無限桃花外伝~桃花十五歳~
「はぁっ!」
竹刀がぶつかり合う音がする。床を擦り足で進み、強く踏み込む音がする。少女が気合の声を上げると、今度は竹刀が胴の防具を打つ音が響く。
「ま……参った! もう無理や! 死んでまうわ!」
「そんな……。こっちの稽古になりません」
「道場主になんて事言うんやこの娘は。とにかくわしじゃもう相手にならん。今日は終わりや」
「ぶうぅ~」
「ブー垂れてもダメ!」
「そんな……。こっちの稽古になりません」
「道場主になんて事言うんやこの娘は。とにかくわしじゃもう相手にならん。今日は終わりや」
「ぶうぅ~」
「ブー垂れてもダメ!」
少女――無限桃花は不満げに一礼し、道場の脇へと移動する。頭の防具を脱ぐと、長い黒髪があらわとなり、それは汗で湿気を帯びていた。それを素早くポニーテールにまとめあげ、竹刀を道場の壁にかける。
そしてそのまま、更衣室へと向かって行った。
道場主である無限史明はそれを確認し、剣術の稽古を見学していた怪しげな衣装の男に話し掛ける。陰陽師だ。
そしてそのまま、更衣室へと向かって行った。
道場主である無限史明はそれを確認し、剣術の稽古を見学していた怪しげな衣装の男に話し掛ける。陰陽師だ。
「いやー参った参った。わしじゃもう手も足も出んわ。強うなりおった」
「見させて頂きました。確かに強い」
「こないだ京都府警の剣道大会にオープンで出させてもろたの知ってます? 大人相手にオール一本や。汗もかかん言うてたわ」
「聞き及んでおります。相当騒ぎとなったとか」
「大変やったで。強い強い。強すぎる。人間では有り得ん程な」
「……やはり、寄生の力が流れておりますか」
「見させて頂きました。確かに強い」
「こないだ京都府警の剣道大会にオープンで出させてもろたの知ってます? 大人相手にオール一本や。汗もかかん言うてたわ」
「聞き及んでおります。相当騒ぎとなったとか」
「大変やったで。強い強い。強すぎる。人間では有り得ん程な」
「……やはり、寄生の力が流れておりますか」
桃花が着替えを終えて道場へと戻ってくる。ジャージ姿の桃花はモップを持ち、言われるまでもなく床を拭きはじめた。しっかりと礼節を叩き込まれている証だ。
陰陽師の姿を見るなり、深く一礼をする。彼女にとってその陰陽師は対寄生の技術を教える師匠でもあった。
陰陽師の姿を見るなり、深く一礼をする。彼女にとってその陰陽師は対寄生の技術を教える師匠でもあった。
「桃花! 戸締まりはしとく。床拭いたら先帰り」
「はぁーい」
「返事はシャンとせぇ!」
「は……はいぃ!」
「はぁーい」
「返事はシャンとせぇ!」
「は……はいぃ!」
いくら実力は上だろうと、史明は容赦せず大声で怒鳴る。桃花にとってもまた、史明は数少ない「怖い人」だった。
京都にある無限一族の分家は広い敷地に道場を持ち、社すら構える。
一般には古武術の一門とされており、道場には一族とは無関係だが武術を習う弟子達も居る。桃花の強さは既に飛び抜けて居る為に、普段は小さな子供相手に指導を行い、自らの稽古は深夜に史明とマンツーマンで行っている。
一般には古武術の一門とされており、道場には一族とは無関係だが武術を習う弟子達も居る。桃花の強さは既に飛び抜けて居る為に、普段は小さな子供相手に指導を行い、自らの稽古は深夜に史明とマンツーマンで行っている。
「あ! 先生! 今日また孝也のバカが子供泣かしてました!」
「またかい。とは言ってもあいつ元から厳しいしな。まぁ泣くくらいちゃんと教えてる言う事やろ」
「いいんですかぁ?」
「ええわ。ウチは甘くないで。あと道場では孝也『先輩』やろ。お前よりここでは長いんやし」
