※編注:容量制限に引っかかったので分割しました。
上
子どもの頃から、North side の物語はどれも好きだった。学校嫌いだったが、英雄達の話が聞きたくて、歴史の授業には
真面目にでていた。
TVで何度も見た。
いつか、彼らを演じてみたいと思い―――その気持ちだけで、本当に声優になるという夢もかなえた。
会えるものなら―――レイム様とマリサ様に会ってみたい。でも、それはできないから、天国で2人に会った時、胸を張り、そして
褒めてもらえるように、必死で錐鮫なりに頑張ってきた。
しかしだ
「ゆっくりの方に、現世で会うなんて………」
見ると、弥栄もボロボロと泣いていた。
「ゆっくりの方、っていうか、ゆっくりがオリジナルなのよ」
そういえば、熱烈な「ゆっくりと遊ぼう」ファンが、奇怪な妄想に取りつかれてしまい、「North sideのドラマもアニメも、ゆっくりのパクリ」
と連日抗議の手紙と電話の応酬を続けたことがあったが、あれが本当だという事になる。
「歴史にすれば、ほんの2百年も前らしいわ。この島は、さっき見たゆっくりれいむみたいな奴等が暮らしていたらしいの。そこへ、
私達の先祖が渡来してきて―――――」
お互い、血で血を洗う戦争の末、この大陸の人類はゆっくりを駆逐し、現在の地位を手に入れたらしい―――――それを、隠蔽し
改竄し、正当化するのには100年も掛からなかったそうなのだが――――
「これは、曾おじいちゃんから聞いたんだけど―――ゆっくりは殲滅させたはずなのに―――生き残っていて、まだ田舎の辺りには
夕方になると、姿を見せたそうなの。………むしろ、生き残っていた、というよりは、殲滅されたふりをしてただけなんじゃないか、って
くらいいたそうよ」
「あれ―――――生物なんですか」
頭だけで動く。
そんなものがいるのだろうか?
しかし、知っての通り、この大陸は人間が資源を使い果たしてしまい、もうまともな自然など残ってはいない。侵略戦争の原因の
一つである。
「自然がなくなると――――今度は、都会にもたまに姿が見かけられるようになって――――そしてついてに、ネットの世界でも、姿を現して」
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりした結果がそれだよ!!!<
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
止めようが無かった。このAAはただネット上に現れ、別段大きく荒らしなどに使われる訳ではなかったが、事情を知る一部の大人たちは
震え上がった。
その頃には、North side projectは準備されていたが、大きな障害となる事には間違いない。こちらはあくまでも正当防衛として、大陸外
の諸国へ侵略をする所だというのに、何の罪も無い先住民族を、過去に殲滅させたとなると申し分がたたない。
ネット上での流出を完全に止めるのは事実上不可能なので――――
「ゆっくりを悪役にしたてようともしたらしいんだけど、それは中止になったの」
「それで―――『ゆっくりと遊ぼう』が生まれた?」
「時間としては大河ドラマの方が先ね。随分前から作り上げてきた、この国の『理想の英雄象』と、ゆっくりを組み合わせて、レイム様と
マリサ様が生まれ―――逆の形で、マスコットとしての『ゆっくり』ができて、今に至るわ」
にわかには信じがたい。
本当はいない英雄達
先祖が犯した、過去の悪行
改めて突きつけられる、戦争にならざるをえないこの国の未来
少し気持ちを整理したくて、錐鮫は時計を見―――――最後の希望にすがった。
「あの、弥栄さん」
「ん?」
「今日って確か4が・・・・・・」
と、言っている間に、外から違う声が聞こえた。あの小さいれいむ達とは違う。
「あけてよ!!!あけてよおおおお!!!うええええーん」
「びえーん」
「うええええん お姉さん達がここをあけてくれないよお 中に入って、けちょんけちょんにゆっくりさせられないよお!!!」
ドンドンドン
「あけてってばあー あーけーてーよおー!!」
「―――何だか、こっちが親で、むこうが悪さして追い出された子どもみたいですね…………」
「ど、どおじでぞんな゛ごどいうのおおおおおおおおおお!?」
「いや――――ゆっくりさせられる訳にはいかないし………」
「国民一同、あんたらに屈するわけにはいかないんだよ!!」
おお、こわいこわい
外でのざわめきガ、鳴りを潜めなにやら陰湿な響に変わった。
外には、相当数のゆっくり達がひしめいているらしい。と、いう事は、このテレビ局内の人間は、皆ゆっくりさせられてしまったということか。
ゆっくりさせられると、人間はどうなってしまうのだろう?
