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「妖精奇譚・資料1」
117 :「妖精奇譚・資料1」:2011/02/02(水) 21:47:54 ID:QPz1LytS
当時、バイキングが荒らし回っていた。
バイキングという"もの"は、どんな細い川でも遡ってきて川沿いの村を襲っては全滅させていたんだよ。
そしてとうとう、うちの川下の村もやられたんだ。
バイキングという"もの"は、どんな細い川でも遡ってきて川沿いの村を襲っては全滅させていたんだよ。
そしてとうとう、うちの川下の村もやられたんだ。
村の人達はみんな「次はうちの村だ」とビクビクしていたもんさ。
もちろん、当時もうちの村には神父様がいたよ。
でもね、うちの村の裏山には大妖精様が住んでいていたんだ。
もちろん、当時もうちの村には神父様がいたよ。
でもね、うちの村の裏山には大妖精様が住んでいていたんだ。
おやおや、私を不信心だと思ったかい?
もちろん、キリスト様は偉いお方だよ。
でも、当時はみんな大妖精様をお慕いしていたし、何より私自身が会ったんだよ。
大妖精様はもうここを去ってしまったけれども、お前もそういう得体の知れない存在がこの世にはいるかも知れない、ということは心に留めておいた方がいい。
まぁ、長生きするためのコツの一つだと思えばいいさね。ばあちゃんが言っているんだから間違いないだろう?
もちろん、キリスト様は偉いお方だよ。
でも、当時はみんな大妖精様をお慕いしていたし、何より私自身が会ったんだよ。
大妖精様はもうここを去ってしまったけれども、お前もそういう得体の知れない存在がこの世にはいるかも知れない、ということは心に留めておいた方がいい。
まぁ、長生きするためのコツの一つだと思えばいいさね。ばあちゃんが言っているんだから間違いないだろう?
どうする?大妖精様の話を聞きたいかい?……ああ、そうかい。じゃあ続きを話そう。
川下の村がやられた次の日、あたしは村長さんの家に呼ばれてこう言われた。
「乙女よ、大妖精様から知恵を借りてこい」
私は言ったもんさ。あらあら、村長さん、それでわたくしにどうしろと?ってね。
「乙女よ、大妖精様から知恵を借りてこい」
私は言ったもんさ。あらあら、村長さん、それでわたくしにどうしろと?ってね。
確かに、私は村で唯一の乙女だったよ。
……まぁ、モテない訳じゃなかったけどね。でも、じいさんに惚れちまっていたから身持ちは堅かったよ。
じいさんはその頃はまだ騎士見習いで……ってそれはまた別の話だね。
……まぁ、モテない訳じゃなかったけどね。でも、じいさんに惚れちまっていたから身持ちは堅かったよ。
じいさんはその頃はまだ騎士見習いで……ってそれはまた別の話だね。
それで、村長さんは言ったのさ。
大妖精様が裏山の洞窟(そう、今は岩で塞がっているあの洞穴だ)に住んでいるから、私が聞いてこいってね。
そりゃ何であたしが?と思ったんだけど、大妖精様に教えを請いに行く場合には、夜、乙女が行くという決まりになっているという事だった。
村長さんも何でそんな決まりが あるかは分からない。でも、決まりは決まりだ。ましてやこちらが教えを請いに行く訳だから、礼儀は守らなきゃね。
大妖精様が裏山の洞窟(そう、今は岩で塞がっているあの洞穴だ)に住んでいるから、私が聞いてこいってね。
そりゃ何であたしが?と思ったんだけど、大妖精様に教えを請いに行く場合には、夜、乙女が行くという決まりになっているという事だった。
村長さんも何でそんな決まりが あるかは分からない。でも、決まりは決まりだ。ましてやこちらが教えを請いに行く訳だから、礼儀は守らなきゃね。
で、その晩、あたしは行ったよ。その洞窟に。たいまつを片手にね。
洞窟の前まで来たけれど、特に出迎えも無かったから、「こんばんは。失礼します」と言ってあたしは洞窟の中に入った。
ノックするドアも無かったしね。
洞窟の前まで来たけれど、特に出迎えも無かったから、「こんばんは。失礼します」と言ってあたしは洞窟の中に入った。
