【2010・11年冬企画】危険なホテル!ゆっくり達は眠れない!-1

※下ネタ・カオス注意です。
※かにさんの作品である【2010・11年冬企画】「後で使えるかも」と思ってとっておいた箱を使う機会は実はあんまりない 1ページを必ず先にお読みください!!
 重大なネタバレを含んでおります!!


















↓大丈夫ならどうぞ








危険なホテル!ゆっくり達は眠れない!



【12月31日午後11時】


「ああ、もうなんて山道だ!!」

車が走行距離を増やす度に車内はガタガタと揺れる。
しかも辺りはすっかり暗くなっているので見通しが悪い。
くそっ、この車は四輪駆動じゃないんだぞ。
というか、この道は二輪駆動で走って大丈夫なのか?

「がぁ~たがぁ~たはゆっぐりできないどぉ~」
「ううう…おぢびちゃ~ん…じっがりじでぇ…ぐすっ…」

後部座席で大泣きしているちびりゃにすすり泣いているれみりゃ。
ああ、もうどうして新年からこんなことしてるんだか…。
俺はその犯人が乗っている助手席を一瞥する。

「ふふ、泣いてるれみりゃ達も可愛い♪」

それには同意だ。
…いや、そうじゃない。
お前がこんなとこまで俺達を連れてくるからこうなったってのに。

「男がガタガタ言うもんじゃないでしょ?」

何も言ってねえよ!!
…くそっ、また考えてることがばれてしまったようだ。
どういう原理なんだ?

「読心術は乙女の必需品だよ?」

やかましい。
誰が乙女か。
四捨五入すればみそ「グハァッ!!」

こ、この女…。
こっちは運転してるってのに思いっきり腹を殴ってきやがった…。

「さあ、早くホテルに着かないと年が明けちゃうよ!!ハリー!ハリー!」

…くそっ…。
こいつに言われるのは非常に腹が立つが、言ってることは御尤もだ。
俺は改めて前方に集中する。

「ふふ、よろしい」

くそっ、ホテルに着いたら覚えてろ。
俺は助手席に座っている女…姉貴に向かって呪いの言葉を心の中で呟く。
多分これも読まれているんだろうがな。

…恋人じゃなくて悪かったな。
車に付いている時計を見ると、すでに午後11時を回っている。
もらった地図が滅茶苦茶で散々山道を迷ったのがこの結果だ。
あと一時間で新年になってしまう。
何故新年から姉貴と一緒にホテルなんざ向かわないかんのか…。
そう考えると悲しくなってきた。

「商店街のくじ引きで一等が当たっちゃったんだから仕方ないじゃない。れみりゃ達を連れて行きたかったんだもん♪」

ああ、もう!!
いちいち心の中を読むんじゃねえよ!!
俺が口下手になったのは絶対姉貴のせいだからな!!

「弟君ひっど~い」

姉貴の言葉はスルー。

「れみりゃ、ちびりゃ、もう少しだから。もう少しだから頑張ってくれ」
「うぅ~…もうずごじっでどれぐらいだどぉ~…」
「ず~りず~りだぞぉ…ぐすっ…」

後部座席ですっかり泣いてしまったれみりゃ達。
ああ、どうしよう。

「私にお任せだよ!」

姉貴に出来るのかよ。
まあ、今の状況じゃそれくらいしか役に立ちそうもないけどな。

「じゃじゃ~ん!!こんなこともあろうかと!!ぷっでぃんを持ってきていたのだ~!!く~!!一度言ってみたかったんだよねこのセリフ!!」

大の大人がぷっでぃん言うな。
まあ、この時ばかりはGJだ。

「ふふ、ありがとう。れみりゃ~、ちびりゃ~、ぷっでぃん食べてゆっくりしようねぇ~♪」
「うぁうぁ♪ぷっでぃ~ん♪」
「あぅ~♪れみぃおなかぺこぺこだったどぉ♪」

プリンを見て泣きやむれみりゃとちびりゃ。
…我が家族ながらこんな単純で良いのだろうか。
まあ泣きやんでくれた事には変わりない。
俺は一刻も早くホテルに着くようわずかに車のスピードを上げた。

「うぁうぁぁぁっ!!がぁたがぁたこわいぞぉぉぉ!!!」
「あぅぅぅぅぅ!!!でみぃがえりだいどぉぉぉぉぉ!!!!」

…揺れが酷くなってしまった。







「…や、やっと着いた…」
「うっう~!とうちゃくだっぞぉ!!」
「あぅ~!!よかったどぉ~!!」
「うぉうぉ~!!お姉さんも嬉しいぞぉ~!!」

ゴリラかお前は。
れみりゃの真似をしようとして外してんじゃねえ。

何はともあれ、車を停車させ、やっと着いたホテルを見上げる。
…真っ赤だな。
れみりゃ達が好きそうな雰囲気だ。

で、駐車場はどこだ?

