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 ユグドラシル・コーポレーション。
 沢芽市を筆頭に多くの場所に支部が存在する製薬会社で、
 沢芽市においての規模は市内の住人の殆どがこの会社の傘下にある。
 ……実態はヘルヘイムの森の研究機関と後ろ暗いところも無数にあるが、長くなるため割愛。
 此処にはその森へと続く木が置かれてるが、そのクラックも閉ざされてしまっている場所。
 森へ続く道もない今、無意味な存在と化した樹木の前に一人の参加者が見つめていた。
 長い金髪、赤と白を基調とした身体は一見すると人なのか、何かを着込んだ人なのか。
 そう判断がつかないところもあるものの、その実態は一人のレプリロイド。
 とある科学者の忘れ形見であり、シグマウイルスに汚染されたイレギュラー、ゼロだ。

 ゼロはテレポートジェムで消えた後、此処に飛ばされていた。
 早々に参加者を抹殺しようとしたが、それはタギツヒメだけに終わっている。
 何処かを調べようと外の景色が分かる場所を探しており、今はビル内徘徊している。
 いくらレプリロイドでも、巨大な企業であるユグドラシルの内装を全てを知るには時間が必要だ。
 本来ならば他のメンバーとも手を取り合って事に挑まなければならないことではあるものの、
 此処ならばナビゲートしてくれる存在もなければ、同じイレギュラーハンターのエックスも。
 加えて、暴走状態にあるゼロにはそういった面々も排除対象であるので、ありえない話だ。
 敵となる存在がいないのであれば、彼は特に何事もなく下へ降りる道を探していく。
 そんな折に放送を聞いて、支給された名簿を見るが彼にとっての知己は誰もいない。
 イレギュラーハンターも、誰一人として止めてくれる存在はこの空には存在しなかった。
 社長室と思しき場所へ辿り着けば、彼の望んでいた外の風景を見ることができる。
 外にはユグドラシルほどではないにせよ、広大なビルや住宅街が目立つ都会の街並みだ。
 何も壊されてない平和な街並み。昔の彼であれば何かしらの反応も見せただろうが、
 今の彼にはそんな感情はない。シグマ以上の悪とエックスに言われるほどの、
 Dr.ワイリーによって作られてしまったゼロには。

 出口がなければすぐにこの窓を破って下へ降りるのが妥当だ。
 この程度の高さならばイレギュラーハンターとしては今更な程度。
 しかし、此処がランドマークとして存在していると地図を見てやめた。
 此処に向かっている参加者の可能性、或いはすでに内部にいるかもしれないと。
 なので下を散策するべく降りる。大企業ゆえに迷路のような場所であれ、避難経路も多い。
 エレベーターの類はあったが使わない。狭い場所ではまともに武器も振ることはできない。
 奇襲に逢いやすいので、理解した上で乗るのは厳しい。それにエレベーターが稼働すれば、
 誰かがいることは分かる。自分で乗ってますの存在を示してしまうのだから、まず使われない。
 例外があるなら、誰も乗らないエレベーターを動かして上階に潜む敵の足止めか、
 エレベーターの上に待機する、なんてことも視野に入れておく。

 その前にパソコンがあったので情報とかあるのか、
 普通ならば調べるが今のゼロには調べる気などなかった。

 とは言え、そういった危惧が訪れることもない。
 無限に続くのではないかと思う非常階段を下がれども、人と出会うことはない。
 人間ではないレプリロイドの足音が、無機質で静かに非常階段へと響く。
 その音を聞いて動き出す、逃げ出すような足音はないので、
 このまま散策したところで、誰もいないと考えるのが妥当だ。

 もう何階まで降りただろうか。
 ゼロはそれを数えてないし、数える気もなかった。
 誰もいない階がいつまでも続くとこの行動に無意味さの疑問を持つ。
 暫くはそうは思ってもまだ降りてたが、流石に時間がいくらか経っても、
 景色が変わることはなかったので、途中で非常階段を使うのをやめて窓を探す。
 理由は単純だ。窓から破って飛び降りる方が今ならばはるかに速いからだ。
 早期に見つけた社長室から飛び降りれば、別によかっただけに無駄に時間を潰した。
 この階には同様に窓があり、右ストレートを叩き込んで窓ガラスをぶち破る。
 文句を言う社員は誰もいなければ、いたとしても文句を言えるものは誰もいない。
 全身から滾ってくる衝動。そんな劇物に触れようなんて人は、普通いるわけがなく。
 破った後下を眺めれば地面とまでは大体十数メートルがあるとみていい高さだ。
 この程度ならば肉体のスペックに物を言わせて行動に支障が出ることはないだろう。
 そのまま飛び降りる寸前。視界の片隅で建物の一角が崩れていくのを目にして動きが止まった。

