電力節約の為に振動熱機能を切った300cm超振動極熱刀で敵を真っ二つに斬断する。
振動熱機能抜きでも刀身はダイヤモンドより硬く、斬る日本刀と重量で叩き潰す西洋剣の特徴を兼ね備えた斬撃は如何なる敵をも斬り裂く。
神殿内は全高4mの超重装甲強化服改でも移動に困らない程広いとはいえ、所詮建物の中。全長3mの刀で敵を斬るのは容易であった。
弾薬を節約する為300cm超振動極熱刀を主に、長針弾の単発射撃で急所を射抜き絶命させる。
魔法使いのように厄介な敵には遠慮無く25mm機関砲の単発射撃で瞬殺。
こちらの対応出来ない相手はラウディッツが魔法で片付けてくれる。
敵に一切の攻撃を許さぬまま、一方的な殺戮行進は続く。
「ラウディッツ。ナフィアがいる場所は分かるか」
「ああ、恐らく地下だ。とんでもない邪気を感じる」
丁度、下へ降りる階段が見えた。階段の前に立ちはだかる敵を体当たりで轢き殺し、一気に駆け降りる。
進みながら敵を殺し、階段を降りていく。そんな行為を作業のように数度繰り返した後、広い空間に出た。
地下に築かれたにしては、随分大きい部屋だった。
真正面に扉があり、それを塞ぐように全高10mの鉄巨兵が立っていた。
その足元にいる戦場に不釣合いな豪奢な衣服と金銀に輝く装飾品を身に付けた小太りの男が、こちらに不敵な視線を向け鼻を鳴らし、朗々と語り始めた。
「よく来たな、魔王。そして鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵よ!
我が兄者が率いる不死の暗黒兵団を退けた事は褒めてやろう。
だがこの私を兄者と同じように簡単に殺せるとは思わぬ事だ。
何故ならぶぅわぁッ!?」
25mm振動熱徹甲榴弾で喋っている途中の男を消し飛ばす。
「……お前は本当に容赦無い奴だな」
「そうか?」
急いでいる途中だから無駄な行動を控えているだけなのだが。
先に進もうとした時、鉄巨兵が動き出した。
発射した対戦車ミサイルが鉄巨兵の胸部に直撃。胴体が完全に消滅し、分解蒸発していく頭部と四肢は床に落下すると脆く崩れ砂状になる。
これで対戦車ミサイルは残り1発のみ。扉を進み、奥の階段を降りていく。
「セイ、もうすぐだ」
再び広い空間に出た。真正面には奥へ続く扉。
今度は鉄巨兵と小太りの男はおらず、大部屋の中央に男がいた。
身長2mの巨漢。手足は丸太のように太く逞しい。金色の短髪に、羅刹の如き厳しい顔。
猛獣ですら恐怖のあまり動けなくなってしまうのではないかと思えるほどの鋭い眼力。
オーラ。そう他に表現しようがない、凄まじい威圧感を感じる。
そんな男が両腕を組み仁王立ちで俺とラウディッツを凝視していた。
背筋に寒気が走る。足を後ろに下げそうになって、必死でこらえる。
今まで様々な修羅場を潜り抜けたつもりだったが、たった一睨みで「飲み込まれそう」になったのは初めての経験だ。
振動熱機能抜きでも刀身はダイヤモンドより硬く、斬る日本刀と重量で叩き潰す西洋剣の特徴を兼ね備えた斬撃は如何なる敵をも斬り裂く。
神殿内は全高4mの超重装甲強化服改でも移動に困らない程広いとはいえ、所詮建物の中。全長3mの刀で敵を斬るのは容易であった。
弾薬を節約する為300cm超振動極熱刀を主に、長針弾の単発射撃で急所を射抜き絶命させる。
魔法使いのように厄介な敵には遠慮無く25mm機関砲の単発射撃で瞬殺。
こちらの対応出来ない相手はラウディッツが魔法で片付けてくれる。
敵に一切の攻撃を許さぬまま、一方的な殺戮行進は続く。
「ラウディッツ。ナフィアがいる場所は分かるか」
「ああ、恐らく地下だ。とんでもない邪気を感じる」
丁度、下へ降りる階段が見えた。階段の前に立ちはだかる敵を体当たりで轢き殺し、一気に駆け降りる。
進みながら敵を殺し、階段を降りていく。そんな行為を作業のように数度繰り返した後、広い空間に出た。
地下に築かれたにしては、随分大きい部屋だった。
真正面に扉があり、それを塞ぐように全高10mの鉄巨兵が立っていた。
その足元にいる戦場に不釣合いな豪奢な衣服と金銀に輝く装飾品を身に付けた小太りの男が、こちらに不敵な視線を向け鼻を鳴らし、朗々と語り始めた。
「よく来たな、魔王。そして鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵よ!
