ゆっくりパークの春夏秋冬 part 5
--intermission ゆっくりしてね、きめぇまる!--
ゆっ!
ゆっくりれいむだよ!
れいむたちは、まりさおかあさんがしんじゃったから、まえのおうちをでたよ!
れいむおかあさんと、いもうとたちと、ゆっくりゆっくりたびをして……
ゆっくりと、もりについたよ!
このもりはおいしいたべものがたくさんあって、おともだちもたくさんいて……
かわやおはなばたけみたいな、ゆっくりプレイスがたくさんあって……
いじわるなにんげんさんがいないんだよ!
ほんとにゆっくりできるところだよ!
そのもりのまんなかのおかに、おかあさんとのぼったよ!
そうしたら、そこにれいむたちのあたらしいおうちがあったよ!
れいむたちは、あたらしいおうちでゆっくりくらしたよ!
そこには、たまにおいしいおやさいがおちていたし……
おかのふもとにも、たべものがたくさんあったよ!
あついひは、かわでおみずあそびして……
あめのひは、おうちでゆっくりしたよ!
とってもとっても、ゆっくりできていたよ!
おうちのそばには、にんげんさんがひとりすんでいたよ。
ごはんをくれなくて、あんまりなでなでしてくれなくって……
ゆっくりよりゆっくりしている、めずらしいひとで……
でも、れいむたちをいじめないから、ゆるしてあげたよ!
ゆっくりしたけっか、あついひがおわって、あつくないひがきたよ!
あつくないひは、もりでたっぷりごはんがとれる、いいひだよ!
れいむたちはなんどももりへいって、たっぷりごはんをあつめたよ!
なんでかというと……
あつくないひがおわると……
さむいひがくるんだよ!
さむいひがくると、ほんとうにゆっくりできなくなるよ。
だから、おうちにたっぷりごはんをあつめるの。
そしてさむいひのあいだ、ずーっとゆっくりくらすの。
そのために、れいむはおかあさんたちと……
ゆっくりとごはんをあつめたよ!
ゆっくり、ゆっくりとね!
まださむくないひ。
れいむがごはんをあつめて、もりのちかくのみちを、ぴょんぴょんはねていたら……
「うっうー、ごはんをみっけたぞぉー☆」
れみりゃがきたよおお!
れいむはゆっくりしないでにげたよ!
でもれみりゃははやかったよおお!
れいむはものすごくゆっくりしないではしって……
あんぜんプレイスをみつけたよ!
でもそのなかには、れいむじゃないれいむと、ぱちゅりーたちがはいっていたよ!
「れいむごめんねええぇぇ!」
「むきゅぅぅぅ、ここはまんいんなのおぉぉ!」
「おちょとでがんばっちぇね! ゆっくりちてね!」
「ゆっくりゆるして、ゆるしてねぇぇぇぇ!」
あんぜんプレイスは、あんぜんじゃなかったよ!
「どぉじでごんなこどになるのぉぉ!?」
れいむ、こんらんじで、もがもが、のだのだ……
しちゃったよ!
「うふーん、つかまえる、ぞぉー☆」
れみりゃがすごくゆっくりしないできたとき……
さっ!
と、しらないゆっくりがとんできたよ!
「おお、のろいのろい」
「うぐっ? なっ、なんだぞぉー?」
しろとくろで、ちっちゃなぽんぽんをぶらさげた、そのふしぎゆっくりは……
ぜんぜんゆっくりしないで、れみりゃのまわりをぐるぐるまわったよ!
そして、ひゅんひゅんひゅんひゅん、うごいたよ!
それは……
れいむが……
いっぺんもみたことがないぐらい、ゆっくりしていなかったよおお!
「うっ? うっ? う゛っ? どっちをむけばいいんだぞぉー!?」
れみりゃは、ぐるぐるまわっているうちに、おっこちてエレエレしちゃったよ!
「むぎゅぅぅぅ、ゆっくりしてない、ゆっくりしてないわぁ゛ぁ゛!」
「ゆっぐりじでねぇぇおねがいだがらぁぁ!」
あんぜんプレイスでみていたぱちゅりーたちも、エレエレしそうだったよ!
