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「鉄腕アトム」、「信楽焼き」、「小学六年生」

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konta

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「鉄腕アトム」、「信楽焼き」、「小学六年生」




611 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/19(月) 14:41:03 ID:VeQfBQoB
「で、やっちゃったんだ」
「うん、ごめん」

私の目の前に置かれた置物を改めて観察する。
デカい。

小学六年の女子の平均身長は、
文部科学省学校保健統計調査(平成17年度)によると146.9cmとなっており
137.8cmである私の身長は小六の女子としては若干物足りない、
ってそんな事は今はどうだっていい。

問題はこの置物のサイズが、
私の身長と殆ど変らないということだ。

「これ、134cmくらいあるよね?」
「惜しい、135cmだ」

ますますもってどうでもいい。
そんな事を考えている表情を露骨にしていたら。

「ん? 公式設定どおりだぞ?」
「知らないよ、そんな事!!」

変なとこで凝り性なパパが、
趣味で焼き物を始めたと聞いたとき嫌な予感がした。

そしてその予感は現実ものに。

「何でよりによって鉄腕アトムなのよ!?」
「そりゃホラースレの作品に何でホラーなんだよ!! って突っ込むとの同じだぞ?」
「意味分からんわ!?」

しかしこれ以上深入りしては行けないという予感が。
この予感は現実のものにする訳にはいかない。

「しかも信楽焼なので十万馬力です」
「関係ないっ!? 何でこんなもの作ったのよ!」
「ほら、来週お前誕生日だろ……」

なるほど、一足早いプレゼントという訳か。
ズレてる気がしなくもないが悪くない。決して悪くない。

「で、昔お前がお兄ちゃんが欲しいって言ってたのを思い出して……」
「そこ、おかしくない?」
「じゃあいっちょ焼いてみるかと」

しかもそれ幼稚園の頃の話だろ……。

「良かったな、これで今日からウランちゃんだぞ?」
「ドッキュンネーム!? しかもそれだと私がおまけみたいになっちゃってない!?」

「ちなみにお兄ちゃんどいてそいつ殺せないというと、どいてくれます」
「無駄にハイテクだ!?」
「十万馬力だからな」
「関係ねー!!」

この鉄腕アトムは我が家の庭に鎮座することに。
あ、誕生日プレゼントは別にちゃんと買ってもらいました。



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