武装神姫SSまとめ@wiki内検索 / 「第10話 『そして、二人で』」で検索した結果
-
第10話 『そして、二人で』
...ていた。 第10話 『そして、二人で』 周防の前に居るのはスミレ、白瀬とクロ。それに先程までの対戦相手である蓮とエリーナの姿もあった。 「俺が適当に設定してたから、スミレにも他のみんなにも迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ない!」 15cmの神姫を前に平謝りの成人男性。明らかに異様な光景だったが、本人は真剣だった。 「でも周防さん、それは私が……」 「申し訳ない!」 白瀬の台詞を遮るように、大声で詫びる周防。 「(周防先生……ありがとう、ございます)」 周防の気持ちを察した彼女は、心の中でそっと詫びる。 「気にしないで下さい兄さま。私結構楽しかったんですから、ね、ね?」 「まぁ……知らなかったとはいえ、アタシ達も無礼だった。ここはお互い様という事にしておかないか」 公衆の面前で大の大人に土下座までされてしまい、蓮は気まずそうにポリポリと... -
えむえむえす ~My marriage story~
...話 『力と共に』 第10話 『そして、二人で』 *New* Coming Soon……? えむえむえす・キャラクター紹介 event *New* 『コミックマーケット87』(終了) 12/28に東京ビックサイトで開催されます、コミックマーケット87に出展しました。 ● 新刊 ● 『MMS MECHANICS』 表紙フルカラー/40p・オフセット印刷 一般向 頒布価格/700円 スミレたちの武装解説本になります。 スミレ、クロ、蓮、エリーナの4人+シークレットという構成になっています。 NEW* 現在虎の穴にて委託中です。 会場に来られない方は是非ご利用くださいませ~ また、既刊を受注委託の形で現在受け付けています。 1月中旬までの受注受付、1月下旬~2月初... -
Nagi the combat princess 第1話『ナギのごとく!』1
前へ 神姫とは。 ある世界においては、全稼働型の美少女アクションフィギュアのことである。 神姫とは。 またある世界においては超高性能AIを搭載した、主人に従う心と感情を持つフィギュアロボットのことである。 神姫とは。 古今東西あらゆる属性を取りそろえ、抜群の容姿と戦闘力を兼ね備える完璧超人(?)である。 神姫とは。 主人の好機に槍となり、なにより生活に潤いを与えてくれる存在である。 そして鷹峰家の神姫とは…… 『ハーヤーテー!!』 別に東京の朝空に響き渡ってはいないが、ハヤテは少女の声を聞き即座に自分のベッドから飛び起きた。 鷹峰ハヤテは十五歳。職業は高校生……予定。 予定というのは、今は中学校卒業後の高校への準備期間であり、まだ高校生ではないからである。 「……どうしたの、ナギ」 眠たげな... -
MMS戦記
...9話 「嵐兎」 ・第10話 「射兎」 ・第11話 「火兎」 ・第12話 「焔兎」 ・第13話 「雷兎」 ・第14話 「燈兎」 ・第15話 「突兎」 第2部 「ミッドナイトブルー」 ・第1話 「night-1」 ・第2話 「night-2」 ・第3話 「night-3」 ・第4話 「night-4」 ・第5話 「night-5」 第6話 「night-6」 第7話 「night-7」 第8話 「night-8」 第9話 「night-9」 第10話 「night-10」 第11話 「night-11」 第3部 「竜の嘶き」 「ドラゴン-1」 「ドラゴン-2」 「ドラゴン-3」 「ドラゴン-4」 「ドラゴン-5」 「ドラゴン-6」 MMS戦記 外伝 「敗北の代価」 注意 ここから下は年齢制限のある... -
10話 もうひとつの戦い
10話 もうひとつの戦い バトル予選が終わり、係りの人から明日の簡単な説明を受けて、会場を見て回ることにした。 アールとエルを肩に乗せ、とりあえず物販コーナーへと。 すると、ある店舗で人だかりが出来ていた。なんだ?と気になって近寄ってみる。 「フォルテストラーフセット1つ!」 「こっちは、フォルテ2個とラルナーヴヘッド1個」 「フォルテ2こ!!」 そこは、フォルテとラルナーヴを開発したブースだった。 「押さないで下さい! 在庫はまだ有りますので、押さないで下さい!」 店員が殺到する客の整理をしている。 「あの、これって……あたいが、活躍したから?」 エルが人だかりを見ながら呟く。 「注目を集めたことはたしかですね」 アールも同じ方向を見ている。 「元から人気商品だし、どうなんだろうな」 俺は、人だかりを避けるようにその場所を離れた。 企業ブースを... -
アスカ・シンカロン05
アスカ・シンカロン05 ~深卦~ 飛鳥を買ったあの骨董屋は、結局見つからなかった。 神姫センターで調べたパソコンショップや、携帯で調べた骨董屋にも足を伸ばしてみたが、その何れも昨日の店とは違っていた。 骨董屋の店主達に尋ねても、この街で骨董品を取り扱っている店はその3店だけの筈だという解答。 「よーするに、あの店は綺麗さっぱり消えちまった。と」 これで飛鳥とこの手書きの説明書が消えてしまえば、北斗の見た夢だった。で済むのだが、そのどちらも消えずに残っている。 「つまり、少なくとも夢じゃ無ぇ……」 小さく呟き、北斗は虚空を睨む。 飛鳥を買った骨董屋が見つからないとは言え、今、件の武装神姫はこうして同じ部屋の中にいる。 そして、その魂(ナカミ)は自殺した幼馴染、弥涼明日香なのだ。 「……って事は、だ―――」 そして、北... -
デュアル・マインド
