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オメガライン 第1話

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
俺が産まれて13年、この世界は何も変わらず何も起こらず。
普遍的な時間がただただ流れるだけだった、代わり映えのない毎日の中で俺は変化を求めていた。
だけど現実は違っていて俺の思惑とは裏腹にいつもと変わらない毎日が過ぎていく。
もうこのまま俺がシワシワになるまで、いやその後も何も変わらないじゃないかと思えてきた。
その日が訪れるまでは…。


オメガライン
第1話「未知との出会い」


彼の名前は秋村 陽、どこにでもいるような普通の少年。
黒い髪に黒い瞳、ほっぺたの絆創膏がトレードマークといった生粋の日本男児である。
好奇心旺盛で珍しい物、珍しい事に目がない。
そんな性格からかいつも不思議な事を求めている。
だが彼の周りは何も変わらずただ時は流れてゆくだけ。
そんな単調で退屈な日々に彼は痺れをきらしていた。

陽は学校の帰りに近くの海へ行くのが日課だ。
最初に砂浜を散策する、彼は出会いがあちらから来るのをただ手をこまねいて待っていない。
彼は変化を日々求めていた。
散策はその彼なりの行動だ。
彼の宝物である星の砂もそうして見つけた。
何も見当たらないときは海を見る。
じっと見ていたら地平線の向こうに何か現れるのではないかと彼は期待している。
が、見えるのは漁にでている漁船とカモメ達だけだった。
陽の1日はだいたいこんな感じである。
平穏であり変化のない1日。
「今日も収穫なし…か」
海を見ながら陽は儚げな思いで一杯になる。
また今日が終わってゆく、そして朝を迎えその繰り返し。
だが今日という1日はいつもの代わり映えのない1日で終わらせてもらえなかった。
好むと好まざるに関係なく彼はその『運命』に巻き込まれてゆく。

砂浜を後にしようとしていた陽はふと何かを発見する。
人が倒れている。
しかも陽と同年代の少女だった。
変化を求めていた陽にとっては千載一遇のチャンス!
だが状況はそんな楽観的なものじゃなく、一刻を争うような事態だった。
陽はその倒れている少女の下に駆け寄る。
「かっ!可愛い…、じゃなくて!!」
静かに顔を覗かせる陽。
その少女は日本では見かけない顔していて外国の出身と見て取れる。
肩まである美しい銀色の髪、瞳の色は目を閉じていて確認できない。
見たこともない服、それは全身を身に纏い、装着者を衝撃から守りそうな柔軟性にとんだハイテクな服。
陽の好奇心がますますくすぐられる。
だが陽はその好奇心を抑えて少女に呼びかけた。
「君!大丈夫か!?返事をしてくれ!」
「ん…」
「良かった、意識はある」
一瞬、開きかけた瞼の奥には宝石のような蒼い瞳を垣間見る。
陽は海の底に沈んだ船から宝物を見つけた気分になっていた。
「パ……パ…」
「…!?」
陽は彼女のその最初の言葉に訳も分からず恥ずかしくなり、赤面する。
顔を横に振り正気を取り戻す。
「どうしよう、とりあえず家に連れて行くしかないか…」
そう言うと陽は少女を担ぎ、おんぶをする。
望んだ形ではないとはいえ、結果的に変化が起きた。
だが色々複雑すぎて、陽にとってあまり喜ばしい状況ではなかった。
欲しがっていた宝物が泡となって消えていく感じ。
そんな思いが胸中を駆けめぐりながら二人は家路へ向かった。


それは今から一時間前の事だった。
「対象発見、敵マリンタイプと確認。駆逐します!」
巨大なロボットと謎の生命体が日本近海の海洋上で対峙している光景がそこにあった。
黒鉄の重厚感のある巨大な腕、赤と黒を基調としたボディ、胸部には特徴的なエンブレムがかたどられている。
謎の生命体の方は全体が緑色で甲殻類のような甲羅に覆われている。
二本の腕、二本の足が生えていて体型は人型。
緑色の腕の先にある禍々しく伸びた鉤爪は武器と呼べるには十分だ。
「ミサイルスタンバイ、ゴー!!」
ロボットの胸部からパイロットのかけ声と共に数基のミサイルが発射された。
生命体に着弾し爆発する。
その生命体は液状化し、文字通り海の藻屑とかした。
「…やったの?」
そのロボットのパイロットは勝利を確信し、安堵する。
状況終了を仲間の下に報告するために通信を入れようとしたその時―――
「グオォー!!」
「しまった、囲まれた!?」
気づけば数体の生命体に囲まれていた。
「くっ、私としたことが油断した…」
「「「グオォー!!」」」
「キャャアーーー………