「またかい。とは言ってもあいつ元から厳しいしな。まぁ泣くくらいちゃんと教えてる言う事やろ」
「いいんですかぁ?」
「ええわ。ウチは甘くないで。あと道場では孝也『先輩』やろ。お前よりここでは長いんやし」
膨れっ面になる桃花。
一般部で有段者である孝也は少年相手の指導員として活動してるが、桃花の目にはいささか厳し過ぎるように見えていた。
一般部で有段者である孝也は少年相手の指導員として活動してるが、桃花の目にはいささか厳し過ぎるように見えていた。
「うーん……。今度シメてやろっと」
「何おっかない事言うとんねん」
「何おっかない事言うとんねん」
慣れた手つきでモップがけを終えると、桃花は荷物を持って帰って行く。帰るとは言ってもすぐ脇の史明の家だ。
帰るとすぐに部屋にこもり、高校の参考書を開く。
中学は出ているが高校に進学しなかった桃花は高認試験を受けようと勉強していた。通信過程も勧められたが、どうにも性に合わないと結局はそれを断ってしまう。
ダラダラと通信過程を受けるくらいなら最初から進学していた。だが、桃花は既に東京へ行く事を決めていたのだ。
時の都に寄生は集まる。そう教えられていたから。
帰るとすぐに部屋にこもり、高校の参考書を開く。
中学は出ているが高校に進学しなかった桃花は高認試験を受けようと勉強していた。通信過程も勧められたが、どうにも性に合わないと結局はそれを断ってしまう。
ダラダラと通信過程を受けるくらいなら最初から進学していた。だが、桃花は既に東京へ行く事を決めていたのだ。
時の都に寄生は集まる。そう教えられていたから。
「ダメだ……。寝る」
頭はよくも悪くも普通だったのが唯一の悩みである。中卒がいきなり受験して受かるほど甘くはない。
明日は道場で孝也をシメなくてはならない。鋭気を養う為に今日はもう寝よう。そう自分に言い訳し、桃花はポニーテールを解いて布団に潜り込んだ。
明日は道場で孝也をシメなくてはならない。鋭気を養う為に今日はもう寝よう。そう自分に言い訳し、桃花はポニーテールを解いて布団に潜り込んだ。
※ ※ ※
「うう……おはよう。史明おじさ……じゃない。先生……でもない。あれ?」
「見事に寝ぼけとるな。家ではおじさんでええて」
「見事に寝ぼけとるな。家ではおじさんでええて」
朝は弱かった。寝ぼけ眼で顔を洗い、歯を磨いてお茶を一杯飲む。この辺りでようやく頭が冴えてくる。
「ふぃ~。染みるわ……」
「オッサンかお前。それより早く朝飯食べてこい。ご飯と漬物しか無いけど」
「たまには私が作ってみようと思うんだけど……」
「桃花が? アホな。料理出来ひんやろ」
「いやね。それはね。そうやって遠ざけてるからであって、やり続ければいつかきっと……」
「ええか桃花?」
「なに?」
「人間にはな、生まれ持っての得手不得手ゆうのがあってやな……」
「……」
「オッサンかお前。それより早く朝飯食べてこい。ご飯と漬物しか無いけど」
「たまには私が作ってみようと思うんだけど……」
「桃花が? アホな。料理出来ひんやろ」
「いやね。それはね。そうやって遠ざけてるからであって、やり続ければいつかきっと……」
「ええか桃花?」
「なに?」
「人間にはな、生まれ持っての得手不得手ゆうのがあってやな……」
「……」
桃花の料理の腕はさておき、朝は意外とやる事は多い。
公式には無限一族の社は神社となっている。現在では陰陽師は存在していない事になっているからだ。
その隠れ陰陽師の元で、巫女装束を来た桃花は修業という名の雑用をこなし、神社へ訪れた人へお守りを売り付けたりお祓いの手伝いをして日中を過ごす。
十五歳にしてプロの巫女さんだ。
もちろん合間には本格的な修業もこなし、それなりの心得はあった。
