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Hayate the combat――

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Hayate the combat―― ◆7pf62HiyTE



B-7の砂浜の上にトレーナーとジーンズを着た少年が立っていた。
「殺し合いか……」
少年は平凡な公立高校に通う普通の高校一年生……だった。
彼の運命は、この日大きく変わってしまったのだ。少年はこの日にあった事を思い返す……





その日はクリスマスイブ、彼はその日まで幼き頃夢に出たサンタが口にした



『働け少年!! 「働かざる者喰うべからず」 欲しい物は自分の力でなんとかしろ。だが信じろ……最後に笑うのはきっと……ひたむきでマジメな奴だから


……それでもお前にプレゼントはやらないけどな』



最後の言葉が気になりながらも彼はその言葉を信じて生きていた……この日までは。



少年の両親は無職だった、故にクリスマスイブであるこの日も自転車便のバイトをして働いていた。勿論、このご時世不況によるリストラや事故の理由ならば同情の余地はあるだろう。しかし、


『父さんにはもっと……自分にふさわしい有意義な仕事があると思うんだ』
『母さんは馬券を買っているんじゃないの。夢を買っているの』


などと夢見がちな事を言い定職に就かなかったり家事すらしなかったりであった。それでもハヤテは信じていた。最後に笑うのはきっとひたむきでマジメな奴なのだと……。



だが、無情にも両親がバイト先に来た事により募集規定の18歳を下回っていた事がバレた為バイトはクビとなり、給料については全額両親に渡ってしまった……あの両親の手に渡れば全部パチスロで消えてしまうのは明白だった。
少年はすぐに家へと戻った。だが、彼を待っていたのは更なる不幸とも言うべきだろう。
家には既に両親の姿が無く、当然給料も全て消えていた。それだけではなく両親からの1億5千万円の借金というクリスマスプレゼントが置かれており、同封されていた手紙にはこうあった。



『困りはてたママ達はあれこれ考えた結果……ふと名案を思いつきました。


そうだ、息子を売ろう』



少年は両親の身勝手な案によって借金取りに追われる身となった。
『結局、世の中はズルい奴が勝つんだよ!! 真面目に頑張ったって……手に入るものなんか何もないんだ!!
フランダースの犬のネロだって……良い人を貫いたら死んだじゃないか!! だったらもう迷うことはない!! 捕まったってム所で温かい食事とフトンが……』
少年は夜の公園で金髪でツインテールの少女を誘拐する事にした。幸いにも彼の想いは(正しくかは別にして)伝わり人質とする事が出来た。
しかし電話口であっさり自分の名前を名乗るというミスを犯し、更に冷静になり色々無理があるという現実に今更ながらに気が付いたのだ。
『死のう……』
人生のどん底にいた少年は俯せとなった。そこに、
『ああ!! だめです!! そんなとこに寝てたら〜!!』
と、自転車が少年を轢いたのだ……




そして、目を覚ました時には先程いた青空の広がる場所にいたのだ。そこでトウモロコシを頬張っていたムルムルと呼ばれた少女から殺し合いの説明を受けたのだ。
『1st』、『日記』、『デウス』といった気になる用語があったが、何はともあれ自分が最後の1人となるまで殺し合うゲームに巻き込まれた事は理解出来た。
勿論、少年自身いきなり殺し合いをしろと言われて納得出来るわけもない。だが、あの場で同じ様に納得出来なかった麻子と呼ばれた女性が黒焦げにされて殺された以上、納得出来る出来ない関係なくこのゲームに参加するしかないだろう。
考えるまでもなく生き残るには最後の1人になるしかない。だが……
「まず無理だよな……」
生き残れる可能性は非情に低いと判断していた。仮にこの殺し合いが自分と同じ年齢の少年少女達を集めたものであるのならば勝ち残れる自信はある。前述の事情から様々なバイト等の経験から多彩な技術と超人的な身体能力を持っているからだ。
だが、それはあくまでも自分と同じ『普通の少年少女』が集められていた場合の話である。少年は気付いていたのだ、あの場には『普通の』人間ではない超人が集められている事に。最初にいた場所でもその雰囲気は十分に感じる事は出来たし何より、
『ただし少しでも公正さをきす為に細工をさせてもらっておる。
身体の動きが鈍いと感じているものはおらんか? 力が使えないと思っているものは?
ここまで言えばわかるじゃろう?』
これはつまり、超人的な力を持つ者はその力を制限されているという事を意味する。同時にそれは超人的な力を持つ者がいる事の証明にもなる。
勿論、制限がかけられているならば自分でも十分に渡り合える可能性はあるだろう。だが、それは『良くて互角』という意味でしかない。少年の優位性は無く、むしろ不利になると考えた方が良いだろう。
ちなみに、今の所少年自身は体が重いとは感じてはいないが多少なりとも制限がかけられている可能性は十分にある。となれば自分より弱い参加者に破れる事もあり得るだろう。
何人が参加しているかはわからないがあの規模から考えて何十人もいるのはまず確実だろう。単純計算で最後の1人となる確率は1桁しかない。その確率で生き残れるとは考えられないだろう。
それとは別にもう1つ気になる事があった。あの場で言っていた……
『誰が参加しているかわかるような名簿も配るつもりじゃ。
ただしそれが読めるようになるのは最初の放送が終わってからになるがな。
知り合いがおらんことを祈っておれ』
この言葉で重要なのは『知り合いがおらんことを祈っておれ』である。つまり、知り合いが自分と同じ様に殺し合いに連れて来られている可能性があるということだ。少年の脳裏には学校での友人達やバイト先で知り合った人達の姿が浮かぶ……
「西沢さん達……僕と同じ様に巻き込まれているのかな……」
少年は西沢他友人達の身を案じた。 確かに少年は先程自分が助かる為に金髪でツインテールの少女を誘拐しようとはした。真面目な話、自分が助かる為ならば多少他人が不幸になっても構わないと思っていた。
だが、だからといって自分の友人達を不幸な目に遭わせたいとは思ってはいないし、不幸な目に遭うのを望んではいない。
とはいえ、自分に出来る事など何もない。自分だけで精一杯なのに他の人にまで気が回るわけがない。故に、只無事である事を祈る事しか出来ないでいた。