………ーー!!」
「ヒッ!?」
意識を取り戻した少女は見知らぬ場所、見知らぬ人がいることに気づく。
その目の前にいる少年は目を丸くして驚いていた。
どうやらだいぶ気絶していたのだろう、窓の外を見たら夜になっていた。
「あの?あなたが…?」
「え?あの、うん」
「ここどこですか?」
辺りを見回す少女、部屋中物が散乱としていかにも子供の、しかも男の子の部屋とわかる。
釣り道具や素潜りするための様々な道具。何かの怪しげな仮面、そして星の砂が入った小瓶。
少年の部屋だと判断するには十分だった。
「ここ、俺の部屋。俺陽!秋村陽!!」
「ヨウ…、私はリーフ」
「あのさ、あのさ!聞きたいこといっぱいあるんだけど―――」
リーフは顔を俯き、今は話したくはないとゆう素振りを見せる。
「そ、そうだよね。病み上がりであんまり話したくはないよね。ごめん…」
少し間が空き、お互い目が合ったり合わなかったり。
なんだか甘い空気が漂っている、と陽が一方的に感じ取っていた。
内心「イケる!」と勘違いする陽。
と、ここで二人の空間を引き裂く声が一階から聞こえてきた。
「飯ができたぞい!陽や」
老人の声が陽の部屋に響き渡る。
「やっべえ!じいちゃんだ、前に犬を家に連れてきた時すごい怒られた事あるから物音立てず静かにしててね、後でご飯持ってくるから」
そう言うと陽は一階に駆け下りてゆく。
「私、犬じゃない…」
リーフはまだ少し疲れが残っていたため、もう一眠りする事にして静かに目を瞑る。

それからしばらくして、食事をすませた陽がリーフの食べ物を持参しながら部屋に戻る。
途中、彼の祖父と母に疑われ誤魔化すのが大変だったがなんとかやり過ごし今に至る。
だがそれも取り越し苦労に終わっていたことを陽はすぐに把握する。
リーフはすでにぐっすりと寝息を立てていた。
ベッドを譲った陽は床に余っていた布団をひき、内心俺って紳士だななどと思いながら就寝する。


そして夜が明ける。
鳥の鳴き声でリーフが目を覚まし、陽が床で寝ているところを目の当たりにする。
内心悪いことしてしまったとリーフは申し訳ない気持ちになっていた。
こっそり彼を起こさないように姿勢を低くして陽の部屋を後にする。
家族の誰にも気づかれぬようそのまま静かに家から出て行こうとしたその時。
茶の間にさしかかった所でリーフを呼び止める声がした。
「陽に助けてもらった礼もせんと行くんかい?」
「…?」
そこに、椅子に座っていた陽の祖父がいた。
その老人は白髪の髪、背は陽やリーフより若干低い、口の周りに生えた白髪の髭が特徴的だ。
新聞を見ながらお茶を飲んでいる、それが彼の日課。
リーフはただ驚いていた。
「何で知ってるかと言う顔をしているな、あの時たまたま漁が終わった帰りじゃったからの」
「あの、陽にありがとうと伝えてください」
「は~…。すぐにここから、この島からでてってくれんかの?それがお互いの為になる」
「………」
心無い言葉を突きつける老人、だがそれも仕方ないと言う顔をするリーフ。
リーフは静かに陽の家を出て行った。

数時間した後陽も起きるが、リーフがいなことにすぐ気づく。
「あれぇ?リーフは…」
夢か幻か、昨日の出来事は全て泡沫の夢だったのか?
虚無感に苛まれていた陽はしばらくぼーっとしていた。
と、目の覚める一発。
いつもの朝を告げる声が一階から聞こえる。
「飯じゃあ、陽!」
そしていつもの食卓、代わり映えのない朝。
「なんじゃ陽、そんなにぼーっとしてたら魚いただいちゃうぞ」
祖父を軽くあしらいながら頭の中はリーフで一杯だった。
じわじわと押し寄せてくるまた会いたいという気持ち。
「京子、陽が変じゃな」
「いつものことでしょおじいちゃん、ほら!早く食べな陽、片付かないでしょ食器」
髪を後ろで結んでエプロンといったポピュラーな姿の母に急かされ目の前の魚を一口食べる。
「しっかりせんとな陽、今日は台風じゃからそんなんじゃ吹っ飛ばされるてしまうわ」
「そっか、台風か…。大変だな………なんだって!?」
再びリーフの顔が頭の中に浮かぶ。
こんな台風の中で女の子一人危険すぎる。
陽はいてもたってもいられなくなった。
「大変だ!!」
その場から飛び跳ねながら慌てふためき、外に駆け出す陽。
頭の中はすでに真っ白だった。
ただ思い浮かぶのはリーフの顔。
「待たんか陽!」
外に駆け出した陽はまず海を目指した。
二人が出会った場所へ。
「幻にしたくない!夢で終わらせたくない!!」


