シーラ・ヴァヴィロワ
- 登場:『未亡』
- 備考:三人のリーダーの一人。〈砂の妻〉
- "おかっぱに切り揃えた短い黒髪をスカーフで包んだ若い女"(『未亡』p.71)
- "当時シーラは二十四歳で、勤め人の夫とスタプロムィスロフ地区のアパートでささやかな暮らしを営んでいた。ある日突然、夫は理由もなく警察に連行された。シーラは要求された<代償>を支払ったが、夫は帰ってこなかった。それでとうとう国を捨てる決意をしたのだという"(『未亡』p.80)
- "シーラは結婚前に小学校で教師をしていたのだという。(中略)シーラはチェチェン国立大学を卒業していた。もっとも、授業は休講ばっかりだったけどね、とシーラは照れくさそうに笑っていたが"(『未亡』p.81)
- "シーラはカティアをガーリャに託し、自らはチェチェン独立派のムジャヘッドとなるべくジャマートの一つに入隊したのだった。ムジャヘッドとはイスラム聖戦士を表すアラビア語のムジャヒディンを語源とする言葉である。またムジャヘッドは『ジャマート』と呼ばれる各地の部隊を単位に行動している。ジャマートは夫を戦争で失った女性もメンバーとして広く受け入れていた。土着の部族社会と融合したスーフィズムと、より過激なワッハーブ派の対立などチェチェンの宗教事情を利用したロシア当局の分断工作により、チェチェン独立派は組織としては分裂、崩壊状態に陥っているが、各ジャマートはそのまま維持されていた"(『未亡』p.90)
最終更新:2015年03月30日 14:40