てゐ魂第十三話2


焼きそば、綿あめ、金魚すくい。
お祭り定番の屋台がずらっと並んだ大通り、
無数のゆっくり達が行きかうその中で、一際異彩を放つ集団があった。

                                        /| _,,...._
                _、 --───- .,   /(   _,,....,,....,,....,.,,.( ( r r ∠
・・・ーう?ーう・・・ .、,r'´          ゛'.,、-ーr /''r''''ヽ:::::::::::::::::::::::::::;;;;/./ニ>
            l´   __(, __へr__へゝ_  i::::::」_ }::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..,,_..,,
     ,.,r'^{    、トr__、-イ_、,r'´ ̄ ̄'‐'-ゝ ゙i i´::::::::::ン ) )'''''''''      '''''ヽ_..,,-"  !
/ { ハ !、 _、<___,r'7,r'´_,,r' J / !,r'(,ト.,イ\  ::::::::/(,`'r            ヽヽ
  ,r' i !{  \ ハ  i  !´  ⌒    ⌒ `J゛ィ `'r ゙i,r'\ ! i  i  i  ; i   ',
  」_  {  (,   _}〉〉  ハ  i ∪   △     ! ゙iハ ハ ゙i \ゝヽ人人、/_ノノ  i  ',
    `Y⌒Y⌒,r'  i (,ハ           l゙i (,`Y⌒Y⌒r=-,:::::::::::r=;ァ|  ノ  i
        〈  i  ハ  i 〉         ,.,r' ヘ.,〉    ).)" ̄ ,___, ̄"' |/' | !
         (,ヘハ,r''J\゙i`ィ...,,_____,.、.<iゝ^J (,:!\ ,ノ    ヽ _ン   人 V ノ ,.、   __
             ハ,    `ヽ:::!/          ``ヽ, ( 、.._ __ ,.イ ヽ  ヽ(_,i !,,.-''" ノ
             |      O' i   ハ   !ヽ ナト、ヽ  f'  /ヽ二ン ヽ  \ \.! ヽ -=ニ__
             ト       |  `ト--ヽ_|  --丶 !  | /:::::{::}::::ヽ i !, ヽ,!   !  ‐--,'
            /      ,.ハ_.,イ ( ヒ_]    ヒ_ン) | |__|''ヽ:::::::人::::;::ヽ   r/ ヽ   ー,--'
           /   / /   | | ""   ,___,  ""`|´ヽ  (::::ノ|・|ヽ:::ヽ、_ /!  7`\ ̄
           (.   !/´`!、  ヽハ     ヽ _ン    ノ\! \ ヽ||・||)   !`ー,ヽ-' ∧ \
            \ |   ) 八 \''        ,ィ' ハ 〉 ) . /||・||(  /     ヽ\ )
              ソ   (ノ´\ヽ_ `i tァ‐<´!/`∨  ( ( (||・||)  >   人 \) )/
                 / ̄ r ̄ ̄ ̄ュ ̄` " ''¬ ‐- . .,_┴─- ..,__           ┏┓
                /    |       |  ☆        ´ " ''¬ ‐- ..,_⊆iii \────┫┃
              __∠_____|____|_________________|─'────┫┃
         γ´      _|二二二二二二二二二二二i二二二i         ヽ       ┗┛
         /_,..-‐ ' '"´ i‐i i i iュゝノ ^ ^ └i i i i ュゝノ^ ^ ^└i i i i ュ"'' ‐ - ..,_   丶
          ii ゝソ ノ  ヽi_i_i_/.        ヽi i_i/      ヽ i i /   匚i    ii`"''´
          ヾ、' ´r'´` = = = ´`ヾr'´` = = = ´`ヽ r'´` = = = ´`ヽ‐'ゝ‐/
            ヾ、、__ソ、、、、.ゝ__ソ,ゝ__ソ、、、、、ゝ__ソ ゝ__ソ、、、、 ゝ__ソ、‐''"


「おぉ。何だか知らないが、ゆっくり達が勝手に避けていくな、快適快適。」

「そりゃあこんなのが道のど真ん中を通っていたら誰だって避けるど。」


満足げなてんこに対して、憂鬱げなれみりゃであった。
言うまでもなく、れみりゃがそんな表情をしている原因は
ゆっくり戦車に乗って我が物顔で進んでいるてんこに他ならない。
そんなてんこの目に、綿菓子の屋台が目に入る。

