八十年前に地球上に出現した謎の生命体群「ワーム」を相手に、人類は存亡を懸けて戦い続けてきた。
屍の山を築き血の河が流れる、途方も無い戦いの歴史。その中で一つ、奇妙な出来事があった。
人類、特に島国の日本はワームの動きに対して全力で警戒していた。
大陸から海を渡ってくるワームの大群勢は水際で叩き潰さなければならない。大多数のワームの上陸を許せば甚大な被害を被る。最悪、数に押し潰されて滅びる可能性すらある。
ワームの動きに対してどんな些細な流れも見落とさぬよう、一切の油断無く警戒していた。故に、その奇妙な出来事が判明したのは必然だった。
ワームの領土となった大陸。沿岸から遠く離れた内陸のとある地域で、ワームの数が激減していたのだ。
人類側は何もしていない。そもそも自国の防衛に手一杯で、ワームの領土の奥深くに戦力を送り込む余裕など無かった。
激しい戦闘が行われた形跡がある以外に理由は不明。
ワーム同士の共食いなのではないか、との意見もあったが信憑性は薄かった。
確かにワームは共食いを行う事があると確認されているが、特殊な状況下での話だ。人間も、数人が山奥などで遭難し極限状況に置かれたら人肉食いはする。それと変わらない。
限定的な状況下のみで発生する、小規模な同族同士の殺し合い。
昔に実施された対ワームの作戦で、ワームの食料である共生植物を焼き尽くし、結果的に大規模とまでは呼べないものの凄まじい共食いが発生した事例はある。だが、今回の件は過去に起こった最大の共食いとは桁が違う。
調査では大規模な共食いを行う環境には無いはずなのだ。
この過去に前例が無い奇妙な現象に対して世界中で研究が行われたが、結局何があったのか全く分からなかった。
闇の中に隠された真実を知る者は、世界のどこにも存在しなかった。そう、「この世界」には。
昔々、アルカディアという名のショッカーっぽい秘密組織があった。
地球を焼き尽くした全面核戦争後で世界各国の国力が最低限までダウンしちゃった時、アルカディアは狙ったかのようなナイスタイミングで日本で蜂起した(核戦争が起きるよう仕組んだのもアルカディアらしい)
アルカディアの主力である改造人間によって、日本は北斗の拳並かそれ以上のとんでもない状態になってしまった。
軍は核戦争で壊滅しちゃったので誰も対抗出来ない。
そんな希望? 何それ美味しいの? な状況でも希望は残されていた。
それは仮面ライダー……ではなく、アルカディアに改造手術を受けたが脳改造前に脱走した男、正義の鬼神であった。
スピーディに説明しちゃうと、正義の鬼神はたった独りでアルカディアを壊滅させて、最後の決戦でアルカディアの大首領と相討ちになった。
ここでめでたしめでたし、と言いたいけど、実は全っ然めでたくなかったんだな、これが。
アルカディア壊滅後の日本は、それまで国を蝕んでいた最大の病である平和惚けを克服した。太平洋戦争なんぞ比べ物にならない地獄を味わったのだから当たり前である。それは良かったんだけど、問題はその後。
日本は富国強兵の為に一切手段を選ばなかった。そんな日本が真っ先に目をつけたのがアルカディアの遺産だった。
究極の統治システム、政治形態である完全管理社会を実現する為の、楽園計画のデータ。
超高効率で国家を運営出来る、一言で言えば超絶チートな物(ブツ)。
冗談でなくマジで全宇宙を支配出来るだけの「力」と「可能性」を持つこいつを、君主論万歳マキャベリ万歳、勝てばよかろうなのだ思考の当時の日本人は神輿の如く担いでワッショイワッショイしちゃったのだ。
気持ちは分からんでもない。金の卵を産む鶏が目の前にいたらお持ち帰りしちゃう。誰だってそーする。俺だってそーする。
しかし、良かれと思ったこの行動が最大の過ちとなってしまうのでした。
完全管理社会の核となるマザーコンピュータは完成した途端、人間の言う事を聞かなくなった。
試合に負けて勝負で勝った。戦いは始まる前から勝敗が決定しているという。最初からアルカディアが勝者だったと気付いた時にはもう遅かった。
数十年後の日本近海。そこにはマザーコンピュータに生殺与奪権を完全に握られながら海上都市で暮らす5000万人の日本人の姿が!
