【リレー小説企画】ゆっくらいだーディケィネ 第11話-2


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ゆっくらいだーディケイネ 第11話  ■Bパート


時刻はもう20時。熱心な部活動でも、あまり残らず帰る時間。だが――――
入り口に、一体のゆっくりが置かれ――――電気の無い部屋へと上がりこむ、もう一体の胴を持ったゆっくりの影があった。

 ―――「生徒会室」―――

 「いる?黒幕さん」

中に人影は見えた。

 「来ーましたよ。学園長にどうせ入れ知恵したり、計画立ててたのは、あんたでしょ? 逃げられる前に、殴りに来ましたよー」

やや腰を曲げ手をあて、両足は大きく左右に。右手は高らかに天を指して突き上げる、有名なポーズ。
―――瞬間
無骨な石が、 ゆっくらいだー の横顔を掠めた。
続けざま、今度は狙って石が飛交うが、ゆっくらいだー はそれを一つ一つ避ける。あり得ないほど回転しながら直進する石は、途中で消えた。

 「………じゃない………」
 「え?」
 「…………お前じゃない………」

投げ続けるのも、またゆっくり。 暗がりの中、投石が一端途切れた―――と思ったら、こちらに飛び込んでくる。

 「お前じゃない!!! お前なんかじゃない!!! 待ってたのはお前みたいな奴じゃないんだ!!!」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 「そいつは偽者よ!!! 『フェイク』じゃない!!!」
 「名前くらい正確に覚えてやれ。この姿は、『ゆっくらいだーファイク』よ!」

帯剣していた。 ゆっくりてんこである。

 「何でお前なんだ!!!」

さらに一太刀、避けようとしたら―――帽子が脱げた。変身も解ける。 「本当に取れやすい………」
最初の戦いの苦労は何だったのかと、紅里は苦笑しつつ拾おうと屈んだが、顔の先に、剣の切っ先を突きつけられる。

 「どうしてここが解ったの?」
 「学園ものに生徒会が登場しないのはおかしいでしょ? そして、学園長が、てんこじゃなかったから消去法で、ここが黒幕で元凶だと思ったから」

  ・ベタベタな設定の悪の組織
  ・下っ端の反感を煽るだけの単純な身分制度
  ・密かに推奨され、ある程度保護される反逆行為
  ・独善的かつ周りの見えていないリーダーは傀儡

  ―――こんなの、『革命を起してください』って意図があって行われてる以外の何物でもないじゃない」
 「そうよ!!!」

剣を構えたままの姿勢は崩さず――― 生徒会長・ゆっくりてんこは泣いていた。

 「革命が必要なのよ」
 「―――――――そう思ったから起そう、って話じゃないわよね。これ」
 「今も昔も、この学園は ゆっくりできなかった! あんたも聞いてると思うけど、本当に皆でゆっくりするには、誰か一人が英雄になって無理やり
  変えるんじゃなくて、民衆一人一人が意識をもって、全員が変えていかなくちゃいけないのよ!」
 「だから、自分で思い切って『ありもしない革命されやすい組織』まで作って――――馬鹿な人間を指導者に仕立て上げたって訳ね。手の込んだ……」
 「私が、一人で変えようとしたって根っこは変わらない。だったら、皆で変えるために、私は悪役でも何にでもなるつもりだった」

だからと言って

 「異常気象やら地震やら起すってのはやりすぎでしょう。あの馬鹿学園長、『殲滅』とかほざいてたわよ」
 「―――もう、戻れなくなってた。――――正義の味方なんて、どこにもいない」

