反撃への第一歩 ◆kmhuhaSiIw
漆黒の暗闇の中。
僅かな月明かりのみ、街灯の光すら届かぬ深い森の中。
その闇を照らす一人の美しい男の姿があった。
その男、名をグリフィスという。
美しく長い髪。すらっとのびた長い手足。
背中に羽織る純白のマント。
その全てがグリフィスには似合っている。
本人もその美しさに合う品格と知性を持ち、そして人望も厚い。
そしてそのグリフィスはこのサバイバルゲームの戦場に降り立ち、至極冷静に場を分析していた。
僅かな月明かりのみ、街灯の光すら届かぬ深い森の中。
その闇を照らす一人の美しい男の姿があった。
その男、名をグリフィスという。
美しく長い髪。すらっとのびた長い手足。
背中に羽織る純白のマント。
その全てがグリフィスには似合っている。
本人もその美しさに合う品格と知性を持ち、そして人望も厚い。
そしてそのグリフィスはこのサバイバルゲームの戦場に降り立ち、至極冷静に場を分析していた。
「殺し合い………ふっ。そのような事。俺に出来るわけがないだろう。なあ…………ガッツ」
グリフィスが口にするは彼が最も信頼に足る仲間の名である。
無論グリフィスに配られた名簿は現時点では白紙であり、参加者の名など知る由もない。
しかしグリフィスはあの無数の人々の声が入り混じる中で確かにガッツの声を聞いていた。
一瞬。それも多くの人の声が入り混じった中では、ただの聞き間違えにすぎないかもしれない。
それでもグリフィスには確信めいたものがある。
あの声は確かにガッツであると。
この会場のどこかにガッツがいると。それを信じている。
無論グリフィスに配られた名簿は現時点では白紙であり、参加者の名など知る由もない。
しかしグリフィスはあの無数の人々の声が入り混じる中で確かにガッツの声を聞いていた。
一瞬。それも多くの人の声が入り混じった中では、ただの聞き間違えにすぎないかもしれない。
それでもグリフィスには確信めいたものがある。
あの声は確かにガッツであると。
この会場のどこかにガッツがいると。それを信じている。
「ガッツ。俺とお前でならこのような殺し合い。容易に破壊できるだろう。最後に一人になるまで殺し合い?
この場所は俺の死に場所でもお前の死に場所でもないぞ。なあガッツ。お前もそう思っているだろう」
この場所は俺の死に場所でもお前の死に場所でもないぞ。なあガッツ。お前もそう思っているだろう」
グリフィスの表情に迷いはない。
ガッツがこの場所のどこかにいる。
二人が揃えばどのような困難でも打破できないわけはない。
このような首輪など破壊し、あのふざけた新しい神を自称した者を殺す。
それは必ず成功する。
グリフィスには一切の迷いなどあるわけがなかった。
ガッツがこの場所のどこかにいる。
二人が揃えばどのような困難でも打破できないわけはない。
このような首輪など破壊し、あのふざけた新しい神を自称した者を殺す。
それは必ず成功する。
グリフィスには一切の迷いなどあるわけがなかった。
「行くか。いつまでもここに留まっていることもない」
森の中。支給された刀を手に取り、グリフィスは歩きだす。
*
「ねぇ…………ここはどこぉ?宮ちゃぁん……沙英さん………ぐすっ、ヒロ………さん。どこにいるのぉ」
ゆのは力なく森の中を彷徨っていた。
涙声でふらふらと歩いている。
足取りは不安定。
もし襲撃者に襲われたらものの五秒で殺される。
それぐらい不安定なまま、ゆのは森を歩き続けている。
涙声でふらふらと歩いている。
足取りは不安定。
もし襲撃者に襲われたらものの五秒で殺される。
それぐらい不安定なまま、ゆのは森を歩き続けている。
「怖いよぉ、誰か………助けてよ。ねぇ………誰かぁ」
あの連続の首輪ドカンの映像を前にゆのの心は既に恐怖に侵されている。
自分もああなる。
そう考えるだけで体はすくみ、自分に支給された武器の確認をする事さえ忘れてしまっている。
自分もああなる。
そう考えるだけで体はすくみ、自分に支給された武器の確認をする事さえ忘れてしまっている。
そしてゆのは気付いていない。
木の陰から、一人の男が冷静にそのゆのの様子を観察している事を。
木の陰から、一人の男が冷静にそのゆのの様子を観察している事を。
(女か。見たところ武器を持っている様子などないが………あの様子ではただの足手まといか……………しかし)