我が兄者が率いる不死の暗黒兵団を退けた事は褒めてやろう。
だがこの私を兄者と同じように簡単に殺せるとは思わぬ事だ。
何故ならぶぅわぁッ!?」
25mm振動熱徹甲榴弾で喋っている途中の男を消し飛ばす。
「……お前は本当に容赦無い奴だな」
「そうか?」
急いでいる途中だから無駄な行動を控えているだけなのだが。
先に進もうとした時、鉄巨兵が動き出した。
発射した対戦車ミサイルが鉄巨兵の胸部に直撃。胴体が完全に消滅し、分解蒸発していく頭部と四肢は床に落下すると脆く崩れ砂状になる。
これで対戦車ミサイルは残り1発のみ。扉を進み、奥の階段を降りていく。
「セイ、もうすぐだ」
再び広い空間に出た。真正面には奥へ続く扉。
今度は鉄巨兵と小太りの男はおらず、大部屋の中央に男がいた。
身長2mの巨漢。手足は丸太のように太く逞しい。金色の短髪に、羅刹の如き厳しい顔。
猛獣ですら恐怖のあまり動けなくなってしまうのではないかと思えるほどの鋭い眼力。
オーラ。そう他に表現しようがない、凄まじい威圧感を感じる。
そんな男が両腕を組み仁王立ちで俺とラウディッツを凝視していた。
背筋に寒気が走る。足を後ろに下げそうになって、必死でこらえる。
今まで様々な修羅場を潜り抜けたつもりだったが、たった一睨みで「飲み込まれそう」になったのは初めての経験だ。
「よくここまで辿り着いたな、魔王ラウディッツ。そして、鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵よ」
重く低い声が男の口から発せられる。こちらを睨んだまま続ける。
「邪悪なる帝国に世界の平和は失われ、恐怖と暴力の時代が訪れる。
強き者が生き、弱き者は死ぬ弱肉強食の世。多くの人々が虐げられ、闇に生きる者達は闇にしか生きられなくなる。
大地に響き渡る嘆きと悲しみの声。
邪悪なる帝国の力は益々強くなり、絶望が覆い尽くさんとする。
一縷の望み、僅かな光。残された最後の希望が途絶えんとした時、遠き遥か彼方より救世主が現れる。
東の果ての海に姿を現す、太陽の旗を掲げる民の都。その都を守りし鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵。
人々よ、信じ願え。太陽の旗を掲げる民の都は必ず現れる。
そして鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵によって邪悪なる帝国は打ち倒され、闇にしか生きられなかった者達を光射す未来へと導くであろう」
男の口から語られたのは、この世界に古くから伝わるという伝承だった。
太陽の旗を掲げる民の都。鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵。
知らぬ者はいない救世主伝説。
「何者だ」
ラウディッツが肩から降りて脇に立ち、男に問いかける。
「我はジャーク。ジャーク魔法帝国皇帝、ジャークである」
ジャークだと。この男が皇帝?
