てゐ魂第二十話-2


~☆~


Mステスタジオ内。

その悲鳴が聞こえてきたのは突然の事だった。
悲鳴を聞いた観客達と出演者達がどよめき始め、番組進行がストップする。

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       レ' ̄   ̄


そして、たこルカがスタジオに逃げ込んできた。
彼女は明らかに恐怖に脅えきった表情をしていた。
そして、その原因がたこルカを追いかけるようにスタジオ内に乱入してきた。

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 /レ      / /レ           /  /レ
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「たこルカちゃん!待ちたまえ!」

「そんなに脅えなくてもいい!」

「そうだ、その吸盤付きの足で、ちょっと我々のマイクを握ってくれればいいだけなのだから!」

そんなとんでもなくセクハラな事を叫びながら入ってきたのは青い全身タイツに身を包んだ、
なんだか特撮番組の戦闘員として出てきそうな連中だった。

「げ!あれってもしかして崖下紳士じゃ無いか!?」

スタッフの一人のゆっくりがそう叫ぶ。

崖下紳士―ゆっくりの街の外れに住み着いた…
なんか彼らについて長ったらしく説明するのもイヤなので一言で済まそう。

オマエラである。

「ちょっと!?何で崖下がスタジオ内に居るの!?
 あれが公共の場で暴れ出したらとんでもない事になるよ!」

タモリが彼らを見てそう叫ぶ。
深夜番組では自重しないトークで有名な彼がこんな事を叫ぶのだ。
イカに崖下紳士が自重しないか、これでお解かりであろう。

たこルカはまだ準備中だったステージの上まで逃げ込むが、そこで崖下紳士に囲まれてしまった!

「…さあ、たこルカちゃん、おじさん達と遊ぼうじゃないか。」

「いや…こないでぇ…。」

迫ってくる崖下紳士に脅えるたこルカ。
「ハァハァハァ…もう我慢できないぃいいいいいいい!」
そして、紳士たちは一斉にたこルカに飛び掛ってきた!

「いやぁああああああああ!」

あまりの恐怖に絶叫してしまうたこルカ!
だが、天は彼女を見捨てたわけではなかったようだ!

「手を出すのはやめて下さい!」

シュッ!

パシシシシッ!

そんな声と共に飛んできた触手が紳士を吹き飛ばした!
「うわああああッ!?」
そんな声を上げてステージの外まで吹き飛ばされる紳士たち。

「…だ、誰…?」

たこルカは恐る恐る顔を上げてそう呟いた。

      ,. -‐-、        ,.- 、
     /     i      /,   ヽ.
    /      ハ├──-//i    i
   ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |
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   i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
   ハ:::::::レヘ::i' (ヒ_]    ヒ_ンハソ:::ハ
   |::::::::ノ:::l:|"   ,___,   l:::::|::ノ
   ノ:::::::::::::ハヽ、  ヽ _ン  ノ::::i:::(
  イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ
  〈rヘ:::::!::レ´   `y二」ヽレ':::〈

「呼ばれて。」

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  ♪   rー-、,.'"          `ヽ、.
   \ _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
     く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、    }^ヽ、
   .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>、_ ノ ハ } \
  /ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒  `!  i  ハ /  }! i ヽ
 / / ハ ハ/ ! /// ヽ_ ノ /// i  ハ  〈〈{_   ノ  }  _」
 ⌒Y⌒Y´ノ /l           ハノ i  ヽ⌒Y⌒Y´
      〈,.ヘ ヽ、        〈 i  ハ  i  〉
       ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ

「飛び出て。」

               ,.,> - 、
               ,._イ ´    \
            ,.イ/         ,\
          / /         '; \
        /  /             '.  ヽ
        〈  /_,. -――――- 、 i.  〉  _/\∧/\/|_
        .iーイ  ,   lヽ N/ヘ  ~'ト、_/  \        /
         / イ、ノ\| レ' r=ァVi   ヽ   <  ニャーン!!!  >
         !、 l rr=-       /   ヘ   /        \
         トl     ー=‐'   /    ハ   ̄|/\/V\/ ̄
         〈 ',         レヘ, /レ',イ
          V ヽ          人ルレ'
           レ~`ヽ 、_  __ - く
            / ./ /.|   !、 ヽ
     /⌒\_/ / /  |  | ヽ ハ
    /  へ  \__ノ ノ  ∧  |  ヘ.ヾ_/⌒\
  _ノ   / _/⌒\ _ _/   / ノ  i\ \ノ⌒\ ヽ、
<_ イ<_ノ⌒\__ノ<_ノ  \_フ\_フ_フ


