てゐ魂第十二話2


二時間後、ゆぶき町ハズレの河川敷。

「ちょッとあなた、昨日の夜は何処に行ってたんですか?
 このワイシャツが全てを物語っている、お前に逃げる余裕はありませんよ?」

何故かてんこがワイシャツを手にそんな事をいっていた。
その雰囲気には、鬼気迫るものを感じさせる。


                ___ _
             ,.:''´::::::::>‐─``-....,,_
            /:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::`':,
         , -<;::::::::::/::_、:, --──- ::;;_::::!\
           ハ,    `ヽ:::!/          ``ヽ,丶
           |      O' i   ハ   !ヽ ナト、ヽ  f' |
           ト       |  `ト--ヽ_|  --丶 !  |ノ
          /      ,.ハ_.,イ  ⌒    ⌒  | |__|
         /   / /   | | ""   ,___,  ""`|´ヽ
         (.   !/´`!、  ヽハ     ヽ _ン    ノ\!
          \ |   ) 八 \''        ,ィ' ハ 〉
            ソ   (ノ´\ヽ_ `i tァ‐<´!/`∨
               / ̄ r ̄ ̄ ̄ュ ̄` " ''¬ ‐- . .,_┴─- ..,__        ↓
              /    |       |  ☆        ´ " ''¬ ‐- ..,_⊆iii \───┓
            __∠_____|____|_________________|─'───┛
       γ´      _|二二二二二二二二二二二i二二二i         ヽ
       /_,..-‐ ' '"´ i‐i i i iュゝノ ^ ^ └i i i i ュゝノ^ ^ ^└i i i i ュ"'' ‐ - ..,_   丶
        ii ゝソ ノ  ヽi_i_i_/.        ヽi i_i/      ヽ i i /   匚i    ii`"''´
        ヾ、' ´r'´` = = = ´`ヾr'´` = = = ´`ヽ r'´` = = = ´`ヽ‐'ゝ‐/
          ヾ、、__ソ、、、、.ゝ__ソ,ゝ__ソ、、、、、ゝ__ソ ゝ__ソ、、、、 ゝ__ソ、‐''"


「ゆ~。」

てんこが話しかけている相手はただそう答えるのみだった。
…まぁ、そう喋ることしか設定されてないんだから仕方ないが。

「ゆ~?それで全てごまかせると思ってるのかよ?
 お前が浮気している事は確定的に明らか!早くあやまっテ!」

そう言って、てんこはゆっくり戦車に迫っていく。

「…ゆ~?」

まぁ、てんこがこんな事言って来た所でゆっくり戦車はこう答えるしかないのだが。

「おぃい!?お前が舐めた態度を取ることで私の怒りが有頂天に達した!
 お前、緋想の剣でぼこるわ!」

てんこはいきなりぶち切れてゆっくり戦車に襲い掛かった!
ゆっくり戦車はきゅらきゅらとキャタピラ音を鳴らしててんこから逃げ回った。
「…てんこちゃん、一体何やってるんだど…。」
ゆっくり戦車にドメスティックバイオレンスを加えまくるてんこを見て、れみりゃは呆れ顔でそう言った。

「ちょっとそこ、手を止めない!」

と、そんなれみりゃにそう呼びかけるゆっくりがいた。
りかだ。
彼女は三つ編みでスパナを握って、バラバラの状態のゆっくり戦車を組み立てている。


「ああ、ゴメンなさいど!」


れみりゃはりかにそう言って謝ると羽でスパナを握りなおしてゆっくり戦車の組み立てを手伝い始めた。

「…なんであたしがこんな事をしなくちゃいけない訳?」

れみりゃが組み立てている隣でてゐがそう言ってため息をつく。
その耳にレンチが握られていることから想像が付くと思うが、てゐもゆっくり戦車の組み立てを手伝っていた。

「そりゃみまさんに頼まれたからだど、あのゆっくりの手伝いをして来いって。」

「…何が悲しくてほぼ初対面のゆっくりの手伝いをしなくちゃいけないんだか。」

「でもみまさんはちゃんと手伝ってきたら家賃一ヶ月分免除だって言ってたから
 ちゃんと手伝わなくちゃ駄目だど!」

「…せめて三か月分免除と言えないのかあのケチは。」

てゐはため息を繰り返しながらゆっくり戦車の組立作業を続けている。
愚痴りながらもその作業は非常に手際が良い。

「随分早いわね、この速さなら祭りまでには間に合うかも。」

りかは組みあがったゆっくり戦車を見てそう言った。

「…祭り?何の事だど?」

れみりゃがその言葉を聞いてりかにそう問いかける。

「あんたも知ってるでしょ?近い内に開催されるゆっくり建国祭。
 このゆっくり戦車はその日にゆっくり一のからくり技術をお披露目するために作っているのよ。
 しかも、大統領がこの戦車をじきじきに見に来るのよ。」

「えぇ!あの大統領が祭りに来るのかど?」

れみりゃは驚きの声を上げた。
めったに姿を現さない大統領が姿を現すのだ、驚くのも無理は無い。
「わかった?事の重大さって奴が。
 だからここにあるゆっくり戦車、急いで全部組み立てなさい!
 折角手伝うって事何だから、利用できるものは利用させてもらうわよ!」

「えぇ?全部?」

れみりゃはりかの向こうに詰まれたゆっくり戦車のパーツを見る。
詰まれたパーツは小さな小山ぐらいにまでなっていた。

「あの~後何台ゆっくり戦車を組み立てなくちゃいけないんだど?」

れみりゃは恐る恐るりかにそう問いかけた。

「後五十台ね、ちなみに祭りは三日後だからそれまでに全部。」

りかはさらりとそう答えた。
ちなみに戦車の組み立てペースは組み立て始めてから一時間でやっと一台組みあがる程度です。

「…み、三日で50台…。」

「勿論徹夜は確実だから覚悟を決めなさいよ!」

れみりゃは顔を真っ青にして震えていた。
これから自分たちに襲い掛かるであろう修羅場を想像して。

「ドメステイックバイオレンス~!」

「ゆ~。」

てんこはそんなてゐ達の事など意にも介さずにゆっくり戦車を四の字固めにしていた。
…いつの世も子供というのは無邪気なものである。








  • れみりゃかわいいw -- 名無しさん (2009-11-05 14:32:55)
  • いつになく波乱を感じる前編ですね
    銀魂は実はそんなに詳しくないんですが、今までのかぐやの行動がかっこよかったり
    可笑しかったりしつつも、この人テロなんだよなあ……と思っていた矢先、本物の
    タカ派の登場で、次回はどうなる事か
    それと対照的に、いつもの面々のいつもっぷりに、ホッとしつつも次週で戦車も含め、
    どう絡んでくるか楽しみです
    -- 名無しさん (2009-11-05 23:40:12)
  • "目を擦る事も鼻を擦る事も出来ない"とか"ゆっくり戦車を四の字固めにしていた"とか
    突っ込みどころ満載ですねw -- 名無しさん (2009-11-07 11:52:07)
  • ゆっくり戦車というとどうしてもかなこ戦車を連想してしまう -- 名無しさん (2011-02-08 15:24:17)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年02月08日 15:24