海上都市連合「正統日本」の生活は悪くなかった。首筋に死神の鎌が触れた状態ではあったが、穏やかな毎日を送る事が出来た。このまま偽りの平穏が何処までも続くのだろうかと思われた矢先。
正統日本の国力の五分の一を占める大海上都市群「兵庫」が、なんと異世界に転移してしまった!
そこは魔王が支配するRPGのようなファンタジー世界。
大海上都市群「兵庫」は、勇者トンズラを倒し世界を支配する魔王ボラモスが率いる魔王軍との戦いに否応無く巻き込まれてしまうのだったのだったまる
屍の山を築き血の河が流れる、途方も無い戦いの歴史。その中で一つ、奇妙な出来事があった。
人類、特に島国の日本はワームの動きに対して全力で警戒していた。
大陸から海を渡ってくるワームの大群勢は水際で叩き潰さなければならない。大多数のワームの上陸を許せば甚大な被害を被る。最悪、数に押し潰されて滅びる可能性すらある。
ワームの動きに対してどんな些細な流れも見落とさぬよう、一切の油断無く警戒していた。故に、その奇妙な出来事が判明したのは必然だった。
ワームの領土となった大陸。沿岸から遠く離れた内陸のとある地域で、ワームの数が激減していたのだ。
人類側は何もしていない。そもそも自国の防衛に手一杯で、ワームの領土の奥深くに戦力を送り込む余裕など無かった。
激しい戦闘が行われた形跡がある以外に理由は不明。
ワーム同士の共食いなのではないか、との意見もあったが信憑性は薄かった。
確かにワームは共食いを行う事があると確認されているが、特殊な状況下での話だ。人間も、数人が山奥などで遭難し極限状況に置かれたら人肉食いはする。それと変わらない。
限定的な状況下のみで発生する、小規模な同族同士の殺し合い。
昔に実施された対ワームの作戦で、ワームの食料である共生植物を焼き尽くし、結果的に大規模とまでは呼べないものの凄まじい共食いが発生した事例はある。だが、今回の件は過去に起こった最大の共食いとは桁が違う。
調査では大規模な共食いを行う環境には無いはずなのだ。
この過去に前例が無い奇妙な現象に対して世界中で研究が行われたが、結局何があったのか全く分からなかった。
闇の中に隠された真実を知る者は、世界のどこにも存在しなかった。そう、「この世界」には。
昔々、アルカディアという名のショッカーっぽい秘密組織があった。
地球を焼き尽くした全面核戦争後で世界各国の国力が最低限までダウンしちゃった時、アルカディアは狙ったかのようなナイスタイミングで日本で蜂起した(核戦争が起きるよう仕組んだのもアルカディアらしい)
アルカディアの主力である改造人間によって、日本は北斗の拳並かそれ以上のとんでもない状態になってしまった。
軍は核戦争で壊滅しちゃったので誰も対抗出来ない。
そんな希望? 何それ美味しいの? な状況でも希望は残されていた。
それは仮面ライダー……ではなく、アルカディアに改造手術を受けたが脳改造前に脱走した男、正義の鬼神であった。
スピーディに説明しちゃうと、正義の鬼神はたった独りでアルカディアを壊滅させて、最後の決戦でアルカディアの大首領と相討ちになった。
ここでめでたしめでたし、と言いたいけど、実は全っ然めでたくなかったんだな、これが。
アルカディア壊滅後の日本は、それまで国を蝕んでいた最大の病である平和惚けを克服した。太平洋戦争なんぞ比べ物にならない地獄を味わったのだから当たり前である。それは良かったんだけど、問題はその後。
日本は富国強兵の為に一切手段を選ばなかった。そんな日本が真っ先に目をつけたのがアルカディアの遺産だった。
究極の統治システム、政治形態である完全管理社会を実現する為の、楽園計画のデータ。
超高効率で国家を運営出来る、一言で言えば超絶チートな物(ブツ)。
冗談でなくマジで全宇宙を支配出来るだけの「力」と「可能性」を持つこいつを、君主論万歳マキャベリ万歳、勝てばよかろうなのだ思考の当時の日本人は神輿の如く担いでワッショイワッショイしちゃったのだ。
気持ちは分からんでもない。金の卵を産む鶏が目の前にいたらお持ち帰りしちゃう。誰だってそーする。俺だってそーする。
しかし、良かれと思ったこの行動が最大の過ちとなってしまうのでした。
完全管理社会の核となるマザーコンピュータは完成した途端、人間の言う事を聞かなくなった。
試合に負けて勝負で勝った。戦いは始まる前から勝敗が決定しているという。最初からアルカディアが勝者だったと気付いた時にはもう遅かった。
数十年後の日本近海。そこにはマザーコンピュータに生殺与奪権を完全に握られながら海上都市で暮らす5000万人の日本人の姿が!