「イカ省略!」

                                      ,.,> - 、
                                      ,._イ ´    \
                                   ,.イ/         ,\
                                 / /         '; \
                               /  /             '.  ヽ
                               〈  /_,. -――――- 、 i.  〉
                               .iーイ  ,   lヽ N/ヘ  ~'ト、_/
      ,. -‐-、        ,.- 、             / イ、ノ\| レ' r=ァVi   ヽ                  ,. -───-- 、_
     /     i      /,   ヽ.           !、 l rr=-       /   ヘ         ♪   rー-、,.'"          `ヽ、.
    /      ハ├──-//i    i           トl     ー=‐'   /    ハ         \ _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
   ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |           〈 ',         レヘ, /レ',イ           く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、    }^ヽ、
   i   /:;:::::::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ            V ヽ          人ルレ'         .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>、_ ノ ハ } \
    〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈               レ~`ヽ 、_  __ - く            /ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒  `!  i  ハ /  }! i ヽ
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   ハ:::::::レヘ::i' (ヒ_]    ヒ_ンハソ:::ハ         /⌒\_/ / /  |  | ヽ ハ         ⌒Y⌒Y´ノ /l           ハノ i  ヽ⌒Y⌒Y´
   |::::::::ノ:::l:|"   ,___,   l:::::|::ノ        /  へ  \__ノ ノ  ∧  |  ヘ.ヾ_/⌒\         〈,.ヘ ヽ、        〈 i  ハ  i  〉
   ノ:::::::::::::ハヽ、  ヽ _ン  ノ::::i:::(       _ノ   / _/⌒\ _ _/   / ノ  i\ \ノ⌒\ ヽ、        ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ
  イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ    <_ イ<_ノ⌒\__ノ<_ノ  \_フ\_フ_フ
  〈rヘ:::::!::レ´   `y二」ヽレ':::〈

「私たちがいる限り!たこルカに手出しはさせません!」

いつの間にかたこルカを守るように三匹のゆっくりが現れた!


「…って、ついノリでやっちゃったけど、これ生放送なんだよね…カメラ回ってるのかな。」

と、そう言って赤面しながら辺りを見回すてゐ。
案外目立つのは好きでは無いのだ。

「あ、えっと、あなたは…。」

てゐはと惑うたこルカの方を向いてこう言った。
「また助けることになっちゃったねぇ、まぁ安心してよ、あたしらはあんな連中よりは強いから。」

「そ、そうだど、このカリスマおぜう様にか、掛かればあんなれれ連中…。」

「れみりゃ、目つきが怖い。」

あこがれのアイドルを目の前にして完全に緊張しているれみりゃに向かっててゐはそう言った。

「てゐさん、呑気に会話している場合じゃ無いですよ。」

いかす丸がそんなてゐ達に向かってそう言った。
「ふ、フフ…このくらいで根を上げては紳士の名が廃るというのだよ。」
崖下紳士は既に復活してステージに上がってきていたのだ。

「むしろ対象が増えてこちらとしてはご褒美だ!」

「れみりゃたんハァハァ…。」

「てゐたんのお耳を耳掃除したい。」

「かわいいぜ…。」

崖下紳士達は目を充血させながらこっちを睨んでいる。
「うわぁ…。」
言うまでもなく、てゐ達はどん引きだ。

「崖下紳士…人間やめた人間とは聞いた事あるけど…ここまでとは…。」

「ゆっくりに萌える何てきもちわるーい。(棒)」

「って言うか、何処から入ってきたのさ、この不審人物。」

「わ、解りません、弁当貰ってこようとスタッフに話しかけたら、そのスタッフがあの変な人達だっただけで…。」

「…いつの間にか忍び込んでいた訳ね、ホントに何処から忍び込んだんだか。」

しかし今はそんな事気にしている余裕は無さそうだ。
崖下紳士は確実に近づいてきているのだから。

「はぁああああああああ!妄想!」

崖下紳士達がてゐに迫ってくる!
「て、てゐさん!くるど!」

「ああもう!考える暇もなしってことかよ!」

てゐはそう言って一枚のカードを取り出した!
「いっけぇえええええ!」

「エンシェントデューパ」


ズガガガガガガガガ!


