ShoutOfTheEarth第二話(MiddleVillage氏)
一週間後
ハガネ起動実験が始まった
膨大な資金をつぎ込んだプロジェクト、その全貌を見ようと沢山の観客が来ていた
観客1:「ざわ・・・ざわざわ・・・・あんなでかい鉄の塊が飛ぶわけないだろ・・・・」
観客2:「シーホースコーポレーションの考えることは意味がわからない・・・・」
観客3:「ただでさえ資源が危ういというのに何をやっているんだ・・・・」
観客の言うことは全くもって正しい
ハガネプロジェクトは第一話でも述べたように来るべき外宇宙からの恐怖に備える為のものだ
しかし今セト達の星では増えすぎた人類、それによっておこる食糧問題
消えていく自然、エネルギー資源の不足・・・・
人類は未曽有の危機に陥っていた
そんな中でいつ来るかわかりもしない外宇宙の恐怖から備えるなんてまったくもって愚の骨頂としかいいようがなかった
だが、このプロジェクトにはそれ以外に真の目的があった
ハガネが大気圏外に向かい、資源溢れる星を見つけ、そこに新たな居住地を作り第二の星にしてあらゆる問題を解決
それが「ハガネプロジェクト」の全容であった
ゴゴゴゴゴ・・・・
観客1:「あ!べらぼうにデカイ鉄の塊が動き出したぞ!!」
観客2:「バーカ、音だけだって、あんなもん飛ぶわけねーよwww」
観客3:「いや、だが・・・これは・・・・!?」
唸るエンジン、輝くボディ。新造戦艦ハガネはついに大地を離れた
観客全員:「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
舞台は変わって戦艦ハガネの内部
ブリッジではリュウセイとセトが二人で地上の様子を見ている
リュウセイ:「やった!飛んだ!ついに飛んだぞ!?見てみろよ、セト。あのみんなの顔。腰抜かしてみんな座り込んじまってやがるw」
セト:「おいおい、当たり前じゃないか。このハガネは俺が作ったんだぞ。これからが始まりだ、お前には期待してるぞ、リュウセイ」
リュウセイ:「おぉ!セト!!」
ハガネは無事に飛んだ
喜ぶハガネクルー、そして、この暗闇の時代に「ハガネが飛んだ」という奇跡
それは最早この時代に絶望していた人々に「やる気」という感情を思い出させた
すべては、これからだった
だが、そんな幸せは音もなく崩れていくのである・・・・
オペレーター:「セト艦長!大変なことが起こりました!!」
セト:「どうした!?何が起こった?エンジントラブルか!?」
オペレーター:「いいえ・・・もっと大変なことが・・・ハガネではなく・・・この星に・・・・これを見てください」
セト:「なんだっていうんだ・・・・って、こ、これはぁ!?」
乗組員が見せたモニターの先に映っていたものは・・・・
徐々に圧倒的水位によって飲み込まれていくこの星の大地の図であった・・・・・
セト:「どういうことだ・・・これは・・・?」
オペレーター:「わかりません、ただ、これほどまでに急速に水位があがるというのは、南極に何かあったとしか考えられません・・・・」
セト:「南極はどうなっている!」
ッピ
映し出されたのはかつて南極だった地域、そこにはあるはずのものがなかった
セト:「な・・・なんだと・・・氷がない・・・・?」
オペレーター:「このサーモグラフィーを見てください!先ほど、ハガネ飛翔直後急速に南極大陸周辺の温度が急上昇!それにより氷が解け、この星の水位の上昇!あと3分で・・・この星は宙に浮いているハガネを除いて水に飲み込まれてしまいます!!」
バンッ!
リュウセイ:「おい、セト!外が、外が大変なことになってる!!」
セト:「落ち着けリュウセイ・・・・(ッチ、もう目視できるほど水が迫ってきている・・・なんとかしないと・・・!」
リュウセイ:「落ち着いてなんていられるかよ!!外にいる人を一刻も早くハガネに避難を!!」
セト:「あぁ!もちろんだ!早速一旦残っている陸地に着陸し、人々を救助する!!」
オペレーター:「艦長!!」
セト:「なんだ、次はどうした!?」
オペレーター:「陸地が・・・ありません・・・もう、地球は水に覆われて・・・」
水に飲み込まれる人民:「ウワアアアアアアアアアアアアアア!!!」
水に飲み込まれる人民2:「たすけてくれえええええええええええぇぇぇ!!」
水に飲み込まれる人民3:「ああああああああああ・・・・!!」
流されていく人々の断末魔、さしずめこの世の地獄絵図といったところか・・・・
リュウセイ:「なんてこった・・・・」
セト:「なんで、なんでこんなことに・・・・」
オペレーター:「地球における生物反応は・・・零です・・・・」
セト&リュウセ:「ッ・・・・」
艦内に満ち溢れる負の感情、地上に残っていた家族を思い泣いているもの、ただ現状が理解できず呆然としているもの。とにかく、みんなあまりのこの世の急展開に頭がついていけていなかった・・・・
30分後
ついにリュウセイが口を開いた
リュウセイ:「おい、セト。これから・・・どうするんだ?」
セト:「・・・・・・」
セトは、何も言えなかった。セト自身他のクルーと同じくあまりのことに何が何だかわからなくなっていた
リュウセイ:「おい・・・・セト・・・・」
クルー達:「艦長・・・・」
セトは、決断した
しかし、今、この艦において自分が柱、自分が崩れては唯一生き残ったこのメンバーも同時に崩れてしまう
今こそ自分が志を決するとき
セト:「みんな、我々はこの星を捨てる!!」
クルー達:「えぇ?!」
リュウセイ:「何言ってんだよ!、まだ生き残ってる人が・・・・そうか、いないのか・・・」
コクリとうなずくセト
セト:「・・・続けるぞ。今までずっと生きてきた母星を離れる辛さ、そして何よりいきなりのことでみんな困惑してると思う。だが、現実を見るんだ。目の前の水に沈んだ大地、そして生き残ったのは自分たちだけ、という現実を」
・・・・・・沈黙が流れる
セト:「我々に今出来ること、それは、今我々が乗っているハガネという翼で新たなる大地を探す、そこを新たな拠点とし町を築く。我々が生き残ること、それが、今出来る死んでいったものたちへの最大の手向けだと思う・・・・」
さらに流れる重い沈黙
最初に口を開いたのはやはりリュウセイであった
リュウセイ:「わかった、お前についていく。今出来ることはそれしかないんだよな・・・・なぁ、みんな。辛いとは思うけど、セトについていくしかないんだ!わかってくれ!!」
セト:「リュウセイ・・・・」
すると、ずっと黙っていたクルー達が
クルー1:「俺は・・・艦長についていく!!」
クルー2:「お、俺もだ!!」
クルー3:「新しい星を見つけるぞ!!」
クルー一同:「うおおおおおおおおおおお!!」
リュウセイの説得によりクルー達もふっ切った
セト:「みんな・・・・よし!では、我々ハガネクルーはこれより新たなる大地を探しに出港する!!みんな!俺についてきてくれ!!」
クルー一同:「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
こうして、ハガネは星空の彼方へ漕ぎだした
彼らの行先は誰にもわからない・・・・
だが、それにしても南極のいきなりの異変はなんだったのか・・・?
その答えもまだ誰にもわからない・・・・
最終更新:2008年08月30日 20:35