海上都市連合「正統日本」の生活は悪くなかった。首筋に死神の鎌が触れた状態ではあったが、穏やかな毎日を送る事が出来た。このまま偽りの平穏が何処までも続くのだろうかと思われた矢先。
正統日本の国力の五分の一を占める大海上都市群「兵庫」が、なんと異世界に転移してしまった!
そこは魔王が支配するRPGのようなファンタジー世界。
大海上都市群「兵庫」は、勇者トンズラを倒し世界を支配する魔王ボラモスが率いる魔王軍との戦いに否応無く巻き込まれてしまうのだったのだったまる
う~、獲物獲物。
今、敵を求めて全力疾走している俺は大海上都市群「兵庫」軍に所属するごく一般的な重歩兵中隊中隊長。強いて違う所を挙げるとすれば、着用している重装甲強化服が主力量産機である五式重装甲強化服じゃないってとこかナ。
普通の重装甲強化服は全高3m、基本重量500kg。外見は五頭身ぐらいで、体格が大きく手足が太い。一言で分かり易く説明するとデブなマッスル。
今、俺が着用しているのは全高3mこそ同じだが重量は二倍の1トン。元々大きい体格が更に大きく、太い手足が更に太い。普通の重装甲強化服がデブなマッスルならこいつはマッスルなデブ。マッスルデブと御呼びせざるを得ない。
仮にこいつが主役のアニメが製作されたら視聴者から大顰蹙を受けるに違いない。キモーイとかキャハハーとか童貞が許されるのは小学生までだよねー、とか。
だがそれがいい(キリッ)。この外見に心底惚れたのだ。君の圧倒的な性能に私は心を奪われた。この気持ち、正(まさ)しく愛だ!
この重装甲強化服は何だと訊かれたら答えざるを得ない。その名は試製五式重装甲強化服乙型一号機改!
現在主力である五式重装甲強化服は元々甲型と乙型の二種類が試作されていた。
乙型は甲型を上回る高性能だったが、甲型に比べて重量が二倍である事と高コストによって採用されず、試製五式重装甲強化服甲型五号機に小改良を加えたのが五式重装甲強化服として正式採用された。
で、いらない子扱いされて倉庫で埃を被っていた乙型を、いらないんだろ、使わないんだろ、だったら俺に使わせろ!と根気強く軍に要求した結果、遂にゲッチュしたという訳だ。俺専用機として改造してな!俺専用機として改造してなぁっ!(大事な事なので二回言いました)
本当は海上都市「姫路」の倉庫の奥深くで眠っている試製超重装甲強化服が欲しかったのだが、受け入れられなかった。チッ。
残念な気持ちは残るが、まぁ良いとしよう。俺はこの試製五式重装甲強化服乙型一号機改「ドMスペシャル」に心底満足している(ちなみにMはマゾヒズムではなく観鈴ちん好き好き大好き超愛してるの略。心に少年少女の輝きを!)