グリフィスの頭の中では既にゆのは連れ歩くには邪魔。
無視して先を行くのがベストと判断している。
だが、理性では分かっているが、なぜか無視して先に行く事を躊躇ってしまう。
正義感。
そのようなものを持っているわけではない。
グリフィスは氷のような冷静さ。
どのような時でも決して勢いに流されず、絶対零度の如き冷静さで的確な判断をする事が出来る男なのである。
故に、この場であの不安定な少女の保護などリスクの高いことをするわけではないはずだった。
しかし、それでも先には行けずにいた。
無視して先を行くのがベストと判断している。
だが、理性では分かっているが、なぜか無視して先に行く事を躊躇ってしまう。
正義感。
そのようなものを持っているわけではない。
グリフィスは氷のような冷静さ。
どのような時でも決して勢いに流されず、絶対零度の如き冷静さで的確な判断をする事が出来る男なのである。
故に、この場であの不安定な少女の保護などリスクの高いことをするわけではないはずだった。
しかし、それでも先には行けずにいた。
(………待て。仮に脱出をするとして、俺とガッツだけで成功するだろうか。……いや、この首輪に特殊な技術が組まれている場合
他の者の支援が必要になるかもしれないな。それにこの機会にこの場で新たな鷹の団の同士を募るのも悪くはない。
しかし、仮に俺が一人で……仮にガッツを早い段階で見つけたとしても、男二人で他者を仲間に引き入れるなど難しいだろう。
だが、あの女を連れて行けば………そうだな。俺が殺し合いに乗っていない事を分かりやすく証明出来る。それに、俺を襲って
来る者を油断させる事も出来るか)
他の者の支援が必要になるかもしれないな。それにこの機会にこの場で新たな鷹の団の同士を募るのも悪くはない。
しかし、仮に俺が一人で……仮にガッツを早い段階で見つけたとしても、男二人で他者を仲間に引き入れるなど難しいだろう。
だが、あの女を連れて行けば………そうだな。俺が殺し合いに乗っていない事を分かりやすく証明出来る。それに、俺を襲って
来る者を油断させる事も出来るか)
グリフィスはしばしの迷いの後に、ゆのに向かい歩きだす。
「あうぅ。怖いよぉ。誰かぁ……」
一方ゆのは無防備に隙を見せまくっている。
それ故にグリフィスは接近に容易に成功し、ファーストコンタクトを試みる。
それ故にグリフィスは接近に容易に成功し、ファーストコンタクトを試みる。
「始めまして。グリフィスと申します」
グリフィスは相手の警戒を解くようにスマイルを見せながらゆのに話しかける。
その笑顔はさながらモデルのようであり、平時であれば、思わずゆのも顔を赤らめていただろう。
平時であれば。
その笑顔はさながらモデルのようであり、平時であれば、思わずゆのも顔を赤らめていただろう。
平時であれば。
「ひいっ」
しかし、今は平時ではなく殺し合いの最中。
そしてここは戦場のど真ん中。
グリフィスの笑顔は空振りし、ゆのは驚き悲鳴を上げると、腰を抜かして後ずさりをする。
そしてここは戦場のど真ん中。
グリフィスの笑顔は空振りし、ゆのは驚き悲鳴を上げると、腰を抜かして後ずさりをする。
「やめて、殺さないで。いやいやいやいや」
「………待ってくれ!俺は殺し合いには」
「………待ってくれ!俺は殺し合いには」
グリフィスはゆのを黙らせようと更に近づく。
だが、グリフィスは刀を持ったままであり、その刀から視線を放せず更に後ずさる。
だが、グリフィスは刀を持ったままであり、その刀から視線を放せず更に後ずさる。
「いやぁ、殺さないでぇ、死にたくないよ、宮ちゃん助けてよぉ」
ゆのは悲痛な叫びをあげる。
顔は涙でずぶ濡れになり、あげくの果てには失禁までしてしまいお尻に水たまりを作ってしまう。
でもその失態に気付く余裕すらなく、ゆのは逃げる。
けれど後ろには木があり、それ以上後ずさりは出来ない。
少し向きを変えれば問題は無いのだが、余裕を失っているゆのにそのような事思いつくはずもない。
顔は涙でずぶ濡れになり、あげくの果てには失禁までしてしまいお尻に水たまりを作ってしまう。
でもその失態に気付く余裕すらなく、ゆのは逃げる。
けれど後ろには木があり、それ以上後ずさりは出来ない。
少し向きを変えれば問題は無いのだが、余裕を失っているゆのにそのような事思いつくはずもない。