皆、皮白の様になってしまうのだろうか?
「ゆう………何だか強情なお姉さんとおばさんだね!!!」
「全然開けてくれないよ!!!」
「あの二人だけなのにね!!!」
「仕方ないね………」
「押してもだめなら・・・・・・・」
|┃三 三|┃
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|┃三"´:ト-、_ _ _三|┃
|┃/ヽ、ノ::V:::_」∠::::7ァ_>ァ、 _,,.. -――C○ィ ) .|┃
|┃三_>''"´  ̄ `ヽ!, // ̄ヽ ゝ○o 三|┃
ガラッ. |┃" ', 、`フ Y //\ / \` |┃ ガラッ ひ い て み よ う !!!
|┃三 ,ハ! / ! _!_ i ! Y .,' / ゝ、__, -三|┃
|┃' /´___!_ i ハ _ノ_`ハ/ ノ | / i イ ,ヘ ヽ |┃
|┃三、!ァ´ノ_」_ノレ' レ' ソ`Y i、( ゝ、| 斗jナ ル ヽ、ナ‐-三|┃
|┃ Vi (ヒ_] ヒ_ン ハヘノ' T{∧{ (ヒ_] ヒ_ン ) |┃
|┃三 !. '" ,___, "'ノノハ _ノ ム!"" ,___, "三|┃
|┃ヽ、_,ゝ'"'" ヽ _ン '"',ハ ! ゝ._ノ人 ヽ _ン ∠.|┃
|┃三)ハゝ、, ,..イノ ソ `ー‐ >, 、 _,. <三|┃
|┃/)ヽ,ノイi,` ''=ー=':i´ノ´ンノ / ̄_ヽ`ー-一'イ==.|┃
―――閂もかけたはずだが
「あの、引き戸じゃなかったですよね?」
「・・・・・・・・・もう、終わりだわ」
暗闇の中、新種のゆっくり2体と、大量のゆっくりれいむ、そして、その後方に、らんらんと緑色に光る目があった
| ! |/ リ ::::::::::::::::::::::んテハ |1
\\ ∧::( ο)ililililiilili( ο)ilili /___
7<1 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
,′ t::::::::::::::::::::::::::::::::::::r─
マァx,、__\ト、 ヽ::::::::::::::::::::::::<
「さあ~て、ゆっくりしてもらおうか」
「2人きりでおばさんとお姉さんが道具入れの中でねちょねちょと………」
「おお、ひわいひわい」
「おお、かなまりかなまり」
「あんまり見ないカップリングだね!!!」
「ああ、妬ましい妬ましい」
「そ、そういう間柄では・・・・・・・・・・・・」
思わず、身の危険より、潔白の証明をしている内――――ケラケラと無邪気な笑い声をあげて、ミニゆっくりれいむ達が一斉に飛び掛ってきた
―――ちょっと想像していた通りの、むっちりとした質感。
上も下も、ちょうど全身を柔らかく丸っこいものに包まれている。プチプチに丁重に巻かれて梱包されている瀬戸物は、こんな気持ちなのかもし
れない。
予想外の気持ちよさに、口の端から何やら性的なあえぎすらもらしてしまう。
「ホント何なんだこれマジヤバイぜ フゥハハハーハァー あ………はあんはぁはぁ」
ふと気がつくと、先ほどの光る目が角材を振り上げている。
まずい、と思ったが、幸運にも、ゆっくり達に全身をこねくり回される絶頂の中、頭部を殴打されて意識を失った。
それから、暗がりの中だから、目しか見えないのかと思っていたら、本当に顔自体が真っ黒なのだという事にも気がついた。
******************************************
=== VTR START!!! ===
――――今日の ワンワン―――― ××09年 3月28日放送分
<ナレーター>
今日のワンワンは――――鋼磨市にお住まいの上杉さん宅の、ロジローちゃん――――
元気にお散歩に出かけようとするロジローちゃんですが……
――やあ!! 僕の名前はロジロー!! 元気なダックステリアの5歳犬だわん!!!
好きな食べ物はお芋とハム!! お散歩がやっぱり一番の楽しみさ!!!
