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寓話的

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寓話的


投下日時:2010/09/05(日) 18:20:51

クリーシェが倉刀に尋ねた
「貴方の師匠は貴方に何も教えない。それは本当かしら」
「はい、そうです」
「それならば、どうして貴方は仕えてるのかしら」
倉刀は答えた

「創作とは、人生とは、白いキャンバスに絵を描くような物。どのような色彩であろうともその人の個性。
指図すれば独自の色彩は失われてしまう、師匠はそれを嫌うのです。
僕はその意図を理解して、側に仕えているのです」

「でも、何も語らないのはどうかしら」

「師匠は道具をすでに下さいました。あとは好きに描けという事でしょう。
あなたの支援とやらは、袖を引っ張っているのと同じ、僕はのびのびと描いていたいのです」

クリーシェはこれを聞くと、問答を打ち切って下山した
クリーシェがこの一件を柏木にこぼすと、柏木は答えた

「キャンバスを前にした赤子に、絵具をあたえても口にいれてしまうでしょう。
側に母がついてやらないといけないものです。
貴女は気にせずに、他人を支援するがよろしかろう」

クリーシェはそれを聞き、他人の支援を続ける事にした


天下の往来で大道芸人が見世物をしていた
道行く人々は足を止めて見物していた
しばらくすると、そこにハルトシュラーが通りかかった
「ほう、大道芸か。面白いな」
そういうとハルトシュラーも見世物を繰り広げた
それは素晴らしい出来映えで、往来の人々は全てそちらにながれた
クリーシェがそれをとがめた

「日を改めてやればあの大道芸人も見料を取れたのに、アンタには遠慮ってのを知らないのかしら」
「ここは天下の往来、私が何をしようとも勝手、人がそれを判断するのも勝手という事だろう」

クリーシェは激昂してその場を去った
ハルトは見料を袋に納めると、倉刀に尋ねた
「あの大道芸の出来はいかがなものだったか」
「師匠には及びませんが、中々の出来映えだったと思います」

そうか、とハルトは袋を倉刀にわたして言った

「お前がその中から好きなだけ渡してやるといい。他人の評価なぞ私には不必要だからな」


大雨で橋が流れて、川が渡れなくなっていた

ハルトシュラーは頑丈な橋を創り出し渡った
発子・クリーシェは皆を鼓舞すると、以前よりも頑丈な橋を共同で作った
一方、裏ハルトは諦めて勤め先を休んだ


柏木がハルトシュラーに尋ねた
「どうして貴女は山奥に篭って一人創作をしているのです。
世の中に出れば多くの人を照らすでしょうに」
「日光というのは不思議だ。草木を育てるのに必要だが強ければ枯れてしまう」

続けて柏木がハルトシュラーに尋ねた

「他者との交わりは、多くの物を学ぶ機会ですが、貴女は独り何を見ているのでしょう」
「月夜の湖畔に船を浮かべて月を見る。月と私と、水面の影、喧騒はここに有る」

問答をおえて帰ってきた柏木を、クリーシェが迎えた
「今日はどこに行ってきたのかしら?」
柏木は笑って答えた

「何、淵に潜む龍の髭を撫でてきただけですよ」


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