、朝礼は6時丁度に……」 「応」 午前6時丁度の朝の朝礼は、ここ伊藤組の伝統であった。 「……時に辰由」 「はっ」 襖越しの忠臣は、観柳斎の言葉に短く答える。 「……今日のワシは如何か?」 「……今日の組長は『絶好調』だと存じます」 「そうか、やはり『絶好調』であったか……」 うむ。と一つ頷き、観柳斎は身を起こした。 清々しい朝の始まりである。 鋼の心:番外編 ~E... -
これからの話
新しい未来 その後、私達は到着した消防隊に保護された。華凛は軽度の火傷。私は火傷に両足の骨折がついた。まぁ、あんな無茶をしたのだからしょうがない。私は入院、華凛は治療だけで済んだそうだ。 華凛は病院で目を覚まし、私が骨折したことと、私の髪が短くなっていることに一番目を丸くしていた。そこ以外に色々と言う所があったようだが、それはお見舞いの時に言うそうだ。せめて周りの人に迷惑にならないようにしてもらおう。 お母さんはすごく私を心配してくれた。怒られるかと思ったが、それ以上に安心され、そして誉められ、結局怒られた。無事でよかった。友達を助けるのはえらいけど、自分の体を大切にしてね、と簡単にまとめるとこうなる。 華凛の家が燃えた理由は、放火だった。悪質な放火犯は同じような事件を度々起こし、つい先日捕まったらしい。単独犯らしく、これ以上被害が広がることはないようだ。燃えてしまった... -
フラグメント 01
注意 本作は18禁描写・反社会的な設定がされております。 退廃的・ダークな設定などが嫌いな方は、見ないようにしていただけると幸いです。 フラグメント 01 「……んふ……っ!」 薄暗い路地に響くのは、少女の漏らす甘い声。 「ぁ……は…………ぁ」 半端な高さのビルの谷間。ぐぶ、という濁った水音がコンクリートの壁に一度だけ跳ね、そのまま排水溝へと消えていく。 そこにあるのは、ビルの面する表通りから流れ込む喧騒ばかり。ビルに挟まれ、人ひとり通るのがやっとという細い隙間は、本来なら誰もいない場所……の、はずなのだ。 けれど。 「…はむ…ちゅ……」 聞こえてくるのは、幽かな水音と、鼻に掛かった息遣い。 一人、ではない。 二人。 男と、女。 否。 男と、少女だ。 少女は男に跪き、男の下半身からこぼ... -
猫、飼いました
● 三毛猫観察日記 ● ◆ 第一話 「猫、飼いました」 ◆ 「よぉ虎太郎、約束の物を持ってきたぜ」 大学の学食で雑誌を読んでいると、アキオが話しかけてきた。 「おひさし。変なものを頼んで悪かったな。見つけるの大変だったろう?」 「いやいや、お前にはウチのサンタ子の神姫パーツでいつも世話になってるからな。 これくらい何でもないさ」 そう言いながらアキオは、ショルダーバッグから30センチぐらいの箱を取り出し、 テーブルの上に置いた。 「コイツがその神姫だ。注文通りCSチップに性格情報がインプットされてないのだぜ」 箱の中身は、犬型神姫ハウリンの素体だった。 俺の名は高槻虎太郎。去年大学に合格して上京、安アパートで一人暮らしをしている。 実家は車・家電・その他もろもろの修理工場。つまり「何でも修理屋」だ。ガキの頃から 工場を手伝っていた俺は機械いじりが得... -
すとれい・しーぷ000
すとれい・しーぷ000 “回らない世界の中心はいつだってキミだったじゃないか” “僕の23.4度 もうブレてしまったね” “禁忌の果実 含みあって 僕ら気づいてしまった” “戻れない過去こそ 僕の世界” “振り返るけど なにも見えなくなってて” “堕ちてくんだ キミの中” “居場所求めて彷徨うけれど 見えない 見えない 見えない” “キミの世界 放り出された Stray sheep” “僕は迷子” 歓声が上がる。最高の瞬間。この時の為に生きている。そう言っても過言ではなかった。 熱っぽい少女の声や、熱に浮かされたように叫ぶ少年の姿は最高の媚薬だった。 脳髄まで響くそれに、くらくらしながらステージを降りる。 「お疲れ様です、アベル様!!」 楽屋まで追いかけて来たファンの女の子がプレゼントの箱を押し付けてくる。 その顔は緊張と興奮から、顔が赤らんでいる。... -
ゆりりね! その2