でも………見ての通り、僕には後ろ足が一本無いんだ…………
1年前、人間さん達が乗っている、『ばいく』 に轢かれて、手術したんだけど…間に合わなくって、せつだんするしかなかったんだ
でも、ご主人様に新しい義足をもらったんだわん!!!
ちょっと不便だけど、お散歩にもいける
優しい人間さん達に囲まれて、僕は幸せだわん!!!
(CV 錐鮫亜里沙))
=== END ===
気がつくと、スタジオにいた。
真っ暗な中、モニター画面だけが煌々としている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
/ハ\
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!::::::::::;ハ:7__,.ハ|/ r=;ァ<!::!::::::/:::::::::| `ヽ
八:::::/|::::irr=- |:/:::::::::::::! くソ
! ヽ;ハ|::7" -=‐' /:::!::::::::/:::::;ハ
ム /;:> ";';::::/:::::::::/
_ノ´:::::ヽ、, |::/::::::::::::/ おお、 でも、ご主人様に新しい義足をもらったんだわん!!! ちょっと不便だけど、お散歩にもいける
優しい人間さん達に囲まれて、僕は幸せだわん!!! でも、ご主人様に新しい義足をもらったんだわん!!! ちょっと不便だけど、お散歩にもいける
優しい人間さん達に囲まれて、僕は幸せだわん!!!
´  ̄/´:::::`>ー-一'レi::::::::::/'
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___,,,...-‐''"| |.
 ̄7 | |. ,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__
i | | / //`ー∠
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| | | | .i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',
| | | |. .! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i 「 優しい人間さん達に囲まれて、僕は幸せだわん!!!」――送信、っと
: | |. レヘ/ i (ヒ_] ヒ_ン ) ! | |
: | |. | !7./// ,___, /// | | |
:::::::: | | | 人. ヽ _ン .| | i i
:::::::::: | | レヘハ`./^i,.-, ,.イヘ,/ヽ.ハ/
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 ̄ ̄ ̄__/___ ハ /ヘ__/// ヽ,:::::::::| |
ニ二二i -二ニ---、. ,. '⌒ヽ,r‐''"´ ̄ト、::::::/ !::::::::| |
________________ンー|.|""""`ユ ヽノ「´  ̄ `ヽ:::! ,〈:::::::::| |
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【特別友情出演】
れみりあさん みのりこさん さなえさん
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rー-、,.'" `ヽ、.
_」::::::i _ゝへ__rへ__ ノ__ `l _人人人人人人人人_
く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、 > ぶー! ぶー! <
\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒ `! i ハ
ヽ/ ! /// ヽ_ ノ /// i ハ ',
.ノ /l ハノ i ヽ.
〈,.ヘ ヽ、 〈 i ハ i 〉
ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ
/⌒`γ´ハ_,,.イ´レ`ヽ、 /⌒ヽ、
〈r'^ヽi /^L_!ムイ_」^ヽ. .〉´ / i' \
/ /' § !、_ !,イ__'⌒ヽ、ノ i
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| 石 焼 き 芋 | /`l/ ̄
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,. -<. `ヽァo、`ヽ.
, '7´ ) ';`ー゚) '、
ノ ! ; ! i'´ .i
「三ミy、 ;.' '; _!, ,! ! /、!_ ,i ,i
ヾ三ス、ヽ、 ,' '; L./ |__」/!_」__ ソ ,.イ |
ヽ ヒ二ユ i ,' !7´!ハ:::::::::::::'! ,ハ`Y! / ,'
r‐く三彡ヌ>、 !_ハ_! ,ハ. ,!り:::::::::::::'、_ノ ノ !コ i
r――ァ',.ニニニヾシイ ト、 ソーr' !'" ,-、 "''r'´二.ヽ ', .
` ̄ン/ ....... ヽヽ! |、| _ ;' ノノ>.、.,_ ┘ _,. イ/´ _iノヽ i. /⌒ヽ
| | :......: | |! | `>z'"´-―- `丶´ ,,.ィ`i7こ__ノ こ二、ヽ,ハノ ヽ__ノ
、ヽ ノノ\>イ'´ . . . `ヽヽ,' レ' i:::::iヽ._/ レ'
>`.三三彡',ィン'´// .. : : : : .. ヽヽ |:::::! (二`ヽノヽ_
ゝミヨf´ / .:.:.| | .: :.....:..: | | |::::::| ) `i Y´_,.]、
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 ̄`ヽ::〉,l:::|>、\ .:.:.:.:、 、 : . . . : ,' 'ト、_>イ/ィ彡-ミヽ〉 ,. -t_
:.:.:.:.:.:| /,.-<{\\:.:.:.:.ヽヽ、 //`7ニニ7ム===、<l_)< ̄下'´三`ヽ.