公式には無限一族の社は神社となっている。現在では陰陽師は存在していない事になっているからだ。
その隠れ陰陽師の元で、巫女装束を来た桃花は修業という名の雑用をこなし、神社へ訪れた人へお守りを売り付けたりお祓いの手伝いをして日中を過ごす。
十五歳にしてプロの巫女さんだ。
もちろん合間には本格的な修業もこなし、それなりの心得はあった。
そして夕刻になり、道場には門下生が集まってくる。
その前に今度は袴に着替え、指導員として道場を使う準備をしておくのも桃花の仕事だった。
その前に今度は袴に着替え、指導員として道場を使う準備をしておくのも桃花の仕事だった。
「さぁーて、やるか」
今日の桃花はやる事がある。
そう。孝也をシメてやるのだ。弱い者イジメは許さない性分の桃花は既にやる気マンマンで道場に立つ。
小さな子供達が集まる前に決着を付けなくてはならない。大暴れしている所を見られたら嫌われそうだなと暗に思っていた。
そして来た。短い髪を茶色に染めた男が一礼し道場に入ってくる。孝也だ。
そう。孝也をシメてやるのだ。弱い者イジメは許さない性分の桃花は既にやる気マンマンで道場に立つ。
小さな子供達が集まる前に決着を付けなくてはならない。大暴れしている所を見られたら嫌われそうだなと暗に思っていた。
そして来た。短い髪を茶色に染めた男が一礼し道場に入ってくる。孝也だ。
「おいッ! そこの茶髪!」
「……? なんや桃花かい。えらい息巻いてどうした?」
「『どうした?』じゃないッ! またちっちゃい子供泣かして!」
「泣かすて……。そりゃ武道やぞ。痛い事もあるやろ。慰めるばかりじゃ……」
「うるさいうるさいッ! 今日こそとっちめてやる!」
「……? なんや桃花かい。えらい息巻いてどうした?」
「『どうした?』じゃないッ! またちっちゃい子供泣かして!」
「泣かすて……。そりゃ武道やぞ。痛い事もあるやろ。慰めるばかりじゃ……」
「うるさいうるさいッ! 今日こそとっちめてやる!」
「なんや闘る気か? ……ってお前と!? 死ぬわボケ!」
「覚悟しろ!」
「う……。しゃあない闘るしか無い。死たないしな」
「キエェェ!」
「覚悟しろ!」
「う……。しゃあない闘るしか無い。死たないしな」
「キエェェ!」
桃花は奇声を発して飛び掛かる。既に神速の体術を修めている上に裏稽古ばかりしている桃花の動きは孝也では見える訳も無く、桃花の掌打が孝也のみぞおちへ入る。
「ぬぐぅううう……!?」
剣術と柔術の道場で打撃を使う者はそうは居ない。
一応、有段者の孝也も打撃技は知っているが稽古自体滅多にしない。
それをモロに、しかも完成された技として受けた孝也はなす術なくダウンする。
一応、有段者の孝也も打撃技は知っているが稽古自体滅多にしない。
それをモロに、しかも完成された技として受けた孝也はなす術なくダウンする。
「フハハ。参ったか?」
「誰が参るかこのくそアマ……」
「ほほう? 耐えるとは驚いたわ。強くなったじゃない」
「アホぬかせ。俺の方がキャリアあんねんぞ……。ぐふっ!」
「寝そべったまま言っても説得力無いわよ。さぁてトドメに必殺のSTFでタップとってやるわ!」
「なんでプロレス技をチョイスする……?」
「誰が参るかこのくそアマ……」
「ほほう? 耐えるとは驚いたわ。強くなったじゃない」
「アホぬかせ。俺の方がキャリアあんねんぞ……。ぐふっ!」
「寝そべったまま言っても説得力無いわよ。さぁてトドメに必殺のSTFでタップとってやるわ!」
「なんでプロレス技をチョイスする……?」
桃花は孝也へじわりじわりと接近し、手首をポキポキ鳴らしている。
見た目こそただの少女だが、孝也には桃花が大きな鎌を掲げる死神に見えただろう。