 位置は東よりの北。大規模かはともかくとして、派手にやってるものがいる。
 これは同時刻の近辺において、モルガンと乙骨によるチェイスがあったものだ。
 参加者がこのユグドラシル・コーポレーションに本当はいるかもしれないものの、
 これ以上此処に留まっている理由もなく、そのまま飛び降りることを選んだ。

 飛び降りながらゼロは考える。ただ建物を乱雑に破壊した存在ではない。
 かなり遠巻きではあるが人影を見かけた。間違いなくほかの参加者になる。
 そして問題なのは、逃げていた方を狙うべきか、追ってた方を狙うべきかの二択。
 移動中改めて名簿を確認しても、シグウィンと夜見以外知ってる顔はなく、
 件の二人もこの殺し合いにおいて邂逅した存在なのでどちらでもよかったが、
 軽く考えた末に、モルガンに気づかれない程度に距離を取りつつ、彼も追跡をする。
 近くではない。相当な距離を取っておく。近ければ存在を感づかれてしまうからだ。
 建物を一瞬にして廃墟にしてしまうその姿は、危険な存在と言うほかないだろう。

 力の誇示する者はイレギュラーにもいた
 シグマ側についた一部のレプリロイドがそれだ。
 中には仕方なくだったり、汚染されて限界を迎えた者もいた。
 だが、それらを彼女は軽く凌駕している。タギツヒメを倒して、
 新たな力に目覚めたゼロと言えども無策で挑めるようなものではない。
 最終的には逃げられてしまって、移動を始める二人を彼は遠巻きに見る。
 途中から追跡は走る形ではなく、タギツヒメの支給品にあった双眼鏡を使い、
 索敵される範囲を極限まで警戒しながら静かに追跡をしていく。
 かなり離れた場所からの確認ではあるが、モルガンをの立ち回りを見れば警鐘が鳴り響く。
 此処で挑んでもあれには勝ち目がない。隣にいる少女は殺せるだろうが、それで終わりだ。
 第六感なんてものはレプリロイドにはない機能だろうに、奇襲するのを躊躇う。
 シグマやエックスであっても、彼女に勝つには装備が足りないと認めるはずだと。
 レプリロイドでこれだ。人間であればまず怖気や寒気、絶望を味わうだろう。

 では追うべきなのは消えた二人かと言うと、
 これもあの二人の転移がどのような転移していたか分からない。
 テレポートジェムのようにランダムなのか、或いは狙った位置に行けるのか。
 軽く思案したのち、ゼロはどこかへと去っていく。これ以上考えても仕方のないことだ。
 モルガンは一旦保留として、他の存在を探すことを優先として再度動き出す。

 もう少し待ってれば、インベントリアの制限により乙骨たちはその場に戻ってたのだが、
 当然そんなことは知る由もないまま、イレギュラーと化したゼロは移動を始めた。

【G-4ユグドラシル・コーポレーション周辺/深夜/1日目】

【ゼロ@ロックマンX5】
[状態]:覚醒、片腕にキズ(小)、ノロによるロボット破壊プログラムの変質・活性化
[装備]:千鳥@刀使ノ巫女、ノドカの双眼鏡@ブルーアーカイブ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3、チェーンソー@魔界塔士Sa・Ga
[思考]
基本方針:邪魔するものは全て始末する
1:■■■■■は必ず破壊しなければならない。
[備考]
※参戦時期は覚醒後
※タギツヒメにノロを注入されたことで、ロボット破壊プログラムの変質及び活性化が発生しています
※ノロの力を扱えるようになりました。



【ノドカの双眼鏡@ブルーアーカイブ】
タギツヒメに支給。天見ノドカが使っている双眼鏡。
キヴォトスの双眼鏡なので、性能は高いかもしれない

29:修羅を切る 投下順 031:[[]]
時系列順
75:破壊の紅、治癒の蒼 ゼロ


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最終更新:2026年06月02日 15:02