きの田
- 登場:『無印』
- "二人は信号の手前で左の脇道に入った。路地の角を三度曲がると、狭小な雑居ビルの一階に古ぼけた構えの小料理屋がある。『きの田』と染め抜かれた暖簾を潜って中に入り、カウンターへ直行する。カウンター席以外にはテーブルが四つきりという手狭な店内に、他の客はいなかった"(『完全』p.165)
- "警察官が集まる店は決まっている。どういう特徴や共通点があるのかは定かには言えない。雰囲気や佇まいといったもの以外に、立地や店主の係累なども関わってくる。『きの田』はそうした店の一つだった"(『完全』p.165)
・芳江
- 登場:『無印』
- "カウンターの中から愛想よく振り返った四十路の女将が、二人を見て微妙に顔色を変える"(『完全』p.165)
- "懐かしげに話しかけた夏川に対し、女将はやはり素っ気なかった。以前はうるさいくらいに「夏ちゃん、由起ちゃん」と話しかけてきたものだったのに"(『完全』p.166)
聖ドリュオン国際ろう学校
- 登場:『自爆』
- "聖ドリュオン国際ろう学校とは御茶ノ水にある実在の学校で、聴力や発話に障害のある外国人子弟のための初等教育機関、つまり小学校であるとのこと。運営母体はイギリスに本拠を置くNPO法人で、同団体に不審な点はなし。生徒の保護者は主に欧米系の富裕層で、(中略)障害のある生徒に対し、あえて音楽による指導に積極的に取り組むのが同校の方針"(『自爆』p.354)
・アネット・ノースロップ
- 登場:『自爆』
- "アネット・ノースロップ十一歳。国籍はアメリカ。現住所、文京区小日向三丁目"(『自爆』p.424)
大森大福小学校
・斉藤温子
- 登場:『焼相』
- "斉藤温子教諭三十八歳"
- "「心配するな。ガキはなんともない。銃でちょっとばかししつけてやったらおとなしくなった。だがババアの先生が余計にうるさくなってたまらねえ。自分には持病があるとか、薬を飲まないと死ぬとかよ。先生のクセにてめえの方が大事らしい」"(『火宅』p.39)
- "警察官達の見つめる前で、解放された女性とSIT隊員が吹っ飛び、パトカーの白い屋根に赤い雨がぱらぱらと降った"(『火宅』p.40)
都立児童教育センター
・姓名不詳
- 登場:『焼相』
- "半狂乱になった若い男"(『火宅』p.47)
- "両の足首だけをその場に残して男性の上半身と大腿部が消滅した"(『火宅』p.47)
NII
・松森優一
- 登場:『狼眼』
- "「六月……二十日、文科省の所管になるNIIの松森優一教授が自宅で絞殺された。松森教授の自宅は千葉県浦安市で、千葉県の管轄となる。……」"(『狼眼』p.25)
- "松森優一。東京都出身。東京大学大学院で物理工学系研究科博士課程を修了後、国内大手精密機器メーカー『ミストミラー』の製造装置部門に勤務。光学素子の超微細加工に用いる高精度電子線リソグラフィ装置やNLDエッチング装置の改良に携わったのち、同社の海外留学制度に合格、客員研究員としてスタンフォード大学に一年間在籍した。帰国後、同社の研究開発部門に異動。研究主任にまで昇り詰めるが、より充実した研究環境を求めてNIIに移り、准教授を経て教授に至っている。"(『狼眼』p.133)
中国和平統一促進会
- 登場:『狼眼』
- "「青丹善次郎の周辺に見え隠れするダオ・トレーディングスと調和日籍華人工商会ですが、そのうち香港フォングループ系列下のダオ・トレーディングスについては改めて言うまでもないでしょう。残る調和工商会につきまして、その会頭をはじめ主だった執行役員は世界中で活躍するNGO団体『中国和平統一促進会』、通称『統促会』に参加しています。この団体の上部組織が中国共産党中央統一戦線工作部であることは周知の通りで、従ってその真の目的は、各国の要人を取り込み、中国共産党の目論むグローバル戦略を推進し、世論を形成することにあります。それによって水面下で政策決定に影響を与えようというのです。もっと簡単に申しますと、調和工商会は中央統戦部(中央統一戦線工作部)による対日インテリジェンス工作の隠れ蓑として機能しているわけです。いわゆるアクティブ・メジャーズ――『積極工作』もしくは『影響化工作』とも呼ばれますが、その典型的な例と言えるでしょう」"(『狼眼』p.123)
・孫瑜律師办事处
孫瑜
- 登場:『狼眼』
- "「孫瑜律師办事处(スンユイリュイシーバンシーチュー)は孫先生がほとんど一人でやっておられた小さな事務所で、十二月三日に予定されていた贈収賄事件の公判に備え、泊まり込みで準備なさっておられたのです。……」"(『狼眼』p.324)
・香港弁護士協会
陳
馬
その他
アーニャ
- 登場:『雪娘』
- "十歳""淡い金髪。儚く脆そうな細い手足。白いダウンジャケットとコーデュロイパンツは、どちらも安物で汚れていた"(『火宅』p.110)
ヴィクトル・ムスティスラヴォヴィッチ・チュルキン
- 登場:『雪娘』
- "チュルキンは元軍人で六十一歳。管理人の言によると<本物の変人>"(『火宅』p.112)
イリーナ
- 登場:『雪娘』
- "小さな頭に白銀の髪。スウェットの上下に擦り切れたガウンを羽織っている"(『火宅』p.114)
斉藤
- 登場:『沙弥』
- "先頭を歩いている顎鬚のチンピラは名地商業高校三年の斉藤。地元のヤクザからスカウトが来たと噂される札付きだ"(『火宅』p.134)
金晴
- 登場:『狼眼』
- "「また巻き添えになったと思われる女性従業員は金晴(ジン チン)二十五歳。……」"(『狼眼』p.22)
傳瑞芳
- 登場:『狼眼』
- "昼間は看護師の専門学校に通う留学生の瑞芳にとって、深夜まで続くバイトは楽なものではなかったが、絶対に失うわけにはいかない収入源であった。"(『狼眼』p.256)
戸田部三郎
- 登場:『狼眼』
- "戸田部は六十歳過ぎの痩せた男で、元会社役員、団体顧問だが現在は無職である。悠々自適を自称しつつ、冷え冷えとしたこの家に独りで寝起きしていた。"(『狼眼』p.426)
- "かつて戸田部は小林半次郎子飼いの家臣と呼ばれていた。さまざまな関連団体や企業に派遣され、他の組織や団体との間で直接の窓口役を果たしていたのだ。しかし些細なことから親分の不興を買い、すげなく放逐された。"(『狼眼』p.428)
最終更新:2017年11月19日 10:54