隙を見てファイクの変身用帽子を拾おうとしたが、思い切り蹴り飛ばされた。
変身後はやたら疲れるが、変身もお手軽で、防御力も高くて便利だったのに

 「『ファイク』じゃだめだったの?」
 「知ってるでしょ?『ファイク』は元々、イクの変装でしかなかったのよ!あいつが、正義の味方なんてひとりでやってたの!」

そんな―――学園の密かな守護神とも言えたイクも……

 「今はもういないのね。」
 「イクが考案して作らせ、生徒会の一人に渡した ファイク は便利過ぎて、持ち主を点々とした挙句、悪用しかされなかった。私は、この学園から、
  一般生徒から、一人でもヒーローを生み出したくて、皆が目覚めるきっかけになると思ったのに……………」
 「で、次に、『ゆっくりさせよう』という奴しか変身できない、あんたの考えた 『193システム』 の制作ね」
 「そうよ。不確かなヒーローが一人居た所で何も変わらないわ。悪党は決して変身できないって条件で、それをたくさん作れば…………」

その変身条件は、操り人形の学園長には知らされていなかったが、同時に、学園長に都合良く言いなりになってしまうという細工も、てんこは
知らなかったのだろう。あれはかなり失敗してる。これは黙っておく事にした

 「夢があった」
 「ほほう」
 「このゆっくりできない世界が、もっとゆっくりできなくなるけど、何人かの有志が立ち上がって、それに虐げられている皆も目が覚めてついていって、
  反旗を翻すの。皆を蹂躙する悪の組織に向かって」
 「・・・・・・・」
 「一人一人がヒーローよ。主役が誰かとかじゃなく………。そして、表向きの親玉を倒した後は――――本当の黒幕である私の所へ………」

剣先が震えている。
だが、紅里はその隙に逃げ出すつもりもなかった。

 「―――――何で、来てくれないのよ………来てよ。早く来て、一番悪い事をしてた、私を懲らしめに来てよお………………」

ポタポタと床に落ちる。
本当の――――諸悪の根源が目の前にいるのに、闘志は湧かなかった。紅里がいる事も忘れたように、てんこは嗚咽する。

 「もう嫌だ………こんな世界! イク………イクが来て、私を倒してくれなきゃ、何の意味もないじゃない!!!」
 「残念だけど、その夢も妄想も間違ってる。 イクさんが――――この世界の『初代ゆっくらいだー』が、どこにいっちゃったのかは知らないけど……
  元々 彼女は、貴女を倒す役目じゃないでしょ」
 「何?」
 「あんたも学園長も、何でこの学校のこと知らないのかしら?まともな奴もいるってのに。 あんたが悪役にならないでも、革命はそいつらがいつか
  起して  くれるわよ。大体その手段に無差別爆撃を使うなんて感心しないわね。あんたが一番やっぱり性質が悪い。 
  蓋を開けりゃ、ただの我侭じゃない」
 「部外者のお前に何が解る!」
 「そう、私は部外者。だから、革命も世直しも、あの図書委員辺りに任せて――――――」

渾身の力で、静かに立って、てんこと距離をとる。
おそらく、最初に戦った素人ファイクほどではなくても、この緋想の剣を構えたてんこは実力者だという事は解った。
多少休んで体力は回復はしていたが、実力の半分も出せないディケイネ。
最初はファイクを装着して挑んだのだが………あの姿は、相当てんこを怒らせてしまったらしい。
正直勝てる自信がなく―――― がその時

 「イク………?」

気配でわかった。
恐らく、今まで会った誰よりも只者。  てんこは――――呆然と立ちすくんで、泣くのを止めている。
電気のついていない生徒会室ではあったが、やたらとどぎつい外灯のせいで、あまり不自由していない。入ってきたゆっくりははっきり解った
意味不明な、753のTシャツと―――――偽物ではない羽衣

 「193・・・・・・」

足元が何やらおぼつかないのが不安を煽ったが……… 先ほど193システムを装着していたまりさは、まだ寝ているはず。
変身用の帽子は、実験室に放り投げてた。 誰だろう?