ゆりりね! その2 ゆりり! ※過度な性的描写(女の子x女の子や器具ありなど)が嫌いな人は注意して下さい。 ※18才未満の神姫マスターは18才になってから読んでね! 『you lose』 真っ暗になった少女の視界に映し出されたのは、素っ気ないそんな表示だった。 you lose。 あなたの、負けです。 戦闘が終わり、バーチャルスペースから神姫が戻ってくるまでに筐体のディスプレイに表示されているのは、リリィの対戦成績を示すグラフである。 そこに表示された勝率は、0%。今までの勝率の推移を示す折れ線グラフも、始まった瞬間から一番下を這ったまま、一度も上がった事がない。 「なあ、百合ちゃん」 そんな戦績を静かに見つめていた少女に掛けられたのは、男の声。リリィとそのマスター……百合の行きつけであるこの店では、顔馴染みの男である。 「ちょ... -
悪魔のような天使の笑顔
小さな冷たい鉄の塊を、ドアノブに差し込む。 がちゃり、と軋んだ音がする。 家の中は、暗い。 広さが重く押しかかる。 誰もいない家。わたし以外、誰もいない。 お父さんもお母さんも仕事でいない。帰ってくるのは夜遅く。 だから、私はひとりぼっち。 小学校でも、家でも、どこでも。世界でひとりぼっち。 テレビをつける。 テレビの光が、部屋を照らす。 流れてくる番組は、小さなロボットが戦うおはなし。武装神姫、といっただろうか。 クラスの子が自慢していたのを覚えている。 私には到底買えそうにない、高価なおもちゃだった。 テレビの中で、女の子とロボットが笑顔で話をしている。 ――――無性に、腹が立って。 わたしは、テーブルの上においてあった花瓶をテレビに投げつけた。 くだらない。 つまらない。 なにが、ともだちだ。ロボットのともだち... -
キズナのキセキ・ACT0-1:悲劇の後
キズナのキセキ ACT0-1 悲劇の後 ◆ それは、久住菜々子が中学二年生の時だった。 三泊四日の修学旅行。行き先は京都。 定番の場所であったが、クラスメイトと行く旅行はことのほか楽しかった。 おみやげを買った。両親と、近所にすむ祖母に。 喜んでくれる顔を想像し、菜々子の顔も今からほころんでしまう。 空が夕闇に染まる頃、菜々子は帰宅した。 「ただいま」 という菜々子の声に応えたのは、聞き慣れた両親の声ではなかった。 ひどくしわがれた声。 まさかよく知っている人物の声とは思えず、菜々子はつい身構えてしまった。 テーブルの前に座っていたのは祖母だった。 とても若く見える人だったが、今日ばかりは十年も老け込んだかに見える。 驚いている菜々子を、祖母は着替える間も与えずに連れ出した。 タクシーの中で菜々子は尋... -
第十八話 一人じゃない
第十八話 「一人じゃない」 「これ以上、誰も傷つけさせません!」 拳を握りしめてそう言い放ったクレアに、ストラーフが高速で接近する。 「は、だったらやって見せろよおっ!」 またハンマーだ。襲いかかるそれを、クレアはまた腕で防ぎ、バックステップして衝撃を殺す。 「ちっ、ちょこまかするなよ!」 ストラーフのハンマーを、爪を、クレアは防御し続ける。攻撃が手薄になった一瞬をついて、背中のバリスティックブレイズを撃った。 「ぐっ」 「うおっ……。ぬふぅ、効くぜえ~っ」 ストラーフが苦悶するのと同じく、相手オーナーが胴震いをする。 「こりゃお返しだなぁ、死なない程度になぶってやれドレッド!」 「キャッハー!」 殴られても殴られても、クレアはそれを防ぎ続ける。さっきまでの痛みは、ほとんど無かった。 ……戦わなきゃ。 手をついて立ち上... -
燐の10 「強敵出現!?」
武装神姫のリン 第10話「強敵出現!?」 「おめでとう、亮ちゃん~」 「お姉さまお美しいですわ~茉莉、ご主人様も決まってましてよ」 「お二人さ…じゃなくて3人とも、おめでとう」 「茉莉~おめでとう。 ちなみにブーケは私に投げるのよ~~」 「リン、おめでとう。」 歓声を浴びながら花道を3人で歩く。俺の横には純白のウェディングドレスに身を包んだ茉莉、そして肩には同じ形状の神姫サイズのドレスを着たリンが。 そう、俺たちは結婚したのだ。 アレから10ヶ月。 俺たちはやっとのことで結婚式を挙げることが出来た。 というのも、「リンにもドレスを着せ、式にも出す」と言う提案に両親が猛反対したからで…… でも俺は引くわけにはいかなかったからこうして辛抱強く交渉を続けた。 で両親が折れたのが先月末。 ちなみにこの半年で交渉に必要なスキルが鍛えられたらしく、先月は大手企... -
プロローグ…あれ、モノローグだっけ?
