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魔機那戦記・第4話

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魔機那戦記 #4

「だああぁぁぁぁ重い重い重いぃぃぃ!」
「我慢しろ・・・俺も重い・・・」
 アルバートとギルバートは食料の入った袋を両手に持ち、貯蔵庫へと運んでいた。
 貯蔵庫は格納庫から東に少し行った所にある。しかし所々が掘り返されたり、土が小山となって行く手を阻んでいた。
 MBT第二支部には約60人程の作業員などがおり、それらの一週間の食料を運ぶとなると大抵の人は気が遠くなる。
「あ、足がぁぁぁ・・・」
 更に応急処置はしてあるものの先程の足の怪我があり、かなりギルバートには辛い作業となっていた。
「もう駄目だ・・・」
 ギルバートはその場にへたり込んだ。すると聞き覚えのある声がした。
「マ~キちゃん♪荷物持ってあげる!」
 とギルバートの荷物をひょいと持ち上げたのはMBT第二支部のB-1小隊所属、ユリ・ハヅキのようだ。
彼女には昔から弟のように可愛がってもらっている。
 ギルバートにとっては良い姉貴分だ。
 ポニーテールにしてある薄緑色の髪が歩く度にピョンピョン跳ねる。
 そんな同い年のユリにアルバートが聞いた。
「俺のは?」
 するとユリが即答する。
「マキちゃんはまだ14歳なんだよ!?アンタはもう16でしょ!?一人で持ってなさい!」

・・・反論の余地は無かった。

「ねぇ知ってる?C-1のロドリゲスがさぁ、一機で“デストロイヤー”倒したらしいよ!」
 食堂に行きながらユリがアルバートに話しかける。
 ロドリゲスとは、C-1小隊の隊長で操縦センスも高く、期待の新人だ。
「へぇー、確か“デストロイヤー”って危険度Aだろ?だとしたらスゲェな」
 魔機那にはそれぞれ危険度が設定されており、S・A・B・Cの順に高い。
 今回の“デストロイヤー”は危険度Aであり、最低でも三機編隊で戦闘することを推奨している。
それを一機で倒すとなると、とても凄い事である。
「マキ坊の魔機那も“デストロイヤー”だからなぁ、抜かされるかもな」
 とアルバートが呟いた。
「んなことねぇよ。」
 とギルバートは気楽に返した。

 昼の食堂にはすでに何人かの人達が昼食を食べていた。三人も近くにあったテーブルに腰を降ろした。
「じゃあラーメンでいっか」
「私はシーフードサラダよ」
「ケッ、ヘルシー気取りk(右ストレート」
 そして三人が食べ終わった頃に凄い勢いでドアが開いた。
 支部長が血相を変えてやって来たのだ。
「親父どうした?昼メシならまだ沢山あるけど?」
 とギルバートが聞いた。
「違う!大変な事になってるんだ!」
「大変な事って?」
「魔機那討伐に向かったC-1小隊が二時間経つのに戻って来ないんだ!」
 通常C部隊の受ける依頼は十機以下の魔機那の討伐が主な為、一時間以上掛かることは有り得ない事なのだ。
「だから少し様子を見に行ってくれないか?」
「任せろ親父!」
 とギルバートは答えた。すると、
「ユリ、我々も行くぞ。」
 と声がした。声の主はユリの兄にしてB-1小隊隊長の、ヒロ・ハヅキだ。
 眼鏡を掛け、知的な雰囲気の漂う人だ。
「うん!」
 そしてB部隊によるC-1小隊の救出作戦が開始された。
 砂漠を一台のトラックのような物が走っている。
 魔機那運搬用カーゴ。通称“マキナカーゴ”だ。内部には魔機那を四機搭載可能で、更に上部には200ミリ遠距離砲を備えている。
 暫く走ったのち、コントロール部から最大望遠映像が送られてくる。
『ありゃ・・・なんだ?』
 望遠映像には黒い巨大な物が写っているだけだ。しかし、ヒロがその正体を看破する。
『巨大魔機那だ・・・しかも10メートル級の。』
 巨大魔機那の単語が出ると誰もが息を飲んだ。
 巨大魔機那とは、稀に現れる巨大な魔機那で10メートルをす物もある。突然変異だとか色々な説があるが殆ど仮説の域を越えない。
 その火力は魔機那20機分にも相当する程であり、歴戦の魔機那使いも命を落とすこともある。
『あ、あれ!ロドリゲス達の魔機那だ!』
 巨大魔機那の辺りには無数の破片が散らばり、その中でも一際大きい破片が三つあった。
『私とマキ坊は巨大魔機那を引きつける。その間にユリとアルバートはロドリゲス達の回収を頼む。』
『了解。』
『分かったぁ!』
『俺がなんで巨大魔機那なんだよ~!』
 四機の魔機那が砂漠に降り立った。

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