第九話『断ち切られた仇』
「いったい何をやっておるのだ!味方を、我が主力兵器を潰してどうするっ!」
機動要塞《バスティオン》の総司令官は机に拳を叩きつけた。
「こうなったらやむをえん…総員“エクリプス”の準備だ!残りの敵艦隊を一網打尽にしてやる」
「はっ!了解。エクリプス、エネルギー充電開始」
機動要塞《バスティオン》の総司令官は机に拳を叩きつけた。
「こうなったらやむをえん…総員“エクリプス”の準備だ!残りの敵艦隊を一網打尽にしてやる」
「はっ!了解。エクリプス、エネルギー充電開始」
「ジェイミー!貴様という奴はァー!!」
「蒼いガードナーよ!コイツは私の獲物、手出しは無用だ!」
「二人両方とも相手をしてやるからよー!かかってこい、ヤァーッ!!」
サイバ、ビーク、ジェイミーの三つ巴の戦いは激化した。三人の間に入る者は、敵味方問わず撃墜されていく。
サイバの《02》が飛行形態に成りジェイミーの《ラルガ》へ突貫する。戦闘機のまま左腕を延ばし肘のブレードを突起させ、通り様に《ラルガ》の頭部を破壊した。
「そうやって人を裏切り、お前は、仲間を、一体何だと思っている?!」
「利用できるモンは利用する。だがなァ、俺の邪魔する奴、侮辱する奴ァ地獄へ落ちなって、ナァー!」
そこへライフルを乱射し、ビークの《ドライド》が割って入る。
「何だと貴様ーッ!リヴァをそんな理由で…絶対に許さんッ!」
「大体オカシイだろォ?精神強化しないと乗れン様なシロモンをよ、自ら志願するなんてイカレてんじゃん彼女さァ?!」
「それ以上戯れ言を口走るんじゃあない!ジェイミィィィィーッッ!!!」
ビークの《ドライド》の大剣が猛威を奮う。振りかぶる刃は《ラルガ》の下半身を分断した。
「…ぐゥゥゥー!!テメェ、ラァァッ!殺すゥゥゥ!!」
だが既にジェイミーの機体は限界であった。
「ジェイミィィー!」「ジェイミーッ!!」
「ジェイド・オーバー!俺をォ、ジェイミーなんて女みてぇな名前でェ、呼ぶなってェ、何度もォ、言ってンだろうがァァァァーッッ!!!」
「蒼いガードナーよ!コイツは私の獲物、手出しは無用だ!」
「二人両方とも相手をしてやるからよー!かかってこい、ヤァーッ!!」
サイバ、ビーク、ジェイミーの三つ巴の戦いは激化した。三人の間に入る者は、敵味方問わず撃墜されていく。
サイバの《02》が飛行形態に成りジェイミーの《ラルガ》へ突貫する。戦闘機のまま左腕を延ばし肘のブレードを突起させ、通り様に《ラルガ》の頭部を破壊した。
「そうやって人を裏切り、お前は、仲間を、一体何だと思っている?!」
「利用できるモンは利用する。だがなァ、俺の邪魔する奴、侮辱する奴ァ地獄へ落ちなって、ナァー!」
そこへライフルを乱射し、ビークの《ドライド》が割って入る。
「何だと貴様ーッ!リヴァをそんな理由で…絶対に許さんッ!」
「大体オカシイだろォ?精神強化しないと乗れン様なシロモンをよ、自ら志願するなんてイカレてんじゃん彼女さァ?!」
「それ以上戯れ言を口走るんじゃあない!ジェイミィィィィーッッ!!!」
ビークの《ドライド》の大剣が猛威を奮う。振りかぶる刃は《ラルガ》の下半身を分断した。
「…ぐゥゥゥー!!テメェ、ラァァッ!殺すゥゥゥ!!」
だが既にジェイミーの機体は限界であった。
「ジェイミィィー!」「ジェイミーッ!!」
「ジェイド・オーバー!俺をォ、ジェイミーなんて女みてぇな名前でェ、呼ぶなってェ、何度もォ、言ってンだろうがァァァァーッッ!!!」
『高熱源体、急速接近』
「この方向…艦からか?味方が居ると言うのに!?」
「くッ!邪魔が入るッ!」
二機は予測される斜線軸から離れる。だがジェイミーは、
「どしたァよ!いきなり逃げンのかァ!!ビビってんじゃあねぇぞオラァ!まだ俺は死んじゃいねぇ!死合しようぜオイ、ドール!貴様にィィ…」