デュアル・マインド 二人で一人。一人なのに、二人―― 著・璽儡 バトルロンドの設定の一部をMighty Magic様からお借りしています HOBBY LIFE,HOBBY SHOP様から、キャラクター及び設定の一部をお借りしています 推敲や誤字脱字の為、制作済みのページを更新する事があります コラボ大歓迎です! モブなどに使いたい場合は無許可でご使用ください キャラの死亡、行き過ぎのキャラ改変はやめてください 更新履歴 2011 1/6 第1話掲載、登場人物紹介作成 2011 1/11 第1話誤字訂正 2011 1/12 第2話掲載、登場人物紹介更新 2011 2/1 第1話改稿 2011 2/3 第3話掲載、第2話誤字訂正 2011 2/10 登場人物紹介誤字訂正 2011 2/12 第4話掲載 2011 3/10 第4話削除 ... -
誰がために(1)
「鬼ごっこ、しようか」 あまりに唐突な彼女の言葉。それに対してフーは。 「は?」 理解が追いつかなかった。ぽかんと開いた口が塞がらない。 「何を、言っている」 「いや、それはこっちのセリフ。 私はそもそも空を飛びたいって言っただけ」 「しかし、相手をしろと貴様は言ったではないか」 「鬼ごっこには相手が必要よね?」 冷静に考えれば間抜けな台詞を、真顔でサラリと言ってのけるニクス。 「では何故武装を身につけた!」 「そのままじゃ飛べないから当然。貴方だってそれは一緒」 「それは……そうだが」 ニクスの正論に、フーも追撃の矛を収めざるを得ない。 「……さて。もういいかしらね、おふたりさん?」 そこに強引にフェリスが割って入り、二人もそれぞれの表情と共にOKとの返事をする。 「じゃルールの確認ね。 先に鬼を決めて、鬼は5秒後にスタート。タッチしたら攻... -
第10話 「night-10」
第2部 「ミッドナイトブルー」 第10話 「night-10」 巨大な航空母艦型MMSのツラギの姿がはっきりと眼前に写る。 ツラギは左舷に備え付けてある大小さまざまな火砲でシュヴァル目掛けて対空射撃を開始する。甲板にいる砲台型や悪魔型もライフルや大砲で攻撃を行う。 急降下するシュヴァルの周りで砲弾が炸裂し、機関砲弾が装甲を貫く、シュヴァルは満身創痍になりながらも最後の駄目押しで、リアパーツの2門の素粒子砲を放った。 シュヴァル「うおおおおお!!」 ビッシュウウウン!! 青白い光がまっすぐにツラギの後部のスクリュー、舵部分に命中する。 ズズウウン・・・ 一瞬、グラリとツラギの巨体がひるむが、さして目に見えるようなダメージは食らっていない。 金川「ツラギ!損傷報告」 ツラギのマスターである金川がマイクを掴んで... -
帝王と英雄と
武装神姫バトルサービスの集約サーバー。 その交流ネットワーク内のある電子空間。 彼女は其処に佇んでいた。 名は、エンプレス。 日本中、ともすれば世界中から流れてくるデータの奔流をただ見上げ、彼女は呟いた。 「綺麗ね」 視覚化すれば、ただ無数の数字の羅列がそれこそ河の流れの如く行き交うだけの世界。 何かの映画の出だしでこんな表現があったろうか。 周囲を見渡せば経路とフレームで形作られた歪な丘陵を臨むだけ。 そして天空を流れるデータの大河。 仮想空間ですら無い、およそ世界と呼ぶには荒涼たる空間。 だが、それは彼女にとって紛れも無い世界の姿であった。 光が像を結んで見える風景も、光を介さず見る眼があればこう映るのではないか。 ここは、世界を構成する要素が剥き出しの情報としてただある世界。 フィルタを掛ければ…あるいはこの無機質なフレームの床は大地... -
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』0-2
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』 0-2 「着いたー」 自転車で行くこと15分ほど、今回の目的地の神姫センターに到着する。 入るとまず目につくのは大型のモニターだ。 新しいゲームのCMや、バトルで神姫が戦っている様子が映し出される。 改めて周りを見渡すと、大勢の人に各種のゲームに幾つもの神姫のバトル用の大型筐体、そして武装神姫の素体やパーツなども売られている広い販売コーナーが目に入る。 「おー……」 ふと筐体の映像に目を見やると、闘技場らしき場所で凶悪な手脚そして重装甲の青髪の神姫と鎧を身にまとい大剣を持った神姫が切り結び、激突する様が見られる。 別の筐体では、荒野の空に舞う神姫の姿が見える。 大きなウイングユニットを背負い、手に持った長大なレーザーライフルで他の神姫達を撃ち落としていく白い神姫の姿が映る。 ... -
ぶそしき! これから!?第0話『トモダチ』
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』 0-1 武装神姫。 彼女達は西暦2036年に発売され、一挙に社会に広まっていった15cmほどの心を持つフィギアロボだ。 その用途と需要、活躍は多岐にわたり、同時に彼女達のマスターとの関係も多岐にわたる。 当然、ただのおもちゃとしても扱われることもある。 動いて喋る着せ替え人形、暇つぶしの道具、ただ名誉と勝利のために戦わせるなど扱われ方は様々だ。 当然、家族としても扱われることもある。 ペット代わり、子供の遊び相手、仕事や家事の手伝い、大事なパートナー、バトルで苦楽を分かち合いともに戦うなどなど扱われ方はこれもまた様々だ。 当然、少子高齢化で不足した人手を補うために扱われる。 様々な分野と場所で、社会や会社、お店などで備品として扱われることもある。 後に神姫のマスターとなる、とある少年... -
Nagi the combat princess 第1話『ナギのごとく!』5