「おぉ!あの綿あめおいしそうです!食べにいって良いですか!」

てんこは目を輝かせてれみりゃにそう問いかけた。
「…勝手にすれば?」
れみりゃがそう答えた瞬間、てんこは超高速でゆっくり戦車を降りて綿菓子の屋台へと向かう。


「おぃい!この綿菓子くれませんか?9個で良い!」

「アイよ!9個で450万円ね!」


言うまでもなく、この値段は450円という意味である。
それでも一個50円、妙に安い綿菓子である。

「あ~あ、あんな調子でかってたらてゐさんから貰ったお駄賃、全部使っちまうど…。」

れみりゃ達がてゐから貰ったお駄賃は諭吉一枚。
それを二人で分け合って5千円ずつ。
目に付く屋台に片っ端からはいっていたらすぐ無くなってしまう金額であろう。

「あ!そこに居るのはもしかしてれみりゃかてんこ!?」

と、その時、誰かがれみりゃに呼びかけてきた。
「?誰だど?」

「こっち、こっちだてんこ!」

れみりゃは声のした方へと振り向く。
そこには一軒の屋台があった。

    O        o
   ,.ィ´`ヽ、     ノ/´`ヽ、
  ノ i    >--,='='ヽ、   ':,
  (/   く__/  \/  くヽ,
   ト--,  r_ニ=-=r_ニ=-r、__,イヽ,
   L,.-!_r'´ イ-─ハ   ハヽ)ニi>
  〈イ´ γ ./i__,.!/ V 、!__ハ i `i
   `i !イ´|イ(ヒ_]     ヒ_ン ハ、 |
   ハ  ヽ,ゝ"  ,___,  "' i ハ!'
    ゝ、イiヽ、  ヽ _ン   人!
      `ヽ、_,>,、 _____,,.イ

「いやぁ~こんな所で合うなんて奇遇だてんこ!」

屋台のカウンターの上にはらんが乗っかっていた。
「ああ!らんさんだど!」

れみりゃはすぐにらんの元へと駆け寄った。

「らんさんはこんな所で何してるんだど?」

「見て解らないてんこ?屋台の切り盛りをしているてんこ!」

「へぇ、こんな日でもらんさんは仕事をしているんですか、こういう日こそ、夫婦水入らずでデートすれば良いのに…。」

「…。」

れみりゃの言葉を聞いてらんは黙り込む。

「…あ、あれ?」

「ちぇんは今頃近所の奥さんと熱海に旅行に言ってるてんこ。」

「…え?」

「本当ならちゃんとお祭りにちぇんを誘うつもりだったてんこ、でもちぇんは「ゴメンね~今日から熱海に旅行に行くから」って…
 そういう大事な事は真っ先に伝えておくべきだとおもわないかてんこ!」

「た、確かにそうかもしれませんね…。」

いきなり泣き顔で迫ってきたらんにれみりゃは戸惑うばかりであった。

「…まぁそれはとにかく遊んでいかないかてんこ?ボールを投げてあの的に当てたら見事景品をゲットだてんこ!」

らんはそう言って屋台の奥にある的を指差す。

       ,,. ' "´ ̄`"'' ..,
     , '´ _,,-======-,, `ヽ、
     r´ r´,、 i´ `ヽ、 、',   ',.
    ノi  レ'-ルi λ ,-i-ノi  '、i
    .!レi ,.イ ,r=;,レ´ V r;=;、iイル' .i
     i i イ ! ヒ_,!    ヒ_,! ! i iイ iゝ
     イ!/i ""  ,___,  "" i iレ' ゝ
     ノ i iヽ、 ヽ _ン   ,.イ i ゝ'i
    〈/レル`' ー,--,.'´ ルレVノ〉 :
 .  :   /            ',, :
   :  /             ', :
 . :  ├─────────┤ :
 . :   lニニニニニニニニニニニl  :
   :  lニニニニニニニニニニl :
 .  :  ',─────────/ :
   :   }ニニニニニニニニニ{  :
   :   jニニニニニニニニニ', :
 . :   /             '', :
  :   i              i :
  :   l                l :
  :   l                 l :
  :   l                 l :
  :   l                l :
 . :   ゝ────────‐''' :

「…何かあの的、誰かに似ている気がするど…。」

その的を見て、れみりゃはそう呟く。

「…それは気のせいじゃないかてんこ?とにかくちょっとやって行くてんこ!」

「ほう、的当てですか?」

と、その時れみりゃの後からそんな声が上がった。
振り向いてみると、そこにはてんこの姿があった。

「そうだてんこ!ボールを当てたら見事景品をゲットだてんこ!
 てんこちゃんには一回分サービスするてんこ!」

そういうと、らんはてんこにボールを五個手渡した。

「9個で良い。」

「いや、一応一回五個だから…とにかくそのボールを的に当てるてんこ。」

「hai!」

てんこはそう言うと、ボールを持って大きく振りかぶり…。


ドガアッ!


              .∧     ○、,_
        ○、.,_ /  ',   / `ヽ.`ヽ.
       /´ `ヽ)!へ,/V/、    ':,_,ノト 、
       ,'   _[_`ゝ-‐''´ヽ、/     !/ ,ハ   ,|
      ,'  ´             |レへ,!  / !
      /_.7-‐ァ' ̄!二7´ ̄7ヽ、/`ヽ._!    !/ |
    r' ̄7-‐'"´ ̄   ̄`ヽ、_!`ヽ、___!    |、/ヽ|
=======● !ァ'´  ゝ `ヽ、___7、  ,ハ   |======○
   ;'  ,' /(◯), V 、(◯)ハ/! ヽ. ヽ ! /   /
   !  ! ;' '"" ,rェェェ、   "" ! /!  ハ!/   /
   `ヽ! !   .|,r-r-|    .レ' ,' ./ |‐--‐<
     レ'7    `ニニ´    .,' レ' ./    く\
     〈  ヽ、        ,イ / ハ  〉   <  `>
      `ヽ./!>.,、.,___ ,. イ;'/、/_!/>、,__,.>'´


思いっきりらんに向かって投げつけた!