まもなく、海へつき。
辺りをくまなく探す陽。
雨に打たれ視界は最悪だが、はっきりとわかる昨日見たあの独特な服、リーフを発見。
すぐ彼女の元に駆け寄る陽。
「リーフ!!」
「あなたは、陽」
陽はリーフを見つけて安堵し、その場に座り込む。
「なにしに来たの?」
「君を探しにきた、こんな台風の中外にいたら危険だ!家に帰ろう」
陽はリーフの手を掴んだがすぐにふりほどかれる。
「やめて!私に構わないで、私に関わるとあなたが不幸になる」
「っ!…」
陽は少し言葉を詰まらせ、俯く。
「それでも、それでも俺は夢を夢のままで終わらせたくない!」
「…!?」
リーフは陽のその言葉に驚かされ、ただ圧倒されていた。

と、二人の間を引き裂くようにあの謎の生命体が突如現れた。
陽はなにが起きたのかわからないまま、ただ混乱するしかなかった。
「なんだあれは!?」
「あれはグリードよ」
陽はリーフがあれを知っていることに驚いた。
「グリード…?」
「そう、私達の敵」
「君は一体…?」
ここでグリードの鉤爪が二人を襲うが間一髪でよける二人。
「ここは私に任せて陽は逃げて!」
「そんな!女の子一人残して逃げるなんてまねできない!!」
「大丈夫、これは私の仕事だから…」
リーフはパイロットスーツに搭載されている通信機を起動させる。
襟元の小型マイクを口元に寄せ言い放つ。
「モードオートパイロット、来なさいブレイゼルド!」
そう言い終えるとグリードの後方から黒鉄の巨人、ブレイゼルドが海中から現れる。
ブレイゼルドはグリードを持ち上げ海面へ叩きつける。
グリードが怯んでいる隙にブレイゼルドはリーフの下へ。
まもなくしてブレイゼルドはリーフに手を差し伸べコクピットへ誘う。
「システムオールグリーン、ブレイゼルド・フェイスドライブ!!」
ブレイゼルドの顔を覆っていたマスクが外れ、口が露わとなる。
その姿はまるで人の顔のようだ。
「ブレイ……ゼルド…。…ん?えぇぇぇ!!」
陽は後方の道路沿いに祖父や母、その他大勢の人がいることに気づく。
「なんでこんなとこにいるんだよじいちゃん達!」
「お前が心配で探していたんじゃ、そんな事よりなんじゃあれは!!」
家族の登場で陽は益々混乱していた。
そんな中リーフは一人で戦っていた。
「あの時のグリードか、今度こそ殲滅する!ブレイエッジセット、シュート!!」
ブレイゼルドはその黒鉄の巨大な腕を胸の前でクロスさせ肩部アーマーに搭載されている円月輪・ブレイエッジを二対取り出し、グリードめがけいきよいよく放つ。
「グオォォーー!!」
ブレイエッジは回転しつつ、綺麗な弧を描きながらグリードに向かっていく。
そして見事に命中、ダメージを負ったグリードは態勢を崩し隙だらけになる。
リーフはこのチャンスを逃さない。
「今よ!ミサイルスタンバイ、ゴー!!」
胸部から放たれた数基のミサイルはグリードを捉え、爆発しグリードは液状化。
敵を倒したがリーフは手放しで勝利を確信できないでいた。
「まだいる…」
そんな事を知らない陽は。
「よっしゃあぁぁっー!!やったぜリーフ」
「陽、逃げろと言ったのに…」
モニターで陽を確認したリーフは彼が心配で仕方なかった。
そしてリーフの予感は的中する。