西暦20XX年、幾らかの災害こそあれど、3度目の世界大戦も起きることなく今日に至る日本。 今、日本、いや世界中でブームとなっているホビーがあった。ガ○プラだの遊○王だのヴァ○ガー○もメジャーだが。 俗に、「武装神姫」と呼ばれる全高15cmの自律稼動する少女達。 知性と感情を備えた彼女達は、ときに生活のパートナー、ときに友人、ときに小さな家族、ときに戦場での相棒として広く普及している。 なかには小さな嫁だったり主従関係が逆転してたりある意味特殊な事例もあるが… そしてなかには、単なるバトルの道具扱いされるものもいる… これは、ひょんなことから神姫に関わることになった青年と、事情持ちの神姫の話… …の予定だ!内容?続く範囲ってことで。 -
白百合の章
「いいお葬式だったわね」 「急で兄貴も大変だったろうなぁ」 「昨日今日と天気がよくってよかったよ。 年寄りが多いからな」 「お坊さんの声もよくってね」 「おふくろ、101だっけ?」 「やぁねぇ、きよ兄さん、103よ」 「いずれにせよ大往生だぁな」 「苦しまずに逝けるなんてうらやましいわね」 「あら、ここのお料理、立派ねぇ」 「おぉい、ビール取ってくれ」 「あたしが注ぐわよ」 「バスにひとりで乗ってたって? 若い頃から遠出するほうじゃなかったんだがなぁ」 「なんだか、趣味の集まりらしいわよ。 最近は毎週出かけてたって」 「趣味ぃ?」 「神姫よ。 きよし大叔父さん」 「そりゃぁ、あれだ、動く人形だろ。 年取ると子供にかえるたぁいうが、人形遊びねぇ」 「やぁねぇ、きよ兄さん。 ほら、すざくちゃん、おじさんに説明してあげてよ」 「なんでも、亡くなるときもそのお人形... -
無頼5、歌詞一覧
このページには無頼5「熱唱! 武装神姫」にて使用した各曲の歌詞を掲載します。 ご自由に使用してよろしいですが、使った後に掲示板で報告していただけるとありがたいです。 輝けバトルロンド! 作詞・作曲、歌:零牙 光り輝くステージライト 広がる無限のバトルフィールド 武装を身につけ 大地に立て! 戦闘開始だ 武装神姫 (Fight!) 火花散る 光が舞う 刃がぶつかり音立てる 戦え 戦え! ジャッジが下るまでが戦いだ! 信念ぶつけ舞いあがれ 戦う姫 その名は神姫 ○この歌は本来大会のオープニングとして使われるはずでしたが、当初と書き方を変えたために零牙の持ち歌となりました。 零牙は武人然とした性格ながらも、意外とこうゆうのが好きなのです。 偽りの声 作詞・作曲:A88(風間健人) 歌:グレース ... -
すとれい・しーぷ007
すとれい・しーぷ007 「最初は勝たなくてもいいさ」 ふと、ルキスの頭に碧の言葉が蘇る。 いいえ、この戦いは、負けられません。 メルのためにも、オーナーのためにも。 そして何より、自分のためにも。 アクセスポッドに寝かされたルキスは、電子の海を通過し、バトルステージへと降り立った。 広い海原が視界に入る。燦々と照りつける太陽はまるで彼女を焦がすかの如く注ぎ足元の砂を焼いた。見渡す限りでは、そう広くはない。対岸のビーチに、天使が舞うのが見えた。 索敵機能のついた武装をしていないルキスにとっては好都合と言えるだろう。 緊張を和らげようと、ルキスは自分の頬を軽く張った。すぐに状況の分析に入る。 ステージは浜辺。打ち寄せる波のギミックがこのステージ最大の特徴だ。 泳ぐ手段のない神姫が流されれば、即THE・END。ルキスはぞくりと背筋が凍るのを感じ... -
土砂降り子猫Track-2
いくらも経たない内に、雨が屋根を打つ音が聞こえ始めた。 「…止むかなぁ」 「…どうだろうな」 通り雨と言うには降り方が疎らだし、季節的にもまだ早い。 かと言って、傘一本で外に出るにはちと辛そうだ。 …思えば一年程前にも、こんな半端な降り方をしていたっけか。 にゃー共がウチに来た時が、ちょうどこんな日だった。 --- 外から雨音が響く中、俺は浩子サンと向かい合って座っていた。 浩子サンは困った顔で、俺は不機嫌な顔。 二人の間には小さな段ボール箱がある。 この箱が、目下30分近く続いている口論の原因だ。 「…ねぇ、い い で しょ ?」 「だ め だ」 何度繰り返したか判らない問答。 その度に箱からガサガサと音がする。 口の開いたその箱の中身を、俺は努めて見ないようにしていた。 ……俺には解る。見たら確実に負ける... -