弾幕が凄い勢いで発射される!
「ぐはぁああああああああ!?」
弾は迫ってきた崖下紳士たちに全弾命中する!
派手に吹き飛ぶ崖下紳士たち!


「よし!やった!?」


思わずガッツポーズを取るてゐだったが…。


ムクリ



「我々の世界ではご褒美です!」

「激しいプレイも我々は受け入れる!」


次の瞬間、崖下紳士は何事もなかったかのように立ち上がった。
「って、普通に無傷!?」
普通に立ち上がった崖下紳士を見て驚くてゐ。

「だったら次はれみりゃが!」

今度はれみりゃが前に出る。
「食らえ~カリスマシュート!」
れみりゃはそう叫んで何かを投げつけた。

        _...,,、,
      ,r' ・ (,
 ミ    i   ::::: ゙i
     、゙   ::::: ゙i
  、-ー`     :::::: i,
  i          :::: |
  (,        ..::::: !
  ゛' ―――――ー`

「ひよこ饅頭おいしいです。」

投げつけたひよこ饅頭は、あっさり食われてしまった。


「な、何て事だど!れみりゃの弾幕が聞かないど!」

「効く訳無いし弾幕でも無いよねあれ!」


ショックを受けるれみりゃの後ろでてゐはツッコミを入れる。
そうこうしている内にまた崖下紳士が迫ってくる!

「クソ!これならどうだ!」

てゐは複数のスペルカードを取り出して投げつける!


兎符「開運大門」

兎符「因幡の素兎」

脱兎「フラスターエスケープ」


スペルカード、一斉開放!
実体化した弾幕は全て崖下紳士に命中する!

「よし!これだけの弾幕を受ければ!」

流石にあれでは立って来れまい、てゐはそう思って居た。
しかし!


「フフフフフ!これしきの事!何て事は無い…!」


崖下紳士たちは立っている。
あれだけの密度の弾幕を受けてなお平然と。

「人の世は天才ではなく、諦めの悪い連中が常に切り開いてきた!」

「今こそそれを証明して見せるぞ!同士よ!」

「おーっ!」

崖下紳士は一斉に襲い掛かろうとしている。
「う、うわ!これはマズイど!」
てゐ達、最大のピンチ!


「隊長ーーー!」


と、その時、崖下紳士に飛び掛る影が!



ガシイッ!



その影は崖下紳士たちを羽交い絞めにする!

「むうッ!う、動けん!」

「だ、誰だ!我々の邪魔をするのは!?」

崖下紳士の問いかけに影たちは答えない。
そんな中、れみりゃだけがその影を見て大声で叫ぶ。

「お…お…。


                                             _,,....,,_ _
                                         -''":::::::::::::::::`' 、
                                         ヽ:::::::::::::::::::::::::::::\
               __   _____   ______              |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
              ,  _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ 、             |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__
               'r´=─-      -─=ヽ、ン、          _,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
             ,'= iゝ、イ人レ/_ルヽ=', i          ::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7
           十 i イ i (ヒ_]     ヒ_ン ).ヽイ i |           r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ
             レリイi/// ,___,  ///| .|、i .||           !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ
              !Y!.   ヽ _ン    「 !ノ i |           `!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ
               L.',.          L」 ノ| .|           ,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'
               | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /           (  ,ハ    ヽ _ン   人!
               レ ル`rー--─ ´ルレ レ´          ,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ
               γ´⌒´-?ヾvーヽ⌒ヽ                γ´⌒´-?ヾvーヽ⌒ヽ
              /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ             /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ
              /    ノ^ 、___¥__人  |            /    ノ^ 、___¥__人  |
              !  ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ >  )            !  ,,,ノ爻\_ _人 ノr;^ >  )
             (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/  /           (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ/  /
              ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア〃 /             ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア〃 /
                ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ、              ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈  ソ、
                  〈J .〉、| 香 |, |ヽ-´                 〈J .〉、| 香 |, |ヽ-´
                  /""  | 霖 |: |                  /""  | 霖 |: |
                  レ   :| 堂 :| リ                    レ   :| 堂 :| リ
                  /   ノ|__| |                    /   ノ|__| |
                  | ,,  ソ  ヽ  )                   | ,,  ソ  ヽ  )
                 .,ゝ   )  イ ヽ ノ                   .,ゝ   )  イ ヽ ノ
                 y `レl   〈´  リ                    y `レl   〈´  リ
                 /   ノ   |   |                    /   ノ   |   |
                 l  /    l;;  |                    l  /    l;;  |
                 〉 〈      〉  |                    〉 〈      〉  |
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               (。mnノ      `ヽnm                (。mnノ      `ヽnm



お前達ぃ~!」


その正体はたこルカ親衛隊の一員である胴付きゆっくり達であった!