最後の言葉は無情にもかき消されることになる。
ジェイミーはXガードナー隊の母艦《ヤハウェバイシクル》の放つ主砲『ディストーションキャノン』の奔流に飲み込まれてしまったのだった。
「くッ!邪魔が入るッ!」
二機は予測される斜線軸から離れる。だがジェイミーは、
「どしたァよ!いきなり逃げンのかァ!!ビビってんじゃあねぇぞオラァ!まだ俺は死んじゃいねぇ!死合しようぜオイ、ドール!貴様にィィ…」
最後の言葉は無情にもかき消されることになる。
ジェイミーはXガードナー隊の母艦《ヤハウェバイシクル》の放つ主砲『ディストーションキャノン』の奔流に飲み込まれてしまったのだった。
そのまま光条は、機体の残骸やデブリを巻き込み機動要塞《バスティオン》へ伸びていく。
「ジェイミー、俺の手で討てなかった」
サイバは唇を噛みしめた。
「…何と言うことだ、こんなあっけない形で?!」
絶句するビーク。そこへ、
『少佐、トライバ少佐』
通信。声の主は竜宮零だ。
『帰還だ。我々はバスティオンを放棄する』
寝耳に水だ。
「何…だと?! 俺は聞いてないぞ、そんな事はッ!」
『上からの命令だ。直ちに艦へ戻れ、そして火星へ帰還する』
「侵攻軍だぞ我々は!! ここま出来て、月を手放すと言うのかッ!? 認めんぞ…こんな結末を俺は!! それにまだ隊長の…リヴァのかたき、ガードナーの奴等を俺はまだ…まだ討っちゃいないんだぞ!?」
『それは私が困る…いや何でもない。とにかく、しばらくの間は休戦だ。火星に戻り体勢の建て直しだ。それに少佐、そんなボロボロの機体で何が出来ますか?』
エネルギーの残料は底に尽きかけている。そして、ビークが自ら相打ちで負ったコクピットハッチの破損ほか、かなりのダメージが蓄積されている。
機体は、すで限界だった。
「…覚えていろよガードナー。貴様等はいつか必ずこの手でッ!!」
そう言い残し、ビークは帰還していくのだった。サイバは、後ろを狙うことも出来たはずだったが、何故か、心の中の何かが邪魔をした。だが、それよりも気がかりが一つあった。
「…アイツが、ミアが居ない?」
レーダーに周りの反応は無い。先ほどの攻撃に巻き込まれたか、それとも何処かへ退避したのかは解らない。
ミアの機体《ブラックメイル》名の通り黒い機体故に、宇宙では黙視し辛い。それに今は残骸の山が一層、邪魔をする。
「02も消耗しすぎか…これまで、か?」
サイバはそっと瞳を閉じた。
「ジェイミー、俺の手で討てなかった」
サイバは唇を噛みしめた。
「…何と言うことだ、こんなあっけない形で?!」
絶句するビーク。そこへ、
『少佐、トライバ少佐』
通信。声の主は竜宮零だ。
『帰還だ。我々はバスティオンを放棄する』
寝耳に水だ。
「何…だと?! 俺は聞いてないぞ、そんな事はッ!」
『上からの命令だ。直ちに艦へ戻れ、そして火星へ帰還する』
「侵攻軍だぞ我々は!! ここま出来て、月を手放すと言うのかッ!? 認めんぞ…こんな結末を俺は!! それにまだ隊長の…リヴァのかたき、ガードナーの奴等を俺はまだ…まだ討っちゃいないんだぞ!?」
『それは私が困る…いや何でもない。とにかく、しばらくの間は休戦だ。火星に戻り体勢の建て直しだ。それに少佐、そんなボロボロの機体で何が出来ますか?』
エネルギーの残料は底に尽きかけている。そして、ビークが自ら相打ちで負ったコクピットハッチの破損ほか、かなりのダメージが蓄積されている。
機体は、すで限界だった。
「…覚えていろよガードナー。貴様等はいつか必ずこの手でッ!!」
そう言い残し、ビークは帰還していくのだった。サイバは、後ろを狙うことも出来たはずだったが、何故か、心の中の何かが邪魔をした。だが、それよりも気がかりが一つあった。