前へ 「……それじゃあ今日はこれまで。 明日から授業だから、今日配った教科書を忘れないように。 それでは、起立」 その声でクラス全員が立ち上がる。 「礼」 先生の号令に合わせて、クラス全員がさようならと言う。 「あぁそうそう、図書室も開いてるから興味のある人は行ってみたらどう? それじゃあ私は行くわね、さようなら」 先生はそれだけ言うと、荷物をまとめてすぐに教室を出て行ってしまった。 登校初日はこれにて終了、ハヤテの周りはざわざわとしており、皆は高校での新しい友人層の開拓をしているようだ。 「……さて」 だがハヤテは荷物をまとめ、すぐに教室を出た。 階段の所の広間に行き、周りに誰もいないことを確認するとバッグを開き、ナギと対面する。 『終わったのか?』 「うん。 さあ、帰ろう」 『友達とかは作... -
第19話:メタルジャケット
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第19話:メタルジャケット 「~I m thinker. I could break it down ♪」 『ちょっと、ちゃんと索敵しているんでしょうね?』 筐体を通じて彼女だけに聞こえるマスターの声に、フォートブラッグは得意気に鼻を鳴らす。 「ふふん、こう見えても私の索敵能力は並みの神姫を凌ぐのです。その上、立地も良いとあっては敵を見逃すほうが難しいというもの」 『私が気にしてるのは、能力じゃなくて気構えと言うか、油断の有無と言うか……』 狙撃銃を構えつつ、遺棄されたビルの屋上に陣取っているフォートブラッグに、彼女のオーナーは溜息を漏らす。 「いつもながら心配性ですね。そんなに気を張らなくても、敵が近付いてくれば一目瞭然です。―――ほら」 『!!』 フォートブラッグの指した先に、複数の爆炎とマズルフラッシュ。 「どうやら既... -
流れ星シィル
時に、西暦2036年……害虫達は全ての駆除剤を克ふk_ 「違うでしょっ!」 訂正 時に、西暦2036年(以下略) 「マスター、マスター」(ゆさゆさ) 「ん……後5年……」 「冗談こいてる場合じゃないってば、遅刻しちゃうよ?マスター」(ゆさゆさ) 目を覚ますと、目の前には女の子の……じゃなくて神姫の顔 「ふぁ……おはよう、シィル」 「おはようじゃないよ~、時間!ほらコレ見てコレ!」 犬尻尾をぱたぱたと不満げに振りながら、ハウリンのシリウス……愛称シィルは時計を指し示す。 現在時刻、午前8時25分也 「Nooooooooooooooo!!!」 朝っぱらから、JoJoちっくな悲鳴が響いた。 彼の名は水無月大志、極在り来たりな神姫マスターで現在高校2年生。 いや、別に神姫マスターで有る事を隠していないという辺りでオタクと呼ばれる嗜好を持つ身としてはある種開き直っている珍しいタイプか... -
第34話:Shuffle!
正面扉を塞ぐ中央のアルアクラン。 そこに正面から突撃してゆくストレリチア。 ただし、携えるのは何時ものランスではなくアイゼン。 『……』 無言で振るわれるアルアクランのシザーアームを潜り抜け(アイゼンのつま先が地面を引っ掻いてガリガリ言ってるが無視)、その速度のままストレリチアは前方へアイゼンを投げ飛ばす。 「……みぎやー」 普段どおりの無表情のまま、一応礼儀としてか(?)悲鳴らしき声を上げるストラーフ。 まぁ、その声も平坦なので全然恐がっているように見えないが、アイゼンの深層は既に祐一にも完全には理解できないほどにカオスだ。 (案外本気で恐がってたりして……) そんな事を考える間に正面の扉へ辿り着くアイゼン。 程なく祐一も辿り着き、二人でその奥へ。 振り返ったのは一瞬だけで、京子と視線を交わらせ、即、背を向けて走り出した。 「……ふん、コレで一応... -
妄想神姫:第五十三章(前編)
樹海の如く、業の深き竜(前編) アルマ・ロッテと勝ち上がり、残る挑戦者はクララ一人となった。私達は 持参の簡易クレイドルで充電を受ける二人を眺めつつ、思いを巡らせる。 私・槇野晶が最も憂慮しているのは、他でもないクララのバトルなのだ。 「むにゃ……マイスター、寒いからだきしめてくださいですの~……♪」 「ぅぅん、そッ!そんな所だめですマイスター……ふにゅ……んんぅっ」 「……なぁ、クララや。この二人は何を夢見ているのだ?私は不安だぞ」 「多分、マイスターにご褒美をもらってる夢なんだよ。そう解釈すべき」 淡々とクララは告げる。確かにこれは……深く考えない方がよいのかも しれん、というか考えてはならない。私の本能は、そう警鐘を鳴らす。 と……思考が脱線し掛かった所で、係員のアナウンスが聞こえてきた。 『槇野晶さん。クララの対戦相手が見つかりました、... -
Elysion_a00
Elysion 第0話 「序章」 Back -------------------- | Elysion トップ | Next 第1話「邂逅」 千葉、幕張 新東京神姫センター、 今回はその2階の片隅に置かれた1台の特殊筐体に纏わるお話・・・・ 半円形の立体ディスプレイには、剣を握った右手をだらんとおろし、 もはや立っているのもやっとのハウリン型神姫、その四方はほぼ等しく距離をあけて 4体の無傷のダミーが包囲していた。 それでもなんとか剣を握りなおし、正面の敵に斬りかかるハウリン。 同時にダミーはそれぞれ違う武器を構え、次の瞬間・・・・! 「だぁ~~!やられた~~~!」 「あ~~行けると思ったのにな~」 「やっぱ、ダミー10体はきついぜ・・・・」 「よし、次は俺だ俺!」 「おぉ~~行け行けぇ~」 その様子を、隣接する喫茶室では1人... -
TVアニメ化に喜ぶ戦乙女