 「床次さん!こっちから、見届けにきました……私も、やっぱり生徒会室だよな、って思って。…れいむちゃんは、図書室に預けてます……」

声は変わっていなかった。

 「地香………あれ、確かゆっくりじゃないと変身できないって……」
 「あの、これも実験室で見つけて、変身してみたんですけど………ものすごく着心地悪いです………痛い。人間が着ると」
 「何て馬鹿な真似するのあなたは!!」

とは言え、ディケイネの一命は、彼女がとりとめたに等しかった。

 「――――変わるんだったら自分からって……こういう意味じゃないですけどね。、戦えるかなあ?いや、戦います、大丈……夫!?」

 基本は何でもあきらめ気質に生きてきたし、自分から変わろうとはしなかった。無理だと想っていた。
 だけど


  ――あなただってなれるのよ――


 一度だけ、かけられた言葉
 それがあったから――――底辺と言われて、周りから虐げられ足蹴にされても、立ち直る事ができた。
 一つだけ、揺るがない芯が、あの時できた。
 ちっぽけな人生だったから――――― そんな自分も見捨てなかった、ゆっくらいだー「達」に、少しでも何かをしたくて―――
 地香は、無理をしてここまで来た。
 しかし、体はついていかなかった。そのまま倒れかける。

 「役立たずですみません」
 「あんた――――人間としてゆっくりしすぎ。最高な意味で」

そして、てんこも、既に泣き止んでいた。
緋想の剣を改めて構えている。

                  本日、本当に最後の最後の変身!


              ―――『ユックライドゥ! ディケイネ!!!』―――


 「イク………やっぱり来たんなら、本気でかかってきなさい!!!」
 「言われなくても!!!」
 「緋想の剣、すごいですね」
 「それほどでもない」

と―――ディケイネのポシェットから激しい光とともに、3枚のメダルが飛び出す
すぐ様、1枚目をロケットに挿入

 ―――『ファイナルフォームライドゥ!イイイイク!!!』

193の羽衣が大きく広がり、193自身を大きく包み込むと、やがて、宙に浮く一枚の長大で輝く羽衣と姿を変えた。
同時に

 ―――『全人類の緋想天』!!!

渾身のてんこの一撃が上空から下る―――所を、変形した193は、ディケイネをさらに包んで飛翔した
広々とした造りの室内に舞い上がった193が、ディケイネを背負って狙いを定めている
更にもう一度、メダルを挿入

 ―――『ラストスペルライドゥ!イイイイク!!!』

 龍魚『龍宮の使い遊泳弾』

電撃が、螺旋状にてんこへ放たれる。
更に――――それにあわせる様に、回転しながら突進する龍魚とディケイネ!
てんこは――――避けようともせずに、それを見上げて、緋想の剣で迎え撃つが、龍魚はことごとく攻撃を弾き返し、ディケイネを守る!攻防一体である
諦めではなく、悲しみに満ちた今までの表情は、始めて仄かに喜びを見せていた。

一閃!

電撃も、渾身の突撃も全てが激突し――――てんこは背後の床と壁にたたきつけられた
着地したディケイネと193は、元の人間の姿に戻る。
思わずよろめく地香を、抱きとめ、紅里はよろめきながらも、てんこへと向かった。
さすがに動きすらせずに横たわっているが―――――

 「全く………こんなに真面目で、原作とも2次設定ともちょっと違うと思ったのに、行動原理は変わってないのね
  『いつか白馬に乗った王子様が来てくれる』――なんて自分がヒロインになりきった妄想して、何もしない女はいるけど―――」

―――自分自身が悪の組織の黒幕になって、勇者(いく)が倒しに来てくれるのを願う奴は、始めて見た………

壁にもたれるてんこを丁寧に摘み上げると――――驚いた事に、まだ意識も失っていない。
てんこは、顔を上げる
その顔は、苦痛とともに、  恍  惚  と  し  て  い  た。