俺は今、両手に一つずつ長方形のような箱型をした全長2.5mの物体、25mm重機関砲を二つ持っている。
ただの25mm重機関砲じゃない。まず、標準の100発ではなく200発入りの大型弾倉を使用。
25mm重機関砲の砲口には、本体と同じ全長2.5mの箱型……いや、こいつの場合は四角形と説明した方が正しいだろうか……長距離狙撃用延長砲身が取り付けられている。砲弾の威力、命中率、射程が大きく口上するスグレ物である。
ちょっと前に25mm重機関砲を全長2.5mと言ったが、すまん。ありゃ嘘だった。正確には延長砲身を+して5mだ。
本体上部に、同じ全長2.5mの箱型をした物が取り付けられている。その形状から追加装備と思えない程ごく自然に溶け込んでおり、知らない者が見れば最初からそういう形なのだと誤解するであろう。
50mm擲弾発射機。低速、短射程ではあるが、絶大な破壊力の50mm振動熱榴弾を発射する兵器。標準の装弾数は10発だが、こいつも20発入りの大型弾倉を使用している。
一つの25mm重機関砲+50mm擲弾発射機で、25mm機関砲弾200発、50mm榴弾20発。両手の二つで400発と40発。
しかし君達は運がいい。実は両手に持った二つだけじゃないんだな。
同じ物が肩部半装着式にしたのが二つ、脇を挟むように装備されている二つが、背中の大型バックパックと接続されている。全部で6基の25mm重機関砲(延長砲身)+50mm擲弾発射機を装備しているんだよ!な、なんだってーーーーー!
しかもそれだけじゃあないッ。それぞれの予備弾倉が6個ずつ背中の大型バックパックに取り付け&ぶら下げられている。つまり、25mm機関砲弾2400発、50mm榴弾240発を持っているという事だ。たった一人の重歩兵が。乙型だからこそ可能な重装備である。
敵弾迎撃用の5連装6.25mm迎撃機関銃も二つ、尻を挟むように装備されており(こいつも大型バックパックと接続されている)、外見はゴツイ。
「ぼくのかんがえたさいきょうのそうび」状態が俺の中二ハートをピンピン……じゃなかった、ビンビンに高めていた。ああ、早く敵に会いたい。君を殲滅したい。
そんな恋する乙女のようにオーバーヒートしそうな気持ちでルンルン気分の行軍をしていた時、何の前触れも無く異変が生じた。
まず周囲の景色がいきなり変わった。さっきまではただの草原だったのに、なんかよく分からん植物が大量に繁殖してる、草原と荒野を足して2で割ったような場所になっていた。
中隊の99人以外、全ての通信が途絶。
他にも言いたい事はたっくさんあるが、今現在最大で警戒しなくちゃならんのは、俺達の中隊が妙な生物(なまもの)の大群に包囲されているという事だ。
陸上生活に適応したタコのような奇妙な生物(なまもの)である。キモイ。ぶっちゃけ気持ち悪い。しかし、あの触手が美少女にアレでナニでそんな事やこんな事をしちゃうと想像すると心が躍る!