「隊長!一人でたこルカを守ろうなんて水臭いこと考えないでよ!」

「そうだぜ!俺たちは同じ親衛隊!たこルカを守りたいという気持ちは同じはずだぜ!」


羽交い絞めしているゆっくり達はれみりゃにそう言った。
「お、お前達…。」
れみりゃは部下の捨て身の行動に感動し、涙する。
別に戦っていたのはれみりゃ一人だけじゃ無いとか、そういう野暮なツッコミはやめましょう。
それは、無粋以外の何者でもない。


「あ、それと隊長、あるゆっくりからの伝言!」


紳士を羽交い絞めしているゆっくりの内の一人がそう叫ぶ。
「伝言?誰からだど?」

「いや、それはれいむ達も始めて会う顔だったから…でも絶対に伝えてくれって!」

そこまで言うのなら重要な事であるのは間違いないだろう。

「一体何を伝えてくれって言ったんだど??」

言われて隊員たちは何を言われたか思い出す。

「え~と…『三分粘れ、それでこいつらを無力化する。』だって。
 確かに伝えたよ!」

それを聞いたてゐ達はお互いに顔を見合わせる。

「…一体どういう事だど?」

「いや、それをあたしに聴いても解らないよ。」

「どうするんですか?信用するんですか?」

「う~ん…。」

言われた所でそんな胡散臭い伝言、信じる気になれない。
だが自分達ではこの崖下紳士をどうにかできないのは目に見えて明らか。
てゐはどうしたものか、と考え始める。
しかし、いつまでも考えている余裕はなさそうだ。

「クッ…たこルカちゃんを目の前にして…指を咥えてみておけるかぁあああああ!」

ばあっ!

「うわあっ!」

         rー 、
       ,.. ┴- '、
      r'´   ::::`i
      |___ ::::|  ヘ_
      !゙'ノ、''` | ::|  くノ`ヽ,
      l ̄ ̄ ̄ , ! ⌒"  )
    ,..-ヽ  ,,.. ' ノ`丶く ∠___
     .''\ノ''''‐`` i、 ,ノ  │,-ヽ7=、、 ,,rー'"`-、
       \_゙l、,,,_,/i゙、 ,ノ 〈 ゛  `ヌ⌒ )/=i、 l
             `゙゙'''"`'ミ--/-,_  ´ /"  `''
                    \ .,,、`lニン-゛
                  \__ノ


紳士の一人が羽交い絞めを振りほどいて華麗に舞い上がり、
そのままたこルカに向かってルパンダイブしてきたのだ!!


「ちいっ!」

それを見たいかす丸はとっさに自分の足を伸ばした!

ガシイッ!

崖下紳士にいかす丸の足が絡みつく!
「な、何いっ!?」

「娘に手を出すのは…この私が許しません!」

いかす丸はそう言って足を更にきつく締め付ける。

「あぁ…こういうプレイも…ありだな。」

崖下紳士は頬を高揚させてそんなうめき声を上げる。

「…ええと、なんだか逆効果な様な気がするんだど…。」
そんな崖下紳士を見て、背中に何か冷たいものを感じるれみりゃ。
「でもまぁ、あいつの足止めには…なる…かな。」
てゐは冷や汗とともにそう呟いた。
だが、そう簡単にはいかないようだ。


「ぐうっ!同士があそこまで頑張ってるのに、私は何をしているんだ!」

「我々も今行くぞ~っ!」


真っ先に突っ込んで行った崖下の勇士を見て他の崖下がやる気を出してしまったのだ!
次々に高速を自ら解き放ち、たこルカに向かっていく!
「クッ!だが私の足も一本では無い!」
いかす丸も負けじと他の足を伸ばす!


ガシッガシッガシシシシシッ!