 「い、いくぅ・・・・・・・・・・・・・・・」
 「「は、はいっ!!!」」

ここは、もういくでは無い、と否定する所だが、思わず答えてしまった上に、何故か敬語に

 「――――もう一回、やって・・・・・・・・v」

空気の読めないものはいるものである


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向かいの校舎。
廊下の窓から、もう一度てんこを床に叩きつけては放り投げを繰り返す二人を、忌々しげに見つめるゆっくりがいた。

「…ディケイネ………ここでも止める事ができなかったか」

探偵帽を目深に被り直し、踵を返すと、そこには誰も居なくなっていた

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 「全く………2次設定準拠なのか、原作準拠なのか、無視してるのか良く解らないわ」

戦い終わって、頬を抓り尽くして
地香は、流石に無茶をし過ぎて、病院へと運ばれていった
大騒ぎになっている学園の中、ゆっくりと、てんこと紅里は二人でとぼとぼと玄関へ向かっている。手にはまりさを抱えて

 「所詮、イクに来てもらいたかっただけなんでしょ?」
 「――――」
 「だったらさ、あの異常気象計画だって、殲滅とか、そこまで物騒な話じゃなかったん?」

深夜だ。 電灯は相変わらずきつい。 玄関先では―――― 図書委員一同と、れいむが待っていた。

 「ああ、終わった」
 「 ああいう行為は、テロ行為で犯罪だから、私は自首する」

まあ、待て―――と言ったが、てんこは俯いたまま。
ゆかりもゆゆこも、さくやもみょんも―――事件はめでたく終わったはずなのに、表情が固い。
だが、最も不満を露にしているのは―――――

 「じゃあ、帰るわよ。れいむ」
 「納得いかないよ!!!」

ゆかりの腕から手渡されたれいむは、拒否するように体を振り続けている。

 「今回は本当にゆっくりできなかったよ!!!」だって、異変は解決してないよ?」

空気は、相変わらず良くない。 これから、この世界は更なる混乱の時期を迎えるだろう。
図書委員達はまだしも――――れいむは、本当にこの世界の嫌な所しか見ていないからだろう。

 「今までみたいに、もっと楽しく終わろうよ!!!おねえさん、いじめっこを全員やっつけちゃって、それでお酒飲んで仲直りして」
 「れいむ………それは、今回こっちの仕事じゃないの」

てんこを、図書委員に引渡し――――強張りながらも、気丈な目付きのゆかりとゆゆこから、れいむを片腕に抱くと、そっと頭を
なぜる

 「お酒飲もうよー!!! みんなで悪い奴もやっつけて、仲直りしようよ!!! それから、5天王の誰ともまともに戦わないってどうなの?馬鹿なの?」」
 「本当に悪い奴は―――もう捕まって牢屋に入れられる頃。もう一人の悪い奴が、こいつ」

――――この、悪い奴と仲直りできるかどうか――――お酒を皆で飲んで最後に仲直りできるかどうか―――――
それは、この世界のゆっくりと人間達が決めることだ。
いや、今までもそうだった。

 「ディケイネ、やっぱりもう、ダメかな?私たち…………ロクな世界と住人じゃない、って想ったんでしょ?」
 「ん~……… まあ、 あんたみたいなバイタリティをもっと有効活用すれば、もっと上手く行くんじゃない?確証は無いけど」

密かに、学園と世界を変えようとし、いじめられっ子を何だかんだで見捨てなかった図書委員達、純粋に学園を、国を守ろうとした
一部の生徒達
―――――自分を変えようと、周りをゆっくりさせようと、本当に変身した少女

 「嫌な奴らばかりでも、これだけ良い感じの奴等はいた」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 「それだけでも、可能性はあるし、凄い価値だと思わない?」

ようやくてんこは、顔を上げる。
と、抱えていたまりさが目を覚ました。

 「ゆっくりおはよう……―――って、もう終わり?」
 「まりさ、今回何もやってないね………」
 「いやいや、私をボコってくれたわよ」

疑問符を浮かべるまりさに、ゆかりとゆゆこが笑顔で手を振りながら、別れを告げる

 「それじゃ、下僕と〇奴隷の生活も大変だけど、頑張ってね!!!」
 「爛れた関係も程ほどにね!!!」
 「ゆえっ!!?」
 「そう言えば、もう一人忘れてる気がするけど、誰だったかな………?」