与太話10 : TVアニメ化に喜ぶ戦乙女 雨上がりの朝、濡れた草木が朝日の光を乱反射させ、教室内をいつもよりも明るく照らしている。大学までの道も輝いていた。ガードレールも輝いていた。エルにとって今日はとにかく、何でもかんでも輝いていた。 大学で顔を合わせるなり姉妹二人はこみ上げてくる気持ちを抑えきれず、抱き合わずにはいられなかった。 「メル!」 「エル姉!」 ぶつかり合うように胸を合わせ、エルはメルを抱え上げて振り回した。ジャイアントスイングのように。そしてやはりジャイアントスイングのように手を離し、メルを放り投げてしまった。危うく机の上から転げ落ちそうになるメルだったが、縁にしがみつきながらもゲラゲラ笑いが止まらなかった。メルを引っ張りあげたエルは、またメルと抱き合った。 「TVアニメ化ですよメル!」 「TVアニメ化だねエル姉!」 「アルトアイネスが登場し... -
第九話:虚実と現実
第九話 「マスター!起きてください!!」 「ごべらっ!?」 次の日の朝、優一の一日はモーニングスターの一撃で始まった。 「スタンガンの次はこれかよ!!」 「だってジェni・・・」 「またかよ!!」 起動させてからもうダブルスコアに達しようかという数になったいつものやりとりだが、優一にとってもアカツキにとっても一つの習慣になろうとしていた。 「それより今日、今日ですよ!」 「判っとる×2。支度してくるからちょっと待ってろ」 十五分後、支度を終えた優一はアカツキと共に幸平と事前に決めておいた待ち合わせ場所に到着した。 「ところで・・・、何でアネゴがいるんだよ」 「何でって、こういうのは何かとトラブルが起きる物よ。あ、初めまして、治安局の安田聡美です」 「堂元です。どうも」 「しっかし、アインだけでなくツヴァイやドライまで引っ張ってくるとは・・・。まさか」 ... -
・第9話 「嵐兎」
...兎」 次に進む>・第10話 「射兎」 トップページに戻る -
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』0-4
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』 0-4 「ようし! 行くぞーー!!」 気合を入れて少年は自転車をこぐ。 一人今日から新顔として混じる少年は、学校で今まで何度もしたように、担任の先生に促されて新しいクラスメイトにあいさつし、質問責めに合う。 つつがなく学校を終わらせ、家に戻る。 帰り道に、銀行のキャッシュコーナーで自身の口座から貯めていたお年玉とおこづかいを引き落とす。 武装神姫購入のための保護者同意書は、昨日の夜に仕事から帰ってきた父親に頼んだら、仕事で疲れているのにすぐに書いてくれた。 武装神姫購入のための準備は全て整っている。 「着いた!」 少年の目的地は神姫センターではなく、おもちゃ屋スターフィールドだ。 新品にはさすがに手が届かないが、ここの中古なら何とか手が届く。 「いらっしゃい」「いら... -
類は神姫を呼ぶ part17
「まだ終わりませんよ。姉さん!」 光の刃が生まれたぺネトレート・烈「ぺネトレートセイバー」を携え姉さんを見据える。 痛みなんか関係ない。全力をもって姉さんと戦う 姉さんは歩みを止め、こちらを感心そうに見る。 「……ほう。まだ立ち上がれるか。そしてそれはオリジナルとみえる。そんな武装を出したぐらいで勝てるのかな」 「やってみなくてはわかりません」 私はリアパーツ、バリスティックブレイズをパージする。 もうこれは使い物にならない。ここからは真っ向からのぶつかり合い。 姉さんも大剣を正眼に構えて、迎え撃つつもりだ。 「はぁっ!」 私は姉さんの元まで疾走し、ぺネトレートセイバーを構えて右横から薙ぐ。 それはもちろん大剣で防がれる。 そうなるのはわかってた。 姉さんは私が今度は右の剣で攻撃した後は左の剣で突きに来ると思ってる... -
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』0-3
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』 0-3 「……あ」 神姫センターの店員神姫に武装神姫について色々説明してもらった帰り道に、ふと思い出す。 ネットで武装神姫の取扱店を検索した際に、先ほどの神姫センター以外にももう一件あったことを。 今の所からそれほど遠くはない。 少し寄り道する程度の所だ。 わずかに逡巡し、今回はちょっと覗くだけと、その場所に向かう。 「あった」 携帯のナビで特に苦労することなく、もう1つの神姫取扱店に到着する。 ――『おもちゃ屋スターフィールド』 中古品も取り扱い、売買する旨が看板に書かれていた。 薄暗い感じはない。 戸惑わず子どもでも入れる、そんな感じの店だ。 「いらっしゃいませ」「い、いらっしゃい……」 入るとカウンターから声がかけられる。 店内... -
樫坂家->序幕・第1話
樫坂家の事情! 序幕~とある学生の夏休みにおける変化とその記録~ ?月??日 「マスター?おきてますー?………よし、寝てる」 「相変わらず死んだように寝てますわね、わたくし達のマスターは」 とある家のとある部屋。部屋の主はぐっすり寝ているがそれとは別に机の上で動く影がちらほら。 「マスターは一度寝たらてこでも起きないのです。筋金入りというものなのです」 「………いや、それは何か違…わないのか?」 それらの影は人にしては小さく、でも人型である訳で。 「で、マスターが寝てから集まるようにというのはどういうことなの?」 「それはー…………じゃーーーん!」 人々には武装神姫と呼ばれている15センチほどのフィギュアであり。 「………マスターの日記?」 「マスターの日記なのです」 「マスターの日記ですねこれ」 「間違いな... -
第18話:きすみみ
