※gdgd注意
↓大丈夫ならどうぞ。
ちびりゃのスプーン教室
「う~!!まんまぁひどいどぉ~!!」
「おちびちゃ~ん!!ごめんだぞぉ~!!」
俺が家に帰ってきたら、このような声が聞こえてきた。
…親子喧嘩でもしてるんだろうか。
珍しいな。
俺が居間へと続くドアを開けると、そこには泣きながら怒っているちびりゃと土下座して必死に謝っているれみりゃがいた。
…れみりゃが何かやったんだろうか?
「れみぃおなかぺこぺこだったんだどぉ!!」
「おちびちゃ~ん!!ごめんごめんだぞぉ~!!」
…これだけじゃさっぱりわからんな。
「お~い、れみりゃにちびりゃ~」
「う?」
「あぅ?」
ようやく俺の存在に気付く親子。
ちょっと寂しいぜ…。
「あぅ~!!おに~さ~ん!!」
突然ちびりゃが俺の方へ泣きながらよたよた走ってくる。
何だ、何があったんだ?
ちびりゃがれみりゃより俺を優先するとは。
俺はその場にしゃがみ込み、走ってくるちびりゃを両手で受け止める。
おお、やっぱり肉まんボディは暖かいな。
寒空から帰ってきたあとはやっぱりこの親子と触れ合うに限るぜ。
「あぅ~…ぐすっ…まんまぁが…まんまぁが…」
「…れみりゃがどうかしたのか?」
未だに泣き続けているちびりゃに俺は質問をする。
何が起きたのかさっぱりわからん。
「まんまぁが…れみぃにぷっでぃんたべさせてくれなかったんだどぉ!!」
「おちびちゃ~ん!!ごめんごめんだぞぉ!!」
食べさせてくれなかった?
あの子煩悩なれみりゃが?
想像できないのだが…。
とにかく落ち着かせる方が先だな。
「ちびりゃ、とりあえず泣きやもうな。ほれ、な~でな~で」
俺はちびりゃの頭を帽子の上から撫でてやる。
「あぅ~…」
ちびりゃはされるがままの状態だ。
やはりなでなでは気持ちいいのだろう。
「ちびりゃ、とりあえずゆっくりしてから話してくれないか?」
「あぅ~…」
ちびりゃの話を要約するとこうだった。
おやつの時間になったのでちびりゃはプリンを食べたかった。
しかし、れみりゃがお昼寝の状態だったらしい。
ちびりゃは必死にれみりゃを起こそうとしたものの、結局れみりゃが起きたのは俺が帰ってくる直前だったらしい。
当然、ちびりゃはおやつのプリンを食べることは出来なかった。
…と、いうことらしい。
う~ん…そろそろちびりゃにもスプーンの使い方を教える頃合かな。
これの原因はれみりゃが寝過してしまったことではなく、ちびりゃがスプーンを使えないことなんだし。
「れみりゃ」
「…う~?」
未だに土下座したままの状態のれみりゃに声を掛ける。
れみりゃはやっと頭を上げ、俺の方を見る。
顔を見て気付いたが、れみりゃも泣いてたのか。
やれやれ、この親子には常にゆっくりしてもらいたいのだがな。
「ちびりゃにスプーンの使い方を教えてやってくれないか」
「うぁ?」
「すっぷ~んってなんだどぉ?」
そうか、スプーンという言葉自体教えてなかったっけ。
とりあえずここはれみりゃに任せるか。
「れみりゃ、ちびりゃにスプーンというものを教えてやってくれないか」
「う~…おちびちゃ~ん…すっぷ~んはぁ…ぷっでぃんたべるときにつかうんだぞぉ~…」
「あぅ?れみぃはすっぷ~んつかってないどぉ?」
そりゃお前は使ったことないだろうさ。
まあ、実物を見せた方が早いんだろうな。
「れみりゃ、スプーンを一つ持ってきてくれないか」
「う~!!わかったぞぉ!!」
れみりゃは立ち上がり、台所までよたよた走っていく。
れみりゃが走る姿が俺は好きだ。
一生懸命で可愛い。