少年は自分がどうしたいのか未だに答えを見つけ出せないでいた。とはいえいつまでも立ちつくしていても仕方がない。確か食料や地図、武器になるものを用意したと言っていた。どうするかはそれを見てから考えればいいだろう。
少年はデイパックの中身を確かめた。食料が少々少ないという点が気になったものの確かに最低限必要な物は揃っている。だが、重要なのはここからだ。少年はデイパックの中から1冊の本を出す。
「『若の成長日記 東城歩』……」
少年は日記を読み始める。
「『若の部屋にゴスロリ衣装を置いておく』……『カーテンの上のシャーってなる奴が気になったのでロフトに行く』……
『ゴスロリ衣装を』……『カーテンの上のシャー』……
『ナース服を』……『カーテンの』……」
そこには『若』に関係する事とカーテンの上の事ばかりが書かれていた。
「他に書く事無いのか……って、そうじゃない、こんな物で一体どうしろと言うんだ……」
なお、日記にある『若』と呼ばれた人物が自分と同じ様に殺し合いに巻き込まれているわけだが、今現在名簿が白紙で確認出来ない以上少年がその事を知るわけがない。
「他には何か無いのか……」
更に少年はデイパックを漁る。そして見付けたのは3枚の紙、
「これは……『ヴァッシュ・ザ・スタンピード』?」
3枚の中身はどれも同じ物だった。それは手配書と呼ばれる物で描かれているのは1人の男であった。手配書というのが何かは少年も知っている。だが少なくとも自分の住んでいた世界とは無縁に近い物であった。
「まるでマンガみたいだな……ん!?」
少年はある事を見て驚愕した。それは手配書に書かれている金額である。
「600億だって!?」
$が何故2つあるのかが気にかかるものの、仮に600億$$がアメリカドルと同じ単位だとするならば1$当たり約100円として単純計算で約6兆円という事になる。
勿論、$$となっている以上同列に論じる事は出来ないだろうが600億という数字が破格であるのに変わりはない。
「それだけあれば僕の1億5千万の借金だって……」
少年の脳裏には両親によって押しつけられた借金が浮かんでいた。もし、手配書に書かれている人物を捕まえる事が出来れば借金など簡単に返せるだろうし、子供の頃に夢見た3LDKに住む事だって出来るだろう。
だが、少年は冷静に考えてみる。600億の破格とも言える賞金がかけられる人物、となればそれだけの大きな事をしでかしたのは明白だ。その様な危険人物を捕まえる事など出来るのだろうか?
更に手配書に書かれている人物がこの場所にいるとは限らない。仮にそうならば徒労に終わるのは言うまでもない。
結局、武器らしい武器は何1つ見付ける事は出来なかった。これでは殺し合いに乗るにせよ乗らないにせよ出来る事は限られる。自身の経験や技だけで戦えるとは到底思えない。