見た目こそただの少女だが、孝也には桃花が大きな鎌を掲げる死神に見えただろう。
「弱い者イジメの罪を償ってもらうわよ」
桃花がそう言って孝也に止めを刺そうとした時である。
怒りに満ちた声が道場内に静かに響き渡った。
怒りに満ちた声が道場内に静かに響き渡った。
「ほ~? 弱いモンいじめねぇ」
「ひゃあっ!」
「ひゃあっ!」
桃花は叫ぶ。そして恐る恐る振り向くと、そこには額の血管をピクピクさせた史明が腕組みをして立っていた。
不穏な空気を感じた史明は気配を消して、ひっそりと様子を見に来ていたのだ。
不穏な空気を感じた史明は気配を消して、ひっそりと様子を見に来ていたのだ。
「これはどういう事や桃花ぁ~?」
「あ……あのですね。これはその……。正当な制裁と言いますかなんと言いますか……」
「弱い者イジメはたしかにイカンなぁ~。じゃあお前が今やっとる事はなんやコルァ!!」
「ひぃぃいいいい!!」
「あ……あのですね。これはその……。正当な制裁と言いますかなんと言いますか……」
「弱い者イジメはたしかにイカンなぁ~。じゃあお前が今やっとる事はなんやコルァ!!」
「ひぃぃいいいい!!」
それは暗に俺が弱いと言っているのかと孝也は一瞬思ったが、すぐにどうでもいいやと思った。
「お仕置きがいるなぁコレ」
「いやいや……その……ごめんなさい」
「ダメや。これこそ正当な制裁やし俺より強いお前が相手なら弱い者イジメにもならん。覚悟しとけ」
「そ……そこを何とか……ね?」
「アカーーーーン!!!!」
「ひぇあああ!!」
「いやいや……その……ごめんなさい」
「ダメや。これこそ正当な制裁やし俺より強いお前が相手なら弱い者イジメにもならん。覚悟しとけ」
「そ……そこを何とか……ね?」
「アカーーーーン!!!!」
「ひぇあああ!!」
次の日、道場ではいつも通りに稽古が始まっていた。
孝也も普段と変わりなく、腹部のダメージをおして子供に熱血指導している。
そこへ昨日の事件の主犯が負のオーラを纏ってやって来た。珍しく遅刻した桃花はかなりぐったりしている。
孝也も普段と変わりなく、腹部のダメージをおして子供に熱血指導している。
そこへ昨日の事件の主犯が負のオーラを纏ってやって来た。珍しく遅刻した桃花はかなりぐったりしている。
「……どないしてん。死んだ魚みたいな目ぇして……」
「一晩中写経させられた。お仕置きだって……」
「写経を一晩中!? なんて地味で苛酷な……!」
「アンタはお咎め無しかぁ……」
「当たり前やろ。俺なんもしてへんし……。それに昨日食った一撃のせいで飯が食えんのやで」
「……ごめんなさい」
「……もうええわ」
「一晩中写経させられた。お仕置きだって……」
「写経を一晩中!? なんて地味で苛酷な……!」
「アンタはお咎め無しかぁ……」
「当たり前やろ。俺なんもしてへんし……。それに昨日食った一撃のせいで飯が食えんのやで」
「……ごめんなさい」
「……もうええわ」
桃花は既に疲れている。なんてバカな事をしたと後悔しても後の祭りだ。
孝也の方も胃がストライキを起こすほどの一撃を食っており、いつものようなやる気は出なかった。
孝也の方も胃がストライキを起こすほどの一撃を食っており、いつものようなやる気は出なかった。
「……桃花」
「う……何? 眠い……」
「俺道場辞める」
「へぇ辞めるんだ。……って、え? 辞める?」
「そやで。ようやく仕事決まってん。もう好きな事ばっかやってられん」
「通いながらじゃムリなの?」
「東京行く。だからムリや。お前も行くんやろ?」
「……うん。近々行く」
「俺はまだ先や。中途採用やし、ハンパに時間だけあるわ。
暇なら遊びに来てもええで。汗臭い男の部屋やけどな。向こうで顔見知りなのお前だけやし」