まあ、どうでもいい話なのだが。
「もってきたぞぉ!!」
余計なこと考えていたらいつの間にかれみりゃが戻ってきていた。
れみりゃが持ってきたスプーンを俺に見せる。
「よしよし、偉いぞ、れみりゃ」
俺はれみりゃの頭を帽子の上から撫でてやる。
「う~♪」
れみりゃは気持ちよさそうに目を閉じる。
ぶっちゃけ俺が撫でたかっただけなんだが。
「う~!れみぃもなでなでしてほしいどぉ!!」
お、この展開は予想していなかった。
上手く行けばれみりゃとちびりゃの仲直りが出来るかもしれない。
「ちびりゃ、お前はれみりゃに撫でてもらえ」
「う~…まんまぁ?」
「おちびちゃ~ん…まんまぁのなでなではいやぁ~?」
ああ、れみりゃがまた泣きそうだ。
ちびりゃは俺とれみりゃを交互に見る。
う~ん、ここでちびりゃがれみりゃに撫でてもらえば丸く収まるんだがなあ。
ちょっと迷っているようだな。
まあ、さっきまで喧嘩してた訳だからな…。
ちびりゃはしばし迷っていたようだが、やがてれみりゃの方にとことこ歩き出した。
「う~…れみぃ、まんまぁになでなでしてほしいどぉ…」
「おちびちゃ~ん!!!」
れみりゃが満面の笑顔でちびりゃに勢いよく抱きつく。
…ちょっと勢い良すぎないか?
ちびりゃが苦しそうだ。
「…まんまぁ…くるしいどぉ…」
「ごめんごめんだぞぉ~!!まんまぁがおちびちゃんをなでなでしてあげるぞぉ~!!なぁ~でなぁ~で♪」
「あぅ~♪きもちいいどぉ♪」
「う~♪う~♪おちびちゃ~ん♪いっしょにぷっでぃんたべてゆっくりしようねぇ~ん♪」
「あぅあぅ♪れみぃおなかぺこぺこだどぉ♪」
すっかり仲直りしたようだな。
良かった良かった。
2人は仲良くテーブルの前に座る。
それはともかく、ちびりゃにプリンの食べ方は教えなければいかんだろう。
れみりゃが昼寝をする度に喧嘩をされては敵わない。
そして、それはれみりゃもちびりゃもゆっくり出来ないだろう。
「で、れみりゃ。ちびりゃにスプーンを見せてあげてくれないか」
「あっ、わすれてたぞぉ!!おちびちゃん!!これがすっぷ~んだっぞぉ!!」
「あぅ?これみたことあるどぉ!!ここにぷっでぃんのってるどぉ!!」
ちびりゃがスプーンの窪みの部分にその柔らかそうな指を向ける。
そりゃ毎日見てるだろうしな。
ちびりゃの中でやっとスプーンというものがどういうものかわかったようだ。
「う~…これでぷっでぃんたべるどぉ?」
ちびりゃがれみりゃからスプーンを受け取り、スプーンを手の中で遊ばせる。
「そうだぞぉ!これでぷっでぃんたべるぞぉ!」
「あぅ~♪れみぃもすっぷ~んでぷっでぃんたべるどぉ♪」
ちびりゃがやる気になってくれたようだ。
こうなってくれればしめたものだ。
とりあえずれみりゃに任せてみるか。
「じゃあ、れみりゃ。ちびりゃにスプーンの使い方を教えてあげてくれないか」
「うっう~♪れみぃにおまかせだぞぉ♪おちびちゃ~ん♪まんまぁといっしょにれんしゅうだっぞぉ♪」
「あぅあぅ♪れみぃはすっぷ~んますたぁになるどぉ♪」
うん、とりあえず一人でプリン食べられるようになってくれればいいや。
まずはれみりゃに任せて、俺はどうしようもなくなったら手を出そう。
「おちびちゃ~ん♪すっぷ~んはこうもつんだぞぉ~♪」
「う~?こうだどぉ?」
「う~!そうじゃないぞぉ!こうなのぉっ!!」
「れみぃわからないどぉ…」
「どぼじでわがっでぐれないのぉっ!!」
「わがらないどぉっ!!でみぃわがらないどぉっ!!」
雲行きが怪しくなってきたな。
そろそろ手を出すべきか?