ノックするドアも無かったしね。
洞窟の中は当たり前だけど、真っ暗だったよ。
でも、人がちょうどひとり通れるくらいの大きさの穴がうちの玄関から台所までの距離くらい続いていた。
行き止まりは、ちょっと大きな広間になっていた。広間の中央には、四角い箱のようなものがあったけど、大妖精様らしき人影は見つからなかった。
でも、人がちょうどひとり通れるくらいの大きさの穴がうちの玄関から台所までの距離くらい続いていた。
行き止まりは、ちょっと大きな広間になっていた。広間の中央には、四角い箱のようなものがあったけど、大妖精様らしき人影は見つからなかった。
私は出来るだけ誠実に言った。
「大妖精様、夜分遅く失礼します。バイキングが川下の村を襲いました。次はうちの村です。どうかお知恵をお貸し下さい」ってね。
……すると驚いたね。がたん、と音がしたと思ったら、目の前に大妖精様が現れたのさ。
「大妖精様、夜分遅く失礼します。バイキングが川下の村を襲いました。次はうちの村です。どうかお知恵をお貸し下さい」ってね。
……すると驚いたね。がたん、と音がしたと思ったら、目の前に大妖精様が現れたのさ。
大妖精様は、いい男だったよ。じいさんほどではなかったけどね。顔色も悪かったし。
そうして古い言葉遣いで大妖精様はおっしゃった。「では、麗しいご婦人、どうか血を一滴いただけないだろうか?」
そうして古い言葉遣いで大妖精様はおっしゃった。「では、麗しいご婦人、どうか血を一滴いただけないだろうか?」
あたしは、まずパニックにならずに大妖精様のおっしゃったことを理解するように努めたよ。
そして、大妖精様は、あたしの血が欲しいらしい。ここに来るために枝払い用のナイフはあるから、それで指先を切ればいい。
そして、大妖精様は、あたしの血が欲しいらしい。ここに来るために枝払い用のナイフはあるから、それで指先を切ればいい。
あたしはナイフで指先を傷つけた。そして血をハンカチで拭き取ろうとした。
すると、大妖精様は「失礼だが、レディ。直接舐めさせていただいて宜しいだろうか」とおっしゃった。
あたしは少し考えたけれど、これは浮気に入らないだろうと思って、うなずいたよ。
すると、大妖精様は「失礼だが、レディ。直接舐めさせていただいて宜しいだろうか」とおっしゃった。
あたしは少し考えたけれど、これは浮気に入らないだろうと思って、うなずいたよ。
あたしの指先から血を舐めると、大妖精様は、しばらく目をつぶって、その後の策を私に授けた。
簡単に言えば、一夜でダムを作る方法と撃退作戦を絵で描いて私に説明した。古風な言葉遣いも直っていたよ。
なんでも、あたしの血から情報を再構築したと言っていたけれども、 あたしには難しいことは分からなかった。
簡単に言えば、一夜でダムを作る方法と撃退作戦を絵で描いて私に説明した。古風な言葉遣いも直っていたよ。
なんでも、あたしの血から情報を再構築したと言っていたけれども、 あたしには難しいことは分からなかった。
帰り際、大妖精様は私に言った。
「お嬢さん。もう私はここから去らねばならない。次からは村の神父を頼るように、と村長に伝えてくれ」
「お嬢さん。もう私はここから去らねばならない。次からは村の神父を頼るように、と村長に伝えてくれ」
あたしは、分かりました、大妖精様。と言って洞窟を出た。
そしてこれでこの話はお終いだ。バイキングが引き上げた後、お礼を言いに洞窟に行ったけれど、すでに岩で塞がっていたよ。
だから、あんたも安心して神父様を頼りなさい。
ただ、ばあちゃんが大妖精様の話をしたことも時々思い出してくれると嬉しいね。
そしてこれでこの話はお終いだ。バイキングが引き上げた後、お礼を言いに洞窟に行ったけれど、すでに岩で塞がっていたよ。
だから、あんたも安心して神父様を頼りなさい。
ただ、ばあちゃんが大妖精様の話をしたことも時々思い出してくれると嬉しいね。
〈END〉
ベタにバンパイア物で、民話的インチキができるかを実験してみました。