想像していた姿とは随分違う。
鍛え上げられた肉体。威風堂々と立つ様は雄々しく、皇帝というより覇王と呼ぶに相応しい。
「貴様が……!」
あらん限りの憎悪を込めてラウディッツが睨む。だが皇帝は、ジャークは魔王の殺気を込めた視線に微動だにしない。
ジャークに人差し指を向け、ラウディッツは吼える。
「皇帝、貴様の命運はここで尽きる。伝承通りに現れた太陽の旗を掲げる民の都と鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵によって
帝国は滅ぶ。この場で貴様を殺し邪神の復活を阻止して全てが終わりだ!」
「全てが終わり、だと。何も分かっておらぬようだな」
「何ィッ!?」
冷静沈着なラウディッツだが皇帝を前にしてか、気が最大限に高ぶっていた。そのラウディッツへ重く低い静かな声音でジャークは告げる。
「確かに伝承通り太陽の旗を掲げる民の都と鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵は現れた。
その力は確かに絶大であった。ラウディッツ、貴様の率いる魔王軍を潰すべく送った100万の兵を蹴散らされたばかりでなく
わずか3日で帝国の最奥深くへ攻め込んだ。今、外で戦っている我が帝国の兵達は最早壊滅寸前となっている。
帝国軍の再建には最低でも数十年はかかるであろうな」
「それが終わっているというのだ。貴様は遊戯盤で言う王手の状態だ。貴様という王を倒して全て終わりだ!」
「やはり何も分かっておらぬな」
「何だと!?」
「盤上の駒が全て無くなろうが問題ではない。全てはこの時、この為だけにあったのだ」
重く低い声が男の口から発せられる。こちらを睨んだまま続ける。
「邪悪なる帝国に世界の平和は失われ、恐怖と暴力の時代が訪れる。
強き者が生き、弱き者は死ぬ弱肉強食の世。多くの人々が虐げられ、闇に生きる者達は闇にしか生きられなくなる。
大地に響き渡る嘆きと悲しみの声。
邪悪なる帝国の力は益々強くなり、絶望が覆い尽くさんとする。
一縷の望み、僅かな光。残された最後の希望が途絶えんとした時、遠き遥か彼方より救世主が現れる。
東の果ての海に姿を現す、太陽の旗を掲げる民の都。その都を守りし鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵。
人々よ、信じ願え。太陽の旗を掲げる民の都は必ず現れる。
そして鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵によって邪悪なる帝国は打ち倒され、闇にしか生きられなかった者達を光射す未来へと導くであろう」
男の口から語られたのは、この世界に古くから伝わるという伝承だった。
太陽の旗を掲げる民の都。鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵。
知らぬ者はいない救世主伝説。
「何者だ」
ラウディッツが肩から降りて脇に立ち、男に問いかける。
「我はジャーク。ジャーク魔法帝国皇帝、ジャークである」
ジャークだと。この男が皇帝?
想像していた姿とは随分違う。
鍛え上げられた肉体。威風堂々と立つ様は雄々しく、皇帝というより覇王と呼ぶに相応しい。
「貴様が……!」
あらん限りの憎悪を込めてラウディッツが睨む。だが皇帝は、ジャークは魔王の殺気を込めた視線に微動だにしない。
ジャークに人差し指を向け、ラウディッツは吼える。
「皇帝、貴様の命運はここで尽きる。伝承通りに現れた太陽の旗を掲げる民の都と鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵によって
帝国は滅ぶ。この場で貴様を殺し邪神の復活を阻止して全てが終わりだ!」
「全てが終わり、だと。何も分かっておらぬようだな」
「何ィッ!?」
冷静沈着なラウディッツだが皇帝を前にしてか、気が最大限に高ぶっていた。そのラウディッツへ重く低い静かな声音でジャークは告げる。
「確かに伝承通り太陽の旗を掲げる民の都と鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵は現れた。