最も後味の悪い思いと疑問がまりさ一人にに残ったまま、今回の旅は終わりを告げた。

とはいえ。
元々は、この学園の守護神とも言えるイクさんが、去ってしまった事から、この異変は始まっていたのかもしれない。
一人一人が変わらなければいけないとはいえ―――やはり柱となる重要な存在というのはいるものだ。 そういえば聞かなかったが、
どうしたのだろう? 死んでしまったのか? どこか遠くへ追いやられたか、 はたまた俗世に愛想をつかしたのか―――?
泣きじゃくり始めたてんこを、何となくゆかりとゆゆこは慰めていたが、それは聞こえなくて正解だっただろう

 「ほら、泣かないで」
 「OG会――――来月は来てくれますって」
 「それより、同じ大学受からないと」
 「自信ない/・・・・・・・・」


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―――人間そんなに、簡単に変われるものでもない。 変われたら、苦労はしない―――


 「ゆっくらいだー はもういない」


変身アイテムは、2つとも没収されてしまった。本当に、変身できる奴はこの学園にはいない。

 「弓、かえしてほしいんdeathよー!!!」
 「取れるモンならとってみろ、糞桜餅ー むかつくんだお前等」

あまり隠れてもいない食堂裏で、人間の男子生徒が4人。こあくま、きすめを押さえつけ、リリーの弓矢を
奪い、弄んでいる。
全く、変わらない風景だった。
人通りもあるのに――――だが、誰もとめようとしないし、見向きもしない。
――――ある二人を除いては

「――――ものすごく嫌な事になりそうだけど、止めないと…………」

図書委員のみょんとさくやである。
人間の男子が5人。中等部だろう。こちらは優等部ではあるが、いざ腕っ節で迫られたら、ただではすまない。

それでも――――二人は、止める事にした。 あれほど気まずい思いをするよりは、マシだ。
ゆかりとゆゆこ、地香から、あの夜の出来事、事件の真相を全て聞いた。結局何もしなったことが恥ずかしい。
が、先を越された。
無言で――――威圧しているとも何ともいえない表情で、歩み寄る包帯だらけの人間が――――地香であった。

 「・・・・・・やめましょうぜ、兄さん方」
 「何だその口調」
 「まあ………憧れの人の口真似でさあ」

それは――――もしかして、あの 外国産ゆっくらいだーの事だろうか? あんな口調ではなかったと思うが、一体
地香の目にはどう映っていたのだろう?

 「弓、返してやってくだせえ」
 「知るか。射るぞ」

包帯の無い方の腕で、本当に取り上げてしまった。――――生徒たちは、結局射る事なんてできなかったのだ。
女子なのに―――思い切り拳が振り下ろされる。地香はそれを頭に受けたが――――弓は放さなかった。

 「今度こそ行くみょん!」

が、またも先を越される。殴りつける男子生徒の腕に―――

 「離すDEATHよー!!!」

噛み付いてるのは、当のりりーだった。とっくに逃げ出すか―――こぁときすめは、ただ震えながら見続けるしかなかった
のだが……… しばらくして、加わった。地香を殴る手を振り解こうとしている。 3人とも、すぐに逃げると思っていたのに

 「離しませんぜ、兄さん方!」

周りの男子生徒も加わったが、地香とりりーは離さなかった。

 「よし、今度の今度こそ!」
 「見てみぬふりはもうできませんわ!」

勢いあまって、クラウチングスタートの構えをとる二人。


―――人間、ゆっくり、 いつまでも変わらないものは無い



第11話、終わり



第12話に続く
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その頃、留置所の中で、待機中のゆっくり5天王と伝子さんは――――