「ぐ、ぐはあっ…。」

ボールが額に直撃したらんは、思わず悶絶した。
「当たったから賞品をくれ、9個で良い。」
てんこは悶えるらんに向かってそう言った。

「てんこちゃん…ボールをらんさんに当てるんじゃなくてあそこの不細工な的に当てるんだど…。」

そんなてんこに向かってれみりゃが突っ込みを入れる。
「よし!残りもこの調子で全弾命中させる!」
しかし、てんこは聞いていなかった。
そうして、残りのボールもらんに向けて投げつけようとしたその時。


ドゴオッ!


              .∧     ○、,_
        ○、.,_ /  ',   / `ヽ.`ヽ.
       /´ `ヽ)!へ,/V/、    ':,_,ノト 、
       ,'   _[_`ゝ-‐''´ヽ、/     !/ ,ハ   ,|
      ,'  ´             |レへ,!  / !
      /_.7-‐ァ' ̄!二7´ ̄7ヽ、/`ヽ._!    !/ |
    r' ̄7-‐'"´ ̄   ̄`ヽ、_!`ヽ、___!    |、/ヽ|
=======● !ァ'´  ゝ `ヽ、___7、  ,ハ   |======○
   ;'  ,' /(◯), V 、(◯)ハ/! ヽ. ヽ ! /   /
   !  ! ;' '"" ,rェェェ、   "" ! /!  ハ!/   /
   `ヽ! !   .|,r-r-|    .レ' ,' ./ |‐--‐<
     レ'7    `ニニ´    .,' レ' ./    く\
     〈  ヽ、        ,イ / ハ  〉   <  `>
      `ヽ./!>.,、.,___ ,. イ;'/、/_!/>、,__,.>'´


予想外の方向から飛んできたボールがらんの脳天に命中した!

「ぐはあっ!」

またも悶絶するらん。
「!?今のボールは誰が投げたのですか!?」
てんこは驚いて辺りをキョロキョロと見回した。
ボールを投げつけた存在はすぐに見つかった。

    /^\      ,.へ___
   /   >''´ ̄ ̄`'''ヽ7
   |  /´ _       _'ヽ、
   〉 / /´  /  ,  、  、 ヽ〉
  /  i イ  レ\ ハノ! /i  i
  └rイ レイ (ヒ_]   ヒ_ン)ハヘ| n⌒i
  く_ノ  〉 i""  ,___,  " iハ _,,.! ノ
   ハ. i ハ、   ヽ _ン   人|´ /
  i\レヘハレへ〉'=r--r='i´Vヽy'´
  ヽ、,_`ヽ,r'´ `ト、 ∞」 i  ノ
  <   ̄〉、___ノ   ̄  Y/
   >_/ /〉 ,  ,   、!_ゝ
    `(⊆ノ/ /  !   ハ
      くヘ,.へ_,.へ__,.ヘ,.ヘ
       `'r、__ハ___ハ__!ン
        ト_ン   ト_ノ

「当たった!おじちゃん景品頂戴!」

てんこの居る地点から少し離れた所に、胴つきのちるの…。
公安⑨課突撃隊長 チルノ が立っていた。

「あ、あいつって、あの時の…。」

チルノの姿を見て、れみりゃの脳裏によぎったのは、あの永遠亭でのお騒ぎ。
(う~、こんな所で出会うなんて、めんどくさい事にならなくちゃ良いけど…。)
と、一人勝手に不安になるれみりゃを他所に、てんこはズカズカとちるのに歩み寄っていく。

「お前、何勝手にやっているわけ?順番は守るべきだと思うんですが?」

てんこは鼻先5ミリまでちるのに近づいてそう言った。
「ん?アンタ誰?あたいに文句があるって言うの?」
チルノはてんこに向かってそう反論する。

「文句はあります!(真剣)」

「そうか、ならば決闘だ!」

「展開早っ!」

思わずツッコミを入れるれみりゃ。
そんなツッコミは軽く流され、二人のゆっくりはヒートアップしていく!
チルノはマジックを取り出すと、らんの方へと向かっていく。

「ちょ、何するつもりだてんこ!」

抵抗するらんをあっさり押し付けて、チルノはらんの身体にペンを走らせる。

           .∧     ○、,_
     ○、.,_ /  ',   / `ヽ.`ヽ.
    /´ `ヽ)!へ,/V/、    ':,_,ノト 、
    ,'   _[_`ゝ-‐''´ヽ、/     !/ ,ハ   ,|
   ,'  ´ 30          |レへ,!  / !
   /_.7-‐ァ' ̄!二7´ ̄7ヽ、/`ヽ._!    !/ |
 r' ̄7-‐'"´ ̄   ̄`ヽ、_!`ヽ、___! 60 |、/ヽ|
 !ァ'´   , _!_ ,   ,ハ-‐!  、`ヽ、___7、  ,ハ   |
;'  ,' /´ゝ、.30/ ァ'/ノハ/! ヽ. ヽ ! / 60 /
!  ! ;' .(ヒ_] V   ヒ_ン ) ! /!  ハ!/   /
`ヽ! !'""  ,___,   "" .レ' ,' ./ |‐--‐<
  レ'7    ヽ _ン     .,' レ' ./  60 く\
  〈  ヽ、  10     ,イ / ハ  〉   <  `>
   `ヽ./!>.,、.,___ ,. イ;'/、/_!/>、,__,.>'´




あっという間に、らんの身体は数字だらけになってしまった。

「持ち玉はお互いに4球!得点が高い方が勝ち!」

「ヴァナのイチローに的当て勝負とは、無謀にも程がある、早く謝って!」

「だが断る!あたいのターン!」

チルノはらんに向かってボールを投げつけた!