その力は確かに絶大であった。ラウディッツ、貴様の率いる魔王軍を潰すべく送った100万の兵を蹴散らされたばかりでなく
わずか3日で帝国の最奥深くへ攻め込んだ。今、外で戦っている我が帝国の兵達は最早壊滅寸前となっている。
帝国軍の再建には最低でも数十年はかかるであろうな」
「それが終わっているというのだ。貴様は遊戯盤で言う王手の状態だ。貴様という王を倒して全て終わりだ!」
「やはり何も分かっておらぬな」
「何だと!?」
「盤上の駒が全て無くなろうが問題ではない。全てはこの時、この為だけにあったのだ」
この皇帝の余裕は何なのだろうか。あらゆる不利を帳消しにする切り札。考えられる理由は……。
「邪神を復活させれば他の事はどうでもいい、という事か」
ジャークがこちらへ視線を向ける。
「違うな、日出ずる国の兵よ。邪神復活は余興。暇潰しの遊戯に過ぎぬ。我が最大の目的を達する道に添える、いわば花のようなものだ」
「最大の目的?」
邪神を復活させるのが最大の目的ではないのか。
「まだ分からぬか。ならば教えてやろう」
ジャークの鋭い眼光が俺とラウディッツを射抜く。
「我が望みは日出ずる国の兵をこの手で殺す事だ。
ラウディッツよ。帝国が本気を出せば貴様の魔王軍を潰すなど容易であったのだ。だがあえてそうはしなかった。
鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵は帝国を滅ぼし世を救うという。
伝承通りに現れた日出ずる国の兵が我が手で無惨な骸と化し希望が絶望へと変わった時
下らぬ伝承が叩き潰される様を見た者共は真に心の底から帝国に服従するであろう。
それが我が最大の目的。救世主伝説を大陸の全土に広めたのは我がジャーク帝国なのだ。
ラウディッツ、貴様は殺さぬ。お前は時代の証言者として、このジャークの勝利を永久に語り継ぐ語り部となるのだ」
「断る。今この場で貴様を殺して全てを終わらせてやる!」
「待て、ラウディッツ!」
静止の言葉をかけたが既に遅く、ラウディッツはジャークへ全力で駆けていた。
「ジャーク覚悟ぉっ!」
極限まで濃縮された魔力が纏わりついた右腕を鋭く速く突き出す。究極の魔法拳。大岩をも粉々に砕く拳打。
しかし、ジャークには全く通用しなかった。
腕を組んだまま微動だにしないジャークに向かったラウディッツは、拳が当たる寸前で弾かれたように後ろへ吹き飛び部屋の壁に激突し体の後ろ半分が埋もれる。
その後、力無く体を崩し、前のめりに倒れた。
何が起こったのか分からなかった。ジャークはただ立っていただけだったはずだ。一体何をした。
「生きてるか、ラウディッツ」
「……何とかな」
苦しそうに片膝を突き体を起こす。ダメージが深いのか、すぐには立てないようだ。
「魔王というから少しは楽しめるかと思えば、この程度とはな。さて、貴様はどうかな」
ジャークがこちらへ視線を向ける。魂を射抜くような鋭い眼光。
「無論、お前を殺す。ナフィアを救う為にも」
「ナフィア。確かあの娘の名前だったな。だったら早くする事だ。もうすぐ邪神は復活する。そして邪神が復活した時、生贄である娘は死ぬ。
あの娘を救いたくば、我が屍を越えていくがよい」
「そうさせてもらう」
躊躇無く最後の対戦車ミサイルを発射した。音速を超える速度でジャークに直撃した対戦車超振動極熱ミサイルは
ありとあらゆる物質を分解蒸発する超振動波と極大特殊熱を撒き散らす。
前方を爆煙が包む状況で、右脇の3連装100mm対戦車ミサイル発射筒を切り離した。
「やったか」
あれの直撃を受けて生きている人間など存在しない。科学力では圧倒的に上回る、日本本土の人工人間でも耐えられないだろう。
耐えられないはずだった。
晴れていく煙の中から最初に見えたのは、突き出された太く逞しい右腕だった。
それが誰の腕かは煙が晴れてすぐに分かった。無傷、かすり傷すらついていない皇帝ジャークが目の前に立っている。
「我が拳を抜かせるとは、少しはやるようだな。だがその程度の力では我を殺す事は出来ぬ」
全く動かなかったジャークが格闘技のような構えを取る。