:.:.:.:.:.:|イ8:::::::\_\\:.:.:.:` ` ―---― ' イ:./ /:.:/'/ :. ヾi ヽ」|》、 _!`ヾ三彡'
:_:_:.ノ::8:::::::::::::/:::>、>、`'ーミ`:.:.:.‐---‐:.:'´:./ /:.:/| | :.:.:.......:.||_ノミ彡ヘj
! ,___, ノ
,-、 | ヽ _ン |
||`:、 __ _ノ 丿
/ 'i、 ̄~~ ij 乙__,-、 キャ、キャイイーン!!?
| |-ァ __,| .|
| | i' ロジロー 'l ――― ドガッ!!!!―――
|_ | ! l
~^''!, ,_ ,!_ Σ いけねーやっちったー
\ l,~^''‐--:.,,⊃| こ |) ) ) ) Σ
`'‐’ ~
_,,.. --─- 、..,_
,. '"´ ___,,,,....、,,,_`ヽ.
,:'´ ,.- ''"´ ̄ ̄`"''ヽ:ヽ, ':,
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ / , i ,ハ Y ヽ.', 「デモ、ゴシュジンサマニ アタラシイギソクヲモラッタンダワン
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ !/ ハ / ヽ _,ハ ', i
イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 !',ー- レ' -―`,γi !,'
rー''7コ ロジロー, `ヽ/`7 ttテュ, ,rェzァイ/ i 〈 ヤサシイニンゲンサンニカコマレテ、ボクハシアワセダワン」
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ !_ヽ! iヾ_ノ ̄ "ノ〈 ハ
,i!イ´ ,' | /ー-. !/.V -―ハ ,' ,ゝ -=- / / ノ
( `! !/レi' `ttテュ, ,rェzァ レ'i ノ>: 、 _,,. イ/ ン' イ ノ
y' ノ !' "` ̄__ "i.レ' /r'7´ ̄`ヽ
ノノ ( ,ハ | | 人! ノ /イ Y
( ( ,.ヘ,)、 )>、___|―|__,.イ! rくヽ/!ノ __ ,ゝ
∧ ― \ \/` /::メ:::`ヽ、_二、___イ
パクパク……
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふう。やれやれ………』
_____
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/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::○:::::ヽ
/:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::○::::::::::i 「―――自分で轢いておきながら…………」
i::〃::{ハ_ハ_,!V ハ レ'、i l::│:::::::::i|
i:iソル rr=-, r=;ァ从|i::::::::::i
i:::::::i  ̄  ̄ " ソ:::::::::::i
i:::::::ヽ、 'ー=-' ハ:::::::::::/
ヽルイ≧.、.,___∩ノ ⊃::ハ_ハ
( \ / _ノ
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・キリサメさん?』
「は、はいっ!!?」
『君ね、小動物の体の一部を切断してコレクションする趣味とか、もしくはそういう事をしている中高生とか友達にいない?』
「いや…………ロジロー君を轢いたのは私じゃないし、この脚本を考えたのもプロデューサーだし………私は声をただあてただけで……」
/ハ\
_/-─-i‐ヘ- ..,,_
,..::'"´:└──'─'::::::::::::`'::.、
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!::::::::::;ハ:7__,.ハ|/ r=;ァ<!::!::::::/:::::::::| `ヽ
八:::::/|::::irr=- |:/:::::::::::::! くソ
! ヽ;ハ|::7" -=‐' /:::!::::::::/:::::;ハ
ム /;:> ";';::::/:::::::::/
_ノ´:::::ヽ、, |::/::::::::::::/
おお、 私は声をただあてただけで私は声をただあてただけで
´  ̄/´:::::`>ー-一'レi::::::::::/'
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・『人間サン』って奴はなんて勝手な奴等なんだろうねえ』
言い返せるはずもなかった。
錐鮫は雁字搦めに全身を縛られ、しかしふかふかの枕を何故か丁寧に用意されているので辛くは無かったが――――周囲を、ミニゆっくりれいむ
と、着ぐるみ倉庫にもあるきめえ丸をはじめてとして、本当のゆっくり達がおそらく30種ほど囲んでいる。胴のある者は、何故かもれなく体育座り
だった。
着ぐるみ以外で知らない者もいたが、どこかで見た顔もある。さっき、腹話術をして嫌味を言ってきた奴は、有栖川に良く似ている。
地獄だった。
しかし、直接ゆっくりと戦争をした訳でも、ロジロー君を轢いた訳でもないのに、ここまで言われなければならないのかという不満がふつふつと募る。
「あんた達………どうするつもり?」
「この大きな島を、人間ごとゆっくりさせるんだよ!!!」
「何で今更………」
「あんた達、戦争しようとしてるでしょ?」
顔の真っ黒なゆっくりが、ぶんぶかと布団叩きの素振りを始めた。Hip Hop Shit!!!