「ちょ、的ならちゃんとそこに!」

ポコーン!

らんの脳天にボールが命中!

「よし!いきなり30点ゲットォ!」

「フン、あえて後攻にした俺に、隙は無かった!」

てんこのターン!スロー!

ポコン!

「いたあっ!」

「よし、尻尾に命中!60点を手に入れた!」

「何ィ!?あたいの倍だとぉ!」

「フフン、私はこのまま、タイムアップでも良いんだが?」

「フン、あたいの辞書に交代の二文字は無いよ!」

チルノのターン、スロー!

ポコン!

「ぎゃあっ!」

「フフン!あたいも尻尾に当てたよ!」
ちるのは胸を張っててんこにそう言い放つ。
てんこはヴァナ人が持つ凶悪な闘争本能に火がついた!
「フン、まだまだあっ!」


てんこのターン!スロー!


ポコン!

「ちょ!」


チルノのターン!スロー!


ドゴッ!

「おたくら!」


てんこのターン!スロー!


パコーン!

「いい加減にして欲しいてんこ!」


この時点でお互い三球投げ終えた。
ちるのは指を折りながら得点を数え始める。
「えーと、あそことそことそこに当たったから…同じ得点だ!」

「次で勝負が決まるな。」

お互い、残り一球。
この球を、けして外す訳には行かない!

「よし!あたいは秘密兵器を使う!」

          ,.- 、        __
         /::::::::::\      /::::!
          ,'::::::::::::_;;::ゝ-─<:;::::::::::!
        i:::::::;:'" _      `ヽ;::|
        r!;:7' ,.'´  ハ    !   ヽ;:!
        /:::/ ./ /  ,' !   ! ; , ヽ!>
      く/`iノ iノ  !__,.、/ | /_,!-ハ  〉从./ ̄ ̄|、______
      /   /∠,..イ (ヒ_]  レ' ヒ_ン! ヘ(  [;二].()|         ()
    _ __!  i__ノ !ノ '"   ,___,  ",Vi,‐ァ |_|__|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ヽ∠'、,__ゝ`ヽト.、   ヽ _ン  ,イ.〉/__,,.. -‐、
    , 彡 ヾ.     〉>,、 _____, ,.イレ'ヾ´  __,っノ
ド  //  く : ゝ、.,_,. イノ´::`ヽ,_∞_i::レi   i, :'"
タ       `ヽ::::::::::::::::',_____!::::',__ノ  
           ヽi::::::::i:::::::::::::::::::i   .:ト
          _   /:::,: '"´ヽ;::::::!::::i 
           .....,':::/ __,,. 、!:::::::;::::',-、_     Y´
        .....:::::::::ノi::::i7´   ,!::::ァ'"`'' :、!, l: |!
      :::::::::::::::く∠:::::i  '"´i//i     ヽ
        :::::::::::::::`ー'、    !ー-:`ー-、____ノヽ
           ::::::::::::::`''ー- '::::::::::::::::ヽ.,____ノi 彡
             彡           ヽ、__ノ

ちるのは、バズーカを取り出した!
公安⑨課で使われる、対戦車砲!
勿論、威力は半端じゃありません!
「ひぃ!?」
バズーカの銃口を向けられて、らんは思わず悲鳴を上げる。
「ちょ!?いくら何でもそれはマズイど!」
れみりゃはチルノを止めようと、チルノとてんこに向かっていく!

「やるな!私も負けられない!」

と、そこでてんこがそう言ってパチンと指を鳴らした!
と、同時にれみりゃの周りが暗くなる。

「…え?」

れみりゃが何が起こったのかと思った次の瞬間。

                ___ _
             ,.:''´::::::::>‐─``-....,,_
            /:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::`':,
         , -<;::::::::::/::_、:, --──- ::;;_::::!\
           ハ,    `ヽ:::!/          ``ヽ,丶
           |      O' i   ハ   !ヽ ナト、ヽ  f' |
           ト       |  `ト--ヽ_|  --丶 !  |ノ
          /      ,.ハ_.,イ ( ヒ_]    ヒ_ン) | |__|
         /   / /   | | ""   ,___,  ""`|´ヽ
         (.   !/´`!、  ヽハ     ヽ _ン    ノ\!
          \ |   ) 八 \''        ,ィ' ハ 〉
            ソ   (ノ´\ヽ_ `i tァ‐<´!/`∨
               / ̄ r ̄ ̄ ̄ュ ̄` " ''¬ ‐- . .,_┴─- ..,__           ┏┓
              /    |       |  ☆        ´ " ''¬ ‐- ..,_⊆iii \────┫┃
            __∠_____|____|_________________|─'────┫┃
       γ´      _|二二二二二二二二二二二i二二二i         ヽ       ┗┛
       /_,..-‐ ' '"´ i‐i i i iュゝノ ^ ^ └i i i i ュゝノ^ ^ ^└i i i i ュ"'' ‐ - ..,_   丶
        ii ゝソ ノ  ヽi_i_i_/.        ヽi i_i/      ヽ i i /   匚i    ii`"''´
        ヾ、' ´r'´` = = = ´`ヾr'´` = = = ´`ヽ r'´` = = = ´`ヽ‐'ゝ‐/
          ヾ、、__ソ、、、、.ゝ__ソ,ゝ__ソ、、、、、ゝ__ソ ゝ__ソ、、、、 ゝ__ソ、‐''"