雪ティキ0・「不変ではいられない僕ら」
回の00「不変ではいられない僕ら」 2037年9月。高校二年の夏休みを満喫しきった藤原雪那(ふじわら・せつな)は、その長い休暇のほとんどを自分の武装神姫、マオチャオのティキと共に過ごした。 例えば初めて大きな大会に参加してみたり、ティキをつれた家族旅行に出かけたりなど。 当然、今までに知り合った仲間たちとの交流も大切にし、何かのたびに待ち合わせては地元の神姫センターなどに通ったりもしていた。何も変化が無かった、というわけではないが。 特別な何かがあった訳ではないが、それでも昨年までとは違う夏休みを終え、それでも厳しい残暑に打ちのめされながらも、一年前では予想もしていなかった新たな習慣が繰り返されている。 先週も一人で都内にまで足を伸ばし、ホビーショップ・エルゴでバトルをしたばかりだった。エルゴでの、初めてのシルヴェストルのお披露目をかねたそのバトルは――なんと言う... -
インターミッション05:CSC(その2)
鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション05:CSC(その2) 「う~す、おっはー」 陽気な挨拶と共に芹沢九十九が現れた。 「……また来た……」 「やほ」 「……やほ」 渋い顔をする京子の横で、真紀が無表情にその手を挙げる。 「随分普通に戻ってきたね、真紀ちゃん」 「おかげさまで……」 変人ではあるが、同時に恩人でもある。 京子も芹沢には強く出られなかった。 「……大学の教授なんでしょう? こんなに足繁く病院に来ている暇があるんですか?」 「いや~、それがね。最近はケモテックで顧問技術者をやっているから、授業なんか全部人任せ」 「……ダメな大人」 京子が溜息を吐く。 「そう言えば、この間真紀ちゃんにお願いされた物、手に入れてきたよ~」 「真紀が?」 「うん、MMSの基礎資料見せたら、『これが欲しい』って」 「……真紀に変なも... -
フラグメント 04
注意 本作は18禁描写・反社会的な設定がされております。 退廃的・ダークな設定などが嫌いな方は、見ないようにしていただけると幸いです。 フラグメント 04 まっさらな作業台に横たわっているのは、身長十五センチメートルの小さな身体だった。 「これが……?」 薄暗い部屋の中、長い長い沈黙の後。ようやく呟きを漏らすのは、半裸の少女だ。男物の大きめのシャツを羽織っただけのその姿は、お世辞にもきちんとした格好とは言えないだろう。 もちろん、小さな身体そのものに驚いたわけではない。その小さな身体とは、毎日のように触れあい、共に過ごして来たのだから。 驚いたのは、その現状だ。 「ああ」 ねじれ、折れ曲がったはずの手足は新品に差し替えられ、砕かれたはずの胸部も元に戻されている。どんな手品を使ったのか割れた頭部も修復されており……... -
Forbidden Fruit
Forbidden Fruit 書いた人:五色リンゴ ちょっと変わったマスターとちょっと特殊な神姫たちのかなりおかしな日常を綴ったお話です 他の作者様の作品の設定、関わりのある単語などを、ちょこちょこ無許可無報告で出させていただきます事を、あらかじめお詫びさせていただきます コラボや設定の引用、わが社の製品の使用など大歓迎です 誤字、脱字、苦情、修正要求などありましたら、コメント欄にお願いします 面倒なものをまとめました ぐだぐだリンゴ プロローグ 小さな小さな総帥様 それはいつも変わらない、毎朝の日課 第一話 ようこそ、南十字隊へ 本名は非公開、熟練新人に関わらず 第二話 トリップするのは若者の特権 「可愛い娘はつれて帰りたくならない?」 第三話 探偵猫の願い事 当SSは伏字を使いませ... - @wiki全体から「作戦00「小さな友達」」で調べる