「…う~…」
「う~…う~…」
唸りながらもスプーンを一生懸命握ろうとしている2人。
もう少しだけ様子を見るか。
「ぎゃお~!!すっぷ~んまじんだっぞぉ♪かわいいかわいいおちびちゃんはぁ♪ぎゃお~♪た~べちゃ~うぞぉ♪」
「あぅ~!!かりしゅまおぜうさまのとうじょうだどぉ!!わる~いすっぷ~んまじんはおぜうさまがせいばいするどぉ!!」
いや待て。
何故そうなった。
れみりゃが2つのスプーンの窪み部分を自身の両目に当て「ぎゃお~!」とやっている一方、ちびりゃはスプーンを二刀流のように両手に構えている。
「う~!いっくどぉ~!!」
ちびりゃがスプーンを使ってれみりゃの頭を帽子の上から叩く。
勿論スプーンなので痛くはないだろうが、れみりゃは叫びながら大袈裟に倒れる動作を始める。
「すっぷ~んまじんはぁ!!おぜうさまのかりしゅまによわいんだぞぉ!!ぎゃお~!!やられたぞぉ~!!」
「あぅあぅ♪すっぷ~んまじんをせいばいしたどぉ♪れみぃのかりしゅまはほんものだっどぉ♪」
倒れたれみりゃにそれを見て大喜びのちびりゃ。
…
え~っと、スプーンの使い方はどこに行ったんだろう。
しかし、食事の道具を使ってヒーローごっこで遊ぶとは…。
これはさすがに説教かな。
スプーンならまだ危険はないかもしれないが、これがフォークやナイフに発展したらとんでもないことになるかもしれん。
遊ぶ道具ではないってことを教えてやらないとな。
「おい、れみりゃ」
「はっ…?い、いまはすっぷ~んまじんだっぞぉ…れ、れみぃは…い、いないんだぞぉ…」
「あぅ~♪おに~さんもいっしょにあそぶどぉ~♪」
俺の存在に気付いたれみりゃとこれから起きることがよくわかっていないちびりゃ。
そういや、俺からちびりゃに説教したことってなかったっけか。
今までは基本的にれみりゃに任せていたからな。
今回ばかりは俺以外に説教する奴がいないから仕方ない。
「れみりゃ、ちびりゃ、正座だ」
「せ、せいざだけはいやだぞぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「あぅ?まんまぁどうしてないてるどぉ?せいざってなんだどぉ?」
れみりゃが泣き出してしまった。
思い出したのだろう。
以前10分間正座をさせられたことを。
人間にとってはたった10分でも、れみりゃにとっては酷く堪えたらしい。
よし、スプーンの使い方と正座のやり方、まとめてちびりゃに教えてやるか。
「ちびりゃ、まず膝を床に付けてだな…」
「あぅ?こうだどぉ?」
「そうそう、で、そこから…」
「ごめんなさいだぞぉ~!!!せいざはゆっくりできないぞぉ~~~~!!!!」
「れみりゃ、お前もきっちり正座しろ」
「うぁ~~~~~!!!!!!!」
3分後
「スプーンを遊び道具に使ってはいけない。わかったな?」
「あぅ~!!おあしがじんじんするどぉ~!!!」
「ごめんなさいだぞぉぉぉ!!」
さすがに可哀相になってきたので5分で開放してやった。
こう泣き叫ばれたら敵わん。
やれやれ。
あと、スプーンとよだれかけの使い方は説教のあとにきちんとちびりゃに伝授した。
これで今回のような喧嘩もなくなるだろう。
…
…今回の話ってこの二行だけで十分だったんじゃね…?
後書
パフェを食べるにはちびりゃがスプーンを使えるようになることが必要だと
ちびりゃのはじめてのぱたぱたを投稿してから気付きました。
結果、急いで書いてみると最初から最後までgdgdに。
出直して来ます。
- いいなぁ・・・
こんな日常ほしいな・・・
-- 名無しさん (2011-01-16 00:59:46)
最終更新:2011年01月16日 00:59