でも、れいむは……
なんでかへいきだったよ!
そのひゅんひゅんゆっくりを、びっくりして、ゆっくりみていたよ!
れみりゃをやっつけると、ひゅんひゅんはとんでいきそうだったよ!
だから、れいむはゆっくりしないでよんだよ!
「ゆっくりもどってきてね! いっしょにゆっくりしてね!」
そうしたら……
ひゅんひゅんが、くるっとふりむいて……
ゆっくりとそばにおりてきてくれたよ!
「あれは……おんそくのゆっくりといわれる、きめぇまる!」
ぱちゅりーがうしろから、おしえてくれたよ!
れいむは、はなしかけたよ!
「きめぇまるさん! あなたはきめぇまるさんなの?」
きめぇまるさんは、ななめになって、いったよ!
「おお、あたりあたり」
れいむは、ほっぺのなかの、きのこをあげたよ!
「たすけてくれてありがとうね! おれいをもっていってね!」
きめぇまるさんは、たべたよ!
「おお、あそびあそび」
「きめぇまるさんは、どうしてゆっくりしてないの?」
「おお、ふつうふつう」
「もっとゆっくりしようね! ゆっくりしたほうがいいよ!」
「おお、むりむり」
「むりじゃないよ。れいむはとってもゆっくりできるもの!」
「おお、たにんたにん」
「たにんでも、ゆっくりとれんしゅうしてね! きっとゆっくりできるよ!」
「おお、さぼりさぼり」
「さぼりじゃないよ! れいむたちはゆっくりだから、ゆっくりするのがだいじなんだよ!
きめぇまるさんもゆっくりなんでしょう?」
そうしたら……
きめぇまるさんは……
なんかだらだらあせをながしはじめたよ!
「おお……ゆっくり、ゆっくり?」
れいむは、はげましたよ!
「そうだよ、きめぇまるさんもゆっくりなんだよ!」
きめぇまるさんは、もっともっとななめになったよ!
「おおお……ゆ、ゆっ、ゆゆっ……」
れいむはジャンプしたよ!
「だから――
だから――
ゆっくりしていってね!!!!!」
「おおおおお!」
きめぇまるさんは、いきなり、ヒュンッととんでいったよ!
たかくたかく――
そして、ゆっくりみえなくなったよ!
「きめぇまるさん……」
れいむはずっとみおくったよ!
きめぇまるさんは、いいひとだったよ。
なのに、ゆっくりできていなかったよ。
だから、れいむは――
「おお、れいむれいむ」
しばらくして、またきめぇまるさんにあったよ!
「ゆっくりしていってね!」
れいむはあいさつしたよ!
そこはおかのはんたいがわで、ちょっときゅうながけになっていて……
かたいよこあなが、いっぱいあるところだったよ!
したのほうのあなは、ゆっくりがいっぱいすんでいるけど……
うえのほうは、たかくてはいれなくて……
いっぱいあいていたよ!
きめぇまるさんは、いちばんうえのあなからかおをだしていたよ!
きめぇまるさんは、まわりをきょろきょろみると、ヒュンッとおりてきて……
「ゆゆっ? わぁい、おそらをとんでみるたい!」
れいむをのせて、いちばんうえのあなにつれていってくれたよ!
そのあなで、きめぇまるさんは、いったよ!
「おお、うまいうまい」
「ゆ? うまいってなあに?」
「おお、れいむれいむ」
「れいむがうまいの? ちがうよ、れいむはゆっくりしているんだよ!」
「おお、それそれ」
「ゆっくりしたいの?」
ヒュンヒュンヒュンヒュン! ときめぇまるさんはうごいたよ!
それがとってもはやくて……
れいむはちょっと、うぷっとなったよ!
「き、きめぇまるさん……もっとゆっくりしてね! あんこがでちゃうよ!」
「おお、はんせいはんせい」
そしたら、きめぇまるさんは、のてぇんとななめになって……
ちょっぴりないちゃったよ!
れいむは、わかったよ!
「ゆうん、きめぇまるさんは、ゆっくりしたいのに、ゆっくりできないのね?」
「おお……かしこいかしこい」
「それでれいむに、ゆっくりさせてほしいのね?」
「おお、あたりあたり」
「ゆっ……ゆっ……ゆゆゆゆゆゆゆ!」
れいむのなかで……
あまくてこってりしたものが……
ごごーっとあつくなったきがしたよ!