海面が揺れ波打ち、水飛沫を勢いよく上げ、五匹のグリードが一斉に現れる。
「こんなに、仲間を呼び寄せたと言うの!?」
ブレイゼルドは忽ちグリードに襲われて将棋倒しになり、グリードの下敷きになる。
その衝撃にリーフはコクピットのモニターで頭を打ちつけてしまった。
「キャャアアーー!!」
「リーフーー!!」
陽は最悪の事態が頭をよぎる、このままじゃ家族もリーフも失う事になる。
しかし陽の中の恐怖は不思議と薄れていき、勇気が芽生え始める。
愛する者を守るため恐怖を勇気に変えて…。
(このままじゃだめだ、このままじゃみんな失う。みんなを、リーフを守りたい!)
気がつけば、陽は走っていた。
「うおおー!!」
「何をするんじゃ陽、やめんかー!」
走って、走って、走って、泳いで、泳いで、泳いで、ようやくブレイゼルドの下にたどり着く。
「頼む!入れてくれブレイゼルド!!」
ハッチが開く、そこにいたのは頭から血を流して気を失いかけていたリーフだった。
「リーフ!大丈夫か!?しかっかりしてくれリーフ!!」
「ヨ…ウ……、なにしにきたの?早く逃げて」
「バカヤロウ!頭から血を流してる奴のセリフかよ!?俺も一緒に戦う」
突拍子もない事を言う陽にリーフは怒りよりも呆れを感じていた。
「なっ、何言ってるの?」
「ちょうど敵も大勢いることだし、敵さんも文句はないだろ。やろうぜリーフ」
コクピットは前後復座席になっていて二人乗りも可能。
陽はリーフの前の席に陣取り、てこでも動かない覚悟だ。
「プッ…、ありがとう。行こう陽!」
「ああリーフ!うぉぉおおおーーー!!」
操縦桿を握った陽の手が輝き始める。
その輝きは頂点に達し、コクピットを包み込む。
(この子、光粒子を有しているというの?それにしてもこの異常な輝きは…)
「陽、あなたは一体…」
輝きはコクピットから溢れ出し、グリードを凪払い、天を貫き、空を覆っていた厚い雲を振り払い、さっきまで台風だったと言うのが嘘のように晴れ渡る。
太陽が顔を出しブレイゼルドを照らす。
その姿は神々しささえ感じさせられる。

輝きは徐々に収まり、その黒鉄の腕に収束し、光を纏った拳となる。
『レベル5、コード承認ロック解除。レベル6、コード承認ロック解除。レベル7―――』
AIが何かを解除するオペレーションをアナウンスした。
「凄い、ブレイゼルドにかけられていた枷が外れていく。60、70、80、出力90%を超えた!?」
リーフは普段半分のパワーで戦っている。
出力を上げたくても上げられない、何故ならブレイゼルドの力は封印されているからだ。
陽はそれを無理矢理こじ開け、力を解放させたのだ。
「つえりゃあぁぁーーー!!」
ブレイゼルドは二歩、三歩と前進し、次の瞬間にはグリードへ向かって一直線に移動する。
その光を纏った拳はグリードに放たれた。
「グオォォ!!」
グリードに放たれた拳は突き抜け、グリードは爆散する。
「あと四匹!一気にいくぜぇぇええー!!」
一匹、また一匹と千切っては投げ千切っては投げ、次々と打ち倒していった。
その姿はまさしく一騎当千、鬼神の如く…。
そしてついにラスト一匹となった。
グリードのその緑色の腕から伸びた鉤爪を払いのけ、ブレイゼルドの拳は顎を捉え、グリードを空中に吹き飛ばす。
グリードは激しく爆散し、辺りは硝煙に包まれる。

硝煙が晴れ、そこに最後まで立っていたのは拳を天に突き上げた姿のブレイゼルドだった。
コクピットでは戦闘でだいぶ消耗したのか、陽が気絶していた。
リーフはそれを優しく包容し、静かに声をかけた。
「お疲れ様、陽。今はオヤスミ」
しばらくし、コクピットから陽の肩を背負う形で降りたリーフを出迎えたのは、陽の祖父達だった。
どうやら勝者の祝福と言う感じではなく、明らかに険悪なムードだった。
陽の祖父が代表し、一歩前に出る。
「やってくれたな、外界からの異邦人よ。あの時の忠告を何故無視した?」
「………」
険悪なモードが続く中、陽が目を覚ました。
「早々に立ち去ってくれんか?」
「ちょっと待ってくれよじいちゃん!リーフはみんなを助けてくれたんだぞ、そんな言い方はないじゃないか!」
その言葉に祖父は陽を宥めるよう諭す。
「おまえも知ってるじゃろ、この国のルールを…」
「う…、そんなことわかってるよ………」
この国に定められたルール、それは…。
「第二次鎖国じゃ」


続く

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