SHOUT OF THE EARTH 第三話(i11921192氏)
これほどまでに奇妙なことがあるのだろうか。
大気が覆い、
さまざまな風景、生命を育み
海が球の七割を占め、それが故に「水の惑星」と称される惑星が
そう眼下に広がる「ラクス」と呼ばれていた星はいまや文字通り「水の惑星」へと形を変えてしまった。
ここに生き残った数少なきクルーたちは先刻起きた怪奇な現象、もとい惨劇・・・いや神々が人間に
たいして下した天罰の類か?
どちらにせよ、これは事実だ。
あの星では、今も津波に飲み込まれる人の叫びが響いているのだ。
そして、辛くもラクスから出港することができた「ドレッドノート級外宇宙探査艦”ハガネ”」の中でも特に「よくいえば冷静沈着。どう考えても何を考えてるか堅物。あれはヘミソフィア人の類だ」とクルーに揶揄されるほど物事を冷静に思慮できる男は先ほどの惨劇に対して疑問を抱いていた。
男:やつは先ほど南極の極氷が溶けた、と言っていた。だが、ここのクルーは気づいているのだろうか。
南極の氷が溶けただけではしょせん、6Mしか水位は上がらないということを・・・
よもやラクスのメカニックはこれほども機械以外には疎いものなのか?
いや、そうなるとオペレーターたちはどうなる?
彼らは勿論それほどのことくらい知っているはず・・・
ましてやセトとかいう艦長は・・・
いや、そんなバカな。
十中八九馬鹿なパイロットたちにとりあえず口から出まかせを言ったにすぎない・・・か。
まさか・・・な・・・
しかし、そうなるとなぜ地球をあれほどまでに水を覆ったんだ??
ラクスの水を総動員したところでそれは所詮ヨーロッパ平原やそのような低地しか沈めることはできないはず。
これはどうやらラクスの外の力が干渉しているとしか思えない・・・
だとすれば・・・・・・
女:あら、ヘミソフィア人だからラクスに未練はないのかしら??
失礼。
あなたには地球に家族や大切な人はいなかったのかしら??
ゼンガー少尉
ゼンガー:貴殿か。サヤカ。
おまえこそあの水球に家族は飲み込まれなかったのか?
サヤカ:あら?
私の生みの親はビーカーの類よ。
ゼンガー:それは失敬した
サヤカ:別にいいの。
それよりセト艦長があなたを呼んでる
ゼンガー:伝言ということは極秘連絡があるということなのか?
サヤカ:そうじゃないの?私はそれくらいしか聞いてないわ
ゼンガー:なるほど。では。
サヤカ:じゃあね。
あ、あと言い忘れてたけど、私は仮にも副艦長なのよ
いい加減敬語くらい使ったらどうなの?
私にだけはタメ口使うのってどういうことなの?
ヘミソフィア人なりのジョークっていうの???
しかし、無機質のハガネのブリッジにはその無愛想な男の姿はすでになかった。
サヤカ:セト艦長に言いつけて軟禁させてやるんだから・・・・・・・・・
ゼンガー:艦長。私です。
窓ガラス越しに見える宇宙をバックに皮の深く背もたれられるいかにも社長のような椅子に
桐でできたこれまたいかにも社長のような机。そしてその横には国旗が、しかしその国旗はもはやただの布切れである。
一見すると大企業の社長のような部屋だが、これは艦長の部屋である。
確かにそう言われればそうかもしれないが、一般人ならまず社長室を思い浮かべるだろう。
そんな部屋に入ると30歳にもならないのに新型戦艦艦長に抜擢された
一部では親のコネではないかと陰で噂されているがその実力はピカイチと言われている
スタイルのいい狡猾な顔をした男がパイプから煙をくゆらせていた・・・
セト:君か。少尉。待っていたぞ・
ゼンガー:副艦長からの伝言ということは何かほかの人間に知られてはまずいことなのでしょうか?
セト:ああ。クルーにはおいおい話そうと思っていたんだが。
その前に君に伝えたいことがあってね・・・
ゼンガー:と、いいますと???
セト:それはだな・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続く。
最終更新:2008年08月30日 20:36