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いやよいやよも好きのうち(5)
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soh1
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※「銀魂」の2次創作オリジナル小説です。読む前に、かならず注意事項を確認してください!
万事屋三人がカブトムシを捕るため森の中に分け入っていく後ろ姿を見送ると、総悟は近藤に向かっていった。
「すいやせんでした」
頭を垂れたまま、まっすぐ近藤の目を見ることはできなかった。
近藤はいたわるように総悟の背中をぽんと叩いて言った。
「気にするな。万事屋の言ってたことは本当だ。おまえは、おれたちみたいな野郎とずっと一緒だったせいで、子供らしい子供時代がなかった」
「すいやせんでした」
頭を垂れたまま、まっすぐ近藤の目を見ることはできなかった。
近藤はいたわるように総悟の背中をぽんと叩いて言った。
「気にするな。万事屋の言ってたことは本当だ。おまえは、おれたちみたいな野郎とずっと一緒だったせいで、子供らしい子供時代がなかった」
近藤は総悟の頭をなで、それから面を上げさせた。
「……そういう意味で、あの神楽って娘とおまえが仲良く話したりケンカしたりするのは、おまえにとっていいことなんじゃないかって気が、オレはしてるのさ」
近藤が、楽しそうに声を上げて笑う。
総悟は思ってもみなかった近藤の言葉に、あっけにとられた。
仲良くだと?
「……そういう意味で、あの神楽って娘とおまえが仲良く話したりケンカしたりするのは、おまえにとっていいことなんじゃないかって気が、オレはしてるのさ」
近藤が、楽しそうに声を上げて笑う。
総悟は思ってもみなかった近藤の言葉に、あっけにとられた。
仲良くだと?
ばかばかしい。
どこからそんな発想が出てくるのか。
どこからそんな発想が出てくるのか。
「……オレは、カブト相撲で騒ぐ阿呆どもが嫌いなだけでさぁ」
総悟が吐き捨てると、土方が煙草に火をつけながら言った。
「そう言うわりには、やけにムキになってあの娘の相手をしてるじゃねぇか。虫一匹のために得物振り回すなんざ、正気の沙汰じゃねぇぜ……まあ、尋常じゃねぇのは、いつもの話か」
総悟が吐き捨てると、土方が煙草に火をつけながら言った。
「そう言うわりには、やけにムキになってあの娘の相手をしてるじゃねぇか。虫一匹のために得物振り回すなんざ、正気の沙汰じゃねぇぜ……まあ、尋常じゃねぇのは、いつもの話か」
訳知り顔の土方に、総悟はぴしゃりと言い返した。
「うるせぇ、土方ァ。おれはカブト相撲で騒ぐ阿呆どもが嫌いなだけだって、言ってるだろうが」
「嫌よ嫌よも、好きのうち、ってな。よかったな、総悟。新しい友だちができて。大切にするんだぞ」
近藤は笑いながら総悟の肩に腕を回すと、土方の肩にも腕を伸ばして歩き出した。
「うるせぇ、土方ァ。おれはカブト相撲で騒ぐ阿呆どもが嫌いなだけだって、言ってるだろうが」
「嫌よ嫌よも、好きのうち、ってな。よかったな、総悟。新しい友だちができて。大切にするんだぞ」
近藤は笑いながら総悟の肩に腕を回すと、土方の肩にも腕を伸ばして歩き出した。
「あいつは友だちなんかじゃねぇ」
総悟も近藤につられて歩き出す。
「そういうな。おまえとまともにやり合える娘は、そうはいないぞ」
近藤に背中を勢いよく叩かれた総悟は、思わず咳き込んだ。
「ライバルだろうが、遊び仲間だろうが、ダチには違げぇねえ」
近藤隣にいる土方も、煙草をくわえる口元が緩んでいた。
気にいらねぇ。
「そういうな。おまえとまともにやり合える娘は、そうはいないぞ」
近藤に背中を勢いよく叩かれた総悟は、思わず咳き込んだ。
「ライバルだろうが、遊び仲間だろうが、ダチには違げぇねえ」
近藤隣にいる土方も、煙草をくわえる口元が緩んでいた。
気にいらねぇ。
心の中で悪態をつきながらも、総悟は考えずにはいられなかった。
近藤や土方に、揶揄されてもしかたないくらい、なぜこんなにあの娘の一挙一動が気になるのだろう。
それよりなにより、あの娘が単純にブームに乗せられてカブト相撲に興じていたわけではないと知って、どこか安堵する自分がいるのは、なぜなのか。
近藤や土方に、揶揄されてもしかたないくらい、なぜこんなにあの娘の一挙一動が気になるのだろう。
それよりなにより、あの娘が単純にブームに乗せられてカブト相撲に興じていたわけではないと知って、どこか安堵する自分がいるのは、なぜなのか。
総悟は自分に言い聞かせるように、もう一度つぶやいた。
「あいつは友だちなんかじゃねぇ」
狂ったように蝉は啼き続けている。
END