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第18話:きすみみ 「ネコミミ、ネコミミ、ネコミミモード。ネコミミモードで~す♪」 戦場の空、レインディアバスターの上で陽気にはしゃぐマオチャオが居た。 『……いきなり何を口走ってんのよ、アンタ』 ぶっちゃけ、マヤアだった。 「うむ、今日のネコは少しワクワク全壊モードなのだよ浅葱クン」 『全壊?』 「ああ、間違い間違い。全開な、全開」 『口語で漢字を間違えられるのも、ある意味凄い事ですわね……』 会話でそれに突っ込める貴女ほどじゃありません。 『んで、そんなにご機嫌なのはどうしてですの?』 顔を顰めながら問う浅葱。 このバカネコがはしゃぐとロクナコトが無いのは経験則で熟知していた。 「うむ、今日のネコは新兵器と新奥儀の二本立て、そう。最早今までのネコとは違う生まれ変わった新・ネコ!! って言うかここはやはり英語で... -
第31話:THE TOWER
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第31話:THE TOWER 「……ちゃお」 「えらく軽い再会だな、おい?」 地下を守っていたアルアクランを、アイゼンとカトレアが撃破してから10分後。 プラントの海上第一層(一階)にて、アイゼンたちはそれぞれのマスターと合流を果たしていた。 「申し訳ありません。予定時刻に間に合いませんでした……」 与えられた任務を完遂できなかったカトレアが、京子の前に進み出る。 「……そちら側に被害などは無かったのでしょうか?」 「ああ、こちらは問題ない」 頷き、屈みこんでカトレアを掬い上げる京子。 「しかし……」 「?」 カトレアと、そして祐一によじ登っているアイゼンを交互に眺め、京子は眉を潜めた。 「……なんで二人ともズタボロなんだ?」 「……ん?」 「ええと……」 それぞれのマスターの肩の上で顔を見合わせる二人。... -
第21話:夜明けの翼
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第21話:夜明けの翼 「ほほぅ、VR(バーチャル)は初めてなのだが表とあんまし変わんないのな~」 「僕は起動してからの一週間で、50時間は篭ってました」 はしゃぐマヤアのすぐ隣、感情の無い声で呟くセタ坊。 少し目がウツロで、虚空を見詰めている。 「……ますたー、止めて下さい、止めて下さい。……3時間以内に命中率100%にしないと尻尾引っこ抜くとか、マジ外道です」 「んゆ、セタ坊?」 「ぷち達も恐がってます、もう出来ません分りませんゴメンなさい許してください、わふぅ~っ!?」 「……むにに、セタ坊が壊けた」 『ふふ…。懐かしい思い出ね、もうあれから3ヶ月も経ったなんて……』 『いや。普通に神姫虐待でしょ、こういうの』 『雅さんの愛情は祐一君以外にはネジくれてますからねぇ、ははは』 『……ははは。じゃねぇよ』 「ダメです、... -
ぶそしき! これから!? 第1話 『ハジメテ』1-2
ぶそしき! これから!? 第1話 『ハジメテ』 1-2 「今度は実際の相手とバトルだ! いいよなマスター!」 意気揚々とヒイロが自身のマスターに願う。 「うん。あ、でも対戦するには相手がいないと」 「あそこにいるぞ! バトルを申込もうぜ! ――強そうだ!」 ヒイロが客の1人を指差す。 そこには背丈が友大少年と同じく位の、肩に神姫を乗せたどことなく人が良さそうな雰囲気の少年がいた。 素材関係が陳列された棚を眺め、自身の神姫と何事か会話している。 「あ、ほんとうだ。よし――」 普段の友大なら、見知らぬ相手に話しかけるのに少し躊躇したかもしれない。 しかし念願の神姫を購入したこと、初のバトルを圧勝で終わらせたことなどで、今は気分が高揚している。 何より、相手が自分と同じ位で話しかけやすい感じだったため、躊躇せず... -
第30話:フロントミッション2nd
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第30話:フロントミッション2nd アルアクラン。 グループK2が開発した最初期段階の試作型武装神姫。 試作機中最大の大きさを誇り、ストラーフ以上のパワーと装甲、アーンヴァル以上の火力を併せ持つ限界性能試験型。 後に、神姫事業に参入したUnion Steel社に譲渡され、ティグリース、ウィトゥルースの原型ともなったMMSである。 最大の特徴であるフロートユニットによるホバー滑走は、当時のK2においては未完成で終わっているが、Union Steelの技術スタッフの手で完成。同社の神姫、ウィトゥルースの、特徴的な駆動系として勇名を馳せている。 更に同社は、発展系として上半身を浮遊させることでバランス制御の補助と軽量化を両立し、真鬼王と呼ばれる重戦闘形態への変形を可能とした。 これらの技術の成立に、Union St... -
裏の始まり
六話 『裏の始まり』 「ごめん、日曜日は用事があるの。だから神姫センターは三人で行ってきて、ね」 「ありゃ、そうなん」 なんてすっとぼけてみるも、心の中の私は小躍りしていた。 背比一人を誘う度胸が無いから昨日のバトルお誘いのメールを傘姫と貞方にも送ったわけであって、恋敵である傘姫が抜けてくれるのは大歓迎だった。同時に友達失格な竹櫛鉄子でもあった。 緩む顔を隠すため、鞄を覗き込んで中を無意味に漁ってごまかした。 講義はあと1分で始まる。微かにタバコの臭いを漂わせた貞方が私達の前に座った。背比はまだ来ない。 「お早う(挨拶;傘姫)」 「んぃー(挨拶;私)」 「おぅ(挨拶;貞方)。竹櫛さん、昨日のメールのことだけど」 「うん。なんとなくみんなでバトルせんかなって思ったんやけど、日曜日空いとる?」 「日曜は、ちょっと忙しいんだけど……いや、その」 忙しい... -
