※この物語はフィクションです。
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ShoutOfTheEarth第一話(リュウセイコスモ氏)
ここは広大な銀河のどこかにある、しかし地球とはことなるある惑星―。
やむことなく鳴り響く金属音、大きな鉄の塊、それはまるでSF物の映画やアニメにでも出てきそうな機動戦艦なるものを彷彿とさせるデザインをしていた。
そしてその作業を黙って見つめる一人の青年。
背丈、体格ともに平均的なその青年はリュウセイ・コスモといった。
個性らしい個性は少し派手すぎるオレンジの上着くらいだろうか。
オレンジ上着の男「そろそろ完成かな・・・。」
そうつぶやき、その場を離れようとしたそのとき、
青年「リュウセイ、何さぼってるんだ、お前も働け。」
どうやらオレンジの上着の男はリュウセイという名前のようだ。
足元までの長さのロングコートを羽織った青年が靴音を響かせてやってきた。
「別にさぼってねえよ。もうすぐ完成する俺たちの努力の結晶に思いをはせてただけじゃねえか」
セト「お前の努力などないに等しいだろうが。」
リュウセイ「おいおい、仮にもいままで一緒に作業してきた仲間に向かってそ んなこと言うか?普通?」
セト「おれは本当のことをいったまでだ。」
リュウセイ「ちぇ、あいかわらずきびしいねえ、セトさんはよ。」
純白のロングコートを羽織った青年はどうやらセトという名らしい。
セト「きびしく言われたくなけりゃ、せっせと働け。」
リュウセイ「わかったよ!じゃあな。」
ばつの悪そうな顔をして持ち場に戻るリュウセイ。
セト「もうすぐ完成か。新型機動戦艦ハガネ・・・。」
神妙な面持ちでそうつぶやくセト。そうセト、本名をシーホース・セトという、彼は齢22歳にしてハガネプロジェクトの第一人者にしてこの「新型機動戦艦ハガネ」の艦長をまかされた男なのである。
ハガネプロジェクトとは大気圏外での活動を主眼においた戦艦の建造の
ことである。宇宙での長期間の運行、そして万一宇宙空間での戦闘になった場合の為の武装の装備。あらゆる問題を抱えたこのプロジェクトは想像以上に難航していた。「不可能だ」「廃止すべきだ」「資金の無駄だ」などと世間での評判はもう最低としか表現できないほどだった。
しかし、その不可能を可能にしたのが、このシーホース・セトなのである。
セト「さて、いよいよ起動実験か・・・。」
時がたつのは本当にはやいもんなんだな・・。またしても作業をさぼりながらリュウセイはしみじみと思った。
子供の頃、セトと一緒に「いつの日か宇宙船作って宇宙を見に行こう!」と約束したのが、流石に昨日のようにとはいかないが今でも鮮明に覚えている。
リュウセイ「本当に上手くいきそうでよかったよ、なあセト。」
誰に言うでもなくそうつぶやいた。そしてふと時計を見ると夜中の1時を過ぎていた。
リュウセイ「うわ!やっべ!もうこんな時間かよ!」
物思いにふけっている間に一時間が経過しようとしていた。そろそろ移動しないとまたセトにみつかるかもしれない、そう思いその場を離れようとした時、作業場の方が
不意にさわがしくなった。
リュウセイ「なんだろ・・・。」
リュウセイは作業場のほうへと足を進めた。
みてみると作業場は歓声に包まれていた。一人ではしゃぎまわる者、抱き合う者、まるで母校が夏の甲子園で優勝したかのように喜びをみなで分かちあっていた。
何事だろう、とリュウセイは作業場をふらついていると見覚えのある背中をみつけた。10年以上ともに過ごしてきた男の背中だ。忘れるはずもない。
リュウセイ「何が起こったんだ・・・セト?」
セト「リュウセイ!」
振り返ったセトの顔は満面の笑顔に彩られていた。
セト「とうとう完成したんだよ!ハガネが!」
新しいおもちゃをあたえられたばかりの子供のように喜ぶセト。
リュウセイ「まじかよ!?」
予定より遥かに早い完成に驚きの表情をかくせなかった。
セト「こんなとこで嘘ついてどうするんだよ!本当さ!とうとう完成したんだよ!」
リュウセイ「はは・・・まじかよ。」
感無量というのはこんなことをいうのか、とリュウセイは思った。
リュウセイ「やったじゃねえかよ!セト!!」
セト「ああ!これも一重にお前と、みんなのおかげさ!」
作業場の盛り上がりはしばらくやむことはなかった。
数十分後、ようやく落ち着きをとりもどした作業場には先ほどまでとはうって変わってまじめな表情のリュウセイを含むハガネクルーが整列していた。彼らの視線の先には純白のロングコートを羽織ったセトがたっている。
セト「ついにハガネも完成した!これも一重にみんなのおかげだ。本当にありがとう、そしていよいよ一週間後、ハガネは起動実験にはいる!それまで諸君は英気をやしなってくれ!以上!解散!」
作業場に巻き起こる拍手。
そう、この時この場にいただれもが予想することはなかった。これから起こる、悲劇としか形容しえない悲劇に・・・・。
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