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◆69qW4CN98k

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◆69qW4CN98k


164 : ◆69qW4CN98k :2010/02/08(月) 23:05:46 ID:67gW8+GN
桃花!桃花!桃花!
なんという投下ラッシュ! 桃花の人気に嫉妬
それじゃ俺は発子さん一番乗りだぜ



「うー! ムカツク、ムカツク、ムカツク!」
ひょい、ぱく。 ひょいひょいぱくぱく。
「うー! やな奴、やな奴、やな奴!」
ぱくぱくひょいひょい。
「食べるか怒るか、どっちかにしたらどうです?」
うららかな午後の軽食喫茶、その中に二人の男女がいた。
若い親子、いや、年の離れた兄妹かもしれない。
長い髪を頭の左右で結んだ少女が、悪態をつきながらケーキを頬張っていた。
そしてその様をオールバックの、スーツで身を整えた青年が微笑ましく見守っていた。
「だってさー、投下の後に投下を被せる普通? レスはつけたけどさー、案の定後から
投下したほうにレスが多くついてんの、やんなっちゃう」
あんぐり、と口を空けフォークに刺したケーキを咀嚼し、少女は続ける。
「文体は変えているけどあの空気の読めなさは誰だかわかるわ……ハルトの仕業よ」
「ハルトさん、ですか」
そう、と頷き少女は大皿を手に席を立った。
店内のバイキングコーナーにあるケーキ群を物色し、大皿へと運んでいく。
今日はこの店でケーキバイキングが開催されていた。
青年、柏木は少女クリーシェに誘われてこの店へと来ていた。
もっとも、柏木自体は食欲がなくもっぱらクリーシェが食べているのだが。
「まあ、彼女は他人には興味はないですからねぇ。わが道を行くってやつですかな」
替わりのケーキをふんだんに盛り付けてクリーシェが戻ってくると、柏木は返した。
その言葉に少女は柳眉を曲げて憤る。
「その我が道を行くって奴が問題なのよ! 創発板は奴の畠じゃないのよ。れっきとした、
みんなの発表する場なのよ! ある程度の了解、ルールて物が必要なの!」
口からケーキのカスを飛ばし、クリーシェは持論をまくし立てる。
柏木はスーツについた食べかすをハンカチでそっと拭き取って耳を傾ける。
「そりゃあ奴の才能は認めるわ、くやしいけど。でもね? 前に投下した人にレスをつけて
本文を投下してもいいんじゃない? レスがつくつかないで書き手のやる気も違うし、
見てる人たちも、合いの手の一つぐらい入れてくれるかもしれないわ。黙って投下して、
黙って見てるだけってのはアンタ、ちょっとそれはないでしょーと思うわけよ、しかもさ、
投下した人は一見さんよ? その後すぐにハルトが長文投下する何て、嫌がらせの何者でも
ないわ。まったく、一体全体どういうつもりなのかしら」
うんうん、と柏木は適当に相槌を打つ。
クリーシェの考えはよくわかる。彼女はみんなでワイワイと賑やかにお互いの作品を鑑賞
し合いたいのだ。一緒になって批評をしたり、雑談をしたり、新たな作品にむかって皆が
足をそろえてむかって行く。それがクリーシェの理想なのだろう。
「だが……」
惰弱。あの人はそうやって一蹴するだろう。
S・ハルトシュラー、創発の魔王は。
「創作家は作品でのみ語るべき」
それが彼女の自論だ。周りの事など羽虫の音ほどにも感じてないだろう。
閃いたときに作を投下する。それ以外に関心など持ちはしない。
ただひとりの、名もなき修羅。
自らを主張しないがゆえに、燦然と輝いている。
そう、夜に輝く満月の様にだ。
彼女の信奉者はこの創発に数多く居る。
そして、クリーシェのように創発を盛り上げようと頑張り、騒いで盛り上げようとしている
人たちが居る事も知っている。
ハルトシュラーとは袂を分かった柏木だが、その教えの一部には納得出来る事も有る。
どちらが正しくて、どちらが正しくないのか。
それは創発にすむ人々が判断する事であろう。


165 : ◆69qW4CN98k :2010/02/08(月) 23:06:51 ID:67gW8+GN
「どうしたの柏木? さっきから黙ったままで」
「……ん? ああこれはすいません、少々考え事をしていまして」
はにかんで柏木は側の飲み物へと口をつけた。
ごまかし気味に別の話題へと持っていく。
「実はですね、私が師事した人がですね、今度投下するんです」
「へぇ」
作品を投下、という言葉にクルーシェが興味を得た。
大きな目をくるくると柏木へとむける。
「アンタのお手つきってわけね」
「お手つきって……人聞きが悪いですよ」
ハルトの下から去って以来、柏木は積極的に表世界へ技量を披露した。
リクエストには応え、技法を問われれば答えもした。
そのかいもあって今では柏木の名はそれなりに知られている。
柏木の技を見習いたいという人も出てきた。
ハルトシュラーを月に例えたのならば、言ってみれば現在の自分は太陽みたいなものだろうか。
少なくとも、自分の後について来ている卵達には、暖かい日差しを掲げてやりたい。
柏木はそう思っていた。
「ま、技量は確かですが色々感想をつけてもらった方が鼻が高いってわけです」
「私の出番ってわけね」
「その通り、よろしくお願いします」
まかせて、とクルーシェは指についていたクリームを舐め取った。
見ると大皿に所狭しと有ったケーキはすでに姿を消している。
どうやら考え事をしている間に、この少女は平らげてしまったようだ。
「食べ終わったようですし、そろそろ帰ります?」
「う~ん……」
バイキングコーナーをちらちらと見ながらクルーシェは考え込んだ。
どうやらまだ未練があるらしい。
食べたりないといった感じだ。
「……ま、腹八分目っていうし今日はこのくらいにしときましょうか。帰って更新の
チェックもしたいしね」
そういって席を立つ。
が、次の瞬間思い出したかのように柏木を見た。
「あ、やっぱり帰りにコンビニ寄ってくれない?」
「コンビニですか?」
「そうコンビニ。チキンが食べたいなー、なんて」
そういって笑う少女の姿に、柏木はため息をついた。
「ケーキを食べた後に油っこい物はどうかと思いますが、ね」
「チッチッチ」
わかってないなと言わんばかりにクルーシェは胸を張る。
「だからこそ、よ!」
「だからこそ、ですか」
「そう!」
天真爛漫な笑顔。おそらく彼女はハルトの事はもう忘れているだろう。
これが彼女の魅力なのだ。
今の柏木には眩しくもある。
「はいはい、それじゃあ送っていきますね」
「よろしくー」
言葉を軽くかわしながら商店街を二人は後にした。
そんな二人を見送り、喫茶店員は後を片付けながら青ざめていた。

「完食……? たった12分で60種のケーキが……完食? ば、化け物か……」


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