「むぎゅ!」

進行方向にいたれみりゃを踏み潰して、ゆっくり戦車がてんこの元へとやってきた!
「ふん!」
てんこはゆっくり戦車の上に飛び乗り、戦車の銃口をらんの方へと向ける。
周りでチルノとてんこの戦いを見ていたギャラリー達も、これはまずいとその場から離れる!

「ちょっとぉ!?そんなの食らったら命がいくらあっても足りないてんこ!」

身の危険を感じたらんはすぐさま逃げ出そうとする!

「逃がすか。」

ちるのはスペルカードを取り出した!

雹符「パーフェクトフリーズ!」

らんに向けて放たれたそれはらんの下半身を凍らせた。

「げ。」

「発射あ!」

ドゴン!

間髪居れずに散るのとてんこは同時に球を発射する!

「え?ちょ、まって、あああああああああああああああああ!」



                .∧     ○、,_
          ○、.,_ /  ',   / `ヽ.`ヽ.
         /´ `ヽ)!へ,/V/、    ':,_,ノト 、
         ,'   _[_`ゝ-‐''´ヽ、/     !/ ,ハ   ,|
        ,'  ´             |レへ,!  / !
        /_.7-‐ァ' ̄!二7´ ̄7ヽ、/`ヽ._!    !/ |
       r' ̄7-‐'"´ ̄   ̄`ヽ、_!`ヽ、___!    |、/ヽ|
       !ァ'´   , _!_ ,   ,ハ-‐!  、`ヽ、___7、  ,ハ   |
      ;'  ,' /´ゝ、!. / ァ'/ノハ/! ヽ. ヽ ! /   /
      !  ! ;' .(ヒ_] V   ヒ_ン ) ! /!  ハ!/   /
      `ヽ! !'""  ,___,   "" .レ' ,' ./ |‐--‐<
        レ'7    ヽ _ン     .,' レ' ./    く\
        〈  ヽ、        ,イ / ハ  〉   <  `>
         `ヽ./!>.,、.,   ,. イ;'/、/_!/>、,__,.>'´
  _ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''!  i;;;~-ヽ_ii_i=n_ [l h__
  /==H=ロロ-.γ ,~ー'''l ! |'''ーヾ  ヾ 「!=FH=ロロ
  ¶:::-幵-冂::( (    |l  |    )  )=HロΠ=_Π
  Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒~"""''''''⌒~'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
 Д日lTl,,..:''''"   ""'''ー-┬ーr--~''""   :::Д日lT::::
 FH=n.:::::'            |   |         :::FL日l」:::::
 ロΠ=:::::.:.        ノ 从 ゝ        .::田:/==Д::
 口=Π田:::.                   .::::Γ| ‡∩:::::
 Γ| ‡∩Π::....                ...:::Eヨ::日lTlロ::::
 Д日lTlロ_Π::::.......            ...::::::::田:凵Π_=H:::
 =Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ:::.................:::::::::::口ロロH「l.FFl


物凄い爆風と轟音が響き渡る。
屋台はらん諸共吹き飛び、屋台があった場所には巨大な煙が上がっている。
周りで見ていたゆっくり達も、呆然とするばかり。

「…これがああ無常というものか、勉強になったな。」

「戦いは悲しみしかうまないのね…。」

屋台が会った場所を見て、妙にしんみりするてんことチルノ。
「…流石にこれはやりすぎだど。」
顔面にキャタピラの跡を付けたまま、れみりゃがそう呟いた。


~☆~


「…何かあっちで煙が上がっているけど、何があったのかねぇ。」

一方、てゐは町のハズレの方で、手に入れた祭り限定どんべぇをズルズル啜っていた。
近くには空になったどんべぇのカップが転がっている、どれだけ食べているのやら。

「あの辺でてんこたちが遊んでると思うんだけど、様子見に行ったほうが良いんじゃない?」

その隣では、りかがちびちびとワンカップ酒を飲んでいた。
「いいや、やめとくよ、どうゼどこかの馬鹿なゆっくりがはしゃぎ過ぎて花火を暴発させたとかそんなもんでしょ。」
…大当たり、とだけ言っておこう。

