宮近浩二

宮近浩二

「不規則発言は慎め!」
  • 登場:長編および『焼相』『輪廻』『雪娘』『勤行』『化生』
  • 所属:特捜部理事官
  • "城木と宮近はともに沖津の両腕とも言える同格の副官で、年齢も同じ三十歳。キャリアの同期である。両理事官はそれぞれ役職と階級にふさわしい上質のスーツを着用しているが、見るからに官僚じみた七三分けの宮近より、どこか貴公子然とした城木の着こなしの方がさまになっている。生来身についた品の良さだろう"(『完全』p.66)
  • "不満でないはずはない。毎日鏡を覗くたび、はっきりと顔に出ているのが自分でも分かる。キャリアである警察官僚にとって、組織の異分子とも言うべき特捜部への配属は、明白な左遷を意味する。少なくとも同期のキャリア組は皆そう考えている"(『完全』p.84)
  • "庁舎内は禁煙が原則だが、部長の沖津が率先してシガリロをふかすものだから、捜査員達も遠慮なく持参の灰皿を吸殻で山盛りにしている。中には嫌煙家も少なからずいるだろうが、誰も文句を言おうとしない。唯一の例外は宮近理事官で、彼だけは会議のたびにあからさまに不快そうな顔を見せる"(『完全』p.66)
  • "宮近が絡むように言う。嫌味としか聞こえない口調だが、当人にその自覚はないと緑は見ている"(『完全』p.72)
  • "言わずもがなの発言で宮近が一同の疲労感を倍増させる。遠い過去を思い出し、ユーリは心のうちに笑みを漏らす。モスクワ民警でも警察官僚にはこういう人物が多かった"(『完全』p.96)
  • "文京区目白台二丁目の自宅マンション"(『勤行』p.162)
  • "城木の指摘はいつもながら的確である。東大時代から、宮近はこの親友には一目も二目も置いていた。元大物財務官僚の父と、新進政治家の兄を持つ彼は、名門の家系を決して誇ることなく、いかなるときも温厚で控えめな態度を崩さない。それでいて頭脳は同期の誰よりも明晰であるから、宮近も彼にだけは敵わないと思っている"(『勤行』p.171)
  • "今城木の目の前にあるのは、傲慢な官僚の顔ではない。親友でもある同期の男の顔。彼の知る宮近は、強い責任感と使命感を心に隠した男だった"(『完全』p.213)

叱責

+ ...
  • "「立って話さんか」宮近理事官が怒鳴る。七三分けの下の額に青筋が浮いている。"(『完全』pp.70-71)
  • "苛立たしげに宮近が急かす。「要点を早く言え、要点を」"(『完全』p.132)
  • "「もっとも、直接の知り合いはいないので誰かに紹介してもらう必要がありますが。こっちとしては借りを作りたくないんで、紹介料を払った方がいいでしょう。その場合の経費はだいぶ割高になると思いますよ。ああ、それから、よくMI6と言われますが、正式名称はSISで……」「分かったと言ってるんだ!」宮近が甲高い声で怒鳴った。"(『完全』p.163)
  • "「ふざけるのもいい加減にしろ!」"(『自爆』p.85)
  • "「どっちなんだ! 分かるように言え!」"(『自爆』p.86)
  • "「姿、いい加減にしろ」宮近浩二理事官がいつもと同じに姿を叱責する。いつもと少し違うのは、他の部署の面々に対して姿をたしなめる自分の役回りに、宮近自身が自覚的である点だった。"(『暗黒』p.65)
  • "「場をわきまえろ、姿」例によって宮近が叱りつけるが、多くの者にはそれがなぜか形だけのものに聞こえた。"(『未亡』p.28)
  • "雛壇の宮近理事官が青筋を立てる。「おまえまで不規則発言か」"(『雪娘』p.120)
  • "宮近「そんな話はどうでもいい! 本題を言え、本題を!」"(『自作解題』p.365)
  • "「会議中の私語は慎むように」特捜部の宮近理事官が神経質そうな声を張り上げて注意する。"(『狼眼』p.26)
  • "「あ、それは金融庁がFATF(金融活動作業部会)から指摘を受けた奴ですね。疑わしい取引の事例だって」仁礼警部がなぜか嬉しそうな声を上げた。明白な不規則発言だが、宮近も特別に招聘した財務捜査官を皆の面前で叱りつけるわけにもいかず、渋い顔で黙っている。"(『狼眼』p.125)
  • "「懲罰部隊によくいそうな顔だよ」癇筋を立てた宮近が何かを言いかけたが、珍しく言葉を呑み込んだ。心なしか最近の宮近理事官は、以前に比べ覇気を失って感じられる。何か大きな屈託でも抱えているのだろうか。"(『狼眼』p.234)

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最終更新:2017年11月19日 10:40