「戦争始められちゃあ、ゆっくりできないよお」
「し、仕方ないでしょ!!!」
「ゆっくり達は、皆で人間サンに擬態して、社会に溶け込んで共存してきたよ!!!」
「ちなみに、『醍醐★スターダスト』のメンバーは全員実はゆっくりv」
「散々自分達に都合の良い様に歴史を改竄してきたのも見てきたよ」
「それでも我慢してきたよ!!! 戦争したり、殺しあいになるよりは、マシだからね!!!」
「殺し合いを始めたら、人間と変わらないよ!!!だから我慢したよ!!!」
自分がゆっくりの立場だったとしたら―――いや、こんなに忍耐強く、平和主義を通した民族は、人類にもあまり例を見まい。
「でも、もうがまんできにゃいよ!!!」
「他の国と戦争するんだもんねえ!!!」
「―――――国のためだもの…………」
「人間は本当に我慢できないね!!!だから、こっちも我慢しないことにしたよ!!!」
「何で今日なの………?」
「4月1日で、区切りがいいからにぇ!!!」
「それに、新兵器も連れてきたよ!!!」
と、れいむ達が頭に寄せてよちよちと運んできたのは、大きなダンボール。表面に、ゆっくり特有の顔がついているが、ダンボールの形をしたゆっくり
なのか、ダンボールに単純に顔を描いたのか良く解らなかった。
そして連れてきたのは、同じ声優仲間だった。
「お、斧津さん・・・・・・・・」
気絶しているようで、ぐっすりと寝ている。ゆっくり達は、器用に彼女を体ごと折り曲げてダンボールに押し込めた。
「・・・・・・・・・・・・」
そして、そこから斧津を出すと・・・・・・
_,..-'''";:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.≧
./;:.;:.;:.;:.;○`ー=-一゙ニ二~ ノ ,'
〈;:.;:.;:.;:.;:.;:.○;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.`;ゝ. ,仁二7
ヽ;:.;:.;:./;:.;:.;:.;:.;:.;:.、>ー=-、;:ヽ i 〉 _,.-‐ '´\
ヽ/;:.;:.;:.;:.`ーzノ ) ヽ. ノ ,-‐-、 ____,・'" ヽ
(;:.;:.;:.;:.=ニ二 ´) Y::xメ、:::::::::ヾ、ヽ _,.-一'´ヾ,.. - 、
〈;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:> 、_) .| ≫ン:::::::::(.i i| < ヽ:::::::::::::《ヽ、,ノ
(;:.;:.;:.;:.;:<_ ̄l ) .//xメ::::::::::::::◎ .〉:::::::::::》''"
ヽ;:.;:;:..;:.;:.;:.;フ __ ,イ==;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;リノ< ノ:::::::::::::《"' ー,-、
/ヽ、;:.;:.;:.;:.;:.>:.;:.;:.;:.,;ゝr'`⌒`ヽー---'\ `ー-、:::::::::::.》__,.ノ___)
/;:.;:.;:○;:.;:.;:.;:.;:.;:.:.;:.彡' ヽ i ヽ \::::::《__
〈;:.;:.;:.;:.;○ヾ=、__ノ) ヽニ二〉 "''- ..__ヽ"
ヽ;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;:.;シ ヽ__ノ
゙"'ー'⌒ー=一'"`
「か、皮白もそうだけど、人間をこんな風に変えちゃうなんて、あんた達最低よ!」
「いや~ そうでもないよ
,,r‐―--x,,_,_、
_、 .l゙ 、 `゙ヘ,、
,/゙,,,,,L,jllllNi,、`゙'・--,,,,,,,、 ]
,┘ .|,,|广゙'''''!il|,'x,、 ⌒゙'''',l--。,
