,. -''"´ `' 、
,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、`ヽ
// `ヽ`フ
/ .,' /! /! ! ハ ! ',
( !ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ
( ノ レ rr=-,::::::::::r=;ァi"/! ノ
) ,.ハ '|  ̄  ̄ ! ヘ(
) '! ト.、 -=ョ ,.イ i .ノ
ノヽ,! i`>r--‐ i´レヘ ノ
∬ ヽ(へ レィr'7ア´ ̄`ヽ. )'
┌-┐ ノ /イ Y
(i _i rくヽ/!ノ __ ,ゝ
\ \/`/::メ:::`ヽ、_二、___イ
「ああもう!解っていたけどキリがないわね!
こうなったら力ずくで出て行ってもらうわよ!」
,. -‐-、 ,.- 、
/ i /, ヽ.
/ ハ├──-//i i
,' ┛┗::::::::::::::::::ヽ、! |
i /:┓┏:::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ
〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
ハ:::::::レヘ::i' ttテュ,:::::::::,rェzァハソ:::ハ
|::::::::ノ:::l:| ,rェェェ、 l:::::|::ノ
ノ:::::::::::::ハヽ、 |,r-r-| ノ::::i:::(
イ:::/::::::/:::イヽ>`ニニ´i':´イ:::ハノ
〈rヘ:::::!::レ´ `y二」ヽレ':::〈
「上等だよ!やれるもんならやってみな!」
/( _,,....,,....,,....,.,,.( ( r r ∠
( /''r''''ヽ:::::::::::::::::::::::::::;;;;/./ニ>
/ ̄ヽ{ ' }::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..,,_..,,
 ̄フ...人____( ) )''''''''' '''''ヽ_..,,-"
"-:::/ / i ヽヽ
i { { ! i i i ; i ',
ノ ヽ ヽ ゝヽ人人、/_ノノ i ',
` i \ヽrr=-,:::::::::::r=;ァ| ノ i
,' | ).)" ̄ ,rェェェ、 ̄"' |/' | !
ノ | ,ノ |,r-r-| 人 V ノ ,.、 __
/ | ( >、.._ `ニニ´i.イ ヽ ヽ(_,i !,,.-''" ノ
人 ヽ /ヽ二ン ヽ \ \.! ヽ -=ニ__
〈 人 \ 〉/:::::{::}::::ヽ i !, ヽ,! ! ‐--,'
) \ ''ヽ:::::::人::::;::ヽ r/ ヽ ー,--'
く 人 (::::ノ|・|ヽ:::ヽ、_ /! 7`\ ̄
人 /=∞=/)._ \ ヽ||・||) !`ー,ヽ-' ∧ \
/ .〈 ヽ、/ ) . /||・||( / ヽ\ )
\, .\ヽ ( ( (||・||) > 人 \) )/
「おいぃ、いい加減にしてくれないとせっかくの花見が台無しになってしまうんですかねぇ…!」
/^\ ,.へ___
/ >''´ ̄ ̄`'''ヽ7
| /´ _ _'ヽ、
〉 / /´ / , 、 、 ヽ〉
/ i イ レ\ ハノ! /i i
└rイ レイ (ヒ_] ヒ_ン)ハヘ| n⌒i
く_ノ 〉 i"" ,______, iハ _,,.! ノ
ハ. i ハ、 |V ヽ/V 人|´ /
i\レヘハレへ、 _ヽ _ン ,.Vヽy'´
ヽ、,_`ヽ,r'´ `ト、 ∞」 i ノ
<  ̄〉、___ノ  ̄ Y/
>_/ /〉 , , 、!_ゝ
`(⊆ノ/ / ! ハ
くヘ,.へ_,.へ__,.ヘ,.ヘ
`'r、__ハ___ハ__!ン
ト_ン ト_ノ
「それはこっちのセリフだよ!アタイは早く飲んで歌って騒ぎたいんだ!」
そうこうしている内に場の空気は険悪な状態に。
こうなるともうチョットやそっとじゃ収拾がつかない、
「ど、どうしたら良いんだど…。」
れみりゃが完全に困りはてていたその時だった。
ガサガサガサ!