「天に光輝くは我が主星、天極星のみ。我が拳で砕き潰してくれるわぁッ!」
凄まじい速さで踏み込んでくるジャークに、300cm超振動極熱刀を全力で振り下ろした。
下手をすれば握っている右腕が分解蒸発しかねない過負荷出力。究極の破壊力が秘められた刀身は皇帝を……
「邪神を復活させれば他の事はどうでもいい、という事か」
ジャークがこちらへ視線を向ける。
「違うな、日出ずる国の兵よ。邪神復活は余興。暇潰しの遊戯に過ぎぬ。我が最大の目的を達する道に添える、いわば花のようなものだ」
「最大の目的?」
邪神を復活させるのが最大の目的ではないのか。
「まだ分からぬか。ならば教えてやろう」
ジャークの鋭い眼光が俺とラウディッツを射抜く。
「我が望みは日出ずる国の兵をこの手で殺す事だ。
ラウディッツよ。帝国が本気を出せば貴様の魔王軍を潰すなど容易であったのだ。だがあえてそうはしなかった。
鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵は帝国を滅ぼし世を救うという。
伝承通りに現れた日出ずる国の兵が我が手で無惨な骸と化し希望が絶望へと変わった時
下らぬ伝承が叩き潰される様を見た者共は真に心の底から帝国に服従するであろう。
それが我が最大の目的。救世主伝説を大陸の全土に広めたのは我がジャーク帝国なのだ。
ラウディッツ、貴様は殺さぬ。お前は時代の証言者として、このジャークの勝利を永久に語り継ぐ語り部となるのだ」
「断る。今この場で貴様を殺して全てを終わらせてやる!」
「待て、ラウディッツ!」
静止の言葉をかけたが既に遅く、ラウディッツはジャークへ全力で駆けていた。
「ジャーク覚悟ぉっ!」
極限まで濃縮された魔力が纏わりついた右腕を鋭く速く突き出す。究極の魔法拳。大岩をも粉々に砕く拳打。
しかし、ジャークには全く通用しなかった。
腕を組んだまま微動だにしないジャークに向かったラウディッツは、拳が当たる寸前で弾かれたように後ろへ吹き飛び部屋の壁に激突し体の後ろ半分が埋もれる。
その後、力無く体を崩し、前のめりに倒れた。
何が起こったのか分からなかった。ジャークはただ立っていただけだったはずだ。一体何をした。
「生きてるか、ラウディッツ」
「……何とかな」
苦しそうに片膝を突き体を起こす。ダメージが深いのか、すぐには立てないようだ。
「魔王というから少しは楽しめるかと思えば、この程度とはな。さて、貴様はどうかな」
ジャークがこちらへ視線を向ける。魂を射抜くような鋭い眼光。
「無論、お前を殺す。ナフィアを救う為にも」
「ナフィア。確かあの娘の名前だったな。だったら早くする事だ。もうすぐ邪神は復活する。そして邪神が復活した時、生贄である娘は死ぬ。
あの娘を救いたくば、我が屍を越えていくがよい」
「そうさせてもらう」
躊躇無く最後の対戦車ミサイルを発射した。音速を超える速度でジャークに直撃した対戦車超振動極熱ミサイルは
ありとあらゆる物質を分解蒸発する超振動波と極大特殊熱を撒き散らす。
前方を爆煙が包む状況で、右脇の3連装100mm対戦車ミサイル発射筒を切り離した。
「やったか」
あれの直撃を受けて生きている人間など存在しない。科学力では圧倒的に上回る、日本本土の人工人間でも耐えられないだろう。
耐えられないはずだった。
晴れていく煙の中から最初に見えたのは、突き出された太く逞しい右腕だった。
それが誰の腕かは煙が晴れてすぐに分かった。無傷、かすり傷すらついていない皇帝ジャークが目の前に立っている。
「我が拳を抜かせるとは、少しはやるようだな。だがその程度の力では我を殺す事は出来ぬ」
全く動かなかったジャークが格闘技のような構えを取る。
「天に光輝くは我が主星、天極星のみ。我が拳で砕き潰してくれるわぁッ!」
凄まじい速さで踏み込んでくるジャークに、300cm超振動極熱刀を全力で振り下ろした。
下手をすれば握っている右腕が分解蒸発しかねない過負荷出力。究極の破壊力が秘められた刀身は皇帝を……
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