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創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki

// 8/8/2024 9:00

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匿名ユーザー

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 // 8/8/2024 9:00


「名前は?」
「オキーフ」
「ファーストネーム。登録番号も」
「パトリック、パトリック・オキーフ。102-167-9182」
また大したヒヨッコが来たもんだと、リーブゴット特技伍長は舌打ちをした。
冷房が効いた大隊執務室、上官たちは出払っている。午前中は静かに過ごしたかったが配属手続き業務を任されている身で、贅沢も言ってはいられない。目の前の新兵は、まだあどけなさが残る少年ではないか。
「歳は?」
「19です」
「志願か」
「はい」
「物好きだな」
時折こういった輩が配属されてくる。
「訓練期間は」
「4ヶ月です」
「ハイスクール出たばかりか。どこの生まれだ?」
「メリーランド州です」
「偶然だな。俺もメリーランドだ。メリーランドのどこだ?」
「ゲイザースバーグ」
「俺はボルティモアだ。ゲイザースバーグか。いいところだな」
「ありがとうございます」
実際にリーブゴットはその土地にそれほど馴染みがあるわけではなかったが、適当な相づちを打っては新兵の緊張をほぐすのは上官の役目、形ばかりのケアだとリーブゴットは心得ていた。下手に慣れ慣れしくする必要はない。渡されたIDと照合し、登録はほどなく完了した。
「第39歩兵大隊へようこそ。まずは配属先の小隊長に会っておけ。ウィンタース中尉だ」
「Yes Sir」
「PXを過ぎて左側。R101で射撃訓練をしている。行ってこい」
「あの、質問はよろしいですか」
「なんだ」
唐突な質問は毎度のこと事。新兵から聞く定番だ。
「戦闘は・・・あるのですか?」
「わからん。そんな事は政治屋にでも聞いてみろ」
「・・・わかりました」
「あまり逸るな。お前のような奴が戦闘で足を引っ張るんだよ」
登録作業が終わった後も、この新兵はそわそわと落ち着かなかった。
「伍長殿は、実戦を経験したことは」
「無い。俺は事務屋だ。お前のような奴を登録抹消したことは何度かある」
「登録抹消?」
「死んだってことさ。データベースに死んだ場所と死因、KIAのチェックを入れる。ここじゃあ、まだ死んだ奴を処理してないけどな。下手に現地語ができると、この国の色々な場所に引っ張って行かれる」
リーブゴットは右詰の文字列に埋まったパシュトー語の紙切れを一枚ひらつかせて見せる。死んだ奴を処理、という言葉がオキーフの心に引っかかった。
「読めるか?」
「・・いいえ」
「戦争だっていっても、現地じゃほとんどデスクワークだ。たまったもんじゃない」
「・・・いつか、前線で活躍できるといいですね」
「死にたくもないけどな。そら、話が長すぎだ。さっさと行け」
「Yes Sir」
少年はたどたどしく荷物をまとめると執務室を後にした。



乾い銃声が続けざまに響く。10名ほどの同僚が砂漠の砂を掘り起こした簡易射撃訓練場で腕を磨いていた。
「中尉!ウインタース中尉!」
オキーフは大声で叫ぶが、銃声にかき消されてどうやら届いてないようだ。
仕方がないので音が静まるのを待っていると、唐突に後ろから肩を叩かれた。
「オキーフ二等兵か?」「Yes Sir」
大柄の兵士がそこに立っていた。すかさず敬礼を返す。
「中尉はここには来てねえ。中隊長に呼ばれてな。俺はお前のお守りを仰せつかったランドルマンだ」
新兵は、差し出された大きな手に戸惑った。
「握手だよ。ここじゃあ上も下も大して気にしねえ。仲良くやろうぜ」
階級章は1等軍曹。先ほどの冷たい感じの伍長とは違って、気さくな人物に思えた。その雰囲気はオキーフを少し安心させたが、差し出された手を握ると万力で締め上げられるかのようだった。軍曹は握った手を振り回し、歓迎の意を表した。
「パトリック・オキーフ二等兵です。よろしくお願いします、軍曹・・・殿」
握手の苦痛で上擦った声になる。軍曹はとくに気にした様子もない。
「みんなからは『ブル』って呼ばれてる。お前もそう呼べ」
日に焼けた真っ黒な顔に真っ白な歯を覗かせて満面の笑みを浮かべていた。新兵は型どおりの肯定の意を表す。
「おい!みんな!新顔だ!紹介するぜ」
先ほどの新兵の声量とは比べものにならない、という大きな声で軍曹が叫ぶと、射撃場から一斉に喧噪が消えた。
「新顔だってよ」
小銃もそのままに、一人の新兵に一斉に視線が集まった。
「オキーフ二等兵だ。俺らの隊で預かることになった。仲良くしてやれよ」
変わらない声量で軍曹は簡単に新兵を紹介する。
「また軍曹好みのカワイイ子だな」一人の兵士がからかい半分で含んだ小言。
「何か言ったか?」
「おい新米、気をつけろよ。ブルはお前みたいなのが好みなんだ」
ふとオキーフは握られたままの右手に違和感を感じた。全身から血の気が引く。
「マラーキー、お前、ヤキモチ焼いてるならじっくり相手してやるぞ」
「うぇぇおっかねえ」
軍曹は万力のような手をマラーキーと呼ばれた伍長に向けて威嚇した、おもしろ半分で迫ってくる軍曹から逃れるようにマラーキー伍長は射撃場から外れて丘陵の方に逃げ出していった。ブルも果てしなく追いかけてゆく。
「またか」
射撃訓練を中断したイタリア系が怪訝そうな顔で弁明した。
「ブルたちはいつもああやって遊んでるんだ。仲いいだろう」
「仲がいいというか・・・」
新兵は困惑した。ブルと同じく1等軍曹の階級章をつけた男は溜息混じりに続けた。
「俺はガルニアだ。3班を担当させてもらってる。ブルは2班、お前はしばらくブルの所だな。ケツには気をつけろよ。ブルは見境無い」
「・・・本気ですか」
「冗談だ。まあ新兵でも誰にでもあんな調子なのは、奴の良いところかもしれないがな」
「はあ」気のない返事だった。先が思いやられる、といった顔だ。
「遊んでいるわけじゃないんだが。仕方ない。実際ここに来ていままでコレといった戦闘もないしな。ま、心配しなさんな。やるときはやる連中だ」
いくらか覚悟していたとはいえ、見渡す先任たちは一癖も二癖もありそうな連中ばかりだった。
「ここで立ち話も何だ。早速だがおまえの腕前を見せてもらおう」
ガルニアは含み笑いを隠そうともせず新兵にそう告げた。
「小隊長に会うよう申し付けられたのですが」
「なあに、しばらくしたら戻ってくるよ。荷物は適当にそのあたりにおいて・・・」
ガルニアの言葉が途切れる。何かを目で追っている、と気づいたオキーフは体をこわばらせた。