茂みが激しく動いたかと思うと、誰かが茂みから飛び出してきた。
「ちょっとあんた達、仮にもゆっくりがそんな険悪な空気でどうするのさ。」
殺伐としたこのゆっくり中央公園に救いの手が!
, -‐ 、, -─-- 、.,_
,.i rr=-! `ヽ,. -、
./ ゝ-‐' _____ !. r=;ァ
_,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー:'
,. ''"´ /´ / ;' _;'_;'_ ! /! ;`ヽ,ヽ、
'.、 .;' ', i ´ハ_」_/|/ ! メ! ,!ヽ,. ヽ.
`Y i Vレ'7 レ' 」ソノ., ', ';
_ノ i ,ハ i.rr=-, r=; ァ Y.ノi i
`.>' (__  ̄  ̄ ノ!イレ' ノ
∠._ ノ | |、 'ー=-' _)‐''"´
レ'´ヽ、 ! iソ>,、.,,_ _,,. イ |ヽ.
'ァ| !>;`ヽ、「、,ハ.| !ヘ)
/ ! !、::ヽ、.,___ノヽ. ! |
,:' `ヽ! ';::::::::ヽ::`'; 'レヘ!
「まったりのんびり、これがゆっくりの極意でしょ。」
訂正、殺伐としたこのゆっくり中央公園に更なる混沌が。
歩く性欲、諏訪小僧がてゐ達の前に現れた。
「…諏訪小僧、あんた何でこんな所に居るのさ。」
「さしあたって逮捕ね、だれか手錠を持ってきて。」
喧嘩腰で諏訪小僧を睨みつけるてゐとレティ。
「何さ、まだ何もしてないのに逮捕なんて穏やかじゃないねぇ。」
睨みつけられても諏訪小僧はどこ吹く風で笑いながらそうそぶく。
「じゃああんたは一体何をしに来たっていうのさ!」
「こんな桜満開日和に公園に来るやつなんて花見以外の目的はありえないでしょ、
決して花見で酔った勢いでしっぽりやってるやつらを除きに来たんじゃないよ?」
諏訪小僧はそう言って後ろ手を組む。
てゐ達は見逃さなかった。
後ろ手を組むついでに、ポケットの中にさりげなく超小型高性能カメラを隠していた事を。
(やっぱり覗きが目的じゃない…。)
その場にいるゆっくり達全員がそう思った。
「そんな事より、花見の席に来てまで喧嘩腰なんて色々な意味でよくないよ。
どう?この場は私に預けてくれないかな?」
諏訪小僧はてゐ達にそう提案してくる。
「アンタに預けて何がどうなるっていうのさ。」
てゐがそう言うと、諏訪小僧はこう問いかけてきた。
「要はあんた達、花見をする場所でもめてるんでしょ?」
「ええそうよ、ここは私達が毎年花見をする場所って決めているのに、それをこいつらが勝手に…。」
「こういうのは早い者勝ちって相場が決まってるでしょ。
誰も居なかったからこの場所に決めたんだけど。」
「そういう事にならないように、大妖精を先に行かせて場所取りさせていたはずよ、
あいつ、どこに行ったのかしら。」
× /i
× _,,.. -─- 、., / | /i
ト、 ,. '"´ `'| !/'⌒ヽ./
____ | ,ゝ' `ヽ!/i ',.
ヽ. ``ア / , i . ', Y| i
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>,ゝ/ヽ、ノ::V:::_」∠::::7ァ_>ァ、 ×. ', /ヘ.7'(ヒ_] ヒ_ン )".! | i ! | /i
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/ キア'" ', 、`フ |/i ハ、 ヽ _ン ,イ ,ハ| ,ハ/ ハ/ / ,'
,イ / / ,ハ! / ! _!_ i ! Y 、., / /|/ i`> 、.,,__,. イ _i / |/Vi / i '" /
'、!,イ ,' /´___!_ i ハ _ノ_`ハ/ ノ . `ヽ,' レヘ. |_!>rァi__,,.インレ'´ ̄`ヽ.!/ヽト、.,_ノ /
ノ ', レ、 !ァ´ノ_」_ノレ' レ' ソ`Y i、( 、,ノレ'ヽ,アヽ!、:7/ム / /::i Y /
( ソ'´ Vi rr=-,::::::::::::r=;ァ ハヘノ' ヽ、 / i::〈/ヽ、,〉、,/:::/ i_,,. -‐''"
y'´ ! !. '" ̄  ̄"'ノノハ `' ーi _,!レ'‐‐ヘ|':::::::r!__,!ー- 、.,_/ト、
,' ! , ヽ、_,ゝ " 'ー=ョ ハ ! /`Y`'"´|:::::::i:o:::::::::::::'7 /ン' \
'、 ゝ、ノ )ハゝ、, ┌─┰─┰┐ソ . ,.' !┌┰─┰─┬┐ /ヽ、 ヽ.