「このまま死ぬ運命だったのかな……」
真面目に殺し合いを止めようとした所で上手くいかないというのはこれまでの自身の経験が証明している。
だからといって殺し合いに乗った所で先程の誘拐とは違い失敗したらム所行きでは済まず死が待っている為、武器がない以上無謀でしかない。それ以前に連れて来られている可能性のある西沢達友人まで殺す気にはなれなかった。
その為少年は早くも諦めかけていた。
「運命……」
と、少年はあの場でのある言葉を思い出す。
『俺は何があっても歩以外には殺されへん。そう運命付けられとるんや』
そう言っていた少年がいた。だが、その少年は無情にも今自分も付けられている首輪を爆破されて殺されてしまった。何故、あの少年があの場でああいう事を言ったのかはわからない。だが、仮に本当にそれが運命付けられているものだとしたら?
「運命は変えられる……?」
殺されない運命を持つにも関わらず殺された……それは運命は変える事が出来るというのを意味するのでは無かろうか?
そうだ……どうせ僕はあのままジングル・ベルが聞こえる中で死ぬ運命だったんだ……だったら何を恐れる必要がある? このままこの殺し合いで死ぬのが僕の運命ならば……そんな運命、ぶっ壊してやる!」
この瞬間、少年は自分のすべき事を見つけ出した。勿論、具体的な方法は何も見えていないし出来るかどうかもわからない。それでも、このまま死を待つ運命ならばその運命に負ける事など無く戦っていこうと少年は考えたのだ。
そうそう上手くいくとは思えないが仮にヴァッシュという人物がこの場にいて、運良く彼を捕まえる事が出来れば借金も何とか出来る。600億という賞金がかけられた危険人物を捕まえられるかの自信は全く無いが、何もしないよりはずっとマシだろう。
殺し合いについてはひとまず乗るつもりはなかった。相手の思惑通りに殺し合いに乗る義理はないし、何より西沢達が連れて来られている場合の話だが彼等を殺したくはないからだ。とりあえずは何か使えそうな道具を捜す為何処かの施設へ向かおうかと考えた。
「そういえば……」
何故あの少年の言葉が気になったのか……その理由に気が付いた。その少年はこう言っていた。
『俺は何があっても歩以外には殺されへん』
「歩って言っていたけど、西沢さんじゃないよな……歩って名前なんて幾らでもあるし……さっきの日記を書いた人も歩って人だからきっと……」
彼の言っていた『歩』が自分の友人である西沢歩かどうかが気になったのだ。彼女は普通の少女のはずだ、殺す殺さないといった物騒な世界とは無縁なはず……そう信じたかった。
勿論、参加者の名簿が見える状態ならば西沢以外の歩という名前を持つ人物がわかるものの今現在名簿が白紙である以上それはわからない。
その一方、少年は考えていた。自分が誘拐しようとしていた金髪でツインテールの少女の事を……
「まさかとは思うけど……あの子は巻き込まれていないよな……」
誘拐した自分が言えた事ではないが、願わくばその少女がこの殺し合いに巻き込まれないで無事でいて欲しいと考えていた。誘拐しようとはしたがあくまで目的は金でしかなく、少女の命を奪うつもりなんて無いのだから……


そして少年は歩き出す。自分達に課せられた最悪とも言うべき運命と闘う為に……






―――少年の名は綾崎ハヤテ、1億5千万の借金を背負った普通の少年である―――




【B-7/砂浜/1日目 深夜】
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]:健康
[服装]:トレーナーとジーンズ(第1話終了時の服装です)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、若の成長記録@銀魂、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×3@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:運命と戦う、当面は殺し合いには乗らない
1:何処かの施設へ向かい何か使えそうな道具を手に入れる
2:西沢さんを含めた友人達が心配
3:出来ればヴァッシュを捕まえて賞金を手に入れたい
4:少年(火澄)の言っていた『歩』は西沢さんなのか、東城歩って人のことなのか、それとも他の歩という名前の人なのか……?
5:金髪でツインテールの少女(ナギ)が心配
[備考]
※第1話直後からの参戦、つまりまだナギの執事となる前です。
※参戦時期からわかる通り、西沢・ナギ以外のハヤテキャラとの面識はありません。また、ナギも誘拐しようとした少女としか認識していません。


【若の成長記録@銀魂】
 柳生四天王東城歩の日記、書かれている内容の殆どは主である柳生九兵衛へのストーカー等の行為とロフトへの往復についてである。


【ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン・マキシマム】
 ヴァッシュ・ザ・スタンピードの顔写真付手配書、賞金額は600億$$(ダブドル)。3枚で1セットとして支給されている。


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