「アンタも出し物があるんでしょ?様子見に行ったほうが良いんじゃない?」

てゐはりかにそう話しかける。

「心配ご無用、もうとっくに会場に運び込んでいるわ。」

「へぇ、手回しが良いんだね。」

「これくらい普通でしょうが。
 それよりアイツがあの桃帽子女に壊されてないか心配だよ。」

「アイツって…ああ、あのにとり型戦車ね。」

てゐの脳裏に、あのてんこと戯れていたゆっくり戦車の姿が浮かぶ。

「今度は何処を壊されてるか心配で鳴らないわよ…。」

「ふぅ~ん…あ、あそこでてんこがゆっくり戦車にバックブリーカーを仕掛けてる。」

「何ですって!?」

りかは焦った表情で辺りをキョロキョロ見回す。
てゐはりかに向かってこう言った。

    ヽ     ―ァ    __|_   ‐┼─┼‐
   -― 、    /_   |   |   .!   |
      }     ̄/       /      j
    __ノ     (_     /      ノ
        ,. -‐-、        ,.- 、
       /     i      /,   ヽ.
      /      ハ├──-//i    i
     ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |
     i   /:;:::::::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ
      〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
     i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
     ハ:::::::レヘ::i' rr=-,´   r=;ァハソ:::ハ
     |::::::::ノ:::l:|〃 ̄      ̄ l:::::|::ノ
     ノ:::::::::::::ハヽ、   'ー=-' ノ::::i:::(
    イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ
    〈rヘ:::::!::レ´ __〃` ^ 〈レ':: レ':::〈

「…。」

暫しの沈黙のち、りかは元の場所に戻ってまたワンカップ酒をチビチビ飲み始めた。

「やけにあのゆっくり戦車を気にかけてるんだねぇ。
 何か特別な戦車なの?あれ。」

てゐはりかにそう問いかける。
「…別に、あれは友人の形見だから。」
りかはフン、と言いながらそう答える。

「…形見って事は…。」

「ご察しのとおり、とっくの昔に土の下。」

「あ、やっぱりそうなんだ…ゴメン、悪い事聞いちゃったかな?」

「ん、気にしなくて良いわよ、もう昔の話だし…。」

~☆~

「りかの馬鹿!そんな兵器ばっかり作って居たらみんなゆっくり出来なくなるよ!」

「…にとり解ってよ、胴つきゆっくりと反逆ゆっくりの戦いは激化している、
 これ以上の泥沼化を防ぐためにはこの状況をひっくり返すほどの力が必要なのよ。」

「じゃあ、代わりににとりがその力になる!」

「え!?」

「その戦車の代わりに、にとりが戦う!」

「ちょ、ちょっと!」

            ____
       _,,....-'´─-<::::::::`゙':.、
      ,:'´:::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::\
    /!::::_;;:: -──-- 、:;_::ヽ;:::::::::;>- 、
   / ,rァ'´          `ヽ!:::ァ'    ,ハ
   | '7   / ナト /!   ハ  i `O      |
   ヽ|  ! /--  |_,/--ト/!  |     イ
    |__|,.イ(ヒ_]    ヒ_ン ) ト、_ハ、     \
     /`|/""  ,___,   "" | |  \ ヽ   ヽ
      !/i、   ヽ _ン    ,ハ/  ノ´`ヽ!   ノ
     〈 ,ハ,>、       ''/ 八 (   | /
     ∨´\/!`>‐rァ / _//`ヽ)  レ'´
      ノノ´  |/!/レ'´レ'´ヽ‐-、´   (|

「…りか、にとりはそんなものを作るりかより、泥まみれになって下らないものを作りながら笑っているりかを見ていたいんだ。」


~☆~

「…あの~もしもし?」

てゐに呼びかけられて、りかはハッとなる。

「い、いけない、ボーっとしてたわ、まだ徹夜の疲れが残ってるのかしら…。」

「暫く休んでいた方が良いんじゃない?」

「大丈夫よ…あ、もうこんな時間!?」

ちらりと近くにあった時計を見て、りかは慌てだす。
どうやら、お披露目の時間が近いらしい。
「急いであいつを回収して会場に向かわなくちゃ!」
そう言うと、りかは凄い勢いで走り始めた。

「頑張んなさいよ~。」

てゐはそう言ってりかを見送るのであった。


~☆~


ヒュ~…ドォン!


漆黒の夜空に、光の花が咲き乱れる。
「おぉ~やはり祭りのクライマックスは打ち上げ花火だな!」
中央櫓前で見張りを続けているゆうぎは空を見上げて楽しそうにそう言った。
それとは反対に、隣に居るれてぃは非常に不機嫌な顔をしている。
「…あの⑨…一体何処をほっつき歩いているのよ!」
何時までたってもチルノが戻ってこないからだ。

「やっぱり探しに行くわ!あいつ、絶対何処かで遊んでいるのよ!」

そう言ってちるのを探しに行こうとするれてぃをゆうぎが止める。
そして、それはもう真っ直ぐな瞳でこう言い放った。

「まぁ待て、何時までも帰ってこないからってサボっているとは限らないだろう、
 きっとちるのは、物凄く出が悪いうんこの途中なんだ!
 私はそう信じている!」

「そんな信じかたされたらチルノもさぞ複雑でしょうね…。」

れてぃはただ呆れるばかりであった、
しかしまぁ、自分がチルノを探しにいって、中央櫓の守りが薄くなったら本末転倒だ。
れてぃは引き続き、ここで守りに付くことにした。