`ヽ(ゝ/)ヽ,ノイi,`| ┃ ┃├─────────┤┃ ┃ ││ /、 `''ー----`'
「大ちゃんならあっちでポケモン交換していたけど?」
「だいようせぇえええええい!」
ボグォアッ!
れてぃの一撃で大妖精は宙に舞った。
そのまま地面に落下、ヤムチャのポーズで倒れこむ。
「れ、レティさん酷い…あと少しで私のヒトカゲとゼクロムを交換できたのに…。」
大妖精は涙を流しながらレティにそう訴える。
「アンタのポケモン、初代の奴なのにどうやって交換するつもりだったの!?
そんな事より場所取りサボって何してるのよあんたは!」
「いや、暇だったのでポケモンしていたらつい没頭してしまって…。」
「おかげでこっちはややこしい事態になってるのよ解ってるの!?」
レティに怒鳴られて、大ちゃんは小さくなってしまった、大妖精なのに。
「…まぁ、とにかく、お互いここが自分の場所だと言って譲らない訳だ。
まぁ、そうなると何か勝負をしてその勝敗で決めるのが妥当だろうねぇ。」
「…でもこいつらにで勝負事なんかさせたら絶対中央公園に血の雨が降るど…。」
れみりゃがそう言って不安になるのを聞くと、諏訪小僧はにやりと笑った。
「だったら血の流れない勝負にすればいい!
私が考案したこの勝負なら血は流れないよ!」
諏訪小僧がそう言って懐から取り出したものは!
ロ ┌──────┐
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γ(ノ iつ └──────┘
彡__ノ
「…わら半紙と。」
「筆?」
右手に書道とかでよく使うわら半紙、左手で筆を高らかに掲げながら諏訪小僧はこう宣言する。
「チキチキ!恥じらうゆっくりは…萌える!恥ずかしい言葉見せ合いっこ大会ぃいいいいいい!!!」
「………。」
「……………。」
「………………おいぃ。」
その場にいるゆっくり全員が、いやな予感しか感じないタイトル名だった。
「…あの、一応聞いておくけど一体どういう勝負なんだど?」
いやな予感しかしない、いやな予感しかしないが聞かなきゃ話が進まない。
れみりゃの問いかけを聞いた諏訪小僧は待ってましたとばかりに説明を開始する。
「まずびっしりと生い茂った茂みを、黒い水で濡らし、白い紙に恥じらいの言葉をつづるのさ。」
「筆でわら半紙にエロい言葉を書き込む行為を官能小説のように表現するなバカ。」
「で、まぁお互いに書いた言葉を見せ合って先に顔を赤らめた方が負け、
ね、これなら官能的でかつ平和的でしょ。」
「官能的な所はいらないけど…まぁ、暴力沙汰になるよりはまし、かな?」
諏訪小僧の説明を受けてれみりゃはそう呟いた。
「決まりだね、さて、話はテンポ良く進めないとね!ほら!」
諏訪小僧はそう言ってフラン達が敷いたビニールシートとは別のビニールシートを指さした。
いつの間に用意されていたビニールシートの上には、筆と紙がそれぞれ二つずつ置いてあった。
「勝負は三回戦!てゐさん達と公安⑨課、それぞれが代表ゆっくりを3人ずつ選んで
対決する!それじゃあ一回戦誰が戦うかゆっくり決めて行ってね!」
諏訪小僧は話のテンポをあげんとばかりにチャッチャと話を進めていく。
そんな訳でてゐ達と公安⑨課のゆっくり達はお互いに作戦タイムに突入する。
公安⑨課は全員で輪になって話し合っている。
「…何だか面倒なことになったわね。」
れてぃはそう呟いて深くため息をついた。
そんなれてぃに対してちるのが立ち上がってこう提案する。