「Ten hut!」

ガルニア一等軍曹からの気を付けの号令、その場全員が射撃場入り口に向かい敬礼した。

「楽にしろ。俺だけの時は敬礼は要らん」
中尉の階級章をつけたその士官は、そう言いながらもその場の空気を緊張させた。

「通達がある。全員直ちに第一演習場に集合。中隊編成が変わるぞ。・・・先任はどこに行った?」
「マラーキーと共に外れの丘陵に向かいました。すぐに戻ってきます」
「わかった。集合場所を伝えておけ」「Yes Sir」ガルニアは手早く説明した。
「補充兵が来ていますが」
「オキーフ二等兵です。本日配属になりました」
新兵は素早く自己紹介を行う。
士官は少し表情を緩めると簡単に挨拶した。
「よく来たな。小隊長のウィンタースだ。お前も早速だが演習に参加してもらうぞ。みんなについて行け」
「Sir,Yes Sir!」
小隊の面々は各々装備を手早くまとめると、足並みそろえるように簡易射撃訓練場を後にしていく。
「腕前は後で見せてもらうからな」
ガルニアは新兵にこっそりと耳打ちした後、同僚を引き連れるために丘陵へ走り出した。
新兵は下ろしたばかりの荷物を抱え直す。
「ガルニア軍曹は狙撃がうまいんだ。下手な腕を見せたら一晩こっそり絞られるぞ」
そう言ったのはオキーフと大して歳も離れていなさそうな上等兵だった。
今のガルニアの耳打ちが聞こえていたに違いない。
「ペルコンテだ。お前が来てくれたおかげで助かったよ」
何故助けたことになったのか、と首を傾げる。
「急ごう。中隊長のソベル大尉に目を付けられたらマズイ」
上等兵はたいした説明もしないまま、自分の装備だけを抱えて宿舎に走り去る。
遅れじと、オキーフは後を追いかけた。



第一演習場には中隊のほとんどの人間が集まっていた。射撃訓練場で見た小隊の面々は既に整列している。遠くに走り去っていったはずのランドルマン軍曹とマラーキー伍長もいつの間にか並んでいた。
「急げ!」
中隊長の横に控えているウィンタースから檄が飛ぶ。
演習場は見渡す限りの砂地。200人は並んでいるだろうか。
オキーフは改めて戦地に来たことを実感した。
ここからは見えないが、遠方よりヘリコプターのローター音が複数混じって響いてくる。
「総員、注目」
再び号令。隊列前面には中隊長である将校が構えていた。
「気をつけ!」間髪入れずソベルはあらん限りの声で語りはじめた。

「皆に通達する。本日午後より予定していた演習内容を変更する。予定では101機甲大隊との合同で戦車随伴訓練であったが、戦車の代わりに大隊から新型兵器が届くことになった。その実地評価を我が中隊が受け持つ」
先刻から続くローター音が大きくなるにつれ、隊員皆が、それこそ新型兵器であることを感じ取っていた。
「国防省が民間と共同で開発していた新しい概念の兵器だ。早速、皆に見せてやる」

1kmほど先で、それは空中投棄されたかと思うと、周囲に砂煙をまき散らしてこちらに向かっきた。
(戦車の代わりって、戦車じゃねえの?)
誰かが呟いていた。
(戦車じゃねえよ。UH-20が戦車2台もぶら下げて飛べるもんか)
(小さいぞ)
近づくにつれ、それは異様な姿をしている事に気づく。
高さは2mほど。装甲車にしては横幅が狭すぎる。さらに近づくと、それは大雑把に人間の形をしていた。アルペンレーサーにも似た動きで、砂の海を滑ってくる。

M23機動装甲服。甲冑とも呼べるそれは1970年代より国防高等研究計画局(DARPA)で起案された歩兵強化プラン「エクソスケルトン構想」による研究でようやく実用にこぎつけた物だ。
まさにSF映画の世界から生まれたような姿だった。
「各小隊に2機ずつ配備される。今後、訓練実戦を問わず常に随伴するから戦い方には慣れておけ」
歓喜の声が上がる。
「貴様らが好き勝手使っていいオモチャじゃない。扱いについてはウインタ
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ース中尉から説明がある」
6機の装甲服は隊列の前でゆっくり停止した。

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