ぶそしき! これから!? 第1話 『ハジメテ』-1
ぶそしき! これから!? 第1話 『ハジメテ』 1-1 「ええと、問題ないってことで、いいんですよね?」 少し不安げに少年――ついさっき起動させた神姫のマスターである佐伯友大――が店長とセラフィルフィスに尋ねる。 「ソフト、ハードともに再チェックしたよ。 記憶と前のオーナーの情報は真っさら。 この子のシリアルナンバーから再確認したけど、廃棄の手続きは済んでいることになっているよ」 「性格設定と一部の戦闘データーが残っていたぐらいだね。それに倫理プログラムは正常に働いている。 素体は前のマスターが改造していてパワーの値が高いがレギュレーション範囲内だ。公式試合にだって出られるよ」 パソコンの画面を眺める店長とセラフィルフィスが調べた結果を語る。 「もし、さらの神姫が良いということならリセットして登録しなおすのも手だが……... -
第壱拾参話:トランザム
第13話 星々を散りばめた漆黒の空間に幾筋もの閃光が走る。 アカツキは四方八方から放たれる銃撃を避けながら、すれ違いざまにストラーフをレーザーサーベルで斬りつけた。ストラーフは一瞬虚空にとどまった後、消滅した。 そして、間髪を入れずにシールドの裏面からミサイルを放ち、ブライトフェザーの右腕を武器ごと破壊する。 一方でシラヌイは機動力を活かし、ティグリースと白兵戦を演じている。 廻転刃刀で相手の斬撃を受け流し、一瞬の隙を突いて袈裟懸けに切り伏せ、ティグリースを撃破した。 「くっ、まさか私たち、一方的に・・・?!」 「シラヌイ、縁起でも無いこと言わないでよ」 《二人ともボヤボヤするな!5時の方向からツガルが3、12時からはランサメントと飛鳥、散開して各個撃破!!》 「「了解!(です!)」」 アカツキは転送されたLC3レーザーライフルを受け取ると、ツガルの編隊に向けて... -
第8話 『初陣』
「これが……この世界」 スミレが呟く。 そこは現実と見紛うばかりの密度と精度を持つ、だが現実ではない世界。 彼女は降り立つ。 神姫だけに許された、彼女たちだけの世界に。 第8話 『初陣』 「ええと……もう一度確認しておきますけど、お二人とも全くの初めてなんですよね?」 揃って歩きながら、白瀬の質問にこくこくと頷く周防とスミレ。 「それじゃ、家でのシュミレータの経験はありますか?」 今度は揃って首をふるふると左右に振る。 その返答に対して、白瀬はどうしたものかと首を傾げるものの。 「そうですね……ではいきなり実戦と言うのも酷ですし、まずはミッションモードでやってみましょうか」 「そんなのがあるんですか?」 「ええ。家庭用シュミレータの練習環境がない人や、他の人と競い合うのが嫌いなマスター用ですね。 ただ戦闘だけじゃなくて、アスレチック的... -
ACT 1-10
ウサギのナミダ ACT 1-10 □ 今の状況に置いて、俺に打つべき手はなかった。 噂の否定と拡大阻止などは、一介の大学生には手に余る代物だ。 何かヒントになることはないかと、一度ネットの掲示板なども覗いてみたが、すぐにやめた。 ゲーセンの連中よりも面白半分な書き込みが大半を占めていて、当事者の俺はとても読む気にはならなかった。 もし俺がネット上で否定的な発言をしても、すぐにログは流れてしまうだろうし、「本人降臨」とか言われて、火に油を注いで面白がらせるだけだろう。 ネットだけではなく、ペーパーメディアの情報も入れるのをやめた。 隔週刊誌の「バトルロンド・ダイジェスト」は毎号楽しみに購読していたが、それすらも手に取るのをやめた。 その雑誌には、様々な武装神姫達が誌面を彩っているが、そんな神姫達が妬ましく思えてしまう。 その近... -
・第11話 「火兎」
... 前に戻る>・第10話 「射兎」 次に進む>・第12話 「焔兎」 トップページに戻る -
再会と初対面と
再会と初対面と 「うっひゃぁ…こりゃスゲェな…」 テーブルの上に散乱する服、服、服 といっても人間の服ではなく、神姫のインナースーツである 形状もアーンヴァル等が着るフルカバー型、マオチャオ等のワンピース&ニーソ&手袋型 …さすがにジルダリアやイーアネイラのような際どい物は無いが、スポーツブラ&パンツorスパッツ型まである 勿論、誰かの趣味で置いてある訳ではない これらは全部、國崎が開発した最新素材「特殊フォームラバー」を使った試作品である この新素材は極めて高い対衝撃性能を持ちながら、従来以上の防刃、耐熱、廃熱、通気性能を併せ持つスグレモノである 勿論、適度な伸縮性もあり、神姫の動きを損なうことはない その事はたった今、ユキ達が証明してくれた 「すごいねコレ、これだけ動き回っても全然暑くないよ」 と言うユキはワンピース+ニーソ+手袋を着用 「きつすぎ... -
第十話:海だ山だ温泉だ(前日)
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第十話:海だ山だ温泉だ(前日) 「おきろー、祐一~っ!!」 「ぐはぁ!?」 安眠中の鳩尾に、いきなりエルボードロップをかまされ、島田祐一は悶絶した。 良い子のみんなは、眠っている人にエルボードロップなんかしちゃダメですよ? 「…ぐぉおぅ…」 「うわ、痛そ~」 「…な、何て事すんだよ、姉さん!!」 言って、手近にあった手を取り、ベットに引き込む勢いで引っ張る。 悪行を働き即、逃走する姉、島田雅を捕縛するには、これぐらいやらないとダメなのだ。 「………あ」 だが、相手が雅じゃなかった場合、冗談抜きでベッドに引っ張り込む事になる訳で………。 「………え? 美空?」 朝一番、ベッドの上で折り重なる少年少女。 互いの頬が赤いのは朝日のせいではないだろう。 二人の唇と唇の間には10cmも距離は無く、互いの鼓動は筒抜け... -