「別にアタイ達が諏訪小僧の言うこと聞く必要ないじゃん!万事屋ごと逮捕しちゃえば?」
「…ばか、さっきは頭に血が上っていたから深く考えなかったけど、
ここで騒ぎを起こしたら花見はおじゃんよ。」
「…あ、そっか。」
れてぃの説明を聞いてちるのは腰を落とす。
チルノだってお花見したいのです。
「…で、先鋒は誰が出るべきかしら…やっぱりそっち方面の知識に疎そうなちるのかしらね…。」
: ∧ :
: |::::| :
: /´ ̄'!☆|"´ ̄\ :
: / / |::::::| \ :
: / ノ |:::::::! \__\ :
: ∠〃 {ノノ_ハ_V レ'、_i_l>\__> :
: /'レ小(◯), 、(◯) 从l \ :
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. : / ',, :
: / ', :
. : ├─────────┤ :
. : lニニニニニニニニニニニl :
: lニニニニニニニニニニl :
. : ',─────────/ :
: }ニニニニニニニニニ{ :
: jニニニニニニニニニ', :
「いや、私が出る。」
と、いきなりゆうぎがれてぃに向かってそう言ってきた。
「…ゆうぎ所長、いきなり何を言ってるんですか?」
「頼む!私を出させてくれ!敗者の汚名を晴らしたいんだ!」
ゆうぎはすごい勢いで土下座し、TENGAからローションが飛び出してくる。
飛び散ったローションはレティの顔に着いた。
「…どうしよう、何か所長凄い勢いで懇願してきてるんだけど。」
レティは顔に付いたローションを拭いながら⑨課の面々に問いかけた。
「別に良いんじゃない?」
「あの勝負で所長に危険が及ぶことはないだろうしな。」
「ローション顔につけた副長何気にエロいね!」
⑨課の面々は所長の参加に異議はないようだ。
「…ま、確かにただの書初め勝負で所長に被害が及ぶなんてあり得ないわね…
後、最後にローションが何とか言ったやつ奴、減棒ね。」
こうして減棒の知らせを受けて「うわぁあああああああああ!!!」と言っている奴以外、
実に平穏に先鋒の選手が決まったのであった。
~☆~
「あっち、先鋒はあのTENGAやる夫で決まったみたいだよ。」
で、それを自慢の耳でちゃっかり聞いていたのはてゐである。
いつの世も諜報活動は勝利のカギを握るのだ。
「へぇ、で、こっちは誰をぶつければいいんだど?」
れみりゃはてゐにそう問いかける。
「…ぶっちゃけ誰をぶつけても同じだよね、この勝負。
テキトーに顔じゃんけんで決めない?」
帰ってきたてゐの答えは実に雑なモノでした。
「…盗み聞きした意味が無いのは確定的に明らか。」
てんこは呆れた表情でそう呟いた。
「あのさ、誰でもいいならあたしが出てもいいかな?」
と、フランがてゐ達にそう言って来る。
「え…?いや、別にいいけど。」
「…フラン、何考えてるんだど?」
れみりゃは不安げな表情でフランにそう問いかけた。
⑨課の所長とフランの組み合わせ、もはや嫌な予感しかしない。
具体的には血の海的な。
「…あのやる夫さ、事ある毎に現れて決闘だなんだ言ってくるのよ、
その度に軽くあしらってきたけど、それでもしつこく挑んでくる。
いい加減疲れたのよ…だから。
,.へ ___,.へ
__,,. --─'──`<.,,/:::::::ト、
,. '" `'く:::::::ト.
∧ / ゝ____,.へ--、へr-、ノ i、::::! | /!
