魔機那戦記 #2
「支部長。Bー2小隊アルバートヴァーミリオン、ギルバート帰投しました。」
と社長室の様な所でアルバートは支部長に報告した。
支部長と呼ばれた男は引き締まった体格をしている。
なぜなら彼も元魔機那使いで、現役の頃は有名だった。
と本人から聞いたことがある。
「住民は?」
と質問され、アルバートは
「それが・・・」
と語尾を濁らせる。しかし、空気を読まないギルバートが、
「親父!でも“ヒトガタ”を捕獲したんだぜ!」
と目をキラキラさせながら報告する。
「そうか。じゃあ後で分解して売りに行こう。」
と棒読みに支部長が答える。
「今親父、全く俺の事すげぇって思ってないだろ!」
と痛い所を突かれた支部長は弁明しようとする。
その時ドアから幼い声がする。
「おなかすいたよぉ」
幼児が一人ドアからこちらを見ている。
支部長は慌てて机の引き出しから菓子を出して与えた。
「ありがとうっ!」
と幼児は走り去った。
「支部長、また孤児を?」
とアルバートが聞く。
「お人良しだからな。親父は。」
と懐かしむようにギルバートは言う。
彼もアルバートも元は支部長に拾われた孤児である。
アルバートは魔機那に滅ぼされた村に一人生き残っており、支部長に拾われた。
そしてギルバートは、特殊な保護のされ方だった。
支部長がある時要請を受け現場に行った時のことだ。
向こうからやって来る魔機那の様子がどうもおかしい。足は片方引きずり、右腕は溶け落ち、武器もない。
そしてよく見ると中に赤子がいることに気が付いた支部長は、赤子を助け保護した。
この赤子こそ今のギルバートである。この特異な保護の為、魔機那から出た赤ん坊を略して マキ坊 と呼ばれている。
本人の名前も本名ではなく支部長が名付けた。
さらに生まれた時から脳内リンクキーを保持しており、特別な何かを持っていると噂されていた。
「そうだ!お前達、買い出しに行ってきてくれないか?」
と支部長が言う。
「はぁ?買い出し当番はCー3じゃないのか?」
とギルバートは反論した。
しかし、Cー3小隊含めC小隊は全て出払っていた。
仕方無く二人は買い出しに行く事になった。
外へ出るとジープに脳内リンクキーを使いエンジンをかける。
「ったくC小隊の奴等なんで全隊で出撃なんだ?」
と苛付きながらギルバートが聞く。
「どうやら大群が出現したらしい。かなりの数だ。」
それを言うアルバートも心無しか苛立っていた。
無言の数分間が過ぎ、食料品店が見えてくる。
二人はイライラしながら食料品店へと入った。
メモを見ながら食品を集め、カゴへ入れる。
そして、金を払い出ていこうとした時だった。
後ろからド派手な衝突音が聞こえたかと思うと、六人程の男が食料品店に入ってくる。
「客、及び店員に告ぐ。ここにある食い物全て置いてけ。従えば悪いようにはしない。」
客はすぐさま荷物を置いて逃げ出す。
しかし、強盗達は撃とうとはしない。先ほどの言葉は本当のようだ。
と冷静にアルバートは分析する。
しかし一人の店員が、
「こっ困ります!我が店は・・・」
と喋っていた店員の頭が微細な肉片へと姿を変える。
「余計なことを・・・」
強盗の手にはショットガンが握られていた。
それを見たアルバート・ギルバートの怒りは一瞬で頂点に達した。
真歴ではよくあることで、食料に困った者達が食料品店を襲うことは多々あることだ。
しかし、人の死を見て許せる程彼らは長気では無かった。
強盗の方へと一歩一歩近づく。それに気づいた強盗が、
「おう。兄ちゃん達も置いてきな。」
と銃を構える。しかし歩みは止まらず強盗は遂に引き金を引いた。
次の瞬間には強盗の手には銃は無く、他の強盗の銃もない。
「な、なんだってんだよ・・・こいつは!」
次の瞬間、強盗の肩を叩く者がいた。
強盗達はただ、食料欲しさに犯罪に手を染めた。
自分達の為なら他人を殺しても良いと思っていた。
その強盗は、今自分の肩を叩いた者を見ようと後ろを向いた。
しかし、後ろを向いたつもりが前を向いている。
なぜだ? と思い首をさわる。
その瞬間強盗は膝からガクンと床に落ちた。最後に己を殺した者を見ることなく。