そして、中央櫓最上部、
そこには一人の胴付きゆっくりが静かに座っていた。
彼女は空に上がっている幾つもの花火の美しさに見とれているようだ。

「しっつれいしま~す!」

そんな彼女にのー天気に声をかける胴無しゆっくりが居る。

               )フ
  ウ--,,          ノ フ
   フ   ̄ ̄ヽ...--.../  フ
    フ    ......ヽOノ.............フ___
   フ  /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/
  <>/==─::::::::人::::─==ヽ
   >ノ:::::::::::::::::::::ノ  ヽ:::::::::::::::::ヽ
   クノ_ノノ_ノ/ゝ、   /ヽ:::_ヽ_ヽ
   __ノ::::::::::r ( ヒ_]    ヒ_ン人::::::)
 ∠:::::::::::::::::|”"   ,___,  "''|::::::/
  ノノ >:::::::人.   ヽ _ン   ,'::::ヽ
   /:::::::::::::::>,、 _____, ,.イ::::::::::\
 /:::::::::::::::::::::::ウ''i    ツホ::::::::::::::::::(


「さとり様~!元気?元気!?具合が悪かったらうつほが医者を呼ぶけど!」

胴付きゆっくりは、そう言って騒ぐうつほに向かってこう言った。

            )、_,,..-─-、.,_
         , '"´   __,,,...,,,_ _`'.、  、
        ./!⌒)-、'"´      `"' 、ノ)
       ,'  |_ ノ      i     `ヽ..
       ゝ/    /!_ ,ハ /      ' 、
       /八  ,.イ  |./|,ハ  丿l    .ゝ
       ⌒)     Y  ノ  レ゙  ヾ ,ゝ八/´
      /.ノ /ヽ 八 'rr=-,   r=ァ|  ゝ
      / `ヽ  ゝノ⊂⊃    ' ⊂/  '、
     ./   ノへ  (ゝ、    ― ノハ ヾ.ゝ
    /      ∨  >, -rァi'"
    ,'       ァr<´ \__」ヽト、  ./´`ヽ
    i     /´_`ヽヘ   /ム l7、ヽ .し、  i
    ヽ   ././   ト 、__/(`'´)!  メ,ゝr''´「`7┐
     ヽ  |'     ∨-'   Y ァ ⌒「 」-┴‐、/
       `l      ヽ.    ()! <()ア´     !
       .∧       \_   lゝ、.,〈       |
      / .ト、   ァ''"´  ̄`lこコ‐!      ,'
      〈  |∧  ´       | _|_j     /ヽ、

「…うつほ、そんなに騒がなくても私は大丈夫です、
 それと、名前で呼ばないで大統領と呼びなさいって何度も言ってるでしょう。」

「え?でもさとり様はさとり様でしょ?大統領なんて呼ぶなんておかしいじゃ無い?」

「うつほ、あなたはTPOと言うものを…聞くだけ無駄でしたね。」

ゆっくりさとり…もとい大統領はそう言って深いため息をついた。

「それにしても、祭りもそろそろ終わりなのに、何も起きないね!」

うつほはそう言うと、落下防止用の手すりの上に飛び乗って花火を眺めている。

「このまま、何事もなく終われば良いのですが…。」

「でも油断は禁物だね!祭りはおうちに帰るまでが祭りだって言うし!」

「…意外ですね、あなただったら「もう最後まで何事もないだろうから、一緒に祭りに向かいましょう!」とでも言うと思ったわ。」

大統領にそう言われて、うつほはムッとする。
そして、大統領の方を向いてこう言った。

「さとり様!私はこれでもぼーえーちょーかん何だよ!さとり様の安全が第一って決まって…。」

ズッ。

と、その時だった。
力みすぎたのが原因かうつほが手すりの上からずり落ちた。

「…あ。」

大統領が慌ててうつほを助けに行こうとするがもう遅い。

「ああああああああああああああああ!」

そのまま中央櫓から落下するうつほ。
大統領は呆然とするばかり。

…暫くすると、またゆっくりが中央櫓の上に登ってきた。

          _____
        /::::::::::::::::::::\
       |:::::::: ∧ ::::::::|
        \ ::::|::::| : ::::/
      : /´ ̄'!☆|"´ ̄\ :
     : / /   |::::::|     \ :
   :  / ノ    |:::::::!     \__\ :
  : ∠〃 {ノノ_ハ_V   レ'、_i_l>\__> :
   : /'レ小(◯),  、(◯) 从l  \ :
     : |('/ ̄ 'ー=-'  ̄///) :
    :   ,r‐──────‐、 :
 .  :   /            ',, :
   :  /             ', :
 . :  ├─────────┤ :
 . :   lニニニニニニニニニニニl

頭にデカイタンコブを作ったゆうぎは、TE○GAから出した腕でうつほを持っていた。
「…長官、子供じゃ無いんですからはしゃぎ過ぎないで下さい。」
ゆうぎはそのうつほを見てそう言った。
「ゴメン!」
うつほは実に元気そうにはっきり大声で返事した。
大統領はそのやり取りを見て、思わずクスリと笑ってしまったことも付け加えておこう。
その時だった。


「さあさあこれより、貴台のからくり師、りかが作ったゆっくり戦車による舞踏が始まります!
 皆さん!特設中央ステージでぜひゆっくり見にいってね!」


そんなナレーションが、祭りの会場中に響き渡った。
「…あ、始まるみたいですね。」
大統領は中央櫓から、外の景色を見下ろした。
中央櫓から離れた所に設置された特設ステージの周りには、既に胴付き胴無し関係無しに沢山のゆっくりが集まっているのが見えた。
勿論、櫓に居る大統領は、そんなゆっくりの群を気にせずに、最高の位置でそのステージを見下ろすことが出来る。

