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創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki

    8/24/2024 9:00

最終更新:

sousakurobo

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8/24/2024 9:00

一夜明けた大隊本部のハンガー。
第3小隊の面々がずらりと並ぶ。構成員52名、歩兵小隊としては標準的な構成。
しかし、今回の任務から、M23を随伴しての実戦が想定されていた。

「今朝の偵察衛星写真から、未確認目標は南の廃墟に止まっていることがわかった。戦力は現在のところ不明、車両の台数と移動の痕跡から最大で一個小隊規模だと思われる」
アナログ地図の貼り付けられた昔ながらのホワイトボードの前で、ウィンタースは説明を続ける。
「M23の二人は160連隊のナイトレイブンで現地へ。1430、タンデム降下、先行して中央広場に入れ。歩兵隊が来るまでの間、搭載センサーで目標人員をできるだけ補足せよ。特にこの駐車車両付近を入念にだ」
「Roger that」
「君たち二人は万が一の場合の陽動を兼ねている。最悪の場合、攻撃があるかも知れん。心得ておけ」
先陣を任される二人はそれぞれ神妙な面持ちだった。
「歩兵3分隊は56連隊のEFVに分乗、リプトン、ウェブスターからの報告があるまで広場東側のホテル跡地脇、小高い丘の麓で待機。ここだ。市街地からは陰になっていて直接見渡せない。安全なはずだ」
へいへい、とランドルマンがふてくされた顔で頷く。歩兵分隊が主役でないことは明らかだった。
「M23市街地突入時に反応がなかった場合はブル、君たちの出番だ。ホテル跡地から捜索に入る。M23では建物に入れないかも知れない」
スピアーズから補足が入る。
「1年前の戦闘による被害で、建物にはM23の重量を支えるだけの強度が不足してかもしれません。階段などを使うとき十分に注意してください。M23は転倒するとワイヤアンカーを使えない場所では自力で立て直すのが困難になります」
ランドルマンが空を向く。
「その時は俺らが上がって調べればいいんですね」
「その通りだ」
翻って、ウィンタースは引き延ばされた衛星写真の一部分を指した。
「今回、相手の正体もさることながら、最優先の偵察目標はこれだ」
例のダンプトラックの影。
「昨日の演習で遭遇したロシア製の電源車両にはタンク部にミサイルの燃料が積まれていた事がわかっている。このダンプの積み荷が弾道ミサイルである可能性は否定できない」
ハンガー内がざわめく。
「ミサイルの弾頭種類は不明、NBC兵器の可能性も十分ある」
今回の偵察任務を半ば楽観していた兵士達にも動揺が走る。
ランドルマンも同様だった。
(最悪、核ミサイル?)(防護服が要るんじゃあ)
「静かにせんか」
ガルニアがその場を静めてくれた。目線で続きを促す。
「あくまで可能性だ。それ以外に陸戦部隊がヒドラジンを運搬する例がないからな。歩兵分隊が待機する理由はそれもある。万が一の場合でもEFVの中は安全だ」
核攻撃が防げるわけではないが、BC兵器であれば何とかなる。そう踏んでいた。
「たかが偵察だと思うな。常に最悪の状況を想定しろ。ハンヴィーに搭乗する1分隊分のNBC防護服を用意してある。ソベル大尉は上空から指揮を執る。現在160と打ち合わせ中だ。その他、質問は無いか」

奥の方で小さな声が上がる。リーブゴットだった。
「自分はどうすればいいんですか」
「伍長、君には捕虜が出た場合の通訳をお願いする。私と行動を共にしろ」
「…わかりました」
消え入りそうな声だった。
(野郎、大丈夫なのか?)とブル。
(事務室からほとんど出なかった人ですよ。仕方ないかも)
オキーフは小声でそう答えるしかなかった。

「他に質問がなければ、一旦解散する。各自準備に取りかかれ」

一斉に隊員達が動き出す。

特務曹長二人は160連隊付きナイトレイブン輸送ヘリの格納庫に向かいM23の最終調整に入った。
既に燃料電池カートリッジは交換され、M249の給弾ベルトをバックパックにロードする。いつもの訓練用模擬弾ではなく、実弾である。
「FCSのソフトウェア更新、先週だったよな」
「?リプトン、どうかしたのか」
「いや。何でもない」
ウェブスターはこの歴戦のベテランに全幅の信頼を寄せてはいたが、まだ古いタイプの軍人のクセが残っているのが気がかりだった。
M23訓練前、「電気機械は得意ではない」と言っていたことを思い出した。
ほとんどの勤務時間をM23のオペレーションに費やしながらも、一方ではまだ小銃の手入れを一日たりとも怠らないほど筋金入りの前線兵士だった。
「リプトン、俺も見習った方がいいか?」
操縦席脇に埋め込まれた小口径短機関銃を取り出して見せた。
「お前さんは俺より機械の扱いが上手い。そんなものに頼らなくてもいいだろう」
「常に最悪の状況を想定しろ、と隊長殿は言ってたぞ」
「なんだかんだ言って、甲冑の中は安全だ。家族のためにも外に出て戦おうなんて気は起こすなよ」
「やめろい、あんたじゃあるまいし。まだ戦闘があるとも決まってないしな」
メインシステムの起動スイッチを入れたウェブスターは、目の前のLCDを確認しながらテンポよくミッション情報を入力していく。
「自動チェック、FCS、IRCS・シンクロナイズ、弾数入力終了。GPSシンクロ、FMS各ステッピングモータ、ホイールモータ問題なし。電圧正常。GPSのコンパス微調整が遅いな」
「砂漠だから仕方ない。楽しそうだな相変わらず」
「ま、現地でもう一度チェックする。よろしく頼むぜ、相棒」
「どっちに言ってるんだ」
さも当たり前と言わんばかりにウェブスターは返した。
「コイツとお前さ」

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