第1回『初兄』会議
「第1回! 『初デートって言っても兄さんと二人っきりなんて状況、いったいどうしたらいいの?』会議~」 “ドンドンドン”“パフパフパフ” 「え~やってまいりました『第1回 初デートって言っても兄さんと二人っきりなんて状況、いったいどうしたらいいの? 会議』、略して『初兄』会議のお時間です。司会進行は私、水無月 香憐が勤めさせていただきます~」 “パチパチパチパチ” 「この会議は…す~っ(息を吸っている)『ダメ元で言ってみたデートの約束が何だかんだあっても結局OKされてしまってその日が二週間後に迫っているにもかかわらず今更ながら言い出しっぺなのに予定外の事態に慌てふためくご様子までもが可愛らしい葉月様が私に今回の会議名そのままのご相談をなされたので緊急特別的に開催された会議』です!(この間呼吸なし)まずは会議のメンバー紹介です。一人目は今日の議題の主役であるお二人の... -
第27話:この晴れた空の下で
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第27話:この晴れた空の下で 「うぅ……」 スクリーンを見上げる祐一の顔が微妙な形を作る。 「……」 その隣では同じ表情の京子。 「どうなさったのですか、二人とも?」 それに気付いたフェータが怪訝そうな顔で二人の前、顔の辺りでホバリングしていた。 ◆ カトレアたち四姉妹がフブキ(のコピー)を撃破した後。 再び現れた土方真紀の立体映像が、ウイルスを散布するメインコンピュータの在りかを開示した。 そここそ、彼らが目指すべき決着の地。 そこで本物のフブキを倒し、そのコンピュータを破壊する事こそが彼らの目的だった。 「……けどなぁ……」 「ああ」 祐一と京子は浮かない顔で頷きあう。 揃って見上げるのは、見慣れた天海市の地図の一点。 沖合い1キロの海上だった。 「旧海底資源掘削プラント……。天海... -
ねここの飼い方・劇場版 ~十章~
「リン……大丈夫でしょうか」 全力で目標に向かって移動を続ける中、不安げに呟く雪乃ちゃん。 どうも口に出すつもりはなかったみたいで、声に出した事を後悔してるみたい。 「大丈夫ですよ、強い娘ですもの。無事に戻ってきますよ」 ジェネシスが優しい母のような声で、諭すように語り掛ける。 「そうです、きっと大丈夫です。それより今は目の前の事に集中しましょう」 と、時折索敵に現れるホイホイさんをもぐら叩きの様に潰しながら返事を入れるドキドキハウリン。 『ちょっとだけ嬉しいニュースよみんな、ねここがそっちへ向かってるわ。 周辺の敵は十兵衛ちゃんとリンちゃんの所に集中してるから、ねここには緩やかにカーブさせたコースで其方へ合流させる。 予測ポイントは……えぇと、X698Y721。今の速度だと5分ほどで合流予定』 「そうですか、よか……」 そう言い掛けて、再び口を閉じる雪乃ちゃん。... -
番外編:その壱 アカツキの場合
偶々大学の講義も、ハッキングの仕事も無く、優一は自室でカステラをお茶受けに、紅茶を飲んでいた。 ふと、卓上の写真立てに目を移す。 そこには優一と、アカツキと違う、一体の神姫が共に写っている。 「もうあれから二年、か・・・」 瞼を閉じると、彼女と今まで紡いできた思い出が蘇ってくる。 その一:アカツキの場合 暗雲が空を覆い、天使が流す涙の如く、雨が降り注ぐ。 『ごめんなさい、他に好きな人がいるんです』 自分が思いを寄せた女性の、その一言が優一の胸に深く突き刺さっている。 ハッキングの仕事もうまく行かない。しばらく前に自分の神姫、HMT型のライデンを失ってから、失敗が重なり始めた。 どこもかしこも防衛用に神姫やアムドライバーを配置しており、いくら綿密に策を練っても容易に覆されてしまう。 「何処に行っても神姫、神姫、時代は変わったのか・・・」 頭の上にも暗雲が浮か... -
第五話 闘技場ですわ
ハロウィンパーティー二日目 仙石神姫センターの3F舞闘場には大勢の人が集まっていた。 「クロエさん!」 名前を呼ばれたクロエが周囲を見渡すが人が多すぎて声の主が見つからない。 「こっちです。こっち」 トントン、と軽く肩を叩かれ振り向くと、声の主である女性がいた。 「晶さん」 御剣=晶、大学2年生の20歳、神姫オーナーとして県内でも有名なランカーだ。 「クロエさんも参加しているんですか?あれ?エリアーデちゃんは?」 「今回は裏方にまわってるので、エリアーデは家でお留守番です」 「裏方?」 「今回のイベントは結構な規模ですからね。近くの神姫関連のお店は結構手伝いに来てますよ」 「そうなんですか」 「残念ですね。クロエさん達と一緒に参加出来ると思ったのに、とマスター晶は思っています」 晶のパートナーであるサイファがオーナーの心情を代弁した。 「サイファ!... -
CL:第三話 エイダ
前へ 先頭ページ 次へ 第三話 エイダ クエンティンは混乱していた。 まばゆい光に包まれたと思ったら、ボディが今までのとぜんぜん違うものにすげ変わっていたのだから混乱しないはずがない。いや、すげ変わっていたのではなく、これは本来のボディそのものが変化したのだ。見たこともないエネルギーラインが体を取り囲み、見たこともない装甲が全身に取り付けられている。というよりは装甲そのものも体の一部のようだった。 あまつさえ当たり前のように空中に浮遊している。アーンヴァルのような推進器の類はなく、背中に生えた小さな羽根からしゃわしゃわと出ているエメラルド色の粒子だけで、轟音も地面に吹き付ける風圧も無く、ただ浮いているのだ。 こんなことになった原因はすぐに分かった。あの銀髪の変な神姫だ。あの変な神姫が自分の頬を触ったと思ったら、消えて、なぜかその神姫の声が今は自分の中から聞... -