.| .,l乂 ,,,,,ァ ‘,,''タ-wwwy・,,flУ .゚L
l ,l“,yヾ.j゚,,r‐" | ,r''゚} ,/`| |゙|,r‐、_ ゙ヽ
,l゙ ,lli'|l、glll*ie ラ" ,,,|,,i´ .| |_l゙=" 、 .|
| ,゙llリ ゙l,, ,ll l゙゙~゙'゙』 `lll]!,i、 ,″
| ,"j゙l゜ _゙゙ザ^ .゙||lrlケ |l彳,|i、 、,l!e これはこれで結構楽しいっすよ?」
| ,l゙ ,||l" .l゙ヽ,、 _,,rr、 lll|゙ll'!l、 ",i´
| .,lif!l,,l゙L. 'ト `゙゙゙゙゙゙゙゙゙,/′ lllll,!l}ll!,,、.,i´
: ,!,i″.||.「`ヽ,,,,ト---・" ,,,r|゙lil言l,,ll",l゙
: ″ ″  ゙゙̄''―――‐゙`j,/,行 l|ヽ.レ
″"il" ` ゙ll
「が、がわ゛じろ゛おおおおおお?」
「いや、気を抜くとこんな感じになっちゃうけど、ゆっくりするのって悪くないですよ?」
それでは、他の面々は―――
「もう、ゆっくりさせちゃったーwwww」
,. -‐'::┐__,,.._
/::::::::::::::l-‐─-='、ニー -,,,__,
/::::::::::::::_::ノ ノ ) ヽ.:::::::_::::::::::::::::;l.'-―‐ ' "´ヽ.
/:::::::::::-=_. ´) Y--‐''"´`''、 i. - 、
|:::::::::::::::::::::_l. 、_) | V,-,-,-,-( |ヽ、,ノ
|:::::ヽ::::::_::::_:l l ) ./∧ーーーー< |‐'"
. `、::::::::::::::_:< ,イ:;:-‐―‐-、.--、 |' ー、'"`ヽ 「か、加賀谷さん、雛茄井さん!!?」
ヽ::::::::::::::::l:::ー-‐<__フ / i. | | ノ
ヽ、::::::: ̄ ー‐-‐::::::::<!、 l_,,..-< _ /,..-‐''"
丶.:::::::、;;;;__:::::::::::::::::`_、_l:::::;;::l ヽ/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ' ー ―――-┘'
ノソメ ,,-''"フ__,,..-─、
,( ) )/'' ' ノ-‐─-='、 ヽ、
/.::::::::::| `フ ノ ) ヽ.ヽ_ _,,..-‐'"´ヽ.
.':::::::::::| フ ´) Y--‐`''"´ l7 i7_,,.. - 、
i::::::::::::| < 、_) |二二} |7 |7 ヽ、,ノ
:::::::::::::| ノ l ) /___¨¨ヲ l7 |7‐'"
. ∑:::::::::::l \ ,イ:;:-‐‐-、__,,..--、7 |7"'' ー、'"`ヽ
∑ヽ::: ::ヽ、 __,`''ー-‐<__フ 8 l} i |7 | ノ
|/ ~^ヽ、 ー‐-‐---!、 _ __,l}.-< /j__,,..-‐''"
`ヽr-、..,,_____,,.___ ´____ヽ:ィア´゜
「そんなに怖がらないでってば」
_,,.. -‐ァ'"´ ̄`7ー 、.,_ /ヽ._,,,...,,,__
,ト、_/|___>-‐ァ7"´  ̄`ヽ、 `メ、 ,. -‐/ @ ':,:.:.:.:.:.:.`"''::...、
く \/|>-‐──- 、., /| \_ノ\ ,.':.:.:.:,'-‐r-‐‐'、_ノ_.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.
/>''"´:::::´ ̄ ̄`"':::、:::\| \_,ノ 、 ,ゝr,ァ'-‐'"´ ̄`ー-く二ヽ-、:.:.:.:.)