「あっちじゃない?」

俺は姉貴の指差す方向を見る。
成程、車が停まっているのが見えるな。
あっちで間違いなさそうだ。

俺は再び車を移動させる。
ああ、さっさとゆっくりしたい。

さて、空いてる場所は…ん?
今、何か変なものが見えたような…。
気のせいかな?

「うぁ?」
「あぅ?」

れみりゃ達も何かに気付いたようだ。
やっぱり気の所為…じゃない…よな?





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    ,ト、_/|___>-‐ァ7"´  ̄`ヽ、 `メ、
   く  \/|>-‐──- 、., /| \_ノ\
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..!:::::::|::::ト、   ヽ _ン    '/レ'::|::::|:::::::::::::::| |_/|    ~ヽ
..∨´|\|::へ、      /:::::::/:::/:::::::::::::ノ /  /      ヽ.
  |/|  レへ::`>r-‐,∠::__;:イ/|::::::::;:イ/_,/       ヽ.
  \_ \ /´ カナこン´  `  /レ'´ /_,/         i
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     \/_/_/_/_/_/_/___/ ,; ノ         ヽ
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      |   ;:|`ヽ、__ヾ   , /;;;;;;;:::"/!     ヽ   |
      i   ;:|     ヽ    ,| ヾ、   `)     \  !、
       !   ;|      |    |   ヽ  :/       ヾ  :i!
       |  ;:|       !  ,:,i    / .:|        |  :|
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    /rrrn ノ      /   /               LLL,,,ノ
             (,rrn_,,,ノ



な、なんか変なのがいるうううううううううううううう!!!!!!
何だよこれ!!
これもゆっくりなのか!!?

「かわい~♪」

いや、確かによく見れば可愛くも見えない事もないよ!
でも何か色々と間違っている気がしないか!?

「え?何が?」

…もういい。
姉貴に常識を求めようとした俺がバカだった。

俺はその生物の方を見ないようにして車を駐車する。

「うぁうぁ♪おっきかったぞぉ♪」
「あぅ~♪れみぃもあれくらいおっきくなりたいどぉ♪」

いや、あそこまで大きくならなくて良いから。
家の中に入れなくなるから。

俺達4人は車を降りる。
あの生物の方は見ない。
絶対見ない。

「れみりゃ、ちびりゃ、さっさとこーまかんに行くぞ」

れみりゃ達があの生物の方に走って行ってしまう前に先手を打つ。
面倒なことに巻き込まれたくない。
早くゆっくりしたい。

「うっう~♪こーまかんがれみぃをまってるぞぉ♪」
「あぅ~♪はやくゆっくりしたいどぉ♪」

れみりゃとちびりゃはホテルのある方に歩いてくれる。
良かった…。

「ねえ」

ん?
姉貴が俺に話しかけてくる。

「なんか、あの子悲しそうじゃなかった?」

ん…。
確かにあんなところで一人でいればな…。
だけど、俺達じゃどうしようもないんじゃないか?

「まあ、そうなんだけどね…」

少し悲しそうな姉貴の顔が見える。

なんかこういうのって嫌だよなあ…。
姉貴は笑ってる方が似合うのに。
…って何考えてるんだ、俺は。

「ふふ♪」
「うわあっ!!」

目の前に姉貴の笑顔。
…いつの間にか回り込まれたらしい。

「ありがと」

ん?