「未熟な利己主義者」
第1幕 「未熟な利己主義者」 十一月の末―― 藤原雪那(ふじわら・せつな)とティキがシンナバーとそのマスターに敗北し、更にいわれのない悪口雑言を叩かれていたその時、結城セツナ(ゆうき・――)もその場に身をおいていた。 とは言っても、セツナがいたのは店の外で、だから雪那はセツナがそこにいることにまるで気付かなかった。 雪那とシンナバーのマスター――彼の名は木井津沙紘(きいつ・さひろ)という――の、一方的な言い争いの一部始終を、寒空の下自販機で購入したホットココアで暖を取りながらセツナは一切見逃さずに覗き見ていた。彼女の神姫、海神(わだつみ)は肩の上で上手に座っている。 やがて言いたい事を言い終わったのか、沙紘が雪那に背を向けその場から立ち去る。 余程悔しい思いをしたのか、そこに残された雪那は両の手を硬く握り締め、全身を戦慄かせていた。 だから、という訳でもな... -
Elysion_a01
Elysion 第1話 「邂逅」 Back 第0話「序章」 | Elysion トップ | Next 第2話「学園」 2037年、4月のある日 思いがけず臨時収入を得た私は、何を買おうかネットで検索しながら悩んでいた。 (無くしたと思っていた随分前のバイト代が、まるまる雑誌の中から出てきたのだ!) 2~3時間ほどあちこち調べて回ったものの結局あまり良い物が見つからず、 今日のところはもうパソコンを消して明日お店を回る事にした。 -そして朝 駅前のショッピングセンターに向かう途中、奇妙なお店(?)を見つけた。 「新・・東京・・神姫センター・・・・?」 ここは幕張、れっきとした千葉である。 まぁ、千葉なのに東京とつくのはけっこうあるので今更ではあるけどね。 なんてことを考えながら苦笑していると、 「あ、お客さんかな?」 声のした方を... -
クリスマスイブにバイトってどうゆう事!?
{クリスマスイブにバイトってどうゆう事!?} 「ご主人様~…」 「んだよ、アンジェラス」 「なんで私達こんな所で仕事してるんでしょうね?」 「…聞くな」 俺はカウンター席でダルそうに机に倒れ込む。 アンジェラスも俺のマネをするかのようにうつ伏せで寝る。 そう。 今はとある店でバイトをしている。 しかもタダ働きでだ。 そしてその店とは。 「よぉー、青年よ。しっかり働いているかぁー?」 「…都」 そうです。 今俺がバイトしてる店は都の本屋だったのだ。 これ言うのは二回目だが、タダ働きでだ。 そしてな~んでこんな事になってるかちょっと回想してみようか。 …あんまり回想したくないのだが。 ☆ 事件は一週間前に起こった。 事件が起きた当日。 その日は俺とアンジェラス達と一緒に都の店に行った。 都の店はあんまり人気が無いと... -
樫坂家->序幕・第2話
樫坂家の事情! 序幕~とある学生の夏休みにおける変化とその記録~ 引き続き、樫坂家にて。 「ところで、今日はマスターは早く起きなければならないのでしょう?」 「………今は2時51分47秒、だな」 「マスターは自分でなかなか起きれない困ったマスターなのです」 「確かに……ところで、早く続きみません?気になるし」 「まったく……まぁ確かに気になるわね」 「なんだかんだ言って、ゆいなものり気なんだね」 「ここまで見たらもう見るしか無いじゃない」 どうやら樫坂家の夜は続くんだってさ。 ===第2話===  ̄ ̄――__ 8月3日 日曜日 今日は久しぶりに家で過ごす事にする。昨日の今日という事もある。 朝飯を齧った後はぼんやりテレビでも見ていたがあんまり面白いものがなかった。 かといってやる事もない……………なんてことは無く、... -
すべて俺の責任
七話 『すべて俺の責任』 正直なところ、竹さんをどうしたものか、俺にはサッパリ分からなかった。 自意識過剰を疑う余地もないくらい、竹さんが友情以上の感情を持って俺に接しているのは明らかだ。ならば姫乃という彼女がいる俺として取るべき行動は決まっているはずだが、竹さんから動いてくれないことには、俺から先に断りを入れるわけにはいかない。 これが高校生とかなら下駄箱にラブレターが入っていて、呼び出された場所に行かなければそれで済む話なんだろうが、まさか二十歳を過ぎた大学生にもなってそんな初々しい手段を取ってくれるわけもなく、今日、二人っきりになることで告白されやしないかと戦々恐々としているわけだ。 いや、ここ数日の竹さんの胸の柔らかさ……じゃなくて過剰なくらいの接近を考えると、今日という日がXデーになることはもはや確信すら持って想像できた。 「流されちゃダメですよマスタ... -
いつか光り輝く 2.0話 あかいそら
2.0話 「あかいそら」 私はMaxwell-X01。 人間には呼びにくいという理由で、モデルとなったマオチャオ型MMSを元にし [マオ]と呼ばれている。 私は暗殺を主目的に開発された神姫偽装型ユニットの試作機だ。 世界的に普及しつつある体長15cm程の自立行動ロボット玩具になりすまし ターゲットに接近、もしくは人間では入り込めない場所からの狙撃で 暗殺を遂行する。 埋め込み型の解毒剤生成機、ニュートライザーの実用により 要人の毒による暗殺はほぼ不可能だし、 このサイズの筐体に乗せられる火器では傷害を与える事は出来ても 殺害までは現実的ではない。 だが私に搭載された”加速時間ドライブ”を持ってすれば、 体積比率で1/1000しかない神姫用火器に 人間用の火器と遜色ない殺傷力を発揮させられる。 加速時間とは物理的な作用を通常空間と共有しつつ、... - @wiki全体から「第10話 『そして、二人で』」で調べる