V i__,.へ!_,./--'─'--'-<ヽi__/ Y | /」
__i. r'へ,.イ / ハ ハ i `ヽ7、.| .|/
∠__,.ヘ `Y´ / / ノ__,/,.ィ レ' 、!__ハ i i iヘ| |<>
/iヽ. i イハ ハ|:(◯)::::::′(◯)!_!ィヘ.| .|
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∧ `ヽ、ノ 〈 ハ. ヽ _ン .从ヽレi. |
V /!〈rヘハ!|>,、 _____, ,.イハ ハ〉 レ'
|/
終わらせてくるわ、すべて。」
フランは笑顔で恐ろしい事を言い放つ。
その笑顔にてゐ達は薄ら寒いものを覚えたのであった。
~☆~
「ハイ、それじゃあお二人とも準備はいい?」
ジャッジ役の諏訪小僧は退治する二人に問いかけた。
二人の目の前にはわら半紙と筆。
これから二人はこの紙に筆で「恥ずかしい言葉」を書きあい、見せ合い、
赤面した方が負けという勝負をすることになる。
「…準備は出来ている。」
「いつでもいいわよ。」
ゆうぎ、フラン、二人のゆっくりは静かに諏訪小僧にそう答える。
「それじゃ、始め!」
それを聞いた諏訪小僧は合図を送り。
お互いの紙が見えないようにする為の仕切りを二人の間に立てる。
同時にゆうぎはぬるぬるの手で筆をつかみ、フランは口で筆をくわえ。
それぞれに書をしたため始めた。
ゆうぎは気合を入れているのかその表情は荒々しく、
対するフランはまるで女神のように穏やかな表情だった。
「…うむ、これで良い!」
「こっちも終わったわ。」
作業はすぐに終わった。
「よし!それじゃあお互い同時に見せ合って!」
諏訪小僧の合図と同時にゆうぎとフランは同時に自らが書いた紙を見せ合った。
ゆうぎの紙に書かれていたのは「松葉合わせ。」
「48手の一つだ!これが私の知る中で一番いやらしい言葉だ!」
「おぉ、凄い!知らない奴には意味不明すぎる言葉だけど。」
諏訪小僧は称賛何だかどうだかわからない言葉を送る。
そして、これに対するフランの言葉は…。
「死ね。」
わら半紙のど真ん中に、あんな穏やかで書いたとは思えない荒々しい筆跡でそう書かれていた。
「…は?」
諏訪小僧とゆうぎはフランが書いたその言葉に目が点になった。
「…あの、フランさん?」
諏訪小僧は恐る恐るフランに話しかける。
「何かしら諏訪小僧さん。」
「今しがたフランさんが書いた単語にエロさなんて微塵も感じられないんだけど、どういう意味なのかな?」
「あら、簡単よ。
これはあのバカに贈る、最後の言葉よ。」
フランはそういうと同時に、わら半紙をゆうぎに向かって投げつける。
ズバアッ!
わら半紙から絶対出る筈のない音が、辺りに鳴り響いた。
~☆~
「こ、これは酷いわね…全身が切り刻まれているわ。」
「ええ、生きているのが不思議なくらいですね…。」
「いったいどれくらい鋭利な刃物を使えば、こんなにズタズタになるのかしら?」
「…あの、なんかこのゆっくり「わら半紙が…わら半紙が…。」と、呻いてるんですけど。」
「は?わら半紙?いったいどういう意味よ。」
「まさかこの傷、わら半紙で切り刻まれてできた傷だとか…?」
「…あんた馬鹿?わら半紙でこんな傷が出来る訳無いでしょ!」
「ですよねー…あっはっは。」
そんなやり取りとともに、れみりゃ達の前から去っていく救急スィー。
こうして公安⑨課所長、ゆうぎは病院送りと相成った訳である。
「…この場合、勝負はどうなっちゃうんだど?」
ゆうぎを載せた救急スィーを見送った後、れみりゃは当然の疑問を口にした。
「当然、生き残った私の勝ちでいいんじゃない?」
「あや、あの、あんな勝ち方はこの勝負の趣旨に反して…。」
,.へ ___,.へ
__,,. --─'──`<.,,/:::::::ト、
,. '" `'く:::::::ト.
∧ / ゝ____,.へ--、へr-、ノ i、::::! | /!