「心配してくれて」

…いや、そういうのじゃない…はず。

「うっう~♪おにいさ~ん!!おねえさ~ん!!」
「しゅっごいどぉ♪おっきなこ~まかんしゅっごいどぉ♪」

れみりゃとちびりゃが手を大きく振りながら俺達を呼んでいる。
早く行かないと怒られちまうな。

「れみりゃ~~!!ちびりゃ~~!!待って~~~~!!!」

姉貴が走っていく。
満面の笑顔で。

「早く来ないと置いてっちゃうよ~~!!!」
「うっう~♪おにいさんもはやくぅ~♪」
「あぅあぅ♪おに~さんもぉ♪おっきなこ~まかんでぇ♪ゆっくりするどぉ♪」

いつも通りが一番ゆっくりできるって奴だな。
やれやれ。

「今行くって!!」

…俺は手を大きく振っている3人に向かって叫ぶ。
叫んでから気付いた。

…俺は車から降りてから姉貴に向かって一言も自発的に言葉を発していないことに。
それなのに会話が成立していた。

やっぱ姉貴こええ。





ホテルの前まで歩く。
近くで見上げると、また凄い存在感だな…。

「うっう~♪おっきなこーまかんだっぞぉ♪うぁうぁ♪」
「うぁうぁ♪まんまぁとぉ♪おに~さんとぉ♪おね~さんとぉ♪おっきなこ~まかんでゆっくりするどぉ♪うぁうぁ♪」
「うっお~♪お姉さんも美味しい物食べたいぞぉ~!!」

やめろ。
可愛く踊るれみりゃ達の横で不細工な踊り見せつけるんじゃねえ。
お前確か高校時代に「グハァッ!!」

くそ、また腹を殴りやがった…。
いてえ…。
シャレにならねえ…。

「さあ、寒いから早くホテルの中に入ろうねぇ~♪」
「あぅ~…さぶくなってきたどぉ…」
「うっう~♪おっきなこ~まかんだぞぉ♪うぁうぁ♪」

暴力女がれみりゃとちびりゃの手を両手につなぎながら満面の笑みでホテルに歩いて行く。
くそっ、俺を置いて行くなよ。
俺は腹を抑えながらもその後を走っていく。

マジぱねえ、この痛み。




「とうちゃ~く!!」
「とうちゃくだっぞぉ♪」
「あぅあぅ♪ぽぉ~かぽぉ~かだどぉ♪」

ああ、やっと着いた。
さっさと部屋に入ってゆっくりしたいぜ。

まずは受付に行ってチェックインしないと…。

「むっきゅっきゅ…」

こ、この腹の底から湧き上がるような野太い声は…。





              r''´ |   /|  「ヽr'´、, -、 . --.、ノ)クヘ ''''''i  _,,... -‐ '' ´ |   /\
                  l   レ'´  |  [>r'>ソ~;:::::::Y::l:::i:::::ム〉 ノ〉 ' |      」  /   \
              l     ,. ┘ く/::/イ:::/!:::ハ:::|:::l、:ヽ',y、   |    ,. -''''´ /     \
            ,..-''´   r '´,.-'´|  l:/:厶XLィ/ Lハメ、:ノ:ハr'    └ '''´    /        /
     r‐ ''''7   r'´   , 、   !''´  .| ,ノ|:::| (ヒ_]    ヒ_ンY::|〈‐-、-- 、_     /     /
   /   / /ヽ l   / 冫    / //.l:::|   ,___,  |:::||'、.,_'、  ヽ    /    /
   /   /<   ヽl/ /    r´‐l (::|::|:::|、  ヽ_ン   |:::||::::l `ヽ、.:.゙、_  /   /
  /  /  >    ヽ r'   ,.ヘ / / /|::|::|::\____/:|:::|:-:リ....  .:.:.:::l!`ヽヽ、/
  /  //,. ヘ   \ /  / /  l:. .:.::l__:.:_,:.:.:.、 , __.:.:.:.:.:、:.:.:.:.,. -─-、ノ  :l、 `
 /  ' /   ゙、  //   |  :.  .:.:.:.:.::/´  ``ヽ!´_ ``ニ7´:   .:.:.:l....:ハ、
../  /       ゙、/       l:.:.:.:........:.:./ヽ`ヽ. ̄`l!:.:................:.:l ヽ   .:.:.l.:/:  ヾ,、
//    _,. -─- 、       /':、:.:.:::::::/:.:  ヽ ヽ:ノ:.丶、:.:.:.:.,/!:ヽ  .:.:::::;::'´'、   ゙;ヽ
     ,r'  そ   \    ゙、 、`ー-〈:.:.:.    l:.:  ... ` ̄ ノ、:.:`>‐-、r''´ ̄``  }ヽ
     l   こ    |     `ー、:.''、ヽ:.:.:.......,:.:ノ-‐'':.`ー-‐:.r''フ-∠.,__ノ:′  ...:.:./...,冫
     |    ま     |        ゙、  ヽヽ;,:.ノ''´ ̄ヽ、.....:.:./ i r‐''`Y`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.-'':.:.:.:/
     l   で    >        \ :.... ``''‐- 、._ ``'''''`ヽ...:.:.「'′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
     ヽ、 よ   /         ヽ::.:.:.:.:.:.:....  .......:.:.:.:.:.:.,..ノ‐--一 '''´ ̄ ̄ ̄
        `ー─-- '´         /'、__`'-:.:.:.:.:.-‐,. -‐''7




で、出たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

吹雪の中でもビキニ一丁で寒くないその鍛え上げられた肉体!!