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::':, ∧ ,ハi ´:.ァ'´, ! ! ; i `ヽ、>ーヽ、 「ドーナツもついてくるの♪」
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨ハ ./ |ハ ',`ソ / ハ- ,ハ /!._L」;、 '; i`iー-r'
,'::::::::::/:::::__/:::/|:::::::::i:::::::::::ヽ;::::::|:::::! \.| .|_/|i '; !iゝ、 ∨ /_ ヽ ,ハ! '、 「犀暁路さん、弥栄さん!!?」
|::::::::;ハ/トゝ / '、::::/_::::i::::::::';::::::::::'、/| | |.'、. i ,ハ!(ヒ_] ヒ_ン ) ,レi ! '; ヽ.
|:::::/:::::| (◯), 、(◯)::::;ハ:::::::|::::::::::::::ヽ/ |_/| )レヽ| "" ,‐―( "" / i '; i _,ノ〉
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i ,.へ_トー'"____,.ィ ! ハ、___ イヽ、イ 「ゆっかりしていってね!!!」
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「どう?もう錐鮫さん以外はみんなゆっくりりしちゃったよ?」
「そうか…………」
ディフォルメされ、小憎らしくも可愛い生首だけの生物となった仕事仲間たちを見ていたら、戦い続けなければいけない自分の国などどうでもよくなってきた。
「あー・・・・・じゃあ、私もゆっくりしようかな…………」
「ではでは」
と、頭に生暖かいダンボールが被された時だった
「そこまでよ!!!」
一喝。
瞬時――――パソコンの文字を消去するように、倉庫内のゆっくり達が消えていった。
モニターの中には――――見知った顔が映っている。
「………鉢重さん……………」
「鉢重ではないわ。私は、パチュリー・ノーレッジ」
その名前は…………
「しっかりなさい魔理沙 」
「ま……まりさ?」
「貴女の名前よ。思い出せないのね」
周りの背景が、次第に歪んで形を変えていく。機材に囲まれたテレビ局が、次第にごつごつとした岩肌の空洞へ―――――
モニターだけが残っている。
「さっきから何が何だか…………」
「皆、騙されていたのよ。八坂神奈子も、西行寺幽々子も、河城にとりもアリスもみんな……」
「一体誰に」
「”奴等”よ!!!」
いや、だから『奴等』って誰だよ……
「貴女は、記憶を封印され、偽の思い出と共に、この偽りの世界で生きてきたわ。でも、目を覚まして………」
「いやでも、マリサ様もレイム様も、本当は実在しないって」
「いるわ。偽りの存在じゃない。 なぜなら―――」
あなた自身が、”霧雨魔理沙” なのだから
―――英雄は、この世界にはいなかったかもしれない
―――だが、戻ってきたこの世界には、信頼できる仲間と共に確かに存在した
自分も、その一人だったのだ
気がつくと、拘束は解けていた。
そして――――白と黒の、アナクロな魔法使いの様ないでたちに変わっている。足元には帽子
「――――どうなってる?」
「少しは思い出した?」
「何となく」
「全く……………少しは疑問に思ったらどうなの? 先住民族? 国営放送? メディアミックスでプロパガンダ? できの悪いSFじゃあるまいし」
「すまないな」
帽子を被り直して、辺りを改めてうかがう。
地下――――であるとは思うが、不自然に壁に襖が8つしつらえられている。
「奴等の本拠地には到達したわ!!! 親玉はすぐそこ」
「ん?」
「恒例の8ボスラッシュよ!!!」
ちょっと待て
「―――― 何なんだ、その8ボスってのは」
「毎回の事じゃない。もう9回目なんだから慣れなさいよ」
「9回? どこから換算しているんだ?その………何だ。8人もいたか?中ボス含め?」
「そうじゃないでしょ!!!コース料理みたいに一から倒してく話じゃないじゃない!!!最初と同じよ。どこからでも倒しやすいボスから挑むといいわ」
「へ?セレクト制なのか?何だそりゃ」
「倒した相手からスペルカードをとって自分のものにすることができるわ!! それには相性があるから、どんなに手強い相手でも、弱点となるものを使
えば必ず倒せるわ」
「はあ………」
「今まで倒したボスが、最後になって全員復活したわ。これをまたもう一度倒して、初めて最後へ進めるのよ!!!」
パチュリーは異様に説明的な口調になり始めた
「本当に待ってくれ。そんなルールがあったか?そんな事今までにあったか?」
何だかまだ現実感が無い。
「さあ、行きましょう!」
「お、おう………」
最終更新:2009年04月04日 10:38