V i__,.へ!_,./--'─'--'-<ヽi__/ Y | /」
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∧ `ヽ、ノ 〈 ハ. ヽ _ン .从ヽレi. |
V /!〈rヘハ!|>,、 _____, ,.イハ ハ〉 レ'
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「わ・た・し・の・か・ち・で良いわよね?」
「…はい、構いません。」
…正直これは仕方が無い。
フランにあんな殺戮的な目でにらまれたら諏訪小僧に限らず、誰だってこう答えるしかなかった。
「と、とりあえず万事屋チームが一勝!じゃあ次の相手を…。」
「あ、ちょっと待つんだど!」
試合を進めようとした諏訪小僧をれみりゃが止める。
「何さ、いきなり。」
「あそこを見おるんだど!」
「え?」
一体何事かと思い、諏訪小僧はれみりゃの見ている方へと視線をやる。
_ ト 、
\ `ヽ! ,ハ
,.-、 ,. -、 ,. -─-\, | /,. -‐─-..、., /|
/::::::::\ /:::::::::ヽ, ∠.,,__ `>'´::::::::::::::::::::::::::::`::、/ /
,':::::::::::::::::::::ヽ、______/:::::::::::::::::::! __`>'´-‐-、::::::::::::::;:'´ ̄i`Y ./__
!::::::::::;>'''"´ `"''<:::::く. \__:;:. ''"´ ̄`○)i ノ ハ/ __/
!:::::ァ' ,. '"´` ⌒'ヽ;::! / ´ ヽ、__ノ::::`''<i
_ノ::::;.' ,' , ; i i ヽ! / . / __ ヽ. \:::::::::::::\
`ヽ.,' i ,' ! ,'! /! /! ,' ', ,' / ,' ,! ,ハ` | | | ` ー--r‐'
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./::::! ∠,..イ (ヒ_]::::::::::::::ヒ_ン i i>-ヽ====== ======== | | | rr=-,:::::::::::::r=;ァレ/ / !
`ヽ! !ノ '" ,___, " ,V i,」 ∨ | 八 !!/ ̄  ̄// / , ' !
ノ ,' .|ト.、 ヽ _ン ,イ i ', |'/ \|', -=ョ / /| |
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『うぉおおおおおお!』
「えぇ!?もう二回戦始まってるの!?」
諏訪小僧はすごい勢いでわら半紙に筆を走らせる二人を見て驚愕する。
「うん、なんか気づいたらあの二人勝手に勝負を始めていたみたい…しかもかなり前から。」
「え?」
「二人の周りのわら半紙がそれを物語って居るど。」
れみりゃの言うとおり、ちるのとてんこの周りには大量のわら半紙が散らばっていた。
「はぁ、なんかいろいろな意味で凄いねぇ。」
諏訪小僧はそう言ってわら半紙を拾い上げる。
二人とも、顔にも辺りにも墨を飛び散らせて書き上げた
わら半紙の文字はどっちも荒々しく、そして妙に達筆な文字でこう書かれていた。
「貧乳。」
「幼児体型。」
「男の娘」
「生えてない。」
「…二人とも若年の割には随分とマニアックな。」
書かれていた文字を読み上げながら諏訪小僧はそんな事を呟く。
さらに諏訪小僧は散らかっているわら半紙を読み上げていく。
「ナイチチ。」
「バカ。」
「日本語おかしい。」
「青二才。」
「乱暴者。」
「破壊魔。」
「…あれ?これもしかしていやらしい言葉じゃない?」
読み上げていくうちに諏訪小僧は気付く。
あの二人は、恥ずかしい言葉を書いているんじゃない。
ただ単に、お互いを罵り合っているだけだと。
「うぉおおおおおおおおおおお!」
「どりゃあああああああああ!」
っていうか、諏訪小僧がわら半紙に書かれた文字を読んでいる内に
チルノと天子の勝負は様変わりしていた。
筆を剣代わりにした、チャンバラ勝負に。
お互いの筆が交わるたびに筆から黒い墨が飛び散り、
さながら本物のチャンバラの様になっていた。
「ちょっと!二人とも何してるのさ!ストップ!ストーップ!」
諏訪小僧は二人の暴走を慌てて止めようとする。
「…やれやれ、随分と決着に時間かかっているじゃない、てんこの奴。」
「そうね、こんなに時間がかかるなんて、あいつもまだ未熟って事かしら。」
…その時、諏訪小僧の後ろから、そんな声が聞こえてきた。
「………。」
諏訪小僧はその声を聞いた時点で嫌な予感しかしなかった。
それでも勇気を出して振り向いてみると、そこにはてゐとレティの姿があった。
最終更新:2012年04月16日 16:13