ゆっくりなのに鋼鉄のように堅い筋肉!!

その名は筋肉怪人マッチョリー!!

相変わらず歪みねぇ筋肉だぜ…。



「で、弟君。盛り上がってるとこ悪いけど、この歪みねぇ筋肉の方はどこのマッチョリーさんなの?」
「うっう~♪まっちぇだぞぉ♪」
「あぅあぅ♪まっちぇまっちぇ~♪」

…はっ!!
まさか姉貴の言葉で正気に帰るとは…。
一生の不覚。

え~と、どうせ口で言わなくても姉貴に伝わるだろうから心の中だけで言うが。
こいつは、近所に住んでいるマッチョリーと言うゆっくりだ。
といっても最近まで知らなかったんだけどな。

「ふんふん」

いや、さっきもそうだけど普通に相槌うつなよ…。
マジで心を読まれてると考えると恐くなるんだが。
俺にはプライバシーというものがないのか?

「ないかもね?」


…まあいい、話を続けるぞ。

「は~い!」


れみりゃやちびりゃと一緒にいるところを偶然出会って、それからはちょいと目を付けられてしまったようでな。
どうしてこんなところにいるのかは俺にもわからん。
まあ、そんな感じ。

「へぇ、れみりゃ種とぱちゅりー種って仲良くなること多いらしいもんねえ」

うむ。
大人っぽいぱちゅりー種と子供っぽいれみりゃ種は何だか知らんがウマが合うのか仲良くなること多いらしいな。
我が家のれみりゃ達もその例外ではなかったってことか。
現にれみりゃもちびりゃもマッチョリーのことを『まっちぇ』と愛称で呼んでるもんな。
しかし…他のぱちゅりー種じゃダメだったのかな…。

俺はマッチョリーの方をちらりと見る。

「うっう~♪まっちぇ♪まっちぇ♪」
「あぅあぅ♪おっきなおやまさんだどぉ♪」
「あぁん?最近だらしないわね?れみぃ達にはプリンにプロテインを掛けることをお勧めするわ、むっきゅっきゅ…」

そこにはマッチョリーの前で踊っているれみりゃに、マッチョリーの肩の上に乗っているちびりゃ。
だが、今の俺にはマッチョリーの発言の方が気になってしまった。

プロテインを飲んでマッチョなれみりゃ…。
ちょっと想像してみる。





         ,. -───-- 、_
    rー-、,.'"          `ヽ、.
    _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
   く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、
    \::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>
    r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒  `!  i  ハ
    ヽ/ ! /// ヽ_ ノ /// i  ハ   ',   うー♪
    .ノ /l           ハノ i  ヽ.
    〈,.ヘ ヽ、        〈 i  ハ  i  〉
     ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ
   /⌒`γ´`''" '"´``Y'""``'j ´`ヽ/⌒ヽ、
  〈r'^ヽi { ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l /  i' \
      '、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ⌒ヽ、ノ   i
       ヽ、,  ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/    ⌒ヽノ
        `''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'
          ,ノ  ヾ  ,, ''";l
         ./        ;ヽ
        .l   ヽ,,  ,/   ;;;l
        |    ,ヽ,, /    ;;;|
        |   ,' ;;;l l ;;'i,   ;|
        li   /  / l `'ヽ, 、;|
       l jヾノ ,ノ  ヽ  l  ,i|
       l`'''" ヽ    `l: `''"`i
       .l ,. i,'  }     li '、 ;;' |
        l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_
 , .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __  __, -―- 、;; ̄`l
 ;;  ,__   ;;'    r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;|    lヽ, /
;, Y´| l  __  /`'| |   |  l  l;|     l ヽ
  | |.;;l_,-'l | V | |.l .|   .|    l  i i   | ;lヽ
 |.| ''.|/ l  |;;;| | | | ;|  |   | ;l l| i ;;;; l |
;; i /   .il /| |.| |  |   i  |   | l i  '`i l /





うあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!

絶対にいやだああああああああああああああ!!!!!!!