「……」
「なんや返事も無しかい」
「……zzZ」
「……寝よったでコイツ……?」
「う……何? 眠い……」
「俺道場辞める」
「へぇ辞めるんだ。……って、え? 辞める?」
「そやで。ようやく仕事決まってん。もう好きな事ばっかやってられん」
「通いながらじゃムリなの?」
「東京行く。だからムリや。お前も行くんやろ?」
「……うん。近々行く」
「俺はまだ先や。中途採用やし、ハンパに時間だけあるわ。
暇なら遊びに来てもええで。汗臭い男の部屋やけどな。向こうで顔見知りなのお前だけやし」
「……」
「なんや返事も無しかい」
「……zzZ」
「……寝よったでコイツ……?」
※ ※ ※
「さてと、あとはテレビの配線してプレーヤー繋げて……。なんやオカン。なんでテレビの段ボールに飴ちゃん入れてん?」
とあるマンションの一室。引越しの段ボールの中をひっくり返し、孝也は部屋のセッティングをしている。
実感から送られた荷物は明らかに自分の物の量より多い。母親がいろいろと送り付けてきたようだ。
孝也は、東京に引っ越していた。
実感から送られた荷物は明らかに自分の物の量より多い。母親がいろいろと送り付けてきたようだ。
孝也は、東京に引っ越していた。
「ったく。あのクソ面接官め。何が方言直せや津軽弁ちゃうぞ。こっちは全国区で通じるやろっちゅう話やメンドクサ。
……なんで布団三組もあんねんオカン?」
……なんで布団三組もあんねんオカン?」
愚痴を全開で孝也は作業する。今日中には部屋を片付けてさっさと生活必需品を買いあさりに行きたいと思っていた。
ムダに送り付けられた石鹸に興味は無いのだ。
ムダに送り付けられた石鹸に興味は無いのだ。
「うわ……。この漬物、汁漏れてる……」
ピンポーン
呼び鈴が鳴る。
呼び鈴が鳴る。
「……俺の秘蔵DVD達はどこや? カモフラージュしたはずやけど……?」
ピンポーン
まただ。孝也は無視を決め込む。どうせ宗教の勧誘か何かだろう。
まただ。孝也は無視を決め込む。どうせ宗教の勧誘か何かだろう。
「ああー! やっぱDVD抜かれとるー!」
ピンポーン……
ピポピポピポピポピポ……
ピポピポピポピポピポ……
「……うるさいわボケェ! なんで連打やねん小学生か!」
我慢の限界だった。しつこいだけならまだしもこれではただのイタズラだ。
既に逃げているかも知れないが、居たら取っ捕まえて文句でも言ってやる。そう思って玄関のドアを勢いよく開けた。
既に逃げているかも知れないが、居たら取っ捕まえて文句でも言ってやる。そう思って玄関のドアを勢いよく開けた。
「コラァ! 一体なんの嫌がらせ――」
「やっほー」
「……。え?」
「やっほー」
「……。え?」
玄関の外に居たのは、後にも先にも一撃で孝也を倒した唯一の少女。
「……桃花?」
「ホントに来ちゃった」
「なんで今日こっち来るって知ってんねん?」
「おじさんから電話貰ったよ。心配してたぞ」
「そっか。まぁ入れや。全然片付いてないけどな」
「そのこと何だけどさ……。あの……相談あるんだけど?」
「なんや? 言うてみ」
「私さぁ……。今ホームレスなんだよね」
「……。冗談か?」
「これが本当なの。てへ」
「てへやあれへん。笑い事ちゃうやろ……」
「ホントに来ちゃった」
「なんで今日こっち来るって知ってんねん?」
「おじさんから電話貰ったよ。心配してたぞ」
「そっか。まぁ入れや。全然片付いてないけどな」
「そのこと何だけどさ……。あの……相談あるんだけど?」
「なんや? 言うてみ」
「私さぁ……。今ホームレスなんだよね」
「……。冗談か?」
「これが本当なの。てへ」
「てへやあれへん。笑い事ちゃうやろ……」
桃花、孝也の部屋へ無事寄生する。