触手はさ、気持ち悪くなくちゃいけないんだよ。美しい少女を気持ち悪い触手があんな事やそんな事を一杯しちゃうのが興奮するんだ。
そして、触手とグロは全くの別物であるというのが俺の誰にも譲れない信念だ。
アレでナニはオッケーでも、えーっ、とかうわー、な展開は嫌なんだよ。そんなのが好きな人もいるけどさ。俺にとっちゃ絶対許容出来ない一線なんだよ。
おっと、だいぶ脱線してしまった。
まぁ、なんだ。このタコみたいな生命体を、俺たちは知らない。コンピュータにも記録されていない。魔王軍のモンスターに似たようなのはいるが、どうやら別種っぽい。
他にも通信途絶やらを考えると、どうやらそういう事らしい。
転移。いや、再転移と呼ぶべきか。
俺達の中隊だけが、また異世界へ転移してしまったようだ。
俺達の中隊は行軍を停止し、いつでも攻撃出来る態勢で相手の出方を待っていた。
後方支援の二十人が、輸送車から取り出した重歩兵用大型シャベルを二刀流にして塹壕を掘り始める。一々命令しなくても動いてくれるのは優秀な証拠。後で秘蔵の画像ファイルから俺のオススメを一枚やろう。
さて、どうなるんだろうな。俺的には大暴れしたいけど任務とか色々あるし、あんまり戦いたくはない。また給料削られるかもしれないし。
だけど、相手の生物はこちらと友好的に接しようと考えているようには見えない、思えない。
このまま平和な展開で終わってほしいなー。もう給料削られたくないなー。
そんな俺の願いも虚しく、生物は一斉に動き、こっちに突撃してくる。どうせこうなるだろうと思ってたよ。
仕方無い。ああ、仕方無い。仕方無いから、お前ら全部ブチ殺す。悪く思うなよ。
見せてやろう。俺達の中隊の力を、試製五式重装甲強化服乙型一号機改の性能とやらを。
今、敵を求めて全力疾走している俺は大海上都市群「兵庫」軍に所属するごく一般的な重歩兵中隊中隊長。強いて違う所を挙げるとすれば、着用している重装甲強化服が主力量産機である五式重装甲強化服じゃないってとこかナ。
普通の重装甲強化服は全高3m、基本重量500kg。外見は五頭身ぐらいで、体格が大きく手足が太い。一言で分かり易く説明するとデブなマッスル。
今、俺が着用しているのは全高3mこそ同じだが重量は二倍の1トン。元々大きい体格が更に大きく、太い手足が更に太い。普通の重装甲強化服がデブなマッスルならこいつはマッスルなデブ。マッスルデブと御呼びせざるを得ない。
仮にこいつが主役のアニメが製作されたら視聴者から大顰蹙を受けるに違いない。キモーイとかキャハハーとか童貞が許されるのは小学生までだよねー、とか。
だがそれがいい(キリッ)。この外見に心底惚れたのだ。君の圧倒的な性能に私は心を奪われた。この気持ち、正(まさ)しく愛だ!
この重装甲強化服は何だと訊かれたら答えざるを得ない。その名は試製五式重装甲強化服乙型一号機改!
現在主力である五式重装甲強化服は元々甲型と乙型の二種類が試作されていた。
乙型は甲型を上回る高性能だったが、甲型に比べて重量が二倍である事と高コストによって採用されず、試製五式重装甲強化服甲型五号機に小改良を加えたのが五式重装甲強化服として正式採用された。
で、いらない子扱いされて倉庫で埃を被っていた乙型を、いらないんだろ、使わないんだろ、だったら俺に使わせろ!と根気強く軍に要求した結果、遂にゲッチュしたという訳だ。俺専用機として改造してな!俺専用機として改造してなぁっ!(大事な事なので二回言いました)
本当は海上都市「姫路」の倉庫の奥深くで眠っている試製超重装甲強化服が欲しかったのだが、受け入れられなかった。チッ。
残念な気持ちは残るが、まぁ良いとしよう。俺はこの試製五式重装甲強化服乙型一号機改「ドMスペシャル」に心底満足している(ちなみにMはマゾヒズムではなく観鈴ちん好き好き大好き超愛してるの略。心に少年少女の輝きを!)
俺は今、両手に一つずつ長方形のような箱型をした全長2.5mの物体、25mm重機関砲を二つ持っている。
ただの25mm重機関砲じゃない。まず、標準の100発ではなく200発入りの大型弾倉を使用。
25mm重機関砲の砲口には、本体と同じ全長2.5mの箱型……いや、こいつの場合は四角形と説明した方が正しいだろうか……長距離狙撃用延長砲身が取り付けられている。砲弾の威力、命中率、射程が大きく口上するスグレ物である。
ちょっと前に25mm重機関砲を全長2.5mと言ったが、すまん。ありゃ嘘だった。正確には延長砲身を+して5mだ。
本体上部に、同じ全長2.5mの箱型をした物が取り付けられている。その形状から追加装備と思えない程ごく自然に溶け込んでおり、知らない者が見れば最初からそういう形なのだと誤解するであろう。
50mm擲弾発射機。低速、短射程ではあるが、絶大な破壊力の50mm振動熱榴弾を発射する兵器。標準の装弾数は10発だが、こいつも20発入りの大型弾倉を使用している。
一つの25mm重機関砲+50mm擲弾発射機で、25mm機関砲弾200発、50mm榴弾20発。両手の二つで400発と40発。
しかし君達は運がいい。実は両手に持った二つだけじゃないんだな。
同じ物が肩部半装着式にしたのが二つ、脇を挟むように装備されている二つが、背中の大型バックパックと接続されている。全部で6基の25mm重機関砲(延長砲身)+50mm擲弾発射機を装備しているんだよ!な、なんだってーーーーー!