「ちょ!弟君!落ち着きなさいって!!」

お、俺のれみりゃがマッチョに…。
想像するんじゃなかった…。
思わず頭を抱えてしまう俺。

「はい、深呼吸。深呼吸…」

すぅ~、はぁ~。
よし、落ち着いた。
マッチョなれみりゃなんてどこにもいない。

「なあ、姉貴。俺の叫びは声になってたか?」
「ううん、心の中だけだから安心して」
「…そうか。…良かった…のか?」

やはり姉貴は第3の眼を持っているのだろうか?
天津飯じゃない方の。

「クリリンとどっちの方が強いんだろうね?」

俺はクリリンに一票だ。
気功砲って不意打ちじゃないと当たらないだろうし。








まずは受付に向かう俺達。
何故かマッチョリーも付いてきたけど気にしない。
聞くのが恐い。

「そんなに怯えなくても…ねえ、マッチョリー♪」
「むっきゅっきゅ…仕方ないわね」

いきなり仲良くなってるんじゃねえって。

「いらっしゃいませ!当ホテルへようこそ!」

笑顔が眩しい女性だな…。
女っ気に乏しい人生だからか尚更そう感じてしまう…。

「弟君の周りにはちゃんと女の子がいるじゃない」


それは誰のこと言ってるんだ?

「れみりゃでしょ?ちびりゃでしょ?それにマッチョリー♪」

何でだよ。
れみりゃとちびりゃは可愛いが、そういうのじゃない…というか人じゃなくてゆっくりだろ。
この筋肉達磨は出来るなら視界にも入れたくない。

「ナニが欲しいの?」

マッチョリーが俺の耳元で囁く。
奴の息が俺の耳をくすぐる。

欲しくねえよ!
お前からは何も欲しくねえよ!
なんか発音がおかしいよ!

「いや、何も欲しくないから…」
「マッチョメン、嫌?」

嫌だよ!
というかお前は男だったのかよ!
女だったらマッチョウーマンだろ!!
しかもメンだったら複数形だろ!!

「あ、あの…」

やべえ、受付嬢が引いてる…。
とりあえずマッチョリーは無視だ。
さっさとチェックインを済ませよう。

「あ、すみません…チェックインを…」  



ドガアアアアン!


うわっ、何だ!?
受付の中の方から…爆発音!?

「お、お客様、安心なさいませ!今のはいわゆるアレ…あ、アレでございます!」

アレって何だよ!!?


「ぁあああああああああああああ!」


ドガアアアアン!




「うわああああ!?上から全裸のおっさんが降ってきたぁ!?」

あまりの衝撃に思わず叫んでしまう俺。

しかも地面に突き刺さった!?
何なんだよ、これ…。
しかもこのオッサンの恰好が全裸にタオル一丁だから…その…股間のアレが…。

「へぇ…ポークビッツってとこかしら」
「細いTINTINねーwww」

おい馬鹿やめろ。
姉貴は遠慮なく眺めてるんじゃねえ。
恥じらいってものがないのか。

マッチョリーはもう黙ってろ。
というか、お前はいつまで付いてきてるんだ。

「う~?あのにんげんさんなにしてるんだぞぉ?」
「あぅ…あのぶらさがってるのはなんだどぉ?」
「れみりゃ、ちびりゃ、あんなもん見るな。見てはダメだ」

れみりゃとちびりゃの綺麗な深紅の瞳が汚れる。
あのオッサンのモノを悪く言うのは申し訳ないが。

「わかったぞぉ♪」
「あぅ…」

この2人が良心だな…。
やっぱ可愛いわ。

「弟君とどっちが大きいかな?」

この女は…。
せっかく人が和んでるのに…。


勝ってる…と言いたいが…う~ん…。
ってんなこたどうでもいいんだよ!!


「…いきゃぁああああああああああああああ!」


うわっ!!
さっきまで俺と話していた受付嬢がオッサンを殴り飛ばした!?
オッサンがそのまま出入り口の窓を…突き破ったあああああ!!

…大丈夫なのか?
あのオッサン。

「おお~、ナイスパンチ~!!」
「しゅごい…」

拍手をする姉貴にそのパンチに感心しているのか呆然とするマッチョリー。
そして置いてきぼりの俺とれみりゃとちびりゃ。

「あぅ~…れみぃゆっくりしたいどぉ…」
「う~…まんまぁもだぞぉ…」
「…チェックインいつになったら出来るんだろう」

早くゆっくりしたい…。

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最終更新:2011年01月19日 05:48