「支部長。Bー2小隊アルバートヴァーミリオン、ギルバート帰投しました。」
と社長室の様な所でアルバートは支部長に報告した。
支部長と呼ばれた男は引き締まった体格をしている。
なぜなら彼も元魔機那使いで、現役の頃は有名だった。
と本人から聞いたことがある。
「住民は?」
と質問され、アルバートは
「それが・・・」
と語尾を濁らせる。しかし、空気を読まないギルバートが、
「親父!でも“ヒトガタ”を捕獲したんだぜ!」
と目をキラキラさせながら報告する。
「そうか。じゃあ後で分解して売りに行こう。」
と棒読みに支部長が答える。
「今親父、全く俺の事すげぇって思ってないだろ!」
と痛い所を突かれた支部長は弁明しようとする。
その時ドアから幼い声がする。
「おなかすいたよぉ」
幼児が一人ドアからこちらを見ている。
支部長は慌てて机の引き出しから菓子を出して与えた。
「ありがとうっ!」
と幼児は走り去った。
「支部長、また孤児を?」
とアルバートが聞く。
「お人良しだからな。親父は。」
と懐かしむようにギルバートは言う。
彼もアルバートも元は支部長に拾われた孤児である。
アルバートは魔機那に滅ぼされた村に一人生き残っており、支部長に拾われた。
そしてギルバートは、特殊な保護のされ方だった。
支部長がある時要請を受け現場に行った時のことだ。
向こうからやって来る魔機那の様子がどうもおかしい。足は片方引きずり、右腕は溶け落ち、武器もない。
そしてよく見ると中に赤子がいることに気が付いた支部長は、赤子を助け保護した。
この赤子こそ今のギルバートである。この特異な保護の為、魔機那から出た赤ん坊を略して マキ坊 と呼ばれている。
本人の名前も本名ではなく支部長が名付けた。
さらに生まれた時から脳内リンクキーを保持しており、特別な何かを持っていると噂されていた。
「そうだ!お前達、買い出しに行ってきてくれないか?」
と支部長が言う。
「はぁ?買い出し当番はCー3じゃないのか?」
とギルバートは反論した。
しかし、Cー3小隊含めC小隊は全て出払っていた。
仕方無く二人は買い出しに行く事になった。
外へ出るとジープに脳内リンクキーを使いエンジンをかける。
「ったくC小隊の奴等なんで全隊で出撃なんだ?」
と苛付きながらギルバートが聞く。
「どうやら大群が出現したらしい。かなりの数だ。」
それを言うアルバートも心無しか苛立っていた。
無言の数分間が過ぎ、食料品店が見えてくる。
二人はイライラしながら食料品店へと入った。
メモを見ながら食品を集め、カゴへ入れる。
そして、金を払い出ていこうとした時だった。
後ろからド派手な衝突音が聞こえたかと思うと、六人程の男が食料品店に入ってくる。
「客、及び店員に告ぐ。ここにある食い物全て置いてけ。従えば悪いようにはしない。」
客はすぐさま荷物を置いて逃げ出す。
しかし、強盗達は撃とうとはしない。先ほどの言葉は本当のようだ。
と冷静にアルバートは分析する。
しかし一人の店員が、
「こっ困ります!我が店は・・・」
と喋っていた店員の頭が微細な肉片へと姿を変える。
「余計なことを・・・」
強盗の手にはショットガンが握られていた。
それを見たアルバート・ギルバートの怒りは一瞬で頂点に達した。
真歴ではよくあることで、食料に困った者達が食料品店を襲うことは多々あることだ。
しかし、人の死を見て許せる程彼らは長気では無かった。
強盗の方へと一歩一歩近づく。それに気づいた強盗が、
「おう。兄ちゃん達も置いてきな。」
と銃を構える。しかし歩みは止まらず強盗は遂に引き金を引いた。
次の瞬間には強盗の手には銃は無く、他の強盗の銃もない。
「な、なんだってんだよ・・・こいつは!」
次の瞬間、強盗の肩を叩く者がいた。
強盗達はただ、食料欲しさに犯罪に手を染めた。
自分達の為なら他人を殺しても良いと思っていた。
その強盗は、今自分の肩を叩いた者を見ようと後ろを向いた。
しかし、後ろを向いたつもりが前を向いている。
なぜだ? と思い首をさわる。
その瞬間強盗は膝からガクンと床に落ちた。最後に己を殺した者を見ることなく。