いかす丸の十本の足が崖下紳士達をからめ取る!
「クッ…これ以上は敵を捕らえ切れません!」
だが、十本の足でも崖下紳士を全員捕らえるのは不可能だった。
気の所為か最初に現れた頃より数が増えている気がする。

「クッ効かなくても足止めくらいは…!」

てゐもいかす丸の援護のためにスペルカードで弾幕を生成、崖下を足止めする!

「うぉおおおおお!大盤振る舞いだどぉおおおお!」

                           ,、,,..._
                           ノ ・ ヽ 
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                                           `ー――――― '"

れみりゃもひよこ饅頭を大量に投げつける!
効き目があるのか不明だが!

「フハハハハ!この程度の事で足止めが出来ると思っているのか!」

「不屈の精神こそが我々の最大の武器!」

「グレイズ美味しいです!ついでにひよこ饅頭も!」


だが、崖下紳士たちはそれでも怯まない!
いかす丸の足で拘束され、弾幕で足止めされ、ひよこ饅頭を大量に食らっても彼らは少しずつ前に進み続ける!
「こ、怖い…。」
その光景を見たたこルカは思わずそう呟いてしまった。それほど恐ろしい風景だったのだ。

そしていよいよ、一番前方の崖下紳士たちがたこルカを射程範囲にまで捕らえた!


「て、てゐさん!奴らあそこまで!」

「こ、これ以上は無理かもしれないねぇ…。」

てゐは残り少ないスペルカードを見てそうつぶやいた。


「フハハハハ!さぁたこルカちゃん!我々と旅立とうではないか!」

「ひいいいっ!」


そして崖下紳士がたこルカに向かってダイブしようと構える!
その次の瞬間!


「………………!!!!!!!!」


崖下紳士が固まった。
「…え?」
てゐ達は訳が解らなかった。
あれだけ攻撃しても全然傷一つ負わなかった崖下紳士達が、次々に固まっているのだから。

「何?一体どうしたの?」

首を傾げながらてゐがそう問いかける。
崖下の一人が、ゆっくりとてゐの後ろを指差した。
「…後?」
後に何かあるのかと思い、てゐ達は後に振り向いた。
そして、そのままてゐ達も固まった。


てゐの後には、演出で使われる予定だった巨大モニターが設置されていた。
問題はそのモニターに映されていた映像。


「アンアンアンアンアンアンアン…。」


変な格好をした女性があられもない痴態をさらしている姿が巨大モニターに映されていたのだ。


「な、何じゃこりゃー!」

「こ、コスプレ例大祭だとぉおおおおおお!?」


てゐと崖下はそれぞれ違う理由でほえた。
「え!?何?後に何が映されているんですか?」
ただ一匹、たこルカだけが、背後のモニターに映されているとんでもない映像に気がついていない。
慌てて後ろを振り向こうとするが。

「おぉ!あなたはこれを見てはいけません!」

いかす丸が慌ててイカの足で目隠しをした。
「え!?ホントに何が映っているんですか!?」
たこルカは慌てて目隠しを外そうとするが、中々外れない。


「え、えーと、もしかして伝言の意味ってもしかしてこれなのかど?」

           ,. -───-- 、_
  ♪   rー-、,.'"          `ヽ、.
   \ _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
     く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、    }^ヽ、
   .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>、_ ノ ハ } \
  /ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒  `!  i  ハ /  }! i ヽ
 / / ハ ハ/ ! /// ヽ_┃ノ /// i  ハ  〈〈{_   ノ  }  _」
 ⌒Y⌒Y´ノ /l      ┃    ハノ i  ヽ⌒Y⌒Y´
      〈,.ヘ ヽ、        〈 i  ハ  i  〉
       ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ

れみりゃにはモニターの映像はかなり刺激的な映像だったようだ。

「こんな映像を見せたところで、こいつら更に興奮するだけなんじゃあ…。」

てゐはそう言って崖下紳士達のほうを見る。



「ぐ、ぐわぁあああ…。」

「わすれろぉ…今見た映像は忘れろぉ…俺…。」

「ブラックジャック先生…記憶を…記憶を消してください…。」


崖下紳士達はそう言って辺りを転げまわって居た。
「あ、あれ?なんだか知らないけど苦しんでる…。」
てゐは崖下の意外な状態に驚いている。

「良く解らないけど…今がチャンスだど!」

「みんな縛ってしまいましょう!」


「そりゃああああああああ!」


てゐ達は一斉に悶えまくっている崖下紳士に飛び掛った!


~☆~

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最終更新:2011年01月29日 17:25