「…アイツが、ミアが居ない?」
レーダーに周りの反応は無い。先ほどの攻撃に巻き込まれたか、それとも何処かへ退避したのかは解らない。
ミアの機体《ブラックメイル》名の通り黒い機体故に、宇宙では黙視し辛い。それに今は残骸の山が一層、邪魔をする。
「02も消耗しすぎか…これまで、か?」
サイバはそっと瞳を閉じた。
「ディストーションキャノン、敵機動要塞に命中」
オペレータのサラーは冷静な口調で報告した。
「ふむ…ですが、かなり下の方にズレましたね艦長」
グラン・バールは不満気に嫌みたらしく言う。しばらくしてからルーナは口を開いた。
「…まだ中には人が居ます。それに制圧して、また地球軍の基地に」
「何を言ってんですか? あれは侵略者の、敵の要塞ですよ。せん滅がセオリーでしょう?」
「でも」
それでも、ルーナにはガードナー隊としての誇りがある。敵を討てば解決するとは思わない。
「艦長! バスティオンから高エネルギー波が接近!」
「回避!急ぎなさいっ!」
「やってます!!」
オペレータのサラーは冷静な口調で報告した。
「ふむ…ですが、かなり下の方にズレましたね艦長」
グラン・バールは不満気に嫌みたらしく言う。しばらくしてからルーナは口を開いた。
「…まだ中には人が居ます。それに制圧して、また地球軍の基地に」
「何を言ってんですか? あれは侵略者の、敵の要塞ですよ。せん滅がセオリーでしょう?」
「でも」
それでも、ルーナにはガードナー隊としての誇りがある。敵を討てば解決するとは思わない。
「艦長! バスティオンから高エネルギー波が接近!」
「回避!急ぎなさいっ!」
「やってます!!」
「やったか?!」
「地球軍艦隊、約40%を撃沈。ですが、先ほどの砲撃により第一、第二居住ブロックが破損しました!」
「そんな所はどうでもいい!早く第二射目の準備に入れ!」
「了解!エネルギー再充電開始」
「…フン、次で決まりか」
司令は椅子に座り煙草に火を入れた。しかし、
「敵大型機動兵器高速接近!こちらへ向かってきます!」
「何?早く打ち落とせ!」
「駄目です!敵砲撃の影響で…うまく作動しません! このままだと、このブリッジにぶつかります!」
「…エ、エクリプスだ!まだ溜まらんのか!」
「まだ57%しか…!」
「かまわん! は、早く撃てぇー!!」
「地球軍艦隊、約40%を撃沈。ですが、先ほどの砲撃により第一、第二居住ブロックが破損しました!」
「そんな所はどうでもいい!早く第二射目の準備に入れ!」
「了解!エネルギー再充電開始」
「…フン、次で決まりか」
司令は椅子に座り煙草に火を入れた。しかし、
「敵大型機動兵器高速接近!こちらへ向かってきます!」
「何?早く打ち落とせ!」
「駄目です!敵砲撃の影響で…うまく作動しません! このままだと、このブリッジにぶつかります!」
「…エ、エクリプスだ!まだ溜まらんのか!」
「まだ57%しか…!」
「かまわん! は、早く撃てぇー!!」
ミアは夢を見ていた。
楽しく仲間たちと過ごす夢。
これが一生続けば良いなと願った。
でも、夢。いつかは覚める。
それなら、その夢が夢じゃなく現実になればどんなに楽しいか。
だけど、それは無理である。
自分はもう…。
楽しく仲間たちと過ごす夢。
これが一生続けば良いなと願った。
でも、夢。いつかは覚める。
それなら、その夢が夢じゃなく現実になればどんなに楽しいか。
だけど、それは無理である。
自分はもう…。
「ナナシィ、僕いっぱい友達できたよ。みんな僕の事、普通の女の子として見てくれた。だから最後に、みんなの為に、みんなを守るために死にたい」
それがミアの最後の望み。
「思いで話いっぱい聞かせて上げるから…待っててね?ナナシィ」
閃光。
でも、まだ生きていたいかな…。
もう、遅いか。