ユーリ・ミハイロヴィッチ・オズノフ
- 登場:長編および『焼相』『雪娘』
- 所属:特捜部突入班
- "彫りの深い鋭角的な顔立ちをした金髪の白人である。(中略)金髪の方はチャコールグレイのスーツを端正に着こなして外見に隙がない。その隙のなさがかえって頑なな内面を感じさせる"(『完全』p.18)
- "モスクワで育った少年時代、スポーツと勉強には人並みに励んだが、級友とゲームに興じることは少なかった"(『焼相』p.55)
- "中等一般教育課程を終えたユーリは徴兵され一年間の兵役に就いた。(中略)警察官になると両親に告げたのは、極東軍管区で除隊して配属先のウスリースクからモスクワの団地に帰り着いた日の夜だった。(中略)彼の身長は一九〇センチになっていた"(『暗黒』p.107)
- "八十一分署で制服警官として経験をつんだのち、ユーリは希望通り刑事に任命された。父と同じ現場捜査員としての第一歩を踏み出したのだ。二十二歳になっていた。最初に配属されたカニコーヴァの第四十五民警分署捜査分隊での日々は、しかし概ね失望と幻滅の積み重ねでしかなかった"(『暗黒』p.109)
- "翌年ユーリは九十一分署の捜査分隊に異動となった。モスクワ第九十一民警分署刑事捜査分隊捜査第一班。それがユーリに与えられた新しい職場であった"(『暗黒』p.111)
- "アジアの裏社会と連携しつつあったゾロトフは、中国人犯罪者のネットワークにユーリを託した。中国人はすでに確立されていた人身売買ルートを利用してユーリの身柄を移送した。(中略)カザフスタン経由で一旦国外に出て、モンゴル、中国各地を転々とした挙句、一年後にウラジオストクに流れ着いた頃には、ユーリの借金は膨大なものになっていた"(『暗黒』p.188)
- "仕事の必要から中国人はユーリに広東語と機甲兵装操縦の習得を迫った。寂れた港の倉庫で、あるいは洋上を往く貨物船の甲板で、ユーリは機甲兵装の操縦法を叩き込まれた。教官は専ら中国人犯罪者。人民解放軍の兵隊崩れもいれば、特警(特殊警察部隊)の元警官もいた"(『暗黒』p.188)
- "サハリンの次は択捉島。その次は国後島。いずれも同じような密漁や密輸の利権を巡る対立。資源採掘プラントの労務現場のいざこざもあった。ロシア人や中国人だけでなく、日本人や朝鮮人の組織も絡んでいた。特に日本の組織は執拗に北の利権に食い入ろうとしていた。彼らとの修羅場を何度も潜り、時には陣営を同じくして戦う。必要から日本にも密入国し、主に北海道や東北地方に長期間滞在して仕事をした。これもまた必要から日本語を覚えた"(『暗黒』p.194)
- "ハバロフスク、マカオ、大連、天津、青島――極東からアジア全域へ。年月とともにユーリの活動範囲は広がった。腕の立つ男という評判も。死んだ黄に似て金に汚い元警官という悪名も"(『暗黒』p.204)
- "上海、釜山、仁川、ハノイ、バンコク――<得意先>はさらに広がった"(『暗黒』p.205)
最終更新:2015年04月30日 09:48