さとりん3人は、すでに放心状態。 ぱちぇさんは入院中そして……

※画像はイメージです

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          //ヽ ̄ ヽ         (誰か助けて…………)
       _,,. -‐| | 伝 l |、   ,            _,, -───- 、
 |\_,. ‐''":::::::::::::i l 子 l |::::ヽ/:i       ,r' ー‐○         ○ー'''ヽ
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く\i>-:'/:::/:::/__,.!/レ' |/、!__:::::iヽ/       レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .、 i 〈` ̄`
::::Yi/::ノレ':ヘ/  ≡   ≡  レ:::::! /        ノY!""  ,___,   "" | ,,ノ ヽ.
//:::::i::::::Y::!' ///     /// iハリハ ンーッ  (....',.    ヽ _ン  U  レ    )
イ:::::::;':::::/!::ハ      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Зヽ ヽ、       ,イ    /
. !:::::/::::::;:イ_;イ>,、 __ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ),, ル` ー--─ ´ルレ レ´
  【未だ変身 ※無抵抗で拘束された】
こまちちゃん~ほらほらキスしても、い・い・よ~~♪
いい・いい・よ~~~♪ ミュミュミュミュミュー・・・・・・


どうしてこんなになるまでゆっくりしていたんだ!                ,.-、
                                           //ヽ ̄ ヽ
                                        _,,. -‐| | 伝 l |、   ,
                    三三三三            |\_,. ‐''":::::::::::::i l 子 l |::::ヽ/:i
    三三                 ,----、 -、     |::::::\::::::::_r-ァイニ7二ハ二ヽ_:::::|
        /;;;'''- .  三三三      {;;;;;;____} __}     |::::::_r->-''7'´::::/::::/:::::i::::;::ヽ/!_::!
三三     {;;;::::::__}      _,.- '' ̄"''ー-;;. ゝ_ン    :::r'ア二7-/:::::::/!:::::i::::/|:::ハ::::::ヽ ン、
   / ̄~ Yヽ:: _ 〉   ,.- ''::::::::::/::::::::: ::.. ヾ.}       く\i>-:'/:::/:::/__,.!/レ' |/、!__:::::iヽ/
  /:::: .::ノ .: }'^〈"    ヽ/:::::::::::::i :::::::::::::::::..:}l       ::::Yi/::ノレ':ヘ/  ≡   ≡  レ:::::! /
 {::::: ;;;::::  .::  ヽ_,--、,.,.,/:::::::;;,,,:::::::::::::::;;;;__,イ \__.    //:::::i::::::Y::!' ///     /// iハリハ
  >、:::.ヽ   ノヽ、_{_,,,,,}.../::::::::::i ::::::::::::/=l:::: l======、ー、イ:::::::;':::::/!::ハ      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄З
../:::::: ヽ、\'、____ll________/:::::::、:::,ヽ::::::::{ー--`ー',,,,.,.,.,.,,.,. )) . .!:::::/::::::;:イ_;イ>,、 __ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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          oノ oノ
          |  |  三
 _,,..-―'"⌒"~⌒"~ ゙゙̄"'''ョ  ミ
゙~,,,....-=-‐√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ    |`----|
T  |   l,_,,/\ ,,/l  | 
,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/                 【今日の伝子】
,,/|,/\【天上】_,i_,,,/ /                 終わり

NEXT>>>第12話 On the ghost ship(脚本→→かぐもこジャスティスの人)

  • おつかれさまでした!

    イクさんは結局どこいった…の真相とか、さすが社会派ゆっくりの書き手らしい発想で感服しました。
    というか紅里さんマジでダンディ過ぎでしょう? 常識的に考えて… -- 名無しさん (2009-08-07 22:11:38)
  • 戦いに次ぐ戦い
    なのにひたすら立ち向かうディケイネ
    まさにヒーロー! -- 名無しさん (2009-08-19 20:30:27)
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最終更新:2009年08月19日 20:30