「………なるほど。この剣か」
グリフィスはゆのが刀に視線を向けているのを察すると、刀を地面に突き刺し、両手をあげて近づく。
「俺は殺し合いなどはしない。むしろお前を守る男だ」
「……えっ?」
「俺は絶対にお前を殺しはしない」
「……えっ?」
「俺は絶対にお前を殺しはしない」
グリフィスは手を振り武器が無い事をアピールする。
(思ったより厄介だな。だが、これだけ無防備な女を連れ歩けば、俺が殺し合いに乗っていない証明には充分なはずだ。
他の殺し合い不参加を表明する者と信用を築けやすいのも確かだろう。
くだらない疑心暗鬼などで殺しあうのはあまりにも愚かだ)
他の殺し合い不参加を表明する者と信用を築けやすいのも確かだろう。
くだらない疑心暗鬼などで殺しあうのはあまりにも愚かだ)
グリフィスは今後の事を纏めながら、ゆのの様子を見る。
するとゆのはようやく落ち着いたのかあれだけ騒いでいたのが嘘のように静かになっている。
するとゆのはようやく落ち着いたのかあれだけ騒いでいたのが嘘のように静かになっている。
「あのっ、わっ、私はゆのです。ごっごっ、ごめんなさい。騒いじゃって。勝手に殺してくるとか決め付けちゃって」
「いいえ。構いませんよ」
「いいえ。構いませんよ」
グリフィスは気にも止めてないというように笑顔で返す。
元より箱入り娘の扱いはシャルロットで慣れているのでお手の物なのである。
元より箱入り娘の扱いはシャルロットで慣れているのでお手の物なのである。
「では参りましょうか。………立てますか?」
「えっ………はい何とか、でも………」
「では南の方に行きましょう。………その……服のき……」
「はいっ、そうですねよね。分かりました。行きましょう。グリフィスさんも早くっ!」
「えっ………はい何とか、でも………」
「では南の方に行きましょう。………その……服のき……」
「はいっ、そうですねよね。分かりました。行きましょう。グリフィスさんも早くっ!」
ゆのはグリフィスの言葉を遮り、勢い良く……とはいかぬが、立ち上がり歩きだす。
グリフィスは刀を地面から抜くとゆのを追いかけるように歩く。
グリフィスは刀を地面から抜くとゆのを追いかけるように歩く。
(ガッツが今のオレを見たらなんと言うだろうな。……ふっ、らしくないと笑うかもな。………なあ、ガッツ)
グリフィスはこの場のどこかにいる仲間を思い出す。
だがグリフィスは知らない。
この場に居る男は、決してグリフィスの『仲間』のガッツではない事を。
だがグリフィスは知らない。
この場に居る男は、決してグリフィスの『仲間』のガッツではない事を。
【H-6 森の中 1日目 深夜】
【グリフィス@ベルセルク】
[状態]:健康
[装備]:居合番長の刀@金剛番長
[道具]:支給品一式 確認済支給品0~1(剣の可能性は低い)
[思考・備考] 現在南下中
1:ガッツと合流
2:殺し合いに乗っていない者を見つけ、情報の交換、首輪を外す手段を見つける
3:当面はゆのと同行、可能な限りは守る
[状態]:健康
[装備]:居合番長の刀@金剛番長
[道具]:支給品一式 確認済支給品0~1(剣の可能性は低い)
[思考・備考] 現在南下中
1:ガッツと合流
2:殺し合いに乗っていない者を見つけ、情報の交換、首輪を外す手段を見つける
3:当面はゆのと同行、可能な限りは守る
[備考]
登場時期は8巻の旅立ちの日。
ガッツが鷹の団離脱を宣言する直前です。
登場時期は8巻の旅立ちの日。
ガッツが鷹の団離脱を宣言する直前です。
【ゆの@ひだまりスケッチ】
[状態]:少し泣き疲れ 下半身がドロなどで汚れている
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 未確認支給品2~1
[思考・備考] 現在南下中
1:宮子、沙英、ヒロに会いたい
2:グリフィスさんに守ってもらう。
3:服の着替えを探しに街に向かう。
[状態]:少し泣き疲れ 下半身がドロなどで汚れている
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 未確認支給品2~1
[思考・備考] 現在南下中
1:宮子、沙英、ヒロに会いたい
2:グリフィスさんに守ってもらう。
3:服の着替えを探しに街に向かう。