「大統領、やけに真剣に見ていますね。」

「ええ、事前に戦車の製作者から「これはあなたのために用意した舞台だ、ぜひ見て欲しい」って言われてますから。」

大統領はそう言って、中央ステージを凝視する。

                 ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
                'r ´          ヽ、ン、
                ,'==─-      -─==', i
                i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
                レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
                 !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
                 L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
                 | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
                 レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
               / ̄ r ̄ ̄ ̄ュ ̄` " ''¬ ‐- . .,_┴─- ..,__
              /    |       |  ☆        ´ " ''¬ ‐- ..,_⊆iii \
            __∠_____|____|_________________|─'
       γ´      _|二二二二二二二二二二二i二二二i         ヽ
       /_,..-‐ ' '"´ i‐i i i iュゝノ ^ ^ └i i i i ュゝノ^ ^ ^└i i i i ュ"'' ‐ - ..,_   丶
        ii ゝソ ノ  ヽi_i_i_/.        ヽi i_i/      ヽ i i /   匚i    ii`"''´
        ヾ、' ´r'´` = = = ´`ヾr'´` = = = ´`ヽ r'´` = = = ´`ヽ‐'ゝ‐/
          ヾ、、__ソ、、、、.ゝ__ソ,ゝ__ソ、、、、、ゝ__ソ ゝ__ソ、、、、 ゝ__ソ、‐''"
            ``````````````````````````````````````


中央ステージではゆっくり戦車たちが戦車とは思えないほどの見事な舞を踊り始めていた。

~☆~

「むう、やっぱりここからじゃあ何も見えないか…。」

てゐはゆっくり込みの中で途方にくれていた。
折角自分も組み立てに参加したゆっくり戦車だ。
その戦車が舞う姿を一目見ようと中央ステージに向かったまではよかったが…。
他のゆっくり達もゆっくり戦車を見ようと中央ステージに集まったのだ。


「誰だ!?まりさの上に圧し掛かってる奴は!!」

「う~押される…何かでるぅ~…。」

「おされて負けるか!ど根性~!ぷくう~!」

「わあ!こんな所で膨らむな!馬鹿!」


お陰で中央ステージから半径1キロはゆっくり達のおしくら饅頭状態だ。
てゐも中央ステージからかなり離れた所で立っているのがやっと。
どうしたものかと思っている状態だ。

…ふとてゐが空を見上げると、クライマックスといわんばかりに花火が上がっている。


「…せめて花火位は堪能すべきかねぇ、こんな所だけど。」


ため息混じりにそう呟いたその時だった。

「―――!」

背後に感じる怪しい気配。
とっさに振り向こうとしたてゐの頬に、何か冷たいものが当たる。
「振り向かないで。」
背後から聞こえた声に、とっさにてゐの動きが止まる。
振り向けないから姿は確認できない、だが、その声はとてもなじみがあった。

「とよ、ひめ…。」

「お久しぶりね、お変わりないかしら?」


とよひめはそういうと、てゐの頬に小刀を強く押し付けるのであった。


~☆~


「そろそろ舞踏もクライマックスね。」


中央ステージを見ながら、れてぃはそう呟いた。
ゆっくり戦車たちの舞はほぼ終わり、その中央にはりかとにとり型ゆっくり戦車が立っている。


「どうやら最後にあのにとり戦車が何かするらしいな。」


舞台を見て、ゆうぎはそう分析する。
「あれが終われば祭りもお開きね…やっと肩の荷が下りるわ…。」
れてぃがそう呟いたその時だった。

…彼女は確かに感じた。

風に流されてきた、僅かな硝煙の匂いを。

「…どうしたれてぃ?」

「所長、ゆっくり戦車に弾丸の類は?」

「…?詰められていない筈だぞ、砲撃の類を使わずに芸を見せるという契約だからな。」

…それを聞いたれてぃは蒼白とした表情になる。
そして、次の瞬間にはすぐに行動に移った。


「…所長、今すぐ大統領を避難させてください!」

「え?そんな急に?」

「良いから早く!」

「あ、ああ…。」

れてぃに呼びかけられて、ゆうぎはすぐに中央櫓を登り始めた。
すぐにれてぃは懐から通信機を取り出し、大声で叫ぶ!

「各隊員、中央ステージに集合!!ステージを警備しているゆっくりはすぐに中央に立っているゆっくりを取り押さえなさい!」




いよいよこの時が来た。

この一撃は開戦の狼煙、

これより始めるは、盟友の弔い合戦。

「…目標、中央櫓大統領、狙い定め。」

「ゆー」

りかの指示に従い、にとり戦車はその砲口を中央櫓へと向けたのだった。





  • 三話またぎって初じゃないか?
    かつて無い緊迫感があるぞ -- 名無しさん (2009-11-15 19:32:05)
  • らんが受難すぎるw祭のときのギャグと祭りの後のギャップもあるなあ -- 名無しさん (2009-11-15 23:46:38)
  • らんの扱いがマダオ並みw
    登場キャラに魅力あるよねこのシリーズ -- 名無しさん (2009-11-21 12:53:43)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年02月19日 20:08