しかもそれだけじゃあないッ。それぞれの予備弾倉が6個ずつ背中の大型バックパックに取り付け&ぶら下げられている。つまり、25mm機関砲弾2400発、50mm榴弾240発を持っているという事だ。たった一人の重歩兵が。乙型だからこそ可能な重装備である。
敵弾迎撃用の5連装6.25mm迎撃機関銃も二つ、尻を挟むように装備されており(こいつも大型バックパックと接続されている)、外見はゴツイ。
「ぼくのかんがえたさいきょうのそうび」状態が俺の中二ハートをピンピン……じゃなかった、ビンビンに高めていた。ああ、早く敵に会いたい。君を殲滅したい。
そんな恋する乙女のようにオーバーヒートしそうな気持ちでルンルン気分の行軍をしていた時、何の前触れも無く異変が生じた。
まず周囲の景色がいきなり変わった。さっきまではただの草原だったのに、なんかよく分からん植物が大量に繁殖してる、草原と荒野を足して2で割ったような場所になっていた。
中隊の99人以外、全ての通信が途絶。
他にも言いたい事はたっくさんあるが、今現在最大で警戒しなくちゃならんのは、俺達の中隊が妙な生物(なまもの)の大群に包囲されているという事だ。
陸上生活に適応したタコのような奇妙な生物(なまもの)である。キモイ。ぶっちゃけ気持ち悪い。しかし、あの触手が美少女にアレでナニでそんな事やこんな事をしちゃうと想像すると心が躍る!
触手はさ、気持ち悪くなくちゃいけないんだよ。美しい少女を気持ち悪い触手があんな事やそんな事を一杯しちゃうのが興奮するんだ。
そして、触手とグロは全くの別物であるというのが俺の誰にも譲れない信念だ。
アレでナニはオッケーでも、えーっ、とかうわー、な展開は嫌なんだよ。そんなのが好きな人もいるけどさ。俺にとっちゃ絶対許容出来ない一線なんだよ。
おっと、だいぶ脱線してしまった。
まぁ、なんだ。このタコみたいな生命体を、俺たちは知らない。コンピュータにも記録されていない。魔王軍のモンスターに似たようなのはいるが、どうやら別種っぽい。
他にも通信途絶やらを考えると、どうやらそういう事らしい。
転移。いや、再転移と呼ぶべきか。
俺達の中隊だけが、また異世界へ転移してしまったようだ。
俺達の中隊は行軍を停止し、いつでも攻撃出来る態勢で相手の出方を待っていた。
後方支援の二十人が、輸送車から取り出した重歩兵用大型シャベルを二刀流にして塹壕を掘り始める。一々命令しなくても動いてくれるのは優秀な証拠。後で秘蔵の画像ファイルから俺のオススメを一枚やろう。
さて、どうなるんだろうな。俺的には大暴れしたいけど任務とか色々あるし、あんまり戦いたくはない。また給料削られるかもしれないし。
だけど、相手の生物はこちらと友好的に接しようと考えているようには見えない、思えない。
このまま平和な展開で終わってほしいなー。もう給料削られたくないなー。
そんな俺の願いも虚しく、生物は一斉に動き、こっちに突撃してくる。どうせこうなるだろうと思ってたよ。
仕方無い。ああ、仕方無い。仕方無いから、お前ら全部ブチ殺す。悪く思うなよ。
見せてやろう。俺達の中隊の力を、試製五式重装甲強化服乙型一号機改の性能とやらを。
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