「れいむ、きめぇまるさんをゆっくりさせてあげるよ!
ゆっくりとおしえてあげるよ!
ゆっくり、ゆっくりーっ!
ゆ っ く り し て い っ て ね !」
「おお、たのもしいたのもしい」
きめぇまるさんは、ひゅ、ひゅってちょっとうごいたよ!
それかられいむは、いっしょうけんめいおしえたよ!
「ヒュンヒュンしないでね! じっとしていてね!」
「おお、つらいつらい」
「そんなとばないでね! ゆっくりとあるいてね、ゆっくりとね!」
「おお、じべたじべた」
きめぇまるさんは、とってもつらそうだったけど、がんばってゆっくりしたよ!
たまにはよなかにきて、れいむのおうちでおはなししたよ!
きめぇまるさんは、よるもうごけてすごかったよ!
そうやって……
だんだんと……
ゆっくりできるようになっていったよ!
「きめぇまるさん、ずいぶんゆっくりしてきたね!」
あつくないひのおわりごろ、おかのうらがわでゆうひをみながら、れいむはいったよ!
きめぇまるさんは、ゆっくりとヒュ、ヒュ、ってうごいて、いったよ!
「おお、かんしゃかんしゃ」
「れいむのおかげってこと?」
「おお、おかげおかげ」
「ううん、いいよ! れいむは……きめぇまるをゆっくりさせたかっただけだよ!」
れいむは、ちょっとてれくさかったよ!
そしたら……きめぇまるが、ほっぺにすりすりしてくれたよ!
「おお、れいむゆっくり」
「ゆ!?」
れいむはびっくりしたよ。
きめぇまるが、ちょっとちがったかんじになったよ!
「きめぇまる、ゆっくりできる? ゆっくりしてみて!」
「おお……ゆっくり、して……」
「そうだよ、ゆっくり! ゆっくりするの!」
「ゆっくり……ゆっくりして……ゆっ、ゆゆゆゆっ、ゆううう」
「もうちょっと! あとちょっとだよ! き・めぇ・まる! ゆっ・くり・して!」
「ゆっ、ゆぐっ、ゆうううう!」
くるしそうにヒュンヒュンしたきめぇまるが――
いったよ!
「おおゆっくりゆっくりね!」
「……きめぇまる!」
れいむは、むぎゅむぎゅーっとしてあげたよ!
きめぇまるが……はじめて、ゆっくりできたよ!
「れいむれいむ」
きめぇまるも、ほそいめととんがったくちで、うれしそうにいってすりすりしてくれたよ!
そしてれいむは、きめぇまるとすむことにしたよ。
おかあさんも、ゆっくりしてるひともおどろいていたけど……
けっしんをかえなかったよ!
きめぇまるは、よこあなをふたりのゆっくりプレイスにしてくれたよ。
そして、たったみっかで、さむいひのためのたべものをあつめてくれたよ!
「きめぇまる、とってもすごいのね!」
「おお、あさめしまえあさめしまえ」
「でも、もっとゆっくりしてね!」
「……ゆっくりするゆっくりするね」
きめぇまるはひゅんひゅんじゃなくて、むにむにしてくれたよ!
それからすぐに……
そらがくらくなって……
しろいものがふってきたよ!
「ゆぅー……♪」
「おお……」
れいむときめぇまるは、ゆっくりプレイスの入り口で、ゆっくりとみあげたよ!
「あったかくなるまで、ゆっくりしようね!」
「おお、いっしょいっしょ」
そうして……
れいむたちは、ゆっくりプレイスにはいったよ!
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ゆっくりは異種だから、人間の見ていないところでは、独特の言動をしていると思う。
ゆっくり同士ですら、理解しあっていないかもしれない。
でも彼女らは馬鹿だから、理解しあっていないことにも気づかないだろう。
そしてとても幸せに生きることができるだろう。
YT
- このような小説があるので世界は救われます -- 525 (2011-12-26